東方狂宴録   作:赤城@54100

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次辺りが他者視点、というか勘違い視点でのお話。
とりあえずこの話はシンプルに、大妖怪なんて倒したらこうなるよね的なものだと思っていただけたら大丈夫です。
深い意味はありません、多分。


第十六話『俺と知り合いと新聞と』

 昼である、それはもう清々しく実に晴れやかな日差し込む昼である。外を見ればみんな元気に動き、さぁまだまだ頑張るぞと言わんばかりの笑顔あふれる良い昼である。

 しかし悲しいかな、今の俺にそんなことを気にする余裕は欠片も無いのだ。何故ならば……

 

「ですから! ズェピアさんは私の家にですね」

 

 阿求と

 

「何を言っている、このままこの家に暮らすのが一番だろう」

 

 慧音と

 

「あら、私の家も中々快適よ? それに種族問題も起きないし」

 

 まさかの幽香と

 

「まぁまぁここは私の家にだな……」

 

 魔理沙と

 

「それより私の家よ、上海と蓬莱が喜ぶわ」

 

 アリスと

 

「私の神社を手伝ってもらうに決まってるじゃない」

 

 霊夢の、計六人が俺の今後住む家について話し合っているからだ。

 ……うん、何がどうしてこうなったんだろう。

 

 

 

 …………………………

 ……………

 ………

 

 

 

 ジリリリリと騒がしく鳴り響く目覚ましを止め、のっそりと起き上がる。

 

「むぅ……微妙な目覚めだ」

 

 呟いた後、良くないと分かりながらも目を擦り、無理矢理意識を覚醒させようとする。

 昨日はそれなりに早く布団に入ったのだが、何故かなかなか寝付けず微妙な感じとなってしまった。なんというか……嫌な予感がしたんだ。

 ……まぁ、その予感がなんなのかは正直皆目見当が付かないが。

 

「……一先ず目を覚ますとするか」

 

 鈍くしか働かない頭を正常にするため、とりあえず顔を洗うことにする。

 外に出てこれといった問題もなく井戸から水を汲み、それを持ち家に帰る。井戸水は時々利用するのだが、やはり特有の冷たさは目を覚ますのに打ってつけだ。氷が入っているわけでもないのに……しかも綺麗、文句の付け所が無い。

 バシャバシャと顔を洗い、さっぱりしてから着替える。今日は少しばかりダルいから朝は食べない、あまり良くは無いが……無理をするよりはいいだろう。

 

「さて、今日はどうするかな?」

 

 誰にでもなく呟く、確認みたいなもの……いや違うか? まぁいいや、置いておこう。

 今日は授業の無い日、なんか無い日ばかりな気もするだろうが気のせいだ、ちゃんと昨日は頑張ったからな。……まぁ、昨日に関しては授業以上に頑張ったことがあるからなんとも言い難いが。

 ともかく、休日なので暇なわけだ。昨日のことがあるから外出、特に里の外に出るのは控えたほうが無難だろう。

 そう考えると行けるのは……阿求の家とか、は迷惑にしかならないから却下で……。

 ……意外と行動のメインが里の外だから退屈しのぎが少ないな。このままじゃマズイし、今日は親睦を深める日にでもするかな……うん、割と良さそうな案だ。

 とりあえずどうするかを決めたのでさっさと外に出る。

 

「少し天気が悪いかな……?」

 

 嫌だなぁ……まるで何かが起こる前兆みたいじゃないか。もうトラブルは勘弁してほしいものだ。

 若干不安になりながらも歩き出す。目的はまず、菓子を買うこと。

 恐らくだが今日も慧音は来ることだろう、昨日よりは幾分か冷静にはなっているはずだから会話にもなる。となれば、茶だけというのも味気ない。幸い金も余裕あるし、慧音が食べなかったら自分で食べればいいだけだから無駄にもならないし……と、着いたな。

 

「すまない、少しいいかな?」

「はいいらっしゃ……うわっ!?」

 

 え、なに?

 

「どうかしたのかね?」

「い、いえいえ! なんでもありませんよ!!」

 

 いや、ありまくるでしょ……本当に何なんだ? 妙に怯えてるように見えるんだけど……。

 

「……まぁいい、そこにある饅頭と羊羮を売ってくれ」

 

 指をさしながら言う。すると驚くほど速く、尚且つ丁寧に袋詰めし始めた。いや別に急がなくてもいいんだけど……。

 

「どうぞ、お待たせしました!!」

「あ、あぁ……」

 

 ビシッとした動きで袋を渡される。さっきから奇妙にも程があるんだが……表情もガッチガチだし。

 

「いくらかな?」

「お代は結構です、どうぞお持ち帰りください!」

「な!? い、いやしかし」

「大丈夫です、どうぞ!」

 

 なんなんだよ本当に! 俺が何かしたか!?

 困惑はしているし、釈然としないものの、可哀想なぐらいガチガチだったので立ち去ることにした。

 

 

 

「……なんだというんだ」

 

 両手一杯に荷物を抱えながら、俺は呟いた。あれからいくつか店を回ったのだが、どこも奇妙な反応を示したのだ。

 ある店は怯えながら無料にしてくれたり、ある店は何故か俺をベタ褒めしつつ無料にしてくれたり、ある店は……あれ? なんか、今日は一切金使ってない…。

 

「本当に、なんだというんだ……」

 

 ハァ、と今日何度目になるか分からないため息を俺はついた。

 

「あ、先生」

「む?」

 

 声をかけられたので、振り向く。そこには寺子屋の生徒が何名か居た。

 

「おや……君達、今日の授業はどうしたのかね?」

「慧音先生が急用があるとのことで、休みにしたんです」

 

 生徒達の中で、一番年上の子が答える……急用? はて、一体なんだろうか?

 俺のところに来るにしたって、そんな急用というほどのことではないと思うしなぁ。

 

「それより、先生」

「なんだね?」

 

 俺が考えていると、別の生徒が声をかけてきた。

 

「先生ってとても強かったんですね、知りませんでした」

「……なに?」

 

 強かった、だと? いや嬉しいが、何故また急に……。

 だがそれを聞こうとした瞬間

 

「おい、僕は前から言ってただろ! ズェピア先生はすっごく強いんだって!!」

「そうだな、ついでに慧音先生の尻に敷かれてるともな」

「それはコイツが!」

「な! お前だって賛同したじゃないか!!」

 

 ……妙な喧嘩が始まった。

 というか、なんだ、俺が尻に敷かれてる? なんでそんな話になる?

 確かに慧音に勝てる気はしないが……それにしたって飛躍しすぎだ。

 

「なぁ君」

「はい?」

 

 とりあえず、何故そういう話になったのかを聞くため喧嘩に混じっていない生徒に話しかける。

 

「すまないが、何故私が慧音……先生とそういった間柄になっているという話になったのか、聞かせてくれるかな?」

「あれ、先生知らなかったんですか?」

「あぁ、全くもって知らなかった」

 

 と、いうかありえないだろう。外見こそワラキアでカッコいいものの、中身はヘタレロードをひた走る青年Aだ。

 いや確かに吸血鬼だし、力もそれなりだろうが精神面は変わらない。なのに何故?

 

「よく慧音先生の家で一緒に食事しているのでしょう? それに、肩を並べて歩く姿も同じく見かけます。これに加えて、今まで慧音先生は特定の男性とこれほどに仲良くなったことは無いとみなさん言ってました。細かいものも考えれば、要因は充分すぎるほどにありますね」

「……分かりやすい説明をありがとう」

「いえいえ、いつも楽しい授業をしてくれてますから、そのお礼代わりですよ」

 

 説明をしてくれた生徒はニコニコと笑い、そして喧嘩をする男子のところに向かった。そのまま拳骨を叩き込み黙らせる……あれはかなり痛いな……。

 拳骨を食らい、グッタリとする男子の襟を掴み、引き摺りながら「それではまた」と言い去っていった。

 まぁ、なんというか。

 

「どこでも女性というのは強いものだな……」

 

 あの生徒も、いつかは逞しい母親になり、子にあの拳骨を入れるのだろう。本当に怖い。

 女性の恐ろしさを再認識しつつ、俺は帰路を急いだ。

 

 

 

 帰宅し、開口一番俺は心境を分かりやすく表現した。

 

「なんだね……これは……」

 

 眼前に広がる光景を分かりやすく表現するには素晴らしく当てはまる言葉だ。

 何故かって? それは

 

「あ、こんにちはズェピアさん、おじゃましてます」

「む……すまない、じゃましているぞ」

「あらこんにちは、おじゃましているわ」

「じゃましてるぜ」

「こんにちは、おじゃまさせてもらってるわ」

「こんにちはズェピア、おじゃましてるわよ」

 

 俺の知り合い―――一名は殺されかけた相手―――の六人が、家で酷く嫌な雰囲気を作り出しているからだ。

 ……外は晴れてきているのに、逆に家の中はどんよりって……なんの罰ゲームだ?

 

 

 

 …………………………

 ……………

 ………

 

 

 

「あぁそうだ、あの時すでにおかしかったんだ……」

「何がですか?」

「いや、こちらの話だよ」

 

 膝に乗せた阿求の頭を撫でながら答える。

 そうだよ、あの時点ですでにおかしかったんだ。何故突っ込まなかった俺、アホか俺。だかそんな俺を置いてきぼりに言い合いは激しさを増している。

 

「だいたい、貴女達はアイツのなんなのかしら? それに手元に置いておきたい理由も聞きたいわね」

 

 幽香がズバッと切り込む。

 みんなにとって、俺がなんなのかは分からないが、手元に……のほうは二名までなら理由が分かる。その二名はともに俺に、雑用を任せたいのだろう。

 後は分からない……まぁ、幽香以外ならそう酷くはないだろうと思うが。

 

「わ、私はズェピアの、その……そう、同業者だ。残ってもらいたい理由は……生徒達が悲しむから、だ。…………私も寂しいしな」

 

 後半はよく聞こえなかったが、まぁ慧音らしい返答だ。続いて俺の膝に座る阿求が口を開く。

 

「あぅあぅあぅあぅ……」

 

 ……何言ってるのか全然分からねぇ。なんか湯気出てるように見えるんだが、気のせいか?

 顔も真っ赤だし……阿求は体弱いから何か病気なんじゃ?

 

「なぁ霊夢、あれってどうなんだ?」

「いやどう見ても照れて熱暴走してるでしょ……」

「だよな……なんで気付かないんだ?」

「鈍感にしても変よね……なんなのかしら……」

 

 魔理沙と霊夢が何やらコソコソと話しているが、何を話しているかまでは聞こえない。こっち見てるから俺関係なんだろうけど……気になる……あれ? なんだ、ちょっと引っ張られているような感じがするような……なんだ?

 

「シャンハーイ」

「ホラーイ」

 

 ちらっと目を向けてみると、犯人は上海と蓬莱だった。頭を撫でながら話しかける。

 

「上海に蓬莱か、どうかしたかね?」

「シャンハーイ!」

「ホラーイ!」

「何? 阿求ばかりずるい?」

「シャンハーイ」

「ホラーイ」

 

 若干拗ねたような雰囲気を見せる上海と蓬莱。ずるいってのは、膝に乗せてることがかな?

 でも今は動かせそうにないしなぁ……。

 

「すまないが、我慢してくれるかな? 代わりに、今度会った時には君達を乗せてあげよう」

「シャンハーイ?」

「ホラーイ?」

「本当だとも、約束しよう」

 

 首を傾げる上海と蓬莱に、そう答える。すると途端にニコニコと笑顔に変わり、手を引っ張ってくる。

 これは……

 

「指切り、かね?」

「シャンハーイ」

「ホラーイ」

「分かった分かった……ほら」

 

 小指だけ立ててそれぞれに向ける。サイズ的に小指同士は無理だからか、上海と蓬莱は俺の小指を掴み揺らす。

 なんだこの和む人形……欲しいぜちくせう……。

 

「指切りげんまん、嘘ついたら針千本飲ます、指切った……っと、これでいいかね?」

「シャンハーイ♪」

「ホラーイ♪」

 

 頷いてから、ふわふわと飛んでアリスの近くへと戻る。うん……和みをありがとう。

 俺が見届けると同時に、今まで無言だったアリスが口を開いた。

 

「私は今のが理由、上海と蓬莱がとても喜ぶからね。それに私自身としても好ましいわ、彼は探求心豊かだし礼儀正しい、本もちゃんと返してくれるもの」

 

 まぁ正直流れとかノリに乗ってるだけなんだけどね、と最後に付け足して読書を再開したアリス。

 成る程、確かに俺としても悪くない話だ。魔術……いや魔法か、魔法についての本をいつでも読めるし、上海と蓬莱とも遊べる。

 さらに言えばアリスは常識人だから無茶な注文もされないだろう。人里も遠くは無いから教師業も継続出来る……ただ魔法の森に住むことになるから、少し危険ではあるな。

 

 ……まぁ、何でも屋の仕事もあるからどのみち無理なんだけど。などと長々と考えていると、魔理沙が立ち上がった。

 

「まったく、みんな長々と……こういうのはザックリ言うのが一番なんだぜ?」

 

 クイッ、と帽子を軽く指で押し上げながら言う魔理沙。ザックリか、興味があるな。

 俺と同じなのか、幽香が魔理沙に聞いた。

 

「じゃあ、貴女はどういう理由があるのかしら?」

「ふふん、私はな」

 

 ニヤリと、不敵な笑みを浮かべる。そして、話し始めた。

 

「私はな……ズェピアを」

「うむ」

「雑用として使うんだぜ!!」

「カット!」

「危な!?」

 

 しまった、ドヤ顔があまりにもイラッときたからバッドニュースを……まぁ避けられたけど。

 

「あ、私も」

 

 手を上げながら霊夢が言う。お前ら、人権って知ってるか?

 

「論外ね」

 

 幽香がバッサリと切り捨てる、そりゃそうだ。というか、俺が嫌すぎる。

 あの二人はかなり無茶を言いそうだしな。

 

「君はどうなんだ?」

 

 っと、嫌な考えに集中しすぎたか。……あれ、俺じゃない?

 見たところ、慧音が幽香に聞いているようだ。

 

「君は何故ズェピアを自分の家に住まわせたがる? 決して親しくはないはずの君が、何故だ?」

「そうね……」

 

 目を閉じ、少し考える様子を見せる幽香。茶を啜って待つこと……十数秒程だろうか、それぐらい経った頃に目を開けた。

 

「まず、私は彼に半裸を見られているわ」

「ゴホッ!?」

「ズェピア!?」

「ズェピアさん!?」

 

 ゲホゲホと、茶が気管支に入ったことによる咳が出る。苦しかったが阿求が背中を軽く撫でてくれたおかげでマシになった。

 俺が落ち着いたのを確認した幽香は続きを話した。

 

「深く、それはもう深くまで抉られたわ……私が気を失ってしまいそうになるほどに……」

「君は言い方をどうにかしたまえ!!」

「事実じゃない」

「事実だが、事実だが違う……!」

 

 表現こそおかしいものの、事実なのは事実だ。だがそれはあくまで戦闘的な意味で、性的なものは欠片もない、さらに言えばあれはワラキアがやったことだ。

 

『呼んだかね?』

 

 呼んでないから引っ込んでてくれ。

 ……あれ、なんか慧音達が顔を赤くしてる? しかも阿求は煙が…あれ、これヤバくね? 間違いなく勘違いされてるよな?

 

「……冗談よ、冗談。だからそんなに慌てなくていいわよ」

 

 楽しげに笑う幽香、いやこっちは本当に焦ったんだけど……。

 慧音達はホッとしたり、残念がったりと反応はバラバラだ。おい魔理沙、本気で残念がるな、張っ倒すぞ。

 

「……一つ、聞いてもいいかね?」

 

 みんなが頷いたのを確認し、俺はずっと抱いていた疑問をぶつけた。

 

「何故に私の住む場所について話していたのだね?」

 

 途端、シーンとなる空気。俺何か変なこと聞いたか?

 だがみんな、一人の人物に注目している。発端は恐らくその人物で決まりだろう……つまり。

 

「……幽香、君なのかね?」

「えぇ私が言い出した話よ」

「少しは悪いと……思うわけがないか…」

 

 まったく悪びれる様子の無い幽香にため息をつき、再度質問をする。

 

「で、なんでまたそんな話を?」

「単純に貴方が欲しかったから」

「…………む?」

「これは本音よ? 冗談でもなんでもない、本音」

 

 真顔で言う……ってことは、本当に冗談ではないのか。あぁ、そういや飼いたいとかどうとか言ってたぁ。

 

「私が来たときにはすでにみんな居たのよ、そしたら用件を聞かれたから正直に話したわ。で、あぁなったわけ」

 

 付け足し、補足する幽香。

 じゃあみんなはみんなで用があったわけか……? 聞いてみるとしよう。

 

「では、みんなはどういった用件で?」

「貴方が風見幽香と戦ったと知ったから」

「……知った?」

「えぇ、だから事の詳細を聞きにね」

 

 みんなを代表して霊夢が話す。いやだが待て、大切なワードがあったぞ。

 若干退屈そうにしている霊夢に聞き返す。

 

「知ったから、と君は言ったね? それはどうやって?」

「これよ」

 

 霊夢が取り出したのは……新聞? 受け取り、一面を見る。

 これは……文々。新聞か……ん?

 

 【狂気の吸血鬼、大妖怪風見幽香を粉砕!!】

 

 …………え?

 

「これは……一体?」

 

 でかでかと、そう書かれた文がまず目に飛び込んできた。次に写真、俺……正しくはワラキアが幽香を倒したところと、横抱きにしている姿が写されている。いや、いつの間にこんな……。

 

「あの鴉天狗はネタのあるところに現れるからな、そういうこともあるさ」

 

 魔理沙がうんうんと頷きながら言う。

 

「これはまさか……里の人にも……?」

「配られていると思うぞ、生徒達も知っていたぐらいだ」

 

 慧音から聞き、愕然とする。そうか、だからみんなの反応がおかしかったのか……それに生徒の言葉の意味も理解出来た。

 ……成る程、成る程……。

 

「ど、どうしたズェピア? なんか怖いぜ……?」

「そうかね? いや気のせいだよ」

 

 怯える魔理沙にそう言い、立ち上がる。さて……どこに居るかな?

 

「鴉天狗なら今日は配り終えたら人里から見て東にある森を散歩すると、上機嫌に話してたわ」

「恩に着る、霊夢」

 

 霊夢のありがたい情報を元に捜索に乗り出すことに決めた。

 マントは無いので仕方ないが、とりあえず靴を履く。

 

「……夜には帰れよ、食事を用意して待っている」

「ありがとう、帰ってくるから安心してくれ」

 

 慧音の言葉にそう返し、俺は家を出た。

 さぁ……待っていやがれ射命丸文、目立ちたくない俺を目立たせたんだ、それ相応の覚悟をするんだな……! あれ、これって結構ダサいこと言ってる気がする、やだ恥ずかしい。

 

 

 

 結局、家に関しては現状維持で話を付けた。俺にとっては住み慣れた家だし、独り暮らしだから気ままなのもある。上海と蓬莱が少し残念そうだったが、今度遊びに行くことで機嫌を治してもらった。

 射命丸? あぁ大丈夫、生きてる生きてる。妖怪だからタフだし、平気だよ、うん。


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