ブラック・ブレット〜天目指す獅子〜   作:追憶の英雄

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第二話 買い物とガストレア

ーー蛭子影胤、蛭子子小比奈親子の襲撃から数日後。

 

おれと水玉は買い物のために街に来ていた。

 

買い物の目的その1

 

数ヶ月分の食料を買う!

 

買い物の目的その2

 

買い物ついでに喫茶店による!(水玉の目的はこっち)

 

「うわぁ〜久しぶりの街だあ!」

 

数ヶ月ぶりの街に水玉は目を輝かせていた。

 

まぁ、むりもないか。

 

買い物に来るくらいしか、街になんか来ないし。

 

「喫茶店に行きたいか?」

 

「うん!」

 

おれが、喫茶店に行きたいかどうかを水玉に聞くと元気良く返事をした。

 

「げんきがあって、大変良い!」

 

おれがふざけてそう言うと水玉は義兄ちゃんに褒められた!やったぁ!とピョンピョン跳ねた。

 

ーー水玉の機嫌がいいうちに買い物済ませちゃうか。

 

おれは、そんなことを思いながらいつも買い物をしてる店に向かった。

 

〜〜 〜〜

 

おれが、買い物を済ませて外に出ると

 

「蓮太郎の薄情者〜!!」

 

と、叫びながらツインテールの少女が歩いていた。

 

年は、水玉と同じくらいだった。

 

おそらくは、『呪われた子供達』だろう。

 

常に行動をともにしてるはずの相棒(プロモーター)の姿がないということは

 

はぐれたか、おいてけぼりをくらったか、あるいはーー

 

ガストレアによって殺されたか。

 

「うわぁぁぁーん!蓮太郎!」

 

しまいには、泣き出しやがった。

 

まぁ、人の通りが多い場所でないたら当然注目を集めるわけで・・・

 

ヒソヒソとなにかを話始めた。

 

そんな、少女に近づいたのはーー

 

挙動不審で明らかにやばいやつだった。

 

「『ガストレア感染者』か・・・」

 

ああいった、人間関係を放置しとくと次から次へと感染してしまうからほんとうは殺すべきだが・・・

 

やっかいなことに『感染源』はべつなところにいる。

 

そして、理性が残ってる。

 

そんな、残った理性も・・・

 

「うぁぁぁぁ!」

 

人間とは思えない叫び声をあげると手放してクモの形をしたガストレアへとかわった。

 

ガストレアに、なったら最後助ける方法は殺すということだけだ。

 

「水玉・・・」

 

おれは、水玉に目で殺すように合図した。

 

「わかってます。」

 

水玉は、うなずき返し、銃を抜いた。

 

そして、ガストレアの頭に照準を当てるとーー

 

射撃をした。

 

弾丸は1mmもはずすことなく頭を撃ち抜いた。

 

撃ち抜いた瞬間、鮮やかな赤色の血が噴出した。

 

撃ち抜かられたところからグチュグチュとグロイ音をたてて再生をはじめた。

 

しかし、完全に再生しきる前に二発の弾丸が頭を貫いた。

 

今度は、再生することが出来ず・・・死んだ。

 

おれは、ガストレアに近づくと死んだ確認をした。

 

刀を鞘から抜くとガストレアの頭を撥ねた。

 

そして少女のもとへと歩いていった。

 

「大丈夫か?」

 

「妾は、大丈夫だ!」

 

少女は、笑ってVサインをした。

 

「ところで、お義兄さんなんで頭なんかを?」

 

「ん?ああ・・・少しな調べたいことがあって。」

 

感染源見つけられればいいが。

 

「相棒は?どうした?」

 

おれは、少女になぜプロモーターといないのか聞いた。

 

「うむ、実は・・・」

 

少女ーー藍原延珠が言うには、相棒である里見蓮太郎と現場に向かってる途中で自転車が転倒・・・おいてけぼりをくらったらしい。そして、怒り心頭で歩き回っていたらしい。

 

「なるほどねぇ〜」

 

里見蓮太郎・・・まさか、あいつじゃないよな?

 

聞き覚えのある名前に嫌な予感がした。

 

そして、その嫌な予感はすぐに当たることになった。

 

「お!無事だったか・・・延珠」

 

相棒の無事を確認できて蓮太郎は安堵の表情をうかべた。

 

「無事だったか・・・ではないわ!」

 

ばかもの!そう言って蓮太郎のあそこを蹴りあげた。

 

「まぁ、まぁ、落ち着いて。」

 

おれは、延珠をなだめた。

 

「お、お前は?」

 

蓮太郎は、痛みをこらえながらこっちを見てきた。

 

「おれか?おれはお前の同業者だ。」

 

「そうか、あれをやったのも?」

 

「そっ、おれだ。悪かったな獲物横取りして。」

 

「いや・・・問題はない。ところでお金は・・・」

 

「ああ、お詫びとしてきちんとするよ。」

 

おれは、蓮太郎に札束の入った茶封筒を渡した。

 

「そんなかには百万くらい入ってる足りなかったら、ここに電話してくれ」

 

おれは、警備会社の連絡先を渡した。

 

「んじゃあな。延珠ももうはぐれないようにな。」

 

「じゃあね!延珠ちゃん!またね」

 

おれと水玉は、延珠たちに手を振ると駅に向かった。


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