Blood&Guilty   作:メラニン

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今回は連投です。


いやぁ、最近急に気温が下がりましたねぇ。これを執筆してるとき自分も鼻水が止まらなくて大変でした。


では、どうぞ!


聖者の右腕編Ⅱ

 

集が転校して来た日の放課後、集は自分のクラスの担任である南宮那月に呼び出されていた。そのため、監視は矢瀬に引き継ぐ事に。とにかく、南宮那月が居るという執務室へと向かっているのだが、これが教室からだと遠いのだ。職員の居る建物と生徒の教室がある建物が違うのでそれが原因でもあるし、未だに慣れない集は建物内で迷ってしまっていた。しかも、学園長室よりも上の最上階にあり、尚のこと集は余計な運動をさせられたと思うほかなかった。そして、ようやく辿り着いた部屋の前で扉をノックして入る。

 

 

「失礼しま…す……」

 

 

集は入ってすぐ目に飛び込んで来た光景に目を疑った。自分は学校では無い別の場所に来てしまったのではないか、と。それもそうだろう。部屋には分厚い高級そうな絨毯が敷かれ、その上には数々のアンティークの家具の数々が設置され、部屋の片隅には天蓋付きのベッド。さらに、意匠を凝らした食器類。どこかの映画で見た王族だか貴族の部屋と雰囲気が類似していたのだ。

 

 

そして、その奥の正面に置かれた執務用の机に設置された黒塗りの椅子に座っていたのが、この部屋の主、南宮那月だ。そして、その机の隣に控えているのはメガネを掛けた屈強そうな男性、東條秋彦だ。

 

 

「よ、桜満君久しぶり――って訳でもないか」

 

 

「えっと東條さん、もう動いても問題ないんですか?」

 

 

「ああ、もうピンピンしてる。……と、そうだった。失礼しました、南宮攻魔官」

 

 

フランクに話す東條に、座った那月はギロリと睨みつけると、睨まれた本人は背筋をピンと伸ばし、雰囲気も軍人のそれに変わる。

 

 

「ふむ。さてと、桜満集。今回なぜ貴様を呼んだか分かるか?」

 

 

「いえ……」

 

 

「まぁ、そうだろうな。読んだ理由は貴様がある特殊な物を持っているからだ」

 

 

「……特殊な物?」

 

 

「その右腕と等質の物と言えば分かるだろう?」

 

 

「…………」

 

 

那月は集の右腕に視線を注ぎ、集は右腕を隠すように背後に回す。

 

 

「そう警戒するな。生徒に手は出さんさ。聞きたいのは先日の件だ。実は私はここに居る東條を通して事件の一部始終を覗いていてな。ヴォイド、と言ったか、あの力は。様々な種類が在るようだが、他にはどういった物が存在しているのか聞いておきたくてな」

 

 

「それは……」

 

 

言い淀む集に今度は東條から声が掛けられる。

 

 

「安心しなよ、桜満君。別に君の力で、どうこうしようなんて此方は考えてない。ただ、危機管理上知っておきたいだけだ」

 

 

「……南宮先生が知っているヴォイドは?」

 

 

「見たことがあるのは、『ハサミ』、『盾』、『冷蔵庫』くらいだ」

 

 

那月の言葉を確認してから集は他にも、発現可能なヴォイドを言っていく。『望むものを指すコンパス』、『意識を写すプリンター』、『レーダー機能付きメガネ』、『あらゆる物を開くカメラ』そして、先日発現可能になった葬儀社メンバーであるツグミの『ダミーを作るハンドスキャナー』だ。

 

 

「なるほどな。矢瀬から聞いてはいたが、確かに多種多様な能力だ。それも、どれもこれも魔術や魔力に原動力が由来していないという事を考慮に入れても、異世界から来たというのは事実らしいな」

 

 

「はい。僕の世界では魔族や魔術なんていう物は空想の産物でしたから」

 

 

それを聞いて那月はフッと笑いが溢れた。その事に集が不思議そうな顔をすると、教え子となった少年に那月は語り始める。

 

 

「ああ、すまんな。ふふっ、空想、か。確かにそうだろうな。昔から魔術と共に生きてきた我々にとっては、魔術は紛れもなく『現実』だが、存在しなかったそちら側にとっては、『空想』なんだろうな。だが、桜満集。貴様の力もどうなのだ?もし、魔術もお前の様なヴォイドの力も存在しない世界が在ったとしてだ。そこの住人達は揃って貴様も私も『空想』の中だと言うだろう」

 

 

「確かにそうですけど……うーん」

 

 

「っと、すまんな、話が逸れた。まぁいい。とにかく、貴様の力は分かった。では――」

 

 

那月が何かを言おうとした瞬間だった。電話が鳴り響き、東條が電話の受話器を上げて話を聞く。そして、聴き終えると集と那月両名に報告をした。

 

 

「この学園から少し離れた所でどっかの馬鹿な吸血鬼が眷獣をぶっ放したそうだ」

 

 

「っ!?」

 

 

集はそれを聞いた瞬間戦慄した。自分が任せられた監視対象の事ではないのか、と。しかしその焦りを那月が治めた。

 

 

「落ち着け、桜満集。もし、あの馬鹿がコントロールも出来ない眷獣を解き放ったらこの前の様に島全体に影響が出る。それが無いという事は別のコウモリだろうよ。一応行くぞ、東條」

 

 

「はい」

 

 

「っと、そうだった。ご苦労だったな、桜満集。もう帰っていいぞ。ではな」

 

 

それだけ言うと、那月と東條は転移の魔法陣でジャンプした。だだっ広い那月の豪華な執務室に一人ポツンと取り残された形になった集は、取り敢えず帰ろうとした時だった。ポケットの中に入れている携帯が鳴り響き執務室を出たところで携帯に出る。

 

 

「はい、桜満です」

 

 

『お、集か?那月ちゃんからの呼び出しは終わってる筈だな?』

 

 

「確かに終わったけど?」

 

 

『まぁ、だろうな。街中で眷獣をぶっ放した奴が居たからな。それの対応だろう』

 

 

「知ってたの?」

 

 

『ああ、その近くに居たし』

 

 

その言葉を聞いて集は背中に嫌な汗を掻く。矢瀬が近くに居たという事は、必然的に古城が近くに居たという事だ。もしかしたら、今回の事件に古城が関わっているのでは?という考えに至ったからだ。それを電話越しに矢瀬も察したからなのか、安心させようと言葉を発する。

 

 

『安心しろ。古城は今回の件にはノータッチ……とまではいかないが、主犯ではない』

 

 

「………『では』って所に一抹の不安を覚えるよ」

 

 

『ま、とにかく古城は無事だ。それの報告も兼ねてお前の部屋に後で行く。っと、そうだ。当然古城や凪沙ちゃんにはオフレコな』

 

 

「ああ、分かってるよ。じゃあ、部屋で待ってる。後で報告を聞かせてよ。じゃ」

 

 

『おう。じゃあな』

 

 

そうして電話は切れた。そして、矢瀬の言う『主犯ではない』という言葉に不安を覚えつつも、集は夕食の買い物を終えた後、帰宅するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アイランド・サウスに存在するマンション。その一室である703号室が桜満集の現在の自宅だ。人工島管理公社から与えられ、既に住み始めてから、そろそろ1ヶ月近くが経とうとしていた。1ヶ月も経つとさすがに慣れてくるらしく、キッチンに立って自炊をする様は中々堂に入っている。そして、対面式になっているキッチンからリビングをチラと見て、テレビで流れている絃神島の住人向けのニュースが目に入る。

 

 

その内容は今日の街中での眷獣騒ぎであった。そして、それに関して詳しく聞くために友人である矢瀬基樹を家に上げている。当の矢瀬本人はテーブルに座って集同様にテレビに視線を注いでいる。何故報告をせずにこの様なマッタリした状況になっているのかというと、監視を代わった対価として夕食を矢瀬が強請ってきたのだ。集がそれを承諾したため、夕食ができるまでニュースを見て待っているというわけだ。

 

 

「そういえば今晩のメニューは何でしょうか、シェフ?」

 

 

ニュースに飽きたのか、リビングからキッチンに身を乗り出す様にして、矢瀬が覗き込んできた。

 

 

「ひき肉が安かったからハンバーグにしようと思ってるけど」

 

 

「………ハンバーグ作るんだよな?じゃあ、今ボールに入れようとしてる茶色い物体は?」

 

 

矢瀬は集がフラパンからボールに入れようとしている物が何なのか分からずに指をさして質問する。集の方は矢瀬の指摘を大して気にする風でもなく、ボールにそれを投入する。

 

 

「え、これ?これは炒めた玉ねぎだけど?」

 

 

「玉ねぎって炒めてから入れるのか?」

 

 

「うーん……人それぞれだと思うけど、こうした方が玉ねぎの甘みが出やすいんだよ。それに、生の食感を嫌がる人も結構いるしね」

 

 

「ふーん、なるほどねぇ。で、次は何を入れようとしてるんだ?」

 

 

集は玉ねぎに引き続き今度は別のボールに入った白いドロッとした液状の物を入れようとしていた。矢瀬の質問に集は肩を竦めながら答える。

 

 

「そんなに警戒しないで平気だよ。ちゃんと、食べられるから。コレはジャガイモを摩り下ろした物だよ」

 

 

「ハンバーグにジャガイモ!?付け合せとかじゃなくてか?」

 

 

「そうだよ。これを入れとくとデンプンが少し固まって崩れにくくなるんだ。それと何でか柔らかくなるし」

 

 

「ほぉー……」

 

 

矢瀬は集の豆知識に感嘆の声を上げつつ、そのまま作業工程を見ていく。一方の集はハンバーグのタネに香辛料等を加えて捏ねて、それを取って空気抜きをし、油を引いて温めたフライパンの上に乗っけていく。さらに、ある程度焼けたところでひっくり返し料理酒を入れて蓋をし、蒸し焼きにしていく。キッチンからは肉の焼ける芳ばしい匂いが立ち込め、矢瀬は空腹が顕著になっている様に感じる。

さらに、トマト缶に塩胡椒を加え、先ほど炒めた玉葱を入れてさらに細かく刻んでおいたニンジンとピーマンを少量入れ煮込んでおいたトマトソースの入った鍋の蓋を開けると、これまたトマトの酸味がよく効いた匂いも立ち込めて矢瀬の空腹はピークになる。

焼き上がりを待っている間に簡単な付け合せを用意し、皿に盛り付けていく。そして焼き上がったハンバーグをそこに乗せて、トマトソースをかけて完成した。早速集と矢瀬はテーブルに着いて、夕食となった。早速矢瀬はハンバーグを箸で切って口に運ぶ。

 

 

「っ!?あつ…あつ…………んぐ。………………う、美味え」

 

 

矢瀬は一口目にして陥落した。

 

 

「こんな美味えハンバーグ初めて食ったかも……ハンバーグ自体は柔らかいし、中に入ってる胡椒の若干の辛さが食欲を唆るってゆーか……しかも、このトマトソースの酸味と相まってどんどん箸が進みそうだ」

 

 

矢瀬の絶賛の声に集は少し嬉しくなりつつ自分も一口サイズに切って口に運ぶ。

 

 

「もぐ………ん。うん、確かに美味しくできてる」

 

 

自分の作った料理に舌鼓しつつ、自画自賛する。矢瀬の方は食べるのに夢中になっている感じだ。付け合せと一緒にハンバーグを頬張っている。

 

 

「んぐんぐ……いや、本当に美味えよ、集。店に出しても良いんじゃないかってくらい」

 

 

「ははっ、大袈裟だなぁ」

 

 

「いやいや、ホントに!はぁ……浅葱もせめてこれの十分の一でも出来りゃなぁ……」

 

 

「藍羽さんって料理が下手なの?」

 

 

「ああ。小学校の頃なんか、あいつの作ったクッキーは男子生徒14名を病院送りにする様な劇物だった」

 

 

「あ、あははは……」

 

 

 

 

 

 

そんな風に雑談を交えながら2人は夕食をとった。矢瀬も満足そうに完食した。そして、少し寛いでから矢瀬が約束通り今日あった事件の顛末を話し始めた。

 

 

「さてと、じゃあ今日何があったかの報告だな。古城は帰宅途中に尾行されててな」

 

 

「それって誰に?」

 

 

「俺らの学校の中等部の女子だ」

 

 

「………それってストーカー?」

 

 

集は若干呆れつつも矢瀬に自分の思った事を返す。ここ1ヶ月近くで古城がどういう人間なのかは集は分かってきていた。そして、知らず知らずの内に女子に好かれる事も何となく分かっていた。実際に中等部の女子数名の中には古城に思いを寄せている子が居るらしい事は知っていたので、その子達の内の誰かと思ったが矢瀬の表情からはそういった一般人ではない事を察した。

 

 

「まぁ、古城の奴のファンとかなら大して気にも留めないんだが、今回は事情が違った。古城の事を『第四真祖』って呼んでたからな」

 

 

「え!?」

 

 

「そう、向こうは『高校生である暁古城』が目的ではなく、『第四真祖である暁古城』が目的だった訳だ」

 

 

「………けど、どうしてそれが今日の眷獣騒動と関係が?」

 

 

「あー、古城がその子を撒こうとしてる時に、その子が魔族2名に絡まれてな。で、魔族の方がちょっかいを出したら、片方を吹っ飛ばしちまったんだ」

 

 

「ふ、吹っ飛ばした!?女子中学生が魔族を!?」

 

 

矢瀬の言った事に集は耳を疑う。アイランド・ノースで、魔族と戦闘した彼は魔族の力がどの様に強力かは分かっていた。少なくとも単純な膂力で言えば、成人男性であっても敵わないだろう。その魔族を年端のいかない中学生が倒したと言うのだから、驚かずにはいられなかった。

 

 

「ま、この時点で一般人では無いってのは一目瞭然なんだが、仲間を吹っ飛ばされた事に逆上した吸血鬼の方が眷獣をぶっ放してな。それが今回の事件の原因ってわけなんだが………さらに、その子が眷獣を祓っちまってな」

 

 

「………それって倒したって事?」

 

 

「まぁ、そうなるか。だが、問題はその倒すときに使った武器だ」

 

 

「武器?」

 

 

「ああ。ちっとばかし特殊な武器なんだが………『七式突撃降魔機槍(シュネーヴァルツァー)』って聞いた事あるか?」

 

 

矢瀬の口から出た単語に集は首を横に振る。連日少しでもこの世界を知るために色々な情報を自身でも仕入れている集だが、その名前は聞いた事がなかった。

 

 

「ま、そうだよな。じゃあ、獅子王機関は?」

 

 

「確か……政府の国家公安委員会内に設置された特務機関だっけ?主な役割は魔導災害や魔導テロを未然に防ぐための情報収集や工作活動、他にも裏では暗殺やらなにやらの行動etc.って組織だっけ?」

 

 

「ああ、その認識でOKだ。で、その獅子王機関の秘奥兵器とも言える槍が七式突撃降魔機槍(シュネーヴァルツァー)ってやつで、その子が持ってた武器だ」

 

 

「……つまり、その子は獅子王機関の人間って事?」

 

 

「断定はでき無いが、十中八九そうなんだろうな。で、その子が吸血鬼をザックリ行こうとした所を古城が止めたってのが、今日起きた事件の全容だ」

 

 

集は暫く考え込んだ。獅子王機関は魔導災害や魔導テロを未然に防ぐための組織だ。そして、真祖である古城の力の一端を目の前で見たからこそ分かる。真祖の力とは災害そのものと比べても何ら遜色が無いほど強大である。つまり、今回その獅子王機関の人間が来たという事は……

 

 

「……その子は古城の抹殺とかが目的?」

 

 

「まぁ、その線も考えたんだが、今回派遣されて来たのは見たとこ、呪詛とかを使わずにどちらかと言うと近接戦闘に特化した『剣巫(けんなぎ)』だからな。すぐに抹殺って事にはならんと思う。本当に抹殺するんなら、呪詛と暗殺に特化した『舞威姫(まいひめ)』を寄越す筈だしな」

 

 

「じゃあ、僕は暫く古城に付きっきりにしておいた方が良いのかな?」

 

 

「ああ、そうしてくれ。で、必要に応じてさっき話した女子中学生の方をマークしてくれ。これが写真だ」

 

 

集は写真を受け取ってそこに写っていた少女を見る。なるほど確かに、彩海学園中等部の制服を着ている。そして、機械仕掛けの様な銀の槍を手にしている。これが先ほど話にあった七式突撃降魔機槍なのだろうと、集も納得する。そして、矢瀬の方は少し気まずそうにしながら、別の報告をする。

 

 

 

「っと、そうだ。お前に頼まれている件の方は未だに収穫無しだ。『楪いのり』ってワードで何度も世界中って規模で搜索してるが、未だに進展はない」

 

 

「……そっか。ありがとう、基樹」

 

 

「ああ、悪い。何か掴んだら、必ず報告する。じゃ、今日はもう帰るぜ。飯ご馳走さん」

 

 

「うん。じゃあ、また明日」

 

 

そう言って集は矢瀬を見送った。そして、矢瀬の居なくなった部屋で一人呟く。

 

 

「いのり……君は一体どこに」

 

 

返答など帰ってくる筈もなく、集はただ天井を見つめるだけだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アイランド・ウェストの一角。ここアイランド・ウェストは商業施設や飲食店、その他娯楽施設などなど様々な施設があり、一際賑わう地区である。そのため、夜通し営業を行う店も多く、一晩中ネオンの灯りが消えない街だ。魔族の多くは夜を好むため、夜を徹して通常運転をしているこの街は魔族が好む場所だと言えるだろう。そんな明るい場所から少し離れた場所の薄暗い公園に2人の魔族の姿があった。1人は擦り傷を全身に幾つか負っており、取り分け腹部が特に痛むのか、腹に手を当てている。もう1人は大した外傷は無いが、イラついているのか落ち着かない様子だ。

 

 

「けっ、あのガキ。もし次会う様な事がありゃ、タダじゃおかねえ。おい、何時まで腹押さえてんだよ?」

 

 

「うるせえ。お前は眷獣を消されただけだろうが、俺は吹っ飛ばされたんだぞ!?………ふぅ、ちっとはマシになってきたか」

 

 

そう言うと、腹部を押さえていた方の男は手を離して、一息つく。そしてもう1人同様に今日あった出来事にイラつく様に足を震わせる。ここまで機嫌の悪い魔族2人に声を掛けようとする者は普通ならばいないだろう。即ち、もしこの状況で声を掛ける者が居れば、その人物は普通では無いという事だ。

 

 

 

「私たちと、遊びませんか?」

 

 

「「あ?」」

 

 

そう言って魔族2人に話し掛けたのは藍色の髪をした小柄な少女だった。スッポリと身を覆うケープコート一枚のみを着用しているだけであり、整った顔立ちと大きな水色の瞳を持ち、不自然すぎるくらいに美しい少女だ。そして、その背後には大柄でモノクルを掛け、ローブを身に纏った屈強な男が立っていた。そして、その男は身の丈程もありそうな戦斧を持っていた。

 

 

彼らは二言三言ほど言葉を交わすと戦闘を開始した。いや、戦闘ではなく一方的な殲滅と言った方が的確だろう。その夜、魔族2人の悲鳴が夜の街に消えていった。

 

 

 

 




はい、ってな感じで、描写はしませんでしたが、古城と雪菜が接触しました。あと最後の方にちょろっとだけアスタルテを・・・


まぁ、次回以降に活躍していただきましょう。


ではでは

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