【改稿版】リボーンの世界に呼ばれてしまいました   作:ちびっこ

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あまり話が進んでません。軽く流す程度で問題なしです。

なぜなら、凄くわかりにくい伏線が1つしかありません。
他は何度も繰り返してる伏線だけです。

……物凄く酷い誤字がありました。ごめんなさい。


厄介な性格

 雨戦後、ディーノとリボーンは一緒にいた。優について話をするためだ。部下が居ないとディーノはヘナチョコになるので、会話に加わることはないがロマーリオも居る。

 

「おめーのところに入るしかねーのか?」

「ああ」

 

 ディーノの返事を聞いてもリボーンは驚かなかった。優がそう判断したなら入らなければならない可能性が高い。下手に話してしまうと優が逃げ出すのでディーノは言葉を選びながら口にする。

 

「これはわかっちまうから話すが、あいつが入ればオレのところは同盟の中で1番大きくなる」

 

 リボーンは納得した。昨日ディーノのが忙しく話せなかったのは、根回しなどが必要だったからだと。しかしそこまで影響を与えるとは思ってはいなかった。

 

「……リボーン」

「なんだ?」

「あいつの力になってやってくれ」

 

 リボーンはジッとディーノの顔を見た。もうリボーンは正体を知っている。言わなくても協力するとディーノはわかっているはずだ。

 

「多分あいつはまだ何かを隠してる。お前ならそれがわかると思うんだ」

「おめーらでもわからねぇのか?」

「ああ。恭弥でも厳しいだろう」

 

 リボーンは優と似ている箇所は頭をつかうこと思っている。だが、この2人も頭が悪いわけではない。その2人がわからないと言い切るのなら、その線は薄い。他の内容で2人よりもわかることとは何かと考えながらもリボーンは口にした。

 

「いいぞ。任せとけ」

「助かるぜ。あいつは簡単に口を割らねぇし、無理に聞き出すと逃げそうでお手上げなんだ」

「あいつはそういう奴だからな」

 

 ディーノは思わず遠い目になった。近づけば近づくほど、優は厄介な性格とわかるのだ。慣れてしまえば雲雀の方がわかりやすいと思える。

 

「問題はあいつらが気付くかどうかだな」

「実際のところどうなんだ?」

「ツナは無理だな。巻き込みたくねぇ堂々の1位だ」

 

 やはり……とディーノは頷いた。ディーノが顔を出した時に優を誘わないかとツナに聞いたことがあった。人数が多すぎると優は子ども達の面倒をみるので、迷惑をかけることになるとわかっているので別の機会に誘うと言った。ツナは優と一緒に子ども達の面倒をみるのはいいが、任せきりになるのが嫌だったのだ。それを聞いたディーノは互いに大事にしていると微笑ましく思ったことがあった。……今はそれが原因で察することが出来ないのだが。

 

「オレらが教えても解決にはならねーしなー」

 

 困ったようにディーノは頭をかいているとケイタイが鳴った。部下からだったのでリボーンに断りを入れてから電話に出る。

 

「なに!?」

 

 報告を聞いていたディーノが、突如声をあげた。リボーンは雨戦のフィールドだったB校舎にディーノの部下が侵入していたことを知っていた。山本のために侵入したが、スクアーロを助けたという報告だろうと2人は予想していた。今日の試合が負ければ、ツナ達を逃がすためにディーノは戦い、その間に部下が助けた山本も病院に運ぶ段取りだった。勝った場合はリボーンと話をすると決めていた。どちらの場合もディーノの予定は詰まっていたのだ。そのため、あらかじめ病院の手配をしディーノが居ない状況でも緊急手術ができる状態にしていた。

 

 目で合図されリボーンはディーノの肩に乗る。ディーノが動かなければならない事態が起きた。

 

 はぁと溜息を吐き、電話を切ったディーノにリボーンは声をかけた。

 

「何があったんだ?」

「オレらがB校舎で試合があると気付いたなら、あいつも気付くと考えるべきだった……」

「あいつも侵入していたのか」

 

 ディーノは頷いた。

 

「無事なのか?」

「無事も何も、鮫を真っ二つにしスクアーロを助け出してる」

「ディーノのファミリーだからな。おめーの判断に任せる」

 

 リボーンの言葉を正確に理解したディーノは頭を抱えたくなった。どれぐらい注意し、褒めるのかをディーノに丸投げされたからだ。

 

「ツナも苦労する未来がみえるぜ……」

 

 ポツリと呟いたディーノの言葉をリボーンとロマーリオは否定出来なかった。

 

 

 

 

 

 スクアーロを助け出した優は、家に帰らず病院にいた。空を飛び、車を追ってきたのだ。

 

 運ばれた治療室で気配を消しながら近づけばギョッとされたが、ディーノが手配した医者だったので腰を抜かすことはなかった。ディーノの部下達が警戒を解いたのも大きいのだろう。

 

 顔を出した優は素人によるものと前置きして触診して気になった箇所を医者に話す。その時に助けだした時の脈拍などもしっかりと伝えた。

 

(後はお医者さんに任せよ……)

 

 話し終えた優が出来ることはもうないので帰ろうとしたところでディーノとリボーンの姿が見えた。眠かった優は部下の人から話を聞いてと言おうとすれば、ディーノに肩を掴まれる。

 

「……頼むから、乾かしてくれ」

 

 ディーノに言われ、自分の身体を見た優は納得した。服は水に強いので乾いているが、髪から水がポタポタと落ちている。

 

“ああ、悪い。病院が汚れるよな”

「そうじゃねぇ……。風邪ひくだろ?」

“風邪、ひいたことがない”

 

 優に発言にディーノは驚いた。だからといって心配にならないわけではない。

 

「ちょっと待ってろよ」

 

 それだけ言うとディーノはどこかへ行ってしまった。

 

“僕は早く帰りたいのに……”

「すぐ帰ってくるだろ」

 

 帰ることは出来ないらしい。優はフードの上から頭をかいた。さらに水が落ちることに気づき、手をおろす。

 

“あーそうだ。明日の試合はなんだ?”

「霧だぞ」

 

 まだだと知った優は溜息を吐いた。戦いたくはないが、待ちっぱなしも嫌なのだ。

 

「おめーに師匠がいたんだな」

“まぁな。ここ数日は見てもらってないけどな”

「そうなのか?」

“僕がいっぱいいっぱいだから”

 

 リボーンは納得した。リング争奪戦の影響で精神的に弱っているのだ。そんな中鍛えても意味はないだろう。

 

「いつごろから鍛えてんだ?」

“封印が解けてから数ヵ月後だったな。君が僕をつけた後だったと思う”

「……気付いていたのか」

“僕は人の気配に敏感なんだ。特に君は一般人とまるで違う動きだったからすぐにわかった”

「風の守護者か……」

 

 どうやらリボーンに風を操れると気付かれたらしい。ヒントも多く正体よりも簡単だったので、時間の問題と思っていた。今までは正体の方を優先していたのでバレなかっただけだ。

 

“対戦相手の武器は風を集める性質がある”

「勝てそうか?」

 

 ツナに向かって攻撃された時、優は防ぐことで手一杯だったので聞いたのだろう。

 

“1番の懸念は僕のやる気”

「そうか」

 

 誰かのためにしか戦う気がない優は、もしツナが転生者らしき人物でもいいといえばあっさりと身を引く。ツナの中では風の守護者は決まっているのだが、優は気付いていないのである。

 

 ディーノが戻ってくる気配がしたので視線をそちらに向ける。

 

「シャワー借りれる手配をしたから、入ってくるんだ」

“……もう帰るから別に良かったのに”

「いいから入って来い。ボス命令だ」

 

 仕方がないという風に優がロマーリオの後についていったのを見て、ディーノは疲れたように息を吐いた。注意や褒めるどころではないのだから。

 

「ほんと、恭弥はよくやってるぜ……」

 

 逃げ出さない加減の手綱を引かなければならない。これからのことを思い、ディーノは気合を入れたのだった。

 

 

 

 

 

 病院のシャワーを借り終わった優は溜息を吐いていた。帰るタイミングを完全に逃してしまった。ディーノに迷惑をかけるしかないだろう。

 

「少しは身体が温まったか? ちゃんと乾かしたか?」

 

 ディーノがロマーリオのように甲斐甲斐しく世話をし始めたことに疑問をもちながらも、優は頷いた。

 

“……ディーノ”

「なんだ?」

“その、頼みたいことがあるんだ”

「もちろん力になるぜ」

 

 優はホッと息を吐いたところで、ケイタイが振動する。画面を見ると雲雀からだった。

 

「こっちなら大丈夫だ」

 

 病院でも問題ない場所を教えてもらい、優はそこで電話を出た。

 

『どこにいるの?』

“悪い、今日はいけそうにない”

 

 ほんの僅かだが言葉が詰まったのを優は聞き逃さなかった。試合を見ていた雲雀は優が何をしたのか想像ついたのだ。

 

“心配しなくても約束は破っていない。明日には戻る”

『わかった。僕は待ってるよ』

 

 朝一から応接室に行こうと思いながら優は電話を切った。

 

「恭弥からか?」

“ああ”

 

 先ほどの会話を聞いたディーノは根気よく心配していれば伝わるのかと判断した。

 

「それでオレに頼みってなんだ?」

“今から僕のことを頼んだ”

「は?」

 

 理解していないと思っていたが、優はディーノに寄りかかるように寝た。

 

「お、おい!?」

「何があったんだ?」

 

 ディーノの声が聞こえたのか、リボーンもやってきた。だが、聞かれてもわからない。声をかけているが、返事がないのだ。そのためフードを取らずにリボーンが優の身体を診はじめる。

 

「眠ってるだけのようだぞ」

「……眠ってる?」

「ああ。水の中に浸かっただけでなく、体力も渡しただろうしな。疲れていたんだ」

 

 気の抜けたようにディーノに息を吐いた。人騒がせでしかない。

 

「あいつは自分の限界に気付いていたみてーだからな。引き止めたおめーも悪いぞ」

「そうだったのか?」

「ああ。引き止められた時に頭をかいたんだ。困った時によくするぞ」

「あいつにそんな癖があったのか?」

 

 ディーノは素の優のイメージが強い。正体がばれてからはフードをかぶってる時もいつものように話していたのだから、当然だろう。

 

「普段は笑って誤魔化してるんだ。そういう意味では今の姿の方がわかやすくていいぞ」

 

 なるほど……と感心したようにディーノは眠っている優を見た。普段の優は無茶しないがわかりにくく、正体を隠して行動する時は無茶をするがわかりやすい。

 

「恭弥が否定しないわけだ……」

 

 どちらの姿も優だとディーノは気付き、ほんの少し雲雀に近づいたのだった。


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