Blood&Guilty   作:メラニン

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こんな場ですが・・・

祝!原作アニメ化二期!!(ブルーレイだけどね・・・)


今回の章でちょこちょこ話に出てきてるブルー・エリジアムが舞台らしいですね!(アヴローラのとこ、多分全部カットなんでしょうけどね・・・)


やべえよ・・・こっちは全然追いつかねえよ・・・いや、頑張ります。はい


ってなわけで、どうぞ!



王の休日編II

 

絃神島のアイランド・サウスとアイランド・ウェストの境にある市民プールは、新しく開設される複合型リゾートパークであるブルーエリジアムの登場によって、経営の先行きが不安になっているというのが現状である。

 

 

人工増設島(サブフロート)丸々1つがテーマパークとあっては、住人は否応なく興味を持ってしまうだろう。その経営戦略は見事にヒットし、段階的に解放しているだけとはいえ、既に元あった絃神島の市民プールの経営を圧迫していた。

 

 

悲しいかな、開設当初は高温多湿の気候も相まって、島中の人間が訪れた事がある程であったのに、今日の客数はピーク時の20分の1にまで落ち込んでいた。さらに、この日に関しては、泣きっ面に蜂とでも言わんばかりに、遊んでいた客の多くが帰宅を開始してしまったのだ。

 

 

理由としては、突如として厳ついグラサン黒スーツの男達が数名、プールサイドに現れたからである。さらに、それでも帰らなかった客も居たには居たのだが、急に何かに取り憑かれた様に帰路に着いてしまったではないか。これには、申し訳程度に配置されている警備員もビックリである。

 

 

結局残ったのは、高校生くらいと思しきグループの少年少女達のみであり、そしてその警備員も、何やら作業着を着た人に呼び出されたかと思えば、奥へと引っ込んでしまった。実質的にその高校生グループの貸切状態である。そして、その中心に居るのは、濃紺ビキニがよく映える、銀の長髪に、誰もが振り向く様な美貌を醸し出す少女であった。

 

 

「1週間振りですね、古城。それに、雪菜も夏音も」

 

 

「はい、元気そうで良かったです、ラ・フォリア」

 

 

「あ、こ、この間はありがとうでした」

 

 

「…………何で、ラ・フォリアがここに居るんだよ」

 

 

「実はアルディギアと、魔族特区である絃神島とは政府を介さない独自のパイプも得たいと思っていまして。その手続きや、外交のために滞在中なのです。今日はその息抜きという事で、紗矢華に連れて来てもらいました」

 

 

そう、客が次々と帰った原因はこの王女様であった。お付きのSPが若干なりとも恐怖の対象となっていたのだろう。それと併せて、護衛のリスクを減らすために、獅子王機関の舞威姫である煌坂紗矢華が一般人に用いても問題のない呪言で、帰らせたのだ。

 

 

そして、ラ・フォリアは自分の隣に居る紗矢華を前に引っ張り出した。当の本人は、赤紫色の水着に身を包み、腕で体を隠す様にしている。表情は明らかに恥じらっている時のそれであり、顔は赤く染まっていた。そして、前引っ張り出された瞬間、親の仇でも見る様な目で、古城を睨み付けていた。

 

 

「………何だよ、煌坂?俺なんかしたか?」

 

 

「う、うぅ〜〜………うっさい!灰になれ、暁古城!」

 

 

「何でだよ!?いきなり理不尽過ぎんだろ!!」

 

 

「目付きがイヤラシイのよ!さっきから、私や王女の胸ばかりに視線がいってるの、気付かないとでも思った!?」

 

 

「ぐ……」

 

 

「「へぇ〜〜……」」

 

 

古城のその背後、2つの影がユラリと揺れる。普段ヨソヨソしいこのコンビも、この時だけは一致団結している様である。

 

 

「先輩?何か言い訳が出来ますか?」

 

 

「古城、あんた本当にいい度胸してんわね」

 

 

「そ、そうなんですか、お兄さん?」

 

 

「い、いや、違うぞ!?た、確かに目が行って無かったって言ったら嘘になるが、それは動くものをツイツイ目で追っちまう動物的な本能というか――」

 

 

「ラ・フォリアや、紗矢華さんの水着姿で、本能的に欲情していたという事ですか、そうですかそういう事ですか」

 

 

「曲解だ!!」

 

 

「そ、そう言えば、産まれて1年くらい経ったくらいの男の子が、女の子を目で追う時と同じ様な…」

 

 

「俺はオス猫か!?違うからな、叶瀬!?」

 

 

古城の必死の弁解も、怒り心頭の少女達耳には、耳障りの雑音にでも聞こえているのか、表情が硬くなっていく。その背後では、すっかり傍観を決め込んでいる2名のクラスメイトが話し合っていた。

 

 

「………ねぇ、矢瀬。私さ、あの人――もとい………あのお方見た事が有る様な気がするんですけど、気のせい?」

 

 

「残念ながら気のせいじゃないな。昨日もニュースに出てたし。まぁ、あの人はアルディギアの第一王女様だな………夢じゃないぞ?」

 

 

基樹は頬を抓る倫に、現実だという事を理解させておく。そして、その会話を聞いていたらしいラ・フォリアが、プールの中を水音を立てて歩いてくる。倫にとっては正しく未知との遭遇だろう。

 

 

「お初にお目に掛かります。私はアルディギア王国現国王が長女、ラ・フォリア・リハヴァインと申します」

 

 

「え、は、はい!わ、私は築島倫です!暁君とはクラスメイトで、よく一緒に遊んでいて……えっと……」

 

 

完璧にテンパっている彼女の自己紹介が可笑しかったのか、ラ・フォリアはクスクスと笑みを零す。

 

 

「ふふ、大丈夫ですよ、倫。いつも通りに接していただいて構いません。同性で普通の話が出来る友達が祖国には居ませんから。出来れば異国の友達くらいには、普通に接してもらいたいのですよ」

 

 

「………後で、打ち首とか言わない?」

 

 

「ええ、言いません。それにアルディギアの極刑は、打ち首ではなく、銃殺か電気イスですよ?」

 

 

「聞きたく無かった!何で今このタイミングで教えたし!?」

 

 

「ふふ、愉快な方ですね。冗談ですよ、安心して下さい。どちらも昔の極刑で、今は行われて居ません。それとここは公式の場では有りませんから。無礼講というやつです」

 

 

「…………はぁ、分かったわ。じゃあ、私もラ・フォリアって呼ばせて貰うわね?これでいい?」

 

 

「はい、それでお願いします♪」

 

 

ラ・フォリアは手を合わせて微笑む。その表情は同性である倫であっても、思わずドキリとしてしまいそうな可愛らしさと、美しさがあった。

 

 

「…………うぅ、同じ人間で何でこんなにも違うのか」

 

 

「まぁ、諦めとけよ、築島。この世の中は理不尽だ。俺たち凡人には凡人なりの良さが有るさ」

 

 

「………うん、なんか今彼女持ちのアンタからそういうの聞くと、ムカッ腹立つわ。沈めていい?」

 

 

「ここに居る女は物騒なのしか居ないのか!?」

 

 

基樹は空を仰いで叫び、ラ・フォリアはその様子を見て、再びクスクスと笑っていた。そして、古城は雪菜、紗矢華、夏音、浅葱に相変わらず絡まれている。そこでふと、ラ・フォリアはここに居ない人物を気にして、キョロキョロと周囲を見渡す。

 

 

「そう言えば、集といのりを見かけませんね。今日は一緒では無いんですか?」

 

 

「「「「あーー………」」」」

 

 

数名の言葉が被る。そして、非難の目が古城へと集まるではないか。古城は気まずそうに視線を逸らして、答えるつもりは無いとでも言わんばかりに閉口してしまう。

 

 

「………まさか、死んでしまったのですか!?」

 

 

「いやいや、ラ・フォリア。違うって。桜満君はあそこよ」

 

 

「あそことは……あぁ、パラソルの下ですね………まぁ…!」

 

 

倫がそう言って約50m先を指差した場所には、パラソルの下で座り込んでいる少女達がいた。片方は桜髪を後ろで1つに結わえて、普段見ない髪型が目新しい。だが、どこかソワソワしている様な様子である。そしてもう一方は、黒髪でこちらも位置は違うが後ろで1つに結わえている。だが、表情は何時もの快活そうな物とは違い、どこか憂いがある様な表情である。

 

 

桜髪の方の少女の方をよく見ると、膝の方に手を置いてそこをジッと見ている。黒髪の少女も同様である。角度の問題で分かりづらかったが、少し角度をズラして、斜め方向から見ると、その全容が明らかとなった。

 

 

いわゆる膝枕状態で、件の少年は横たわっていたのだ。横たわっている少年、桜満集は、桜髪の少女――楪いのりに膝枕をしてもらっている上で、黒髪の少女――暁凪沙に団扇で扇いでもらっていた。時折、集の額に乗っけているタオルを凪沙がクーラーボックスから出した水で冷やして、交換を行っている様だ。

 

 

他所から見れば、何を天国な様なところに居るんだと、苦情が飛んで来そうなものであるのだが、その表情は疲れ切った様な、もしくは苦しそうな表情であった。

 

 

「………あれはどうしたのですか?」

 

 

「えっと………何と言いますか…」

 

 

雪菜が口籠り、それを代行する様に基樹が今度は口を開く。

 

 

「ま、一言で言えば、コイツの悪癖が出たってことですよ、王女殿下」

 

 

「悪癖、ですか?」

 

 

「そうそう。コイツ――暁古城の一番の欠点って奴だな。このバカは、妹を溺愛してるんですよ。えっと、そうだな……貴国の現国王や前国王が、貴女に取る態度と同じと取っていただければお分かりになります?」

 

 

「なるほど、そういう事ですか。納得しました」

 

 

「おいおい、納得するなよ!アルディギアの現国王がラ・フォリアに取ってる態度ってアレだろ?娘に手を出した奴は自国の軍事力全部使って叩き潰すみたいな。俺はそこまで酷くねえ」

 

 

「ふふ、さしずめ妹さんと集の間に何かがあって、古城が勝負でもふっ掛けたのではありませんか?」

 

 

「ぐ……」

 

 

ピタリと言い当てられた古城はぐうの音も出ない様である。確かにその通りであり、一連の騒動があった事で、少しの休憩を挟んで、古城は集にもう一度競泳勝負を叩き付けたのだ。集も気まずさがあり、これで少しでも古城の機嫌が直るならばと快諾した。そして2本ほどは集も普通に泳げていたが、段々とペースダウンし、最終的に5本目でギブアップした。

 

 

思いの外体力を消耗していたらしく、5本目を泳ぎ切った後にはグッタリと倒れてしまったのだ。そもそも、臨死体験直後の身体で泳ごうとする事自体無謀である。結局、プールサイド沿いの拠点に運ばれ、古城はこってり凪沙に絞られて、ヘソを曲げた凪沙から暫く近づくなと言われる始末である。

 

 

結果、集の介抱は、いのりと凪沙がする事となり、他のメンバーは引き続き遊んでいたところに、紗矢華を引き連れたラ・フォリアが現れたという訳だ。

 

 

「まぁ、でもあれはアンタが悪いわよ。臨死体験した桜満君相手に全力で勝負しようとするんだもん。そりゃ凪沙ちゃんだって怒るわよ」

 

 

「ぷくく………加えて、凪沙ちゃんに『古城君、どっか行っといて!』だもんなぁ?くく……あ、あん時のお前の顔はホント笑…笑え……ぶぁははははは!!」

 

 

「うるせー、矢瀬!」

 

 

「けど、何でお兄さんは桜満先輩に突っ掛かったんですか?」

 

 

「う…べ、別にそんなつもりは無かったんだが……」

 

 

純粋な夏音の眼差しが古城に突き刺さり、古城は後ろめたさと羞恥心で彼女の顔を直視できなかった。それを(たしな)めるかの様に、ラ・フォリアがやんわり夏音に話し掛ける。

 

 

「夏音、あまり古城を問いただしてはいけませんよ?」

 

 

「そうだったんですか?ご、ごめんなさいでした、お兄さん」

 

 

「お、おう…」

 

 

「えぇ、古城はいわゆる『しすこん』という人種だそうですから」

 

 

「はっ!?」

 

 

「「「「ぶはっ…!」」」」

 

 

「しす…こん?」

 

 

同時に何名かが笑を堪え切れずに吹き出した。夏音は言葉の意味が分かっていないらしく、首を傾げているが、果たしてそれは幸いと言えるのだろうか?取り敢えず、この場では幸いとしておこう。

 

 

「ラ、ラ・フォリア!意味分かってて言ってんのか!?あと、俺はシスコンじゃねえ!!」

 

 

「あら、おかしいですね?『しすこん』とは、妹や姉の事を愛している者の事を指すのでは?」

 

 

「ち……違わねえけども、何か違う……ような…」

 

 

「大体合っているのでしょう?でしたら、古城は『しすこん』という事で良いのではありませんか?」

 

 

「そ、それは、違う!」

 

 

「え……お兄さんは、凪沙ちゃんの事が嫌いなんですか?」

 

 

「そ、そうじゃなくてだな!」

 

 

古城の前には容姿が瓜二つの、悪魔と天使が居るように見えてならなかった。当然、口には出来ないわけだが。周囲の人物たちは、笑いを堪えるので必死である。

 

 

「ち、違うんですか、お兄さん…?」

 

 

「そんな事ありませんよ、夏音。古城は妹君の事は愛してらっしゃる筈ですよ。ね、古城?」

 

 

「…………もう、シスコンでも何でもいいです」

 

 

その言葉を聞いて、夏音の顔にはパァと明るさが戻る。彼女からしたら、兄妹で仲が悪くなってしまったのか?と純粋な心配をしていたのだ。それが杞憂であったと知って、安心したのだろう。1人の少年のプライドの犠牲によって、純粋な少女の心は守られたのである。

 

 

「あーはははははは!!さ、最高!あ、暁が…シ、シスコンって、自分から…………む、無理、お腹痛い!あはははははは!!」

 

 

「お、お倫、そんなに笑ったら、古城…が可哀そ……ぷっ……だ、だから、笑うのやめ…ふ、ふふ…」

 

 

「いやぁ、さすがだな、王女様は!それに、夏音ちゃんも!まさか、古城が自分からシスコンって言うとはなぁ」

 

 

「………先輩、ちょっと引きます」

 

 

「ね、雪菜。男ってやっぱりイヤラシイでしょ?」

 

 

「いえ、多分先輩が異常なだけです。それを言ったら他の男性に失礼ですよ、紗矢華さん」

 

 

散々に言われ放題である。既に古城のHPバーは赤く点滅している様な状態である。あと一撃でも加えられれば、撃沈しそうな勢いと言わんばかりだ。そして、その無慈悲な一撃を加える人物がいつの間にか居た事に彼は気付いていなかった。

 

 

「古城君…?」

 

 

「な、凪沙!?」

 

 

そう、彼の妹である暁凪沙だ。まるでゴミでも見る様な目を実の兄に向けている。少なくとも肉親へ向ける視線では無いだろう。

 

 

「ち、違うぞ、凪沙!さっきの会話は――」

 

 

古城が一歩を踏み出すと、凪沙は同じ距離を後退る。もう一歩踏み出しても結果は変わらなかった。そして、ただ一言――

 

 

「古城君……私、家出て行くね?」

 

 

「ま、待て、凪沙!さっきのは本当に違う!」

 

 

「サヨナラ」

 

 

「ま――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「待ってくれー!!!」

 

 

ガバリと起き上がり、古城は自分の手を見る。ここはアイランド・サウスに存在する自宅であり、自室である。ジットリと嫌な汗を掻き、自分の首筋を拭って、軽く汗を拭く。時刻を見れば、朝の10時過ぎを指していた。

 

 

古城は改めて自分の姿を確認する。身に付けているのは、Tシャツに短パンという部屋着で、現在自分が居るのは自室のベッドの上である。暑かったのだろう、自らに掛かっていた筈の布団は床へと落下していた。

 

 

「は、はは………はぁ………」

 

 

ただただ彼は安堵の溜息を吐いた。と、そこで何やら玄関先で物音がしたのに気が付いた。扉を開けてみれば、彼の妹が若干汗に濡れていた。おそらく外出してきたのだろう。手には大量の氷の入ったビニル袋が2つも下がっていた。

 

 

「ただいまー。ふぅ……あっつ〜い〜。あ、古城君おはよう。ようやく起きたんだね。あ、そうそう!今日この辺停電してるみたいだから、クーラー使えないんだ。それで冷蔵庫も止まっちゃってるから、急いで氷買って来たの!そしたらね!偶然集さんと会ったよ!それで……ジャッジャーン!!福引でプールのタダ券貰っちゃいましたー!早速行こうよ、古城君!他にも集さんが皆呼ぶって言ってたしさ!あ、その前に水着買いたいから、お買い物付き合ってよね!……って、あれ?古城くーん?」

 

 

「は……はは……」

 

 

古城はいつもの様に捲したてる様に喋る妹の手に握られている、その紙切れを見て、乾いた笑い声を上げる。

 

 

「……次は間違えない様にしよう」

 

 

 

古城はただポツリとそう呟いたという。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――おまけ(夢オチ後の話)

 

 

市民プールのウォータースライダーにて。このウォータースライダーはボードを使用し、複数人で使うタイプのものである。

 

 

「じゃあ、組み分けを発表!………じゃじゃん!」

 

 

Aグループ

古城、雪菜、浅葱

 

 

Bグループ

集、いのり、凪沙

 

 

Cグループ

倫、ラ・フォリア、夏音

 

 

「で、何で矢瀬と煌坂は滑らないんだよ?」

 

 

「やめてくれ、古城。俺と男嫌いの煌坂ちゃんと滑ったら、ゴールに着く頃には俺の命が消えてる」

 

 

「あら、分かってるじゃないの、矢瀬基樹。私の中でミジンコ一匹分くらいにはあなたの評価が上がったわ」

 

 

「………ほらな?」

 

 

「………紗矢華さん」

 

 

「しょ、しょうがないのよ、雪菜!私だって出来ればイロイロと慣れていきたいけど、まだ近くに男が居ると思うと、こう……呪い殺したく………」

 

 

「「怖えよ!!」」

 

 

「……分かりました。じゃあ、一緒に滑りますか?本来は3人用ですけど、監視員さんも居ないですし、ちょっとくらいなら平気だと思います」

 

 

「………あ、暁古城!変なトコ触ったら、後でぶっ飛ばす!」

 

 

「触らねえよ!!……はぁ、もうとっとと滑っちまおうぜ。なぁ、浅葱」

 

 

「………そうね。さっさと終わらせましょ」

 

 

「あ、あの、藍羽さーん?」

 

 

「ふん」

 

 

「な、何なんだよ一体?」

 

 

「「「「はぁ……」」」」

 

 

「とにかく、行きましょう、先輩。ほら、ボードを持ってください」

 

 

「へいへいっと。…………っし、これでいいか?えっと、どう座りゃいいんだ?」

 

 

「体重のバランスとか考えるなら、古城が中心で、女性陣はその周りって風にすれば、重心が安定するんじゃない?」

 

 

「あぁ、なるほどな。サンキュ、桜満」

 

 

「じゃあ、古城。とっとと座っちゃってよ。私達も適当に座るから」

 

 

「えっと、これでいいのか?」

 

 

「ほら、紗矢華さんも」

 

 

「え、えぇ……ちょ!暁古城!今、肘が――」

 

 

「さっさと行け」

 

 

ゲシッ!

 

 

「「「「あ」」」」

 

 

「矢――」

「ちょっ!」

「ふぇ!?」

「な――」

 

 

「うおぉぉぉぉ!!?」

 

 

「「「きゃあぁぁぁぁぁ!!」」」

 

 

「………基樹、あとで知らないよ?」

 

 

「はっはっは、いいんだよ、アイツはこんくらいで。じゃあ、次は集たちだな」

 

 

「………蹴らないでよ?」

 

 

「分かってるって」

 

 

「……本当に蹴らないでよ?」

 

 

「ワカッテルッテ」

 

 

 

 

↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓

 

 

お約束♪

 

 

 

 

 

 

 

 





夢オチでした♪

丁度、今季アニメでReゼロやってますんで、便乗してみました。(まぁ、死に戻りじゃなくて夢オチでしたけど…一応ウォータースライダーの話は現実のものとして扱ってください)












さて、若干場違いかもしれませんが、筆者がもう片方の『Extra』を執筆しようと思うようになった切っ掛けの作品の作家さんが、今年5月ごろ亡くなっていた事を知りました。この場をお借りして、心よりご冥福をお祈り申し上げます。












では、また次回

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