スズ・クラネルという少女の物語   作:へたペン

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友達と過ごすお話。


Chapter06『友達との過ごし方』

 二人の頭の中を一度見てみたいと、リリは大きな溜め息をついてしまう。

 

 神様を呼んでくるとホームまで案内された挙句、そのホームでまず出迎えてくれたのが、顔が半分崩れた女神像だ。

 庭の雑草などは抜かれているがまだ何の飾りっ気もなく、ところどころ崩れている古い建物は、最近自分たちの手で改修作業を行っていたのか継ぎ接ぎだらけだ。

 

 おそらく廃屋だった教会を買い取ったか、もしくは不法にホームとして利用しているのだろう。

 金銭感覚がおかしかったのでもっと豪華なところに住んでいると思っていたが、外から見る限りだと、リリの安宿暮らしの方がまだマシな生活に思えてしまう。

 

 そもそも他の【ファミリア】の構成員を自分のホームに案内するなんてどんな神経をしているのだろうか。

 ベルが主神を呼びに行っている間、スズと二人きりでリリは教会の前で待つことになったが、もう呆れて声すら出なかった。

 

「どうしたの、りっちゃん?」

「不用心すぎて呆れただけです」

「大丈夫だよ、りっちゃん。盗まれるものなんてお金しかないし、金庫はちゃんと隠してあるから」

「都会と田舎の暮らしを一緒に考えないで下さい。鍵はちゃんと掛けてるんですか?」

「金庫だから掛けてるよ?」

「ホームのカギです! 可愛く人懐っこいスズ様は『なぜか』色々な方々に人気です。下着とか盗まれてもしりませんよ!?」

「お古の下着なんて盗む人いないと思うけど……」

 

 どれだけスズは純粋無垢なんだとリリが頭を抱えているとベルが教会の中から戻ってきた。

 

「今日はミアハ様と飲みに行くって置手紙があったよ。今度こそ神様と一緒に『豊饒の女主人』に行きたかったんだけど……」

「神様にも友達付き合いがあるから仕方ないよ。ちょっと寂しいけど、また次の機会に神様と一緒に行こうね」

 ベルとスズは残念がっているが、リリはほっとしていた。

 

 勢いに流されてついて来てしまったものの、神は人の良し悪しがわかり噓も見抜く。【ソーマ・ファミリア】らしい醜い心を持った自分なんて優しい二人の側に居させたくないだろう。

 有無を言わさず追い出されてしまうだろう。

 次からは流されないように気を付けないといけない。

 リリは次から何が何でも断らなければと固く決める。

 

 

§

 

 

 ベル達のホームから西のメインストリートに出て向かった先、『豊饒の女主人』は見るからに立派な店で、すべての店員が女性だった。

 

「ベルさん! スズちゃん! いらっしゃいませ! 中々会いに来てくださらないから寂しかったんですよ?」

 女将合わせた店員たちに軽く挨拶されながら、シルという女性に奥のテーブル席に案内され、スズだけそのまま「今日もよろしくね」と奥に連れて行かれてしまう。

 

 男性向きの店によくも平然と妹と女性である自分を連れてこれたなと思うが、田舎からきたベルは「食べ物が美味しい酒場」として見ているのだろう。

 女性だけの客も来ているし、店自体の作りもいい。女将が居座るカウンター先に並ぶ料理や食材の数々は立派なもので、間違いなく味は保障されている。

 

「リリは、ベル様のことをもっと初心な方かと思っていました。こういうお店が好みなんですね、ベル様は」

「こういう? ……あ、ち、ち、ち、違うよ! 誤解だよリリ! 確かにここの店員さんは皆綺麗だけど、僕はそういうつもりで来たわけじゃっ!」

 

「知っています。見た限りだと店員が女性だけなのは女将の方針……おそらくですが従業員の方を気遣っての配慮でしょうし、本当に食べ物が美味しいお店だということは理解してます。しかしながらベル様、このお店のことを知らない女性を連れてくるには、いささか説明不足だったと思いますよ。リリだったからいいものの、そう勘違いされても仕方のない状況でした。ベル様はもっと常識をわきまえてください」

 

「うん、ごめん。でもここの料理は本当に美味しくて、スズも気に入ってるから、リリも気に入ってくれると思うよ」

「食に気を使うスズ様のお口に合うものでしたら、リリも楽しみにさせて頂きましょう」

「本当に美味しいから、りっちゃんもこのお店のことを好きになってもらいたいな」

「スズ様。おかえりな……なぜスズ様が給仕服を着ているんですか?」

 戻ってきたスズはこの店の給仕服を着ていた。

 

「シルさんにお手伝いを頼まれてて。でも、着てるだけで宣伝効果になるんだって。何でだろう?」

「スズ様は普段聡いのに自分のことになると疎過ぎです。スズ様はお客様であって従業員ではないんですよ?」

「でも、着るだけでみんな喜んでくれるなら、良いことなんじゃないかな?」

「リリはスズ様のことが心配でなりません。もしも男の人に声を掛けられても、簡単に着いて行ってはいけませんよ?」

「本当に悪い人は何となくわかるから、大丈夫だよ」

 そうきっぱりと笑顔で言い切っているが、自分を受け入れている時点でその言葉は当てにならないとリリは呆れ果ててしまう。

 

 そして何よりも呆れてしまうのが、体が小さいのにどんどんスズは注文をするところだ。

 その小さく貧相な体のどこにそんなに食べ物が入っているのだろうか。

 ゆっくり会話をしながら食べて、大皿に盛られた料理をみんなで分け合っているものの、三人で食べに来て目の前が料理で埋まるとは思いもしなかった。

 

 さらにしっかり来た客には「いらっしゃいませ」と元気よく挨拶をして、軽く挨拶やスズの頭を撫でに来た客に対してリリのことを「同世代の友達ができました」と嬉しそうに語り、客は男女問わずにリリの頭まで撫でてくるものだからたまったものではない。

 

 少しリリは『白猫』の影響力を舐めていた。

 冒険者達はスズから魅了でも受けているのかと思うほどスズに優しい。

 そんなちやほやされるスズを見て軽く舌打ちするガラの悪い冒険者もいるものの、この場にいるのはスズに好感を持っている者達ばかりで、さらにこの店の給仕服を着てるせいもあってか、小言すら口に出さないでいた。

 

 リリの常識だった大嫌いな冒険者が少数派で、お人好しの方が多い事態に困惑してしまう。

 確かにスズは小さく愛らしく、幼いながら女神を思わせるほど整った顔立ちをしているし、優しく人懐っこい性格はとっつきやすく、そんなスズと触れ合って癒しを求める気持ちはわからないでもないが、リリの知っている冒険者達のイメージとこの場にいる冒険者達のイメージがあまりに掛け離れていた。

 

 リリがただの雇われサポーターであることを訴えかけても、「見ての通りの子だから、これからも面倒見てあげてね」と見知らぬ冒険者が笑顔でぽんぽんとリリの頭を優しく撫で、態度を変えようとしない。

 

 こんな冒険者達をリリは知らない。

 明らかに異常だ。

 それとも【ソーマ・ファミリア】で生まれ育ったせいで異常に感じるだけで、冒険者の平均がこんな倫理観のある人達なのだろうか。

 

 価値観が崩れそうになるが、いつか0時の鐘が鳴り、『幸せ』という魔法は解けて元の生活に戻ってしまう。

 【ソーマ・ファミリア】にいる限り、これから関わっていく相手である、盗みのターゲットは碌でもない冒険者であることに変わりない。

 いくらお人好しが多くても、【ソーマ・ファミリア】である限りリリが関わる冒険者はそんな者達ばかりなのだ。

 

 それでも、ほんの一時とはいえ、色々な人に良くしてもらうのは幸せだった。

 叶わぬ願いだと知っていても、ずっと魔法が解けずに幸せで居続けられたらいいのになと、リリは思ってしまう。

 

 本当に『幸せ』とは『神酒(ソーマ)』と同じような毒だなと思いながらも、リリはいつか終わってしまう『幸せ』をじっくりと忘れないように味わうのだった。

 

 

§

 

 

「スズ様、ベル様、今日はリリなんかのために歓迎パーティーを開いてくださりありがとうございました。リリはとても楽しかったです!」

「りっちゃんが喜んでくれて良かった。私もりっちゃんとご飯食べられて楽しかったよ。りっちゃんはまだ時間大丈夫かな?」

「はい。明日の探索に差支えのない程度でしたらスズ様にお付き合いできますが、まだどこかへ行かれるのですか?」

「うん。いつも晩ご飯の後は銭湯に行ってるんだけど、りっちゃんもどうかなって。心も体も温まって気持ちいいんだよ」

 

 普段なら無駄な失費は抑えるのだが、いつもは主神と行っているらしいのでこの機会を逃すと一緒に行く機会はおそらくもうないだろう。

 リリはその申し出を受け入れて、一度【ヘスティア・ファミリア】のホームに連れて行かれ、洗面器やタオルなどを貸してもらい、北のメインストリートにある銭湯へと向かう。

 

 スズはリリと一緒に銭湯へ行けるのが嬉しいのか鼻歌を歌っている。

 かと思えば話しかけてきたり、正面から向き合って話したかったのか、小走りでリリの前に飛び出して、後ろ歩きで顔を見合わせながら話したりと、言動を見ているだけでも飽きることなく、微笑ましく、『幸せ』を分けてくれる。

 

「スズ、転ばないようにね?」

「うん。心配してくれてありがとう」

 そんな何でもないベルとスズのやり取りが羨ましかった。

 また『幸せ』を貰っているのに、妬みを感じてしまう。

 

「リリ」

「どうかなさいましたか、ベル様?」

「スズも言ったけど、遠慮なんてしなくていいんだよ。【ファミリア】が違っても僕達は仲間なんだから」

 

 少し自己嫌悪して距離感を置こうとしたら、ベルが優しく手を差し伸べてくれた。

 自分にも向けてくれる優しさがたまらなく嬉しかったが、その手を差し伸べた相手は【シンダー・エラ】で犬人(シアンスロープ)に化けているリリであって、【ソーマ・ファミリア】のパルゥムとしてのリリにではない。偽物の自分に差し伸べた手だ。

 

 隠し事をしていても、後ろめたい事を考えていても、スズはリリのことを嫌いにならないと言っていたが、本性を知れば優しい二人でも軽蔑するに決まっている。

 騙されたと恨んでくるにきまっている。

 

 あの【ソーマ・ファミリア】から逃げ出した際にお世話になった優しい花屋の老夫婦だって、【ソーマ・ファミリア】に酷い目にあわされてリリを追い出したのだ。

 リリが関わった人が酷い目に合うなら、酷い目に合う前に自分から裏切って、悲しみよりも憎しみだけを抱かせた方がよっぽどか良い。

 

 リリが憎しみのはけ口になってベルとスズの傷が最小限になるなら、命の危険を感じることなく人に騙されることを体験してくれるなら、それが一番いいに決まっている。

 そう信じなければ、リリが耐えられなかった。

 『幸せ』という味を覚えてしまったリリには、なにか『最低な自分』が裏切ってもいいという言い訳を持たなければ押しつぶされてしまいそうだった。

 

 

§

 

 

「そういえばりっちゃん」

「なんでしょうかスズ様?」

 脱衣所で服を脱いでいると何でもないタイミングでいつも通り唐突にスズが話題を振ってきたので、ローブを脱いだところで手を止めてリリは笑顔を作る。

 

「りっちゃん可愛いのに、怪物(モンスター)の返り血を浴びないためのフードを外でもかぶってるの、もったいないよ?」

「可愛いと言ってくださるのは嬉しいですが、リリはスズ様みたいに綺麗ではありませんし、リリの毛並みはぼさぼさで、みっともなくて、あまり人に見せたくないんです」

 

「そっか。くりくりしてて可愛いと思うんだけど……。そうだ! お風呂上がりに私がりっちゃんのブラッシングしてあげるよッ」

 

 相変わらずスズは無邪気で、いくら言ってもリリがサポーターであることを意識してくれない。

 なので、もうこの点を指摘するのはあきらめている。

 

「いえ、スズ様にそんなお手を煩わせる訳にはいけません。それに明日にはもう元通りになってしまうので」

「毎日朝晩やってあげるよ?」

「スズ様。リリが女性でしたからよかったものの、いつか男性の方に変な勘違いをされても知りませんよ?」

「変な勘違い?」

 スズは本気で首をかしげているのだから、リリはため息しか出てこなかった。

 誰かが面倒を見てあげなければ、『白猫ちゃんを見守る会』なんてバカなものがなければ、ほいほい騙されて、歓楽街に売り飛ばされてしまうのではないかと心配でしかたがないほど、無警戒の純粋無垢でお人好し過ぎる。

 

「とにかく、気を付けてくださいね」

「うん。でも本当に犬人(シアンスロープ)のりっちゃんも可愛いのに、もったいないよ?」

 

 

 その言葉に『幸せ』という酔いが一気に吹き飛んでしまった。

 

 

「……スズ様、今、犬人(シアンスロープ)のりっちゃん『も』と言いましたか?」

 

 リリがそう聞き返すと、今の言い回しは無意識に言ってしまったようで、スズはばつが悪そうな表情で口元を押さえる。

 

「あ……ごめんねりっちゃん。【変身魔法】で変装してること気にしてないよ? 変身してても、してなくても、りっちゃんはりっちゃんだし、もしもりっちゃんが私より年上でも、友達なの変わらないから。りっちゃんが隠してたことなのに、本当にごめんね」

 

「……いえ、【変身魔法】で『スズ様の年齢に合わせられる』ように犬人(シアンスロープ)として振る舞っていたのはリリの方です。スズ様はなぜそのことに気付かれたのですか?」

 

 リリは即座にそんな言い訳をして、ばれた理由を確認した。

 見た目からばれただけならまだ慌てる事態ではない。

 

「えっと……【魔法】の術式が展開してたからなんだろうなって……」

 しかし、他人の術式まで見えるとは思いもしなかった。

 

 『幸せ』の時間が終われば変身をしてもやり直しは効かない。

 何食わぬ顔で様子を見ることすら許されない。

 世界はどこまでもリリに厳しかった。

 

「でもね、何度も言うよ。私はりっちゃんが、りっちゃんだから友達になったんだ。理由とか、見た目とか、年齢とか、そういうの関係なくて、私に助けを求めてくれたパルゥムのりっちゃんも、私を助けてくれたりっちゃんも、隠し事してるりっちゃんも、全部ひっくるめて大好きなりっちゃんだから。だからりっちゃんのこと嫌いになるなんてありえないよ。私の方が嫌われないかドキドキしてるくらいなんだから」

 

 それでも、スズはどこまでも優しかった。

 優しく微笑んでくれた。

 

「私が悪いことをしてきた人でもですか? 私が極悪人でも、これからスズ様やベル様を騙そうとしているものすごく悪い子でも同じことが言えるんですか!?」

 

「それでも嫌いになれないよ。神様が言ってたから。もしも私が道を踏み外したら…大好きだからこそ怒って、ひっぱたいてでも、手を引いて元の道に戻してあげる、って。その言葉がなんだかすごく嬉しかったから。私が嬉しかったこと、大好きな人にもしてあげたいなって。だから、止めることはあっても嫌いになることなんてありえないよ。自分から悪人だって言って、心を痛める人が、本当に悪い人なわけないもの。私はりっちゃんのこと、大好きだよ?」

 

 もうダメだった。

 スズの回りの世界だけ優しさに満ち溢れていて、『幸せ』から抜け出したくなくなってしまう。

 会って間もないのに『リリ』そのものを必要としてくれて、大好きだと言ってくれて、ただ怒鳴り散らすのではなく、相手のことを思って怒ってくれると言ってくれた。

 どれもリリが求めていたけど諦めるしかなかった『普通の幸せ』だ。

 

 返事を返すことが出来きなかった。

 心の整理が出来なかった。

 

「りっちゃん、お風呂入ったら気持ちがいいよ。無理に話さなくていいから。今はお風呂を楽しもう?」

 

 スズが服を脱ぎ切って笑顔で手を差し伸べてくれる。

 リリは顔を伏せたまま服を脱いで、その手を取ってしまった。

 

 本当に何も聞いてこなくて、何でもない普通の話題を振られるが、生返事しかしてあげられない。

 スズに流されるまま、体を洗い、サウナの階段を上り屋上の露天風呂に出る。

 

「ここから見る景色好きなんだ。星空と街が綺麗に見えて。りっちゃんはどう思う?」

「……綺麗だと思います」

 

 初めて辛い思い出しかない街が本当に綺麗に見えてしまった。

 冒険者達が溢れ返る、欲望だらけの酷く醜い街だと思っていたはずなのに、今では星空も街の灯りもまるで宝石のように輝いて見えた。

 

「スズ様」

「どうしたの、りっちゃん?」

 スズの生き方が、ありえないほど綺麗過ぎて、その笑顔が眩しすぎて、望んではいけない願いを口にしてしまう。

 

「リリは、ここにいてもいいのでしょうか? 今の醜いリリのまま、いつか必ず迷惑を掛けるとわかっていながら、スズ様とベル様のお側にいてもいいのでしょうか?」

 

 言ってしまった、そう後悔する暇さえなかった。

 

「当り前だよ。事情はよくわからないけどさ、僕もスズもリリと一緒に冒険したいと思ってる。もうリリは僕達の仲間だから、リリ以外のサポーターなんて考えられないよ。だからさ、リリ。困ったことがあったら相談してよ。僕って馬鹿だから、言ってくれなくちゃわからないんだ」

 

 隣の男湯からすぐにベルの声が返って来て、それがあまりに不意打ちすぎて、リリの顔が一気に熱くなる。

 

 

 

 

「ちゃんと助けるから」

 

 

 

 

 ここまでの会話の流れなんて知らないだろうに、そうはっきりと言ってくれた。

 男湯にいるから当然顔は見えないが、ベルが優しく笑いかけてくれていることは容易に想像できてしまう。

 二人があまりにお人好し過ぎて、涙が出そうになるが、それだけはぐっとリリは耐えた。

 

「湯船に浸かると身も心も温まると言うのは、本当だったんですね。リリは知りませんでした」

「りっちゃんも毎日一緒に入ろう。お話しながらお風呂入るのすごく楽しいんだよ」

「そうですね。スズ様の言う通り、こうやってのんびり湯船に浸かりながらお話しするのは、とても心地よく感じます」

 

 思えばこの二人は、最初パルゥムで出会った時に「助けてください」と伸ばした手を、無条件で掴んで助けてくれたのだ。

 初めから自分のことを受け入れてくれていたのが、リリ自身のことを受け入れてくれたのがたまらなく嬉しくて、声は出さなかったもののついに涙が溢れ出てしまう。

 

 そうしたらスズが寄り添ってくれて、温かくて、最終的には声を出して大泣きしてしまい、状況が見えないベルにものすごく心配されて、「もしかして僕が変なこと言っちゃった!? ごめんねリリ!!」と見当違いのことを言っているのだから、どんだけ鈍感でお人好しなんだと、声を出して泣きながらも『幸せ』が次から次へと溢れ出てくる。

 

 この日リリは、嬉しくても泣いてしまうことを初めて知るのだった。

 

 




リリルカ・アーデ、幸せに溢れすぎた世界に2日目にして陥落。
ゲドさんとカヌゥさんという素晴らしい方々がまだ控えていますので、経緯は変わりますが事件は無事起こります。

ゲドの旦那…アニメではいい顔芸だったのに惜しい人を亡くしました(まだ生きてます)

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