Blood&Guilty   作:メラニン

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えー・・・今回は以前どっかで書いていた子供たちが出てきます。正体はこいつらです。


原作を知らない方のために、後日人物設定のところに追加します!


では、どうぞ!


異邦の歌姫編II

8月7日。とある村には孤児だけで暮らす一風変わった家があった。一応の家長を、銀髪に赤目、褐色肌で左目の下に切り傷の跡の残った少年が務めており、共に暮らしている少年少女たちからは全幅の信頼を寄せられている。

 

 

決して村自体が裕福という訳でもないが、貧しすぎるという事もない。人々は穏やかな人間が多く、一言で言えば良い村と言えるだろう。それ故、孤児だけの家も周囲の手助けもあり、子供たちだけでやって行けてるという事だ。

 

 

普段その孤児達の家は、5人のみなのだが、この日だけは人数が違っていた。1人増えていたのだ。その1人と言うのが、赤と黒を基調にしたドレスの様な服を着た人物であり、遺跡で気絶していた所を、家長である少年と、もう一人で家へと運んだのだ。現在は2人の少女が別室で看病しており、少年達はテーブルを囲んで話し合っていた。

 

 

「どうするの、ジョナサン?一応あの遺跡の抜け道は見つけられたけど、まさか女の子を拾うハメになるとは思わなかったよ」

 

 

ニット帽を被った少年が、家長である銀髪の少年に話しかける。

 

 

「僕も考えてるよ、モーリス。明日の朝、目を覚ましたらイロイロ聞いてみよう。もし行く所が無ければ、ここに置いてあげなきゃいけなくなるかもしれないから、少し仕事も頑張らないと」

 

 

ジョナサンと呼ばれた家長の少年がそう言うと、残り1人の髪が逆立っている少年が、少し嫌そうな顔をした。

 

 

「えぇ!?けど、今以上に働くのは辛いし……」

 

 

「ジャノ、この村では助け合うのがルールなんだ。だから、少し頑張ろう?それに、あの子も働いてくれるかもしれないし」

 

 

嫌そうな顔をした少年ジャノは、ジョナサンに言いくるめられて、渋々といった様子ではあるが、納得はした様にそれ以上は言わなかった。ジャノがそう言うのは仕方が無いのだろう。ジャノはこの家でも1番年下だ。だからこそ、思った事が未だに口から直ぐに出やすいのだ。

 

 

「あ、ジョナサン。あの子、熱とか風邪ではないみたい。マルカがもう私たちは寝てていいって………ふあー……」

 

 

別室から出てきた少し燻んだ金髪の少女はジョナサンを確認すると、眠そうな目を擦りながらそう報告した。その様子を見て、ジョナサンは微笑みつつ、自分より年下の少年少女を気遣う。

 

 

「ありがとう、エリーネ。じゃあ、マルカの言う通り僕たちはもう寝ておこう。じゃないと、またマルカが機嫌を損ねちゃうからね」

 

 

「う……確かに。じゃあ、僕らは先に寝とくよ。さ、行こう、ジャノ」

 

 

「えー」

 

 

「ほら、ジャノ。言う事聞かないと、マルカだけじゃなくて、私も怒るわよ?」

 

 

「う、エリーネまで………分かったよ。おやすみ、ジョナサン」

 

 

「うん、おやすみ」

 

 

ジョナサンが軽く手を振りながら、そう言うと3人の少年少女は寝室へと入って行った。それを確認した後、先ほどまでの穏やかな表情とは打って変わり、ジョナサンの目には暗い影が刺す。そして、立ち上がると、台所に設置されている戸棚の下扉を開ける。中は小麦粉や調味料関連のものが入っているが、ジョナサンはさらにそれらを掻き分け、奥の木の板の一部を押す。すると、押した部分が凹み、木の板が横へスライドできる様になる。木の板を横へとスライドし、目的の物を取り出す。

 

 

一つはジャラジャラと中で金属音がする黒い小箱だ。そして、もう一つは真っ黒な拳銃だった。それを床へ置くと、ジョナサンは黒い小箱を開く。中には金属特有の光沢を放つ銃弾が何百発分も入っていた。銃のマガジンを確認し、ジョナサンは必要な分だけ銃弾を込めていく。充填が終わった後、それをズボンの後ろへ仕舞う。銃弾の入った箱を元あった戸棚に戻し、ジョナサンは立ち上がった。

 

 

「………使うような事にならなければいいけど」

 

 

その後、ジョナサンはマルカと遺跡から連れて来た少女が居る部屋の様子をコッソリ覗いた後、その部屋の隣で眠りについた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ん………」

 

 

遺跡で少年らに拾われた少女は、窓から射す朝日で目を覚ました。辺りを見回すと、少しカビ臭い室内に居る事が分かる。硬いベッドに、質素な布が上から被せられており、誰かが自分の面倒を見てくれていたという事が何となく分かるような状況だ。そして、耳を澄ませると、扉の外から声が聞こえてくる。

 

 

声の主は声質からして子供だろうと考えられた。少女は意を決して、ベッドから起き出し、ドアノブに手をかける。そして、ドアノブを回して扉を開けた。その瞬間、テーブルを囲んでいた5人の子供たちの視線が一斉に自分へと向く。数瞬の沈黙の後、この中で、年長者の方に入るであろうダークグリーンの髪色をした少女が駆け寄り、話し掛けてくる。

 

 

「――――」

 

 

「?」

 

 

だが、その口から出たのは自分の居た国とは異なる言語だった。それに対して、一瞬面食らうが、少女が話していた言語を思い出し、対応する。

 

 

「……ごめんなさい。よく聞き取れなかったから、もう一度お願いできる?」

 

 

「え、うん。もう、体は大丈夫?」

 

 

今度はしっかり聞き取り、意味も理解した。取り敢えず自分の体を軽く見て、確認してみるがさほど大きな外傷は無かった。強いて挙げれば、昨夜遺跡で切った指先の傷が残っているくらいな物だろう。

 

 

「問題ないわ」

 

 

「そう、良かったぁ。あ、そうだ!私はマルカ。で、ソッチの白い頭の男の子が1番歳上のジョナサン。その隣のニット帽を被ってるのがモーリス。で、ちょっと薄い金髪っぽい女の子がエリーネ。1番小さいコッチの男の子がジャノよ」

 

 

いきなりの自己紹介にされた側である少女は多少まごつく。その様子を見て、マルカと名乗った少女は笑いながら、続ける。

 

 

「で、あなたの名前は?」

 

 

「いのり。楪いのり」

 

 

淡い桜髪の少女は異国の地で目を覚ました。

 




いのりが何故他国の言語を話せるのか?→涯に付いて交渉とかにも周ってたからじゃないですかねぇ・・・(遠い目)


まぁ、いろいろと穴だらけの設定ですが、そこは何とか・・・


さて、いよいよ番外編とはいえ、いのりが登場しました。自分も書いてて楽しいんですが、上手く書けてる自信はないです。何か気になりましたら、ご一報を・・・


ではでは、また次回!

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