ブラック・ブレット〜天目指す獅子〜   作:追憶の英雄

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第三話 波乱の幕開け

ガストレアを退治してお詫びのお金をあげてから数日後。

 

一本の電話がかかってきた。

 

詳しい仕事の内容は話されなかったが仕事であった。

 

場所は、庁舎。

 

それだけを告げられると電話はきれた。

 

念の為に水玉にもついてきてもらうことにした。

 

そして、二日後の今日の昼下がり、庁舎に来た。

 

名前を告げると黒いスーツをきた男たちに案内されて

 

部屋の前に来た。

 

黒いスーツの男たちは部屋の前まで案内すると入り口に戻っていった。

 

「ここがそうか・・・」

 

おれはつぶやくが当然返事はなかった。

 

ガラリと扉を開いて部屋の中に入ると大勢の社長とそれを護衛するプロモーターとイニシエーターがついていた。

 

どこの席もいっぱいで仕方なく壁にもたれることにした。

 

「お前みたいなお子ちゃまでもこんな場所にはやってこれるみたいだな。」

 

おれの正面の方で体が大きい男がプロモーターと社長に絡んでいた。

 

「〜〜〜」

 

「〜〜〜!」

 

なにやら、言い争っているらしく気に触ったのか男がバスタードソードを抜いた。

 

流石に、武器を抜かれたんじゃ止めないわけにはいくまい。

 

おれはため息をつくと止めるべく歩いていった。

 

ー蓮太郎sideー

 

俺たちが部屋のなかに入ると巨大の男にいきなり絡まれた。

 

「お前みたいなお子ちゃまでもこんな場所にはやってこれるみたいだな。」

 

最初は、無視していたのだが、それさえも気に入らなかったのか男はさらに絡んできた。

 

いい加減、ムカついたので

 

「名前名乗れよ」

 

と、言ったら

 

「ああん?『名前名乗れよ』だと?生意気なんだよ!」

 

男の気に触ったらしく背中に背負っていたバスタードソードを抜いた。

 

「まぁ、待てよ。そう熱くなんなって」

 

つい、先日お世話になった男が仲裁に入って来た。

 

蓮太郎side out

 

おれが歩いていくと男がバスタードソードを抜いて斬ろうとしていたので男と蓮太郎のあいだに

 

「まぁ、待てよ。そう熱くなんなって」

 

と、言って割って入った。

 

「誰だ?てめぇは」

 

男は、バスタードソードを握る手に力を込めた。

 

「おれかい?おれはーー」

 

「やめたまえ将監(しょうげん)!」

 

おれが名乗ろうとしたら雇い主と思われる男が助け舟をだした。

 

「おい、そりゃねぇだろ三ヶ島さん!」

 

「君は実力の判断もできないのかい?IP序列1位に喧嘩をうるなんて。」

 

三ヶ島さんの言葉に会場内にどよめきがはしった。

 

「それだけは、ばらさないでほしかったよ。」

 

「いやぁ、すまないね。こうでも言わないと彼は納得しないから」

 

「ちっ・・・」

 

将監は、舌打ちをするとこちらを睨みつけて引き下がった。

 

「なるほどね・・・」

 

「ほんとうにすまなかった。謝ってすむ問題ではないかもしれないけど。そっちの君たちも」

 

三ヶ島社長は、おれたちのほうにやってくると頭を下げて謝罪をしてきた。

 

「べつに、いいよ。こっちもあんたも特に被害はないわけだし。」

 

おれは、蓮太郎たちをちらっとみた。

 

「あ、ああ。」

 

蓮太郎は、文句の一つでも言ってやろうとしていたので困惑していた。

 

「そうね。でも、ちょっかい出さないように教育はしてね。」

 

「わかったよ。」

 

三ヶ島は、そう言って名刺をおれと木更に渡した。

 

「ありがとうな。えっと・・・」

 

「朱炎骸だ。よろしくな。」

 

おれは、挨拶を兼ねて手を差し出した。

 

「ええ、よろしく。私は天童民間警備会社の社長の天童木更よ」

 

「おれは、社員の里見蓮太郎だ。」

 

木更は、社交的な笑みをうかべると握手をした。

 

蓮太郎も続くようにして握手をしてきた。

 

「そういや、お前んとこの社長は?」

 

蓮太郎はキョロキョロとあたりを見渡しながら聞いてきた。

 

「社長は、いないよ?だっておれが社長券社員だもん。」

 

おれの言葉に二人は驚いていた。

 

「っと、そろそろ戻るとしよう。」

 

おれは、そう言うとさっきの場所に戻った。

 

「伊熊将監・・・朱炎骸。ずいぶんな大物が揃ったわね。」

 

木更は、骸の後ろ姿を見ながら呟いた。

 

おれがもとの場所に戻り壁にもたれた瞬間、禿頭(とくとう)の男がやってきた。

 

木更たち、社長クラスの人間が一斉に立ち上がった。

 

そのことからわかるように禿頭の男はそうとうの権力者だろ。

 

「本日、集まってもらったのはほかでもない。」

 

禿頭の男は社長たちに座るように促すと説明をはじめた。

 

「諸君たち民警に依頼がある。依頼は政府からのものと思ってもらって構わない。」

 

政府という単語を聞いて、おれや木更たち以外の社長たちはどよめいていた。

 

「粛清に!」

 

禿頭の男の一声で静まり返った。

 

鶴の一声ならぬ、権力者の一声ってか・・・

 

「本件の依頼内容を説明する前に、依頼を辞退する者はすみやかに席を立ち退席してもらいたい。依頼の内容を聞いてからは棄権することは認めないと思え!」

 

禿頭の男の言葉に退席するものは一人もいなかった。

 

「権力者の言う言葉は違うってか・・・」

 

おれは、聞こえない声でそう呟いた。

 

「一つだけ、質問させろ!」

 

おれは、手をあげると質問をした。

 

「金額はいくらだ?場合によっちゃ下りるぜ?おれほどの人間呼んだんだ。それなりじゃないとな・・・」

 

「質問は、それだけか?」

 

おれは、うなずいた。

 

「よろしい、質問をするものも辞退するものもいないな?」

 

禿頭の男はそう言って見渡すが誰も口を開かなかった。

 

「ならば、後のことはこの方に説明してもらおう。」

 

禿頭の男は身を引いた。

 

『ごきげんよう、みなさん』

 

特大パネルに一人の美少女が写った。

 

木更をはじめとした社長格の人間は立ち上がった。

 

蓮太郎も信じられないという目で見ていた。

 

「聖天子か・・・」

 

まぁ、無理もないだろ。なにせいまの東京エリアを統治してるのだからな。

 

『お久しぶりです!骸さん!』

 

「ああ。久しぶりだな。」

 

聖天子は、プロモーターのなかにおれの姿を確認して嬉しそうな声で挨拶をしてきた。

 

みんなが一斉におれのほうを見てきた。

 

『さいきん、聖居に来てれないから寂しいのですよ?』

 

「いやぁ、わりぃわりぃ仕事が忙しくてな。」

 

『あまりの寂しさに死んでしまうかと思いました。』

 

「まぁ、そのうち行くからそんときにでもデートしようぜ。」

 

『はい!楽しみにしてます。』

 

聖天子は、完全に乙女になっていた。

 

「・・・」

 

天童菊之丞は、嫉妬の目をこっちに向けてきた。

 

「おいおい、じいさん。年寄りの嫉妬は醜いだけだぜ?ただでさえ醜いくせによ。」

 

菊之丞は、目を吊り上げると怒りを顕にしていた。

 

そして、木更の存在に気づいた瞬間さらに怒りがふくれあがった。

 

『話がそれてしまい申し訳ありません。』

 

聖天子は、皆に謝ると話を再開した。

 

『楽にしてくださいみなさん、私から説明します。』

 

先ほどまでの聖天子とは違い風格が備わっていた。

 

公私を混合しないか・・・

 

『といってもシンプルです。民警のみなさんに依頼するのは、昨日東京エリアに侵入して感染者を一人だした感染源ガストレアの排除です。もう一つは、このガストレアに取り込まれていると思われるケースを無傷で回収してください。』

 

『そして、報酬はーー』

 

10000000000という破格の数字が現れた。

 

「0が十個・・・百億か。」

 

「そのケースとやらがガストレアの体内ある可能性は?」

 

『あります。』

 

「ありがとうな。わかったよ」

 

『いいえ』

 

聖天子は頬を紅くしながらそういった。

 

続いて質問したのは木更だった。

 

「回収するケースの中にはなにが入っているのか聞いてもよろしいですか?」

 

木更のその質問は全員の意見を代弁していた。

 

「話の途中で、悪いがどうやらこの会場にはネズミが迷い込んだみたいだ。」

 

不気味な笑い声が部屋に響き渡った。

 

「ネズミとはずいぶんだね。ククク」

 

影胤は、卓の上に土足で踏み上がる。

 

「いや、ドブネズミの間違いか。蛭子影胤」

 

「おやおや、ずいぶん余裕みたいだね。」

 

「動かないで・・・斬るよ。」

 

「そっちこそ。」

 

刹那、天井に穴がたくさん開き一人の少女が降りてきた。

 

ーー水玉だった。

 

 

「動かないで・・・撃つよ?」

 

そう言った水玉の目は赤かった。


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