異能学園【天月】!!   作:初枝沖兎

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Ⅱ典【波乱の始業式】

――――以上で、学園長による

スピーチを終了します。

 

次に、新入生代表、彩葉血鮫さんによる、

スピーチになります。

 

 

放送により血鮫の名が呼ばれる

血鮫は壇上に上がり

生徒達の方を見ながら言葉を紡ぎ出す

 

 

『皆さんこんにちは、

新入生代表挨拶をさせていただきます

彩葉血鮫です。

桜の花が咲き誇り、

春の息吹が感じらr「ズガァァァァァアン!!」』

 

 

と、突然講堂の正面玄関が乱暴に

はじき飛ばされ一匹の獅子が姿を見せる

 

獅子の姿は全長2mはあり、

腹を空かしているのだろう、口からは

獰猛な牙をつたい唾液を滴らせている

 

 

獅子の姿を見た新入生達がパニックになるのは

時間の問題だった。

 

混乱は忽ちに生徒達に波紋のように伝播する

しかし、獅子にとってはそんなものお構いなし

 

獅子はその力強い双脚で地を蹴り

慌てる生徒達の一角に飛び掛った

 

生徒達から悲鳴が上がる、

飛びかかられた生徒は目をつぶり

自らの死を覚悟した…………

 

 

 

 

 

バギッ………!

 

 

しかし、獅子の飛びかかりに合わせ

白い鞘を纏った片刃直剣が獅子の顳顬に

当たり、獅子はきりもみ回転しながら

講堂の壁に叩きつけられた…

 

 

白メッシュを揺らし全く慌てずに

佇む生徒会長(白神乃阿)の姿が

そこにあった。

 

そして、獅子が入って来た正面玄関から

藍色の髪を膝まで伸ばした少女が

自らの体躯の二倍はある巨槌を抱えて

乃阿の元に来た。

 

 

「シノくん、大丈夫だった?」

 

「あぁ、大丈夫、って言うか

学園でその呼び方はやめてって、華音!」

 

乃阿は顔を若干赤くしながら、

少女、【瀬川華音(せがわかのん)

 

に向かって言う

 

「あはは、いいじゃん、いいじゃん

幼馴染みの仲ってことで♪」

 

華音はひょうひょうと笑いながら

乃阿に言う、

 

かく言う乃阿は頭を抱えながら

華音(手のかかる幼馴染み)に質問する

 

 

「はぁ…………それで、状況は?」

 

「あっ、うん。まずは初めにあの獅子は

第一アリーナ地下の、《生物研究会》が

研究対象として保管してたモノなの」

 

「ふむ………それで?」

 

「保管には、タングステン製の

特別格子を使ってたんだけど………」

 

 

そこで、華音は制服の懐から

一枚の写真を見せる

 

「!…………これは…」

 

「そっ、誰かによってロック自体(・・・・・)

破壊されてるの。」

 

 

「なるほどね、逃げ出したのは、獅子

一匹だけかい?」

 

「ううん、逃げ出したのは、獅子を合わせて

20匹、大蛇、虎、熊、etc………」

 

 

「勝冴くんは、動いてるの?」

 

「あぁ、うん。今、勝くんには、

他の執行部と一緒に捕獲に当たってもらってる」

 

「わかった、なら華音はこのまま獅子を

連れてってもらっていいかい?

僕は、とりあえず先に新入生達を

誘導するから」

 

「ん、わかったシノくんも気おつけてね」

 

と、二人が口早に会話をしていると

倒れた獅子に興味を惹かれたのか

数人の新入生達が獅子に近寄っていた

 

 

「こら、君達!まだ安全だとわかった訳

ではないのだから、離れなさい!」

 

新入生達を纏めていた先生の一人が

近寄っていた数人に気づき一喝する……

 

 

 

パキリ…………………

 

 

その音に、ハッとなる新入生達

なぜなら、倒れ伏して動かないと思っていた

獅子がその巨躯を動かしたからだ

 

 

「gyilyalalalalalalalalalalala!!」

 

 

咆哮一発、

近寄っていた新入生達は走り

すぐさま離れようと走った、しかし

数人のうちの一人の女子が腰を抜かして

ヘタリこんでしまった。

 

獅子はゆっくりと女子生徒に

唾液を滴らせながら歩み寄る

 

 

 

「(っ!間に合わない!!)」

 

 

すぐさま異変に気づいた乃阿だったが

乃阿と獅子との距離は講堂の端と端、

少なく見ても、50mいくら身体能力が

馬鹿高い乃阿でも、4~5秒はかかる

 

 

「(迷ってる場合じゃない!)」

 

 

乃阿は走りながら片刃直剣の柄に

手を掛ける………

 

 

 

freeze(凍結)…」

 

 

と、どこからか冷気を帯びた

細身の剣が飛来し獅子の身体に突き刺さった

瞬間、獅子の身体を一瞬で物言わぬ氷像

へと変えた。

 

 

「!………血鮫くんか!」

 

 

乃阿は氷像の前でヘタリこんだ女生徒を

一旦、先生へと頼むと、壇上の上にて

少女(哀俚)と何やら話している

少年(血鮫)へと向かう

 

 

「血鮫くん、今のは君が?」

 

「あっ、はい。とりあえず、

細胞のみを凍らしたので、

死んではないと思います。」

 

 

血鮫は凍結された獅子を

見ながら乃阿に説明をする。

 

 

「わぁ〜、凄い

カチンコチンだね…」

 

と、氷像を見ながら華音が

三人の下へとやってきた

 

「おい、華音、さっさと

この、氷像(獅子)運んでくれ」

 

「うん。………と、その前に♪」

 

 

華音は乃阿の後ろにいる

血鮫に顔を見ながら言う

 

「へぇ、君が噂の()かぁ…」

 

「へっ?蛇?」

 

「はぁ…血鮫、入学書類ちゃんと読んだ?」

 

「いっ、いや、多すぎてまだ途中で…」

「はぁ………いい!蛇って言うのは………と、

まずは、classの説明からか………」

 

 

哀俚はこの学園のシステムについて

説明を行う。

 

 

曰く、この学園には、

優秀な能力者なのに学園に通えない

という、生徒を通わせれないかということで

【classシステム】と呼ばれるものが

採用されている。

 

【classシステム】は主に、

3つの階級(class)から成り立っている。

 

 

《classRabbit()

 

主に、能力検査でBより下を

基準とした生徒達。

 

学費等は、全体の3分の1免除される。

 

 

《classTIGER()

 

主に、能力検査でAからBの間を

基準とした生徒達。

 

学費等は、全体の3分の2免除され、

給金と称し、ある程度の金銭が用意される。

 

 

《classEAGLES()

 

主に、能力検査でAより上を出した

ものが例外無くこれに値する。

 

このclassを獲得した者は学費の全免除

更には、多額の金銭が用意され、

当学園内においてのランキング戦に参加

することが可能。

 

 

 

※尚、このclassは、在学中に置ける

能力値の上げ下げによって変動する。

 

 

と、哀俚は血鮫に

classシステムの説明を行った

 

 

ふと、血鮫は疑問を浮かべる

 

 

「あれ?でも、classに《蛇》なんて

無いけど?」

 

「あぁ、それはね…

蛇って言うのはこの学園で

《EAGLES》以上の数値を出した者、

つまり、《OVER》を出した者に与えられる

classさ」

 

「ほぇー……《EAGLES》と何か違うんですか?」

 

「うん、基本は《EAGLES》と一緒だね、

強いて言えば、名誉………ってことかな♪」

 

華音は血鮫の問に、

何やら含みのある返答を返す

 

「副部長ーー!脱走した獣の捕獲

無事終了しました!」

 

「ん〜、了解♪

それじゃあ、血鮫くん、またね(・・・)♪」

 

華音は、血鮫にヒラヒラと手を振って

自分を呼びに来た部員について講堂から

出ていった

 

 

「てか、コレ(氷像の獅子)どうすんだよ…

はぁ……すまない血鮫くん、哀俚さん、

ちょっと僕は、あの馬鹿(華音)にコレ

押し付けてくるから、二人は教室に向かってね」

 

と、二人に言うと乃阿は幼馴染みの

後を走って追いかけて行った

 

 

 

「はぁ………僕達も行こっか…」

 

「だね………なんか初日から色々有り過ぎて

疲れたわ………」

 

そう言って、明らかに年齢不相応の

ため息を尽きながら血鮫と哀俚は

歩き出す………

 

ふと、血鮫が顔をあげ辺りを見渡す

 

 

「どうしたの?」

「ううん、なんか

視線を感じたから……まぁ、気の所為でしょ、

行こ行こ♪」

 

血鮫は哀俚の手を引っ張りながら

一年の校舎への道を走り出した…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side―???in旧校舎屋上

 

 

 

血鮫達が、講堂を出たちょうど同刻、

旧校舎屋上にて、和風な兎の図が書かれた

敷物を敷き、湯呑で茶を啜る男が

血鮫達の姿を見ていた

 

 

××「ふぅ〜、やっぱ、茶は和むなぁ〜♪」

 

××××「…良かったのか?手を出さなくて…」

 

××「ん〜、まぁ今回はえぇでしょ♪

むしろ、こんくらいじゃあ奴さん(・・・)

姿見せへんどころか、逆に気づかれてまうから」

 

××××「ふむ…なるほどな……」

 

屋上にはこの男一人しかいないのに

どこからともなく声が聞こえる

 

 

そして、男は湯呑と敷物を

手際よく片すと、ゆらりと立ち上がり言う

 

 

××「それに、成果がなかった訳やない」

 

××××「と言うと?」

 

そして、男は紙袋から一本の煙草を

取り出す

 

 

××「コレが檻の前に落ちとった、

この、銘柄は奴さん自らが

作っとるやつや」

 

××××「!…なるほど、奴は此処に

帰ってきていると……」

 

 

××「そう言う事や……

さてと、わてもそろそろ行くさかい

集まりサボったから、乃阿の奴が

怒っとるからなぁ(笑)」

 

ケラケラ笑いながら、男は

着崩した制服を揺らしながら屋上を

後にする…

 

 

その制服には、《蛇》の

図が描かれていた………………………………

 

 

 

 

 

side―out

 




ふぅ……難産だった………
さぁ、2話目にして、要約出てきました
血鮫くんの能力!
そして、謎の男の正体は如何に!?
次回もお楽しみに♪


キャラ紹介

【瀬川華音】身長、140cm、藍色の綺麗な髪を
膝のあたりまで伸ばした少女。
本作では、2年にして、生徒会長の幼馴染み設定だが
皆来いの方では、一年生。
容姿に関しては、灼眼のシャナのシャナの黒髪
バージョンを思い浮かべたら幸いです。


没ネタ【彩葉血鮫の乱心】

獅子が扉を壊し講堂へと入ってくる

乃「ふぅ………一体どういうこt「エラぁぁぁぁぁぁぁ!」
血鮫くん!?」


乃阿が獅子を止めようと歩み出た瞬間、獅子に
無数の氷の剣が刺さりたちまち獅子を
串刺しにする

血「よくも………よくもスピーチの邪魔したな!」

乃「血鮫くん………そんなにも、スピーチを楽しm「あれ書くのに、休日一日潰したんだぞぉぉぉ!」あれー!?」


(完)


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