スズ・クラネルという少女の物語   作:へたペン

63 / 105
色々な人に引き続き心配されるお話。


Chapter06『心配のされ方』

「最近スズ君が無茶をしている?」

『ええ、ものすごくね。貴女が最初に施した条件付けが少し甘かったようね。『生きて帰る』ことには専念してくれるし『物事を考える』こともしてくれるけれど、『死なず』『倫理観に背く行為』以外なら大切な人の為に行動の最適化を【心理破棄(スクラップ・ハート)】が誘導している節があるわ』

 

 今日は珍しくスクハがリリのところに遊びに行くので風呂屋へ行く前に【ステイタス】の更新を行なっていると最近スズが無茶をしていることをスクハが教えてくれた。

 

『【限界解除(リミット・オフ)】の出力調整と違って『スズ・クラネル』の行動は私が表に出るしか防ぎようがないし、『スズ・クラネル』が望まないことを私は実行できないの。無理にでもランクアップさせてあげるべきかしら?』

 

「何か当てはあるのかい?」

 

『『巫女』としての【経験値(エクセリア)】をサルベージしてもらえれば【経験値(エクセリア)】関連の【スキル】が発現すると思うのだけれど、それで『スズ・クラネル』の体が精霊化してしまっては人としての幸せを与えてあげられなくなってしまうわ。できることなら自力でランクアップをしてもらいたいところね』

 

「精霊はボク達神と一緒で本来子をなせないからね。ボクも君の子供が見られないのは避けたいかな。早く君達の子供の顔をボクは見たいよ」

 

『そんな孫の顔が見たい母親のような軽いノリで軽々しく言わないでもらえないかしら。それと『私』の子ではなく『スズ・クラネル』の子だから、そこのところ勘違いしないでもらいたいのだけれど』

 

 スクハがボフっと枕に顔を埋めた。

 流石に何度もからかうのは可哀そうだと思いヘスティアは何を誰で想像したのかは聞かないでおいてあげる。

 

「スズ君の子は君の子でもあるだろう。まったく強情だな。そう言えば子供ができるならスズ君は『巫女』だけどまだヒューマンということでいいのかい?」

『貴女、そんなこともわからないだなんて、いつか魔物を眷族にしてしまうんじゃないかと心配になってくるわ』

「いくらなんでも魔物なんかが目の前にいたら一発でわかるさ。スズ君はヒューマンなのにスクハ君が精霊っぽいのが気になってるだけで、ボクにだってしっかり人を見る目はあるんだぜ?」

 

『そう、なら安心ね。少しだけ『巫女』について補足をしてあげると、そうね。精霊になると体の成長が止まってしまうから『巫女』がある程度成長するまでは調整期間として完全な精霊にはせずに育てるのよ。精霊の血が濃いせいで見ての通り成長は遅いけれど、神がヒューマンと認識するのなら『スズ・クラネル』はまだヒューマンなのでしょうね。ただ【神の恩恵(ファルナ)】に関しては『私』にとって未知の領域だから『巫女』としての【経験値(エクセリア)】をサルベージした結果何が起こるかまでは保証しかねるわ。もしもサルベージをするならロックを緩めるけれどどうするかしら?』

 

「するわけないだろ、そんなこと。君の今までの話から察するにスクハ君はスズ君の精霊部分も受け持ってるんだろう? ボクにスクハ君を切り刻んでスズ君に移植するような真似をしろってのかい?」

 

 ヘスティアが呆れたようにそう言うとスクハはほんの少しだけ黙ってしまった。

 おそらく図星だろう。

 それを悟られたくはなかったのかスクハは軽く溜め息をつく。

 

『神の直感というのも馬鹿にならないわね。当たらずとも遠からず、『私』という存在から【経験値(エクセリア)】を引き上げて『スズ・クラネル』に移す作業になると思うわ。もっとも、実際に試したことなんてないのだから予想の範疇でしかないのだけれど。まあ元々貴女の考えを聞きたかっただけで『スズ・クラネル』には人間として幸せになってもらいたいのだから断るつもりだったのだけれど』

 

「いっそのこと準備が整い次第スズ君のランクアップを待たず中層に挑むのもありなんじゃないのかい? ベル君の成長は残念なことに絶好調だし、新しい子……えっと、ヘファイストスが気にしていた鍛冶師(スミス)のヴェルフ君であってたかな? パーティーも増えたから中層でランクアップしてもいいと思うんだけどな。それにほら、今日の【経験値(エクセリア)】でランクアップするかもしれないしね!」

 

『身体能力的には遥かに格上相手と戦闘して、その【経験値(エクセリア)】をほとんど貰ったみたいだけれどどうかしらね。ミノタウロスとLV.2冒険者を倒しているから【経験値(エクセリア)】はある程度溜まっているとは思うのだけれど、そう簡単にランクアップできれば私はこうも悩んだりしないわ』

 

「ホームでくらい楽観的に物事を考えようぜ」

 ヘスティアはのんびりとやっていた【ステイタス】更新作業をテキパキと終わらせる。

 

 

 

「あ、ランクが上がった」

 

 

 

『冗談はその大きな胸だけにしときなさい』

「いや、ほんとだって! 見ておくれよ、ほら!」

 疑って茶化すスクハに必要な【ステイタス】を書き写して見せた。

 

 

 

 

 

 

-----------------------------------------------------------------------------------

 

 スズ・クラネル LV1⇒更新可能

力:f300⇒e422   耐久:e402⇒d506 器用:e420⇒d521

敏捷:g283⇒f368   魔力:ss1020⇒sss1144

 

 【発展アビリティ】候補

『神秘』『魔導』『精癒』

『狩人』『調合』

 

-----------------------------------------------------------------------------------

 

 

 

 

『小竜とはいえ竜殺しに貢献したからかしら。それとも『私』の知識を引き出したから……。【基本アビリティ】と上位の【経験値(エクセリア)】を少し稼がせるつもりで見守っていたけれど、こうもあっさり上がるなんて不気味ね。新しい【スキル】は?』

 

「いや、【スキル】の方は相変わらず君が触れるなって言った奴しかなさそうだったから引き上げてないよ。それよりも【基本アビリティ】の伸びと【発展アビリティ】の数がおかしなことになってるんだけど、こっちの方に心当たりはあるかい?」

 

『【基本アビリティ】は適正以上の相手と接近戦をしたことと、リューに特訓をつけてもらっているせいかしらね』

「まだ特訓を続けてたのかい?」

『ええ。リューの仕事に差支えのない程度に昨日今日と特訓をつけてもらっていたわ。日も昇っていない時間にこっそり抜け出してね。魔力は昨日の分と今日リリが本気で心配してくれたのが嬉しかったのかもしれないわね』

「あー、昨日のスクハ君は更新どころじゃなかったからね」

 昨日は更新をしようとしたらスクハが放っておいてと枕を離さなかった。

 

 どうしたのかを聞くと『『スズ・クラネル』が無茶をして強制的に私を引っ張り出して来たわ。二人で買い物をする破目になったのは貴女のせいよ』とスクハが答えたものだから、つい「デートができてよかったじゃないか」と茶化してしまった結果枕が飛んできて結局【ステイタス】を更新させてもらえなかったのだ。

 

『その話は今はどうでもいいでしょう。とにかく【発展アビリティ】についてだけれど、神の十八番『神秘』は『巫女』だからこの先も多分出続けるでしょうね。『調合』は里の『詩の蜜酒(ミード)』モドキを作っていたせいかしら。『魔導』と『精癒』は『私』と『スズ・クラネル』が欲していたものだから正直嬉しいわね。無駄に沢山選択できるけれど選ぶとしたらこの二択になるかしら。思ったよりも早く発現したのは術式を組んでいたのも【経験値(エクセリア)】として認められていたということでしょうね』

 

 スクハの説明になるほどとヘスティアは納得する。

 おそらくこれらの知識はスズがエイナに【発展アビリティ】の発現条件を聞いて学んだことなのだろう。

 

「どれを発現するのかはスズ君とベル君を踏まえて話し合うとして、【雷魔戦鎚(ミョルニル・マジック)】で【魔法】を制御している君達に『魔導』は必要なのかい?」

 

『『私』にはあまり必要ないけれど、対象や効果時間などを増やすのは中々に大変なのよ。使う度に術式を高速で書き換えていたら脳がその内耐えられなくなるわ。【発展アビリティ】は【スキル】と重複してくれるからずいぶんと負担が減ってくれるはずよ。だから『私』は『精癒』よりも『魔導』が欲しいところね。単純に威力の水増しにもなるし』

 

「スズ君の負担を減らせるならボクも『魔導』の方をスズ君にオススメしたいけど、スズ君にランクアップのことを伝えたいから変わってもらっていいかな?」

 

『ええ。これで少しは無茶を止めてくれると嬉しいのだけれどね』

 スクハはそう言い残してスズに変わる。

 

 

「あ、えっと……。更新の結果は……」

「無茶したのはよくないけど、まずはおめでとうスズ君。念願のLV2になれたよ」

 ヘスティアが「ベル君とおそろいだよ」と頭を撫でてあげるとスズは明るい笑顔で喜びベルの呼びに飛び出して行った。

 

 スクハがやけにランクアップをしたことについて気にしていたのが少し気になるが、これでスズはランクアップをする為に無茶をすることはなくなるだろう。

 無茶したことは注意しなければならないがまずは祝ってあげないとなとヘスティアの頬は緩むのだった。

 

 

§

 

 

「スズ様、嬉しいのはわかりますが、リリがどれだけそのランクアップする為の無茶で心配したかをお忘れないようお願いします。LV.3になる時もあのような無茶をするようでしたら首輪をつけてでもスズ様の行動を全部監視させていただきますからね。いいですね!」

 

「ご、ごめんね、りっちゃん。もうあんな無茶な【経験値(エクセリア)】稼ぎはしないから。えっと、その……」

「ランクアップおめでとうございます、スズ様。ランクアップしたこと自体はリリも自分のことのように嬉しいですから安心してください」

「ありがとうりっちゃん!」

 

 風呂屋の湯船に浸かりながらさらりとランクアップ報告を受けるとはリリは思いもしなかったが、年相応に喜んで抱きついてくるスズの姿は微笑ましく感じで「もう無茶したら嫌ですよ?」と念を押しながらもリリはスズの頭を撫でてあげる。

 

「サポーター君、スズ君が心配掛けたね。スズ君のことを思って泣きながら叱ってくれたんだって?」

「それはもう心配しましたよ、あんな無茶をされては。ヘスティア様もベル様もスズ様が可愛いあまりちゃんとお叱りになったことないんじゃないんですか。甘やかせすぎもよくはありませんよ?」

「うっ……。それはわかってるんだけど、ほら、スズ君は良い子過ぎて叱るタイミングがないんだよ」

「今日叱るタイミングがあったばかりじゃないですか。みんながみんなして優しすぎるのも問題ですね」

 

 目をそらすヘスティアにリリはジト目で睨みながらそう言い、今後もスズを叱る役目は自分に回ってくるのだろうなと深くため息をついた。

 

「それでスズ様。【発展アビリティ】は何が選択できるんですか?」

「えっと、沢山あるけど欲しいのは『魔導』か『精癒』かな。『精癒』があれば精神回復薬(マジックポーション)の節約になりそうなんだけど、りっちゃんはどっちがいいと思う?」

「そうですね。【ヴィング・ソルガ】の負担が減るのでしたら『魔導』でしょうか。熱量もそうですが、体にずいぶんと負荷が掛かっていることをスクハ様からお聞きしたばかりですし」

「満場一致同じ理由で『魔導』みたいだね。皆これだけスズ君のことを心配してくれてるんだから、もう自分の体をいじめるような真似はやめておくれよ?」

 ヘスティアはリリに抱き着いているスズを自分の方に抱き寄せてぷにぷにと頬を人差し指でつつく。

 

 経済的には『精癒』が恋しいところであるがそんなものよりもスズの体の方が大切だ。

 スズのことだから誰かの為に『魔導』で負荷を増やして効果を底上げする可能性も大いにあり得るが、そういう時は誰かが本当に危ない時なので心配だが目を瞑るしかない。

 

 しっかり言えば今日のような【経験値(エクセリア)】稼ぎで無茶をするようなことはないと思うので、しっかり自分がスズのコンディションを管理して無茶をさせないように気を使ってあげていれば大丈夫だとリリは思う。

 

 ミノタウロスとの戦いのような緊急事態に陥らない限り、堅実にいけばベルとスズなら問題なく中層で戦っていけるだろう。それに加えてリリスケとからかってくるがお人好しそうな前衛鍛冶師(スミス)のヴェルフも加わった。

 後はもう少しヴェルフを含めたパーティープレイに慣れてスズの為に耐熱グローブを用意すれば中層攻略に入れる。

 

 まだリリが踏み入ったことのない領域なので不安はあるが、ベルとスズの為に自分ができることを精一杯頑張ろうとリリは少し早めの覚悟を決める。

 さし当たってはいつ挑むことになっても大丈夫なように中層から安全地帯である18階層までの地図を頭に叩き込んでおかないといけないだろう。

 

 今週はさらに忙しくなりそうだと内心苦笑しつつも大切な人の側で頑張れるのは『楽しいこと』だと思えた。

 

「そういえばヘスティア様。いつも思っていたんですが、リリ達以外に人が滅多に来ないとはいえ鍵は掛けておいた方がいいと思いますよ。【ファミリア】の方針でも流石に不用心かと。『レスクヴァの里』の住人だから背中の【ステイタス】なんて飾りだと思っているのでしたら考えを改めてくださるとリリはとても安心できるのですが」

「ん?」

 風呂屋で背中の【ステイタス】を丸出しにしているのはよくないと進言するとなぜかヘスティアは不思議そうに首を傾げていた。

 

「背中の【ステイタス】隠蔽の話です!」

「え? 【ステイタス】って隠す方法があるのかい!?」

「リリ達に興味がお持ちでなかったソーマ様ですら【ステイタス】の隠蔽を施してくださいましたよ。今度ご神友のミアハ様にやり方をお聞きになってください」

 まさか【ファミリア】の方針『無害な仲良し家族』アピールでワザと隠さないのではなく、【ステイタス】の隠し方を知らなかったとは思いもよらなかった。

 

 主神含めて本当に常識はずれな人達で心配になってくる。

 リリは大きく溜息をついてからヘスティアに無抵抗で愛でられているスズを手招きすると、スズはヘスティアの手から抜け出してやってきてくれる。

 

「どうしたの、りっちゃん?」

「いえ、スズ様があまりに無防備だったもので。こうして見ると本当に猫みたいですよね。スクハ様がついているとはいえ異性の方には本当に気をつけてくださいよ」

「そこはボクもものすごく心配してる場所だね。サポーター君から見て新しく入って来たヘファイストスのところの子、ヴェルフ君はどうだい?」

「そうですね。スクハ様が警戒されなかっただけあって職人気質な方でしょうか。少なくともスズ様やリリのことを異性として見ている様子はありませんでしたね。ぱっと見ただけですが前衛としての腕も鍛冶師(スミス)としての腕は悪くありませんし、パーティーメンバーとして妥協点ではあります」

「サポーター君が妥協点を出してくれるなら問題ないかな。ヘファイストスが気に掛けている子だから仲良くやっておくれよ」

 

 もちろんパーティーを組むからにはベルとスズの為にも全力でサポートする気ではいるのだが、リリは『リリスケ』とからかってくるヴェルフのことが少し苦手だ。

 スズも初回から愛称をつけて呼んで来たがヴェルフはよりにもよってパルゥムである自分が気にしている身長のことでからかって来たのだ。いつも犬人(シアンスロープ)に【シンダー・エラ】で変身しているのでパルゥムとしての自分に気を遣ってくれというのは無理な話ではあるが、やはり気にしているところを言われるとむっとしてしまうことも仕方がないことである。

 

「それにしてもヴェルフ様は家名を気にしていましたが、魔剣を打てなくなった凋落した鍛冶貴族として他の鍛冶師(スミス)様達から馬鹿にされていたのでしょうかね。『レスクヴァの里』に負い目を感じていたというよりも家系そのものに嫌悪感を抱いていたように見えましたが」

「いや、その逆で『魔剣を打てる』のに『魔剣を打たない』から誹謗中傷されているみたいなんだ。『宝の持ち腐れ』『出来損ないのクロッゾ』ってね」

 ヘスティアの口から思っても見ない言葉が飛び出して来てリリは驚きに目を見開いてしまった。

 

「魔剣を打てるって……あの『クロッゾの魔剣』をですか!? 『海を焼き払った』と謳われるあの!?」

「そう。正真正銘の『クロッゾの魔剣』を作れるんだ。贋作ではなく、作れば富と名誉が約束されるような一級品の魔剣を作れるにも関わらず、彼は魔剣を作らないんだ。上級鍛冶師(ハイ・スミス)の末席まで蹴飛ばして、頑なにね」

 

 もったいない、そうリリは思った。

 それと同時にヴェルフはクロッゾを名乗りたくない理由を何となくだがリリは理解できた。

 

 ヴェルフは自分を見て欲しいのだ、『クロッゾ』ではなく『ヴェルフ』としての作品を見てもらいたいにも関わらず、『クロッゾの魔剣』を打てるばかりに否応なしに『クロッゾ』として見られてしまう。

 職人気質のヴェルフはそれが嫌だったのだろう。

 

 才能のないリリとは真逆の理由でヴェルフは自分を見てもらえなかった。

 人は生まれる場所を選べない不幸をリリはよく知っている。

 それと同時に自分自身を認めてもらえた時の嬉しさもよく知っている。

 

 ヴェルフはようやく『クロッゾの魔剣』ではなく自分の作品を認めてもらえて、ヴェルフという一人の鍛冶師(スミス)として見てもらえて嬉しかったのだろう。

 

 魔剣があればダンジョン探索も楽になるし才能のない自分でも戦えるようになる。

 リリが戦えるようになればベルとスズの負担が減る。

 しかし富や名声よりも自分を見て欲しいと『クロッゾの魔剣』を打たないヴェルフに魔剣作成の依頼をしても間違いなく断られるだろう。

 

 最悪失望されてヴェルフはパーティーから抜けてしまう恐れがある。

 ベルとスズが求めているのが『クロッゾの魔剣』ではなく鍛冶師(スミス)ヴェルフなのは明白なのでここで下手に動かない方がいいだろうとリリは判断した。

 

「海を焼き払うなんて力を皆が振るったら住むところがなくなっちゃいますからね」

 スズの言う通り『クロッゾの魔剣』を市場に流すのは倫理的にも不味い。

 

 大国ラキアの振るう『クロッゾの魔剣』に森を焼かれ住む場所を失ったエルフや精霊は多いのだ。

 そんな悲劇を繰り返さない為にも『クロッゾの魔剣』をむやみやたらに作るべきではない。

 

 そういった意味で今後もヴェルフは『クロッゾの魔剣』を市場に流すことはないだろう。

 しかし『クロッゾの魔剣』のネームバリューは大きい。

 利用しようとよからぬことを企む輩や、先代の恨みを持つ者も多いことだろう。

 

 本当にベルとスズは厄介ごとを持ってきたものだとリリは溜め息をついてしまうのだった。

 

 




スクハが疑問を抱いているものの無事スズもランクアップできたようです。
次回スクハとリリのお泊り会は長らくお待ちください。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。