姉さんと早苗と一緒に練った赤と青のデッキ。ショップで出会った少女、理絵との対戦。良いところまで食らい付けたんだけど、白の鉄壁に阻まれ押し潰されてしまい負けてしまった。
負けはしたけど新しく作ったデッキの調子は良いみたいだ。
「ありがとう、ございました」
「うん。こっちこそありがとう」
「でも、ちょっと、驚きました。凛々お姉さんの、デッキ」
「そうかな。そこの無礼なやつのを知恵を借りたデッキなんだけど」
親指を立てて観戦してた早苗を指す。
指されてギクッとしたのか軽いうめき声を上げる早苗。そりゃ自業自得だろうに。
「さ、さっきのは申し訳無かったと言うか…」
「い、いえ、大丈夫、ですから…!」
早苗も謝ったし理絵も許したみたいだから良しとするか。
しかし、白のカードは守りが堅くて驚いた。Uアークや剣輝龍皇でぎりぎりぐらいで、運が悪ければ越えられなかったほど。
相手からの攻め手を受け切る堅実な守勢、一撃を通してリカバリーも堅実な攻勢。
(これを組み込めたら私のデッキも少しは強くなるのかな…)
赤の攻め、青の支援、白の守り。……完璧じゃん!
「…凛々ちゃん?」
「……ん、何、羽月?」
「今、白も組み込めたらな〜なんて考えてたでしょ」
「…い、いや?」
笑顔で私の考えを見抜いてくる羽月。私ってそんな顔に出やすいのかな…。
「こんにちは凛々ちゃん」
「何か用かな?」
「今考えてましたか?」
「考えてない」
「そうですかありがとう白デッキ強かったですね」
「それほどでもない」
白を組み込むと言っても枠が無いと思うし、入れられてもマジック辺りで精一杯だろう。現状でも白のは防御系しかないし。
「…いや、だってこの防御力があれば完璧じゃない?」
「一律ある。白の守りはさっきも体感した通り、固い。今この攻め手一辺の赤青には欲しい能力ではある」
「うんうん。裏水瓶座の【超装甲】があったっしょ? あれが厄介なのよな〜。味方として使えれば便利なんだけどさ」
【超装甲】、か…。確かにこれをUアークとかに付けられれば退かされにくくなるかも。
でもUストライクヴルムだっけ?あれの回復する効果やブレイヴのも捨て難い。
「ねぇ、理絵」
「はい?」
「いきなりで悪いんだけど、わ———」
「ちょーっと待ったーー!!」
理絵に頼み事を言おうとした瞬間、突然待ったの声。
前にテレビの懐かしのなんちゃらで待ったコールがどうのこうのあったな。
するとどこからともなくテーブルの脇からにゅっと現れた…アルバイト店員さん。
「りっちゃんに頼み事をしたければまず、この山田を倒してからにしてください!」
「…は?」
「み、みーちゃん…」
自信満々に、ドヤ顔しながら立ちはだかる山田…さん。いや、ただの頼み事なのに何故倒さなくてはならないのか。
すると困惑している私と理絵をそっちのけでデッキケースを取り出しこちらに突き付けてきた。
「ターゲット!」
「!?」
「ふっふっふ…。ターゲットされたからには銀河バトスピ法に則り逃げることはできませんよ?」
「一体どういう…」
何が何だか理解が追いつかないうちに理絵の了解を取り席を交代して準備に入ってるし。…えぇ…この流れはしなきゃならない流れなの? 深緒羽月早苗も「ターゲットされちゃあしょうがないかぁ」みたいな感じになってるし…。
「む〜…」
「まぁまぁそうむくれないでさ〜リンリン!」
「リンリン言うな!」
「他の人とバトルするのも経験だよ凛々ちゃん」
…仕方ない。これはいくら足掻こうと無意味だ。気持ちを切り替えてやっていこう。
「むふふ。りっちゃんに勝てなかったのですからデッキは弱いはず!山田の勝ち星稼ぎになってもらいますよ!」
「……あ?」
「み、みーちゃん…!」
理絵に負けたから自分より弱い?
「……泣かす」
「ふっふーん!そのままお返ししますよ!」
「深緒。凛々の煽り耐性は0なの?」
「いや、自分が弱いって言われても耐性はあるんですけど、早苗さんと一緒に組んだデッキが弱いって言われたのが逆鱗だったってことですよ」
「凛々ちゃん、自分よりも他の人優先なところありますから」
VS
【???】
「先攻後攻はどうします?」
「どっちでもいい」
「なら山田が先攻で行きます!」
<山田・先攻第一ターン>
「山田の第一ターン!スタートステップ!」
(リザーブ4)
(手札4→5)
「むふふ…♪ りっちゃん達のバトルを覗き見てて火が点きました♪」
「でも、みーちゃん。今のは…」
「心配しなくても大丈夫ですよ! バトスピ先輩として軽ーく揉んであげますから!」
「そういうことじゃなくて…」
「いいよ理絵、私のことは気にしないで」
そう、気にしないでいい。
今私の頭の芯は極限まで冷えている。人のデッキを馬鹿にした小娘に泡吹かせろと言っている。
「メインステップ! ネクサス《天空を貫くバリスタ》を配置!」
(手札5→4)
(リザーブ4→0)
(トラッシュ0→4)
「そしてバーストをセットしてターンエンド!」
(手札4→3)
{山田バースト:無し→セット}
シンボルが2つあるネクサスか…。
赤と緑ってことは姉さんのと似た感じなのか。コアを増やすのに注意しないと差が開く。こっちも負けじと増やしてやればいいかも知れないけどいくらかこっちが有利かな。向こうは召喚したとき、こっちは攻撃したときだ。
<凛々・後攻第二ターン>
「スタートステップ」
(リザーブ4→5)
(手札4→5)
……オステアが無い。
とすればどうする。赤と緑は下手にスピリットとかを出すと破壊される可能性がある。学んだ。……これかこれになる。
「メイン。………」
「おや?事故ですか?」
「いいや。……バーストをセット」
(手札5→4)
{凛々バースト:無し→セット}
「ターン終了」
「えっ」
「凛々何もなぁし!」
「やっぱり事故?」
「…いいえ。ふっ、トサカにキていても頭の回転は鈍ってないみたいね」
<山田・第三ターン>
「バーストのみ、ですか。山田のターン!」
(リザーブ0→1)
(手札3→4)
(トラッシュ4→0)
(リザーブ1→5)
「メインステップ。ふ〜む、山田はこう思いました。そのバーストは《絶甲氷盾》だと!」
「…理由は?」
「ズバリ!オステアで召喚時効果を封じるため、召喚時バーストとは相性が悪い!
あってもオステアを引き入れるための《双翼乱舞》か《ネオ・コールオブロスト》。赤青で除去しきれないのを除去するための《甲竜封絶破》だと予測しました!
《ディクタトールレギオン》は、さっきネクサスすら配置しなかったから除外して、《プテラヴァクセン》や《グラウンドブレイク》の可能性もありますが、見た限り枠の都合上入ってないだろうという山田の完璧な推理です!」
…なるほど。
「今、山田の6色の脳細胞はキレにキレてます! これも赤ゼロのバトルを観たからでしょう!」
「ろ、6色って…。灰色じゃ、ないの?」
「バトスピの6色に掛けているんですよりっちゃん! 主に赤と緑が多めですけど!」
「………」
「り、凛々お姉さん、ごめんなさい…!」
いや理絵が謝ることじゃないから大丈夫。
しかしこの娘は無意識に人を煽る才能があるのだろうか。バーストの予測までは良かったのに突然これだ。天然なら腹が立つどころか感心してしまいそうになる。
なら、その余裕たっぷりの笑みを崩すまで。
「気分が良くなったところで《ホムライタチ》をレベル1で召喚! バリスタのおかげで0コストで出せます!」
(手札4→3)
(リザーブ5→4)
[ホムライタチ コア1 レベル1 BP1000]
「更に《賢龍ケイローン》をレベル1で召喚! 赤軽減が2つに緑軽減が1つ、よってまるっと最大軽減2コスト!」
(手札3→2)
(リザーブ4→1)
(トラッシュ0→2)
[賢龍ケイローン コア1 レベル1 BP5000]
あのネクサス本当に厄介だな。2つの色軽減を持つカードと相性抜群じゃん。あのイタチや今出したやつみたく、あれだけでコストを2も減らせるんだから。
赤と青にもあればいいのに。
「ケイローンの召喚時効果発揮! 破壊とドローはできなくても【連鎖】は発揮されるため、【連鎖:緑】と【連鎖:緑緑】でケイローンにコアを2つ追加します!」
[賢龍ケイローン コア1→3 レベル1→2 BP5000→8000]
「緑シンボルが足りない…んじゃないのか」
「そう!ホムライタチは山田のメインステップ中、どこからともなく緑シンボルを1つ追加します!」
シンボルを追加する…。姉さんのルリ・オーサや理絵のシーホース…だっけ?あれは色を変えるのに対して、これはシンボルを増やすだけなのか。
「次にマジック《ブレイヴドロー》を使います! コストはケイローンから取ります!」
(手札2→1)
[賢龍ケイローン コア3→1 レベル2→1]
(トラッシュ2→4)
「2枚ドローして、デッキトップ3枚をオープン!」
(手札1→3)
●オープンされたカード
・《ダンデラビット》(スピリット)
・《リカオスパーダ》(スピリット)
・《牡羊星鎧アリエスブレイヴ》(ブレイヴ)
「きたぁー!りっちゃんりっちゃん!山田キてます!やくまんですよ!」
「あわわわ…わ、わかったから…」
当たりがきた喜びの余りか隣にいた理絵に抱き着き、離れたかと思えば肩を揺さ振りまくってある。理絵の頭がガクガクして目回すから止めなさい。
…騒がしい娘だな。
「くー!この中のブレイヴカード、裏牡羊座を手札に加えて、後はテキトーに戻します!」
(手札3→4)
●デッキに戻す順番
上・リカオスパーダ
下・ダンデラビット
「そしてそして《牡羊星鎧アリエスブレイヴ》をケイローンに直接合体させます! 軽減は緑2に赤1ですから最大軽減1コスト!」
(手札4→3)
(リザーブ1→0)
(トラッシュ4→5)
牡羊星鎧アリエスブレイヴ
↓ 直接合体
賢龍ケイローン(合体)
[コスト:5+4=9]
[BP:5000+3000=8000]
[合体時:追加]
[シンボル:赤+緑=赤緑]
綺麗にコアを使い切った。ここまで3枚使って手札が減らずもうダブルシンボルのスピリットまで出てくるとは、やっぱ赤緑って凄い。
「むふーん!これでそちらさんはアルティメットを召喚するとき疲労状態で召喚しなければなりません!」
「何っ」
疲労状態で出さなきゃならないってかなりまずいんじゃない? 次が回ってくるまで動けないとなったら…。
「アタックステップ!バリスタの効果で山田の赤と緑のスピリット達のBPが2千上昇します!」
[ホムライタチ BP1000+2000=3000]
[賢龍ケイローン(合体) BP8000+2000=10000]
「ケイローンで合体アタック! 裏牡羊座の効果発揮!そちらのバースト発動できませんよ」
「っ…」
「ダブルシンボルですから素直に2点…」
「それは無い」
「はい?」
「フラッシュもらうよ。《ゴルディアスウェーブ》!」
「ふぁっ!?」
(凛々手札4→3)
(リザーブ5→2)
(トラッシュ0→3)
「そっちの合体してるブレイヴを破壊。破壊できたら、合体元のスピリットの効果をバトル中無くして、更に私のバーストがセットされてるからコスト3以下のホムライタチを破壊する」
「んなぁ…!?」
[牡羊星鎧アリエスブレイヴ 破壊]
[賢龍ケイローン BP5000+2000=7000]
[ホムライタチ コスト2 破壊]
(山田リザーブ0→1)
青 マジック
《ゴルディアスウェーブ》
コスト3 軽減青1極1
フラッシュ:
相手の合体スピリットのブレイヴ1つを破壊することで、このバトルの間、そのブレイヴを破壊されたスピリット1体の効果は発揮しない。
この効果発揮後、自分のバーストをセットしているとき、コスト3以下の相手のスピリット1体を破壊する。
「おお!凛々握ってた!」
「まぁね。…で、完璧な推理が何だって?山田さん」
「ぐぬぬ…!で、でもケイローンのアタックが残ってますから!」
「それは通すよ」
(凛々ライフ5→4)
(リザーブ2→3)
「ライフが減ったからバースト発動」
「絶甲ひ「ハズレ。《エナジーバースト》」
{凛々バースト:セット→発動}
「合計BP7千まで自由に破壊する。ちょうど7千ピッタリになってるケイローンを破壊!」
[賢龍ケイローン BP7000 破壊]
(山田リザーブ1→2)
「な、何てこったです…、山田の完璧な布陣が壊滅です…!」
「6色の脳細胞(笑)」
「むきー!ターンエンドです!今に見てろです!」
よし、ネクサスは残したけど振り出しに戻した。流れをこっちに引き寄せて、場を固めないと。
<凛々・第四ターン>
「スタートステップ」
(リザーブ3→4)
(手札3→4)
(トラッシュ3→0)
(リザーブ4→7)
「メイン。《リューマン・ルクス》を出す」
(手札4→3)
(リザーブ7→5)
(トラッシュ0→1)
[リューマン・ルクス コア1 レベル1 BP1000]
「次に《龍剣聖リューマン・マスターエッジ》をレベル3で出すよ」
(手札3→2)
(リザーブ5→2)
(トラッシュ1→3)
[龍剣聖リューマン・マスターエッジ コア1 レベル3 BP5000]
「ぐぬぬ…」
「まだ。《炎星斧エルナト》を龍剣聖に重ねて出す」
(手札2→1)
(リザーブ2→0)
(トラッシュ3→5)
炎星斧エルナト
↓ 直接合体
龍剣聖リューマン・マスターエッジ(合体)
[コスト:3+4=7]
[BP:5000+3000=8000]
[合体時:追加]
[シンボル:なし]
「アタックステップ。龍剣聖で攻撃。アタックでに1枚引いて、エルナトの効果でネクサス1つ、バリスタを破壊する」
(凛々手札1→2)
[天空を貫くバリスタ 破壊]
「凛々ちゃん逆転!」
「やるようになったじゃん凛々!」
「こ、こんなはずでは…」
「凛々お姉さんは強いって、言おうとしたのに…」
「い、今のは上手く捌かれただけです!すぐ建て直せます!」
「じゃあ龍剣聖の攻撃はどうする?」
「ライフで受けますよ!」
(山田ライフ5→4)
(リザーブ2→3)
「バーストが無ければ…終了だね」
これで更地だ。
私を下に見たのはどうでもいい。私なんかのために力を貸してくれた2人のデッキにケチ付けた分は勝って取り消してやる。…私にだって負けたくないって意地くらいはある。
<山田・第五ターン>
「山田のターン!」
(リザーブ3→4)
(手札3→4)
(トラッシュ5→0)
(リザーブ4→9)
「メインステップ!」
山田さんが引いたのは《リカオスパーダ》だっけ?
今できるとしたら壁を増やすことぐらいしか無いだろう。更地から返すならさっきの私みたい何かしらで相手の場を崩さなきゃならなくなる。
「ぬぬぬ…。マジック《双翼乱舞》を使います! 2枚ドロー!」
(手札4→3)
(リザーブ9→5)
(トラッシュ0→4)
(手札3→5)
「これでターンエンド!」
何もしないで終わらせた。…手詰まりか?
<凛々・第六ターン>
「…スタートステップ」
(リザーブ0→1)
(手札2→3)
(トラッシュ5→0)
(リザーブ1→6)
「メイン。ルクスの【スピリットソウル:赤】発揮。0コストで《アルティメット・エルギニアス》を出すよ」
(手札3→2)
(リザーブ6→4)
(トラッシュ0→2)
[アルティメット・エルギニアス コア1 レベル3 BP5000]
「次に《獣士スカイラーク》を出す」
(手札2→1)
(リザーブ4→2)
[獣士スカイラーク コア1 レベル1 BP1000]
「最後に《剣帝眠る霊廟》を配置」
(手札1→0)
(リザーブ1→0)
(トラッシュ2→3)
「そして龍剣聖をレベル4にして、アタックステップ」
(リザーブ1→0)
[龍剣聖リューマン・マスターエッジ(合体) コア1→2 レベル3→4 BP5000→7000+3000=10000]
「龍剣聖で攻撃。まずスカイラークの効果で霊廟にコアを1つ乗せる」
[剣帝眠る霊廟 コア0→1]
「1枚引いてトリガー効果。」
(手札0→1)
「む〜、もちろんコスト3の《ダンデラビット》です」
「ヒット。BPを5千足すだけね」
[龍剣聖リューマン・マスターエッジ(合体) BP10000+5000=15000]
「ふっふーん!アタックに反応してバースト発動!」
「っ、何」
「《トライアングルバースト》! 手札にあるコスト4以下のスピリットかアルティメットを、召喚時効果を発揮させないでノーコスト召喚します!」
{山田バースト:セット→発動}
向こうも絶甲氷盾じゃなかった。でも召喚時効果を発揮させないでって、手札にダンデラビット以外に出したいものがあるのか? アルティメットは召喚条件があるから無理だし。
龍剣聖の指定アタックも、タイミングが過ぎてるから出てきたのを倒すのは無理だけど。
「《暴皇ティーズ・ドラゴン》をノーコスト召喚します!」
(山田手札5→4)
(リザーブ5→4)
[暴皇ティーズ・ドラゴン コア1 レベル1 BP3000]
ここでコスト4のスピリットか。召喚時効果持ちが多いからあれにしたのかも。…切り札を引いたとすれば、それを喚ぶための下地か。残念だけど、この1枚じゃどうこうできない。
「フラッシュタイミング! 《メガ・ネウラー》を【神速】召喚しますよ!」
(手札4→3)
(リザーブ4→1)
(トラッシュ4→6)
[メガ・ネウラー コア1 レベル1 BP3000]
「召喚時効果で、赤スピリットのティーズ・ドラゴンに1コア追加!」
[暴皇ティーズ・ドラゴン コア1→2]
「ブロックはしないでライフで受けますよ!」
(山田ライフ4→3)
(リザーブ1→2)
「ターン終了」
<山田・第七ターン>
「きましたよ!山田の見せ場が!」
(リザーブ2→3)
(手札3→4)
(トラッシュ6→0)
(リザーブ3→9)
「メインステップ! 《六分儀剣のルリ・オーサ》をレベル2で召喚!」
(手札4→3)
(リザーブ9→5)
(トラッシュ0→2)
[六分儀剣のルリ・オーサ コア2 レベル2 BP5000]
「召喚時効果で赤スピリット2体にボイドから1つずつコアを追加します。乗せるのはティーズ・ドラゴンと赤になっているルリ・オーサ!」
[暴皇ティーズ・ドラゴン コア2→3 レベル1→2 BP3000→5000]
[六分儀剣のルリ・オーサ コア2→3]
「よしよし…。ではリリさんでしたっけ? あなた様には山田の本気を見せてあげちゃいます!」
「本気、ねぇ」
それは出すであろうカードを確認してからだが、あれだけ自信満々なんだ。押し切る余裕があるということ。いくら物理的に隙だらけだからといって油断はしない。
—————
「ったく、いないと思ったら山田のやつ遊んでたのかまったく…。終わったら説教だ。……と、いらっしゃいませ〜…っとお二人か」
「こんにちは」
「どうも」
「はいどうも。すまないねわざわざこっちまで来てもらって」
「いいえ、こちらこそ申し訳ありません。こちらに届く物を代わりに預かっていただいて…」
「いいさいいさ、アイツへの貸しなんだからさ。ちょいと待っててな。今取ってくるからさ」
「…ここも賑やかですね」
「そうですね」
「それにしても、何で引き受けたんですか? “新弾のテスター”なんて」
「理由は特にありませんよ。…強いて言うなら、暇だったから、ですかね」
「はあ…」
「前もやってましたから、今更です」
—————
「山田の切り札!
《アルティメット・サジット・アポロドラゴン》をレベル4で召喚です!」
(手札3→2)
(リザーブ5→0)
(トラッシュ2→7)
「ええっ!?」
「アルティメットの射手座!?」
「な、それは…!」
何? 3人の驚きようからしてただのアルティメットじゃないみたいだが、あれが切り札なのか。
「レベルにはティーズ・ドラゴンとルリ・オーサからいただきます!」
[暴皇ティーズ・ドラゴン コア3→1 レベル2→1]
[六分儀剣のルリ・オーサ コア3→2]
[アルティメット・サジット・アポロドラゴン コア3 レベル4 BP20000]
—————
「お待たせ……って、山田のやつ!? あの馬鹿、展示品勝手に使って!」
「…あれ展示品だったんですか」
「Uサジットと聞こえましたから、まさかと思いましたよ」
「あれはご本人が使ってるののレプリカなんだよ。まったく、いくら憧れてるからってなぁ…」
—————
「バーストをセットして、アタックステップ!」
(手札2→1)
{山田バースト:無し→セット}
「Uサジットでアタック! ダブルアルティメットトリガー・ロックオンです!」
「2枚めくるんだったっけ。…コスト4の《熱血剣聖リューマン・バーンカラー》とコスト4のネクサス《軍港都市オステア》」
「ダブルヒット! 1ヒットにつきBP1万5千以下のそちらのスピリットを破壊します! 更に両方ヒットしたため、究極シンボルを1つ増やしますよ!」
「…1万5千以下を2体破壊して、ダブルシンボルになる訳か」
私のUアークも大概だけど、あれも相当だ。このまま動き続けられれれば、制圧されるのも時間の問題だ。…だけど、そうはいかない。制圧するのは私だ!
「トリガーカウンター!」
「にゃっ!?」
「《インパクトロア》! コストは龍剣聖と霊廟から使う!」
(凛々手札1→0)
[龍剣聖リューマン・マスターエッジ(合体) コア2→1 レベル4→3]
[剣帝眠る霊廟 コア1→0]
(トラッシュ3→5)
「私これ使ったはいいんだけど、私初心者だから効果忘れちゃったんだ。私より先輩の山田さん、教えてくれますか?」
「きー!嫌み、嫌みですか! バトル中のアルティメットのコストが、ヒットしたカードのコストに3を足した数以下なら破壊するんですー!」
「なるほど。教えてくれてありがとうございます。先・輩」
青 マジック
《インパクトロア》
コスト4 軽減青2
【トリガーカウンター】
手札にあるこのマジックカードは、相手のUトリガーがヒットしたとき、ヒット効果発揮前に次の効果を使用できる。
■バトルしている相手のアルティメットがコスト(ヒットしたカードのコスト+3)以下のとき、そのアルティメット1体を破壊する。
フラッシュ:
コスト4以下の相手のスピリット1体を破壊する。
「てことは4+3は7だから、ピッタリコスト7のそのアルティメットを破壊!」
[アルティメット・サジット・アポロドラゴン コスト7 破壊]
(山田リザーブ0→3)
「にゃー!? や、山田のUサジットがこんな簡単にいぃ…!」
「みーちゃん…。それ、お店のだよね?」
「う゛っ」
「…え? 勝手に持ち出してたの?」
「い…いいえ?!や、山田が赤ゼロが使ってるUサジットの素晴らしさを伝えるためにですね?!」
「ようは勝手にって事だね」
「………山田は黙秘権を行使します!」
いやもう白状してるようなもんだけど…。
—————
「あんの馬鹿たれが…」
「憐れですね」
「ふふっ。でも、あの娘も手札1枚でカウンターですか。…まるで“姉さん”みたい」
—————
「どうする? 攻撃続ける?」
「くぅ…。ターンエンドです!」
<凛々・第八ターン>
「よし、スタートステップ」
(リザーブ0→1)
(手札0→1)
(トラッシュ5→0)
(リザーブ1→6)
「メイン」
おお、これは幸運だ。
あとは何とか…。
「《ネオ・ダブルドロー》を使う。アルティメットがいるから3枚引くよ」
(手札1→0)
(リザーブ6→4)
(トラッシュ0→2)
(手札0→3)
「…来た」
「ひっ」
「ネクサス《大地穿つ石剣》を配置」
(手札3→2)
(リザーブ4→2)
(トラッシュ0→4)
「そして、こいつの出番。
《鳥獣剣聖ペレグリン》!」
(手札2→1)
(リザーブ2→0)
(トラッシュ4→5)
[鳥獣剣聖ペレグリン コア1 レベル3 BP6000]
「青のアルティメット!?」
「Uエルギニアスとルクスのコアをペレグリンへ移動」
[アルティメット・エルギニアス コア1→0 消滅]
[リューマン・ルクス コア1→0 消滅]
[鳥獣剣聖ペレグリン コア1→3 レベル3→4 BP6000→9000]
「次にエルナトをペレグリンへ付け替える」
炎星斧エルナト
↓ 換装
鳥獣剣聖ペレグリン(合体)
[コスト:3+4=7]
[BP:9000+3000=12000]
[合体時:追加・発揮可能]
[シンボル:なし]
「最後にバーストを伏せて、アタックステップ」
(手札1→0)
{凛々バースト:無し→セット}
「ペレグリンで攻撃。まずレベル4からの効果でボイドからコア2つをネクサスに置く。霊廟に追加してレベル2に」
[剣帝眠る霊廟 コア0→2 レベル1→2]
「更にスカイラークの効果で石剣にコア1つを追加してこっちもレベル2に」
[大地穿つ石剣 コア0→1 レベル1→2]
これを揃えるのに手間が掛かるけど、あの緑に負けないくらいコアは増やせる。
青 アルティメット
《鳥獣剣聖ペレグリン》
コスト3 軽減青1極1 <次代・剣使・獣頭>
【召喚条件:コスト1以上の自分のスピリット1体以上】
<1> Lv3 BP6000
<3> Lv4 BP9000
<4> Lv5 BP11000
シンボル:極
【Uトリガー】Lv3・Lv4・Lv5『このアルティメットのアタック時』
Uトリガーがヒットしたとき、コスト7以下の相手のスピリット1体を破壊する。
【合体時】Lv4・Lv5『このアルティメットの合体アタック時』
ボイドからコア2個を自分のネクサス1つに置く。
「更にトリガー。コストは7だよ」
「——コスト5のマジック《バレットファイア》です!」
「ヒット。まず石剣の効果で、1ターンに1度だけ2枚引く」
(手札0→2)
—————
「赤青アルティメット…。まぁまぁやりますね、彼女」
「うん。今後に期待かな」
—————
「更にトリガー効果で、コスト7以下スピリット、ルリ・オーサを破壊する!」
[六分儀剣のルリ・オーサ コスト4 破壊]
(山田リザーブ3→5)
「バーストは?」
「……ありません。アタックはライフで受けます!」
(山田ライフ3→2)
(リザーブ5→6)
「次、龍剣聖で攻撃。スカイラークの効果で石剣に1コア追加。更に霊廟レベル2の効果。私の系統:<剣使>を持つスピリットかアルティメットがアタックしたら、コスト6以下の相手スピリット、ティーズ・ドラゴンを破壊!」
[暴皇ティーズ・ドラゴン コスト4 破壊]
(山田リザーブ6→7)
青 ネクサス
《剣帝眠る
コスト3 軽減青2
<0> Lv1
<2> Lv2
シンボル:青
Lv1・Lv2
お互い、青以外のカードのバースト効果ではドローできない。
Lv2『自分のアタックステップ』
系統:<剣使>を持つ自分のスピリット/アルティメットがアタックしたとき、コスト6以下の相手のスピリット1体を破壊する。
「そして龍剣聖自身の効果で1枚引いて、コスト6以下のメガ・ネウラーを破壊!」
(凛々手札2→3)
[メガ・ネウラー コスト3 破壊]
(山田リザーブ7→8)
コアも増やせて手札も戻せた。これなら押し返せる…!
「その前にフラッシュタイミング! 手札から《リカオスパーダ》を【神速】召喚!
相手のアタックステップで召喚しましたので、召喚時効果でそちらのスピリット2体、スカイラークを疲労させます!」
(山田手札2→1)
(リザーブ8→4)
(トラッシュ7→10)
[リカオスパーダ コア1 レベル1 BP2000]
[獣士スカイラーク 回復→疲労]
緑 スピリット
《リカオスパーダ》
コスト3 軽減緑1 <剣獣>
<1> Lv1 BP2000
<2> Lv2 BP3000
シンボル:緑
フラッシュ【神速】
手札にあるこのスピリットカードは、召喚コストの支払いと上に置くコアをリザーブから使用することで召喚できる。
Lv1・Lv2『このスピリットの召喚時』
『相手のアタックステップ』で召喚されたとき、相手のスピリット2体を疲労させる。
「アタックはリカオスパーダでブロックします!か弱い山田を守る盾になってください!」
[リカオスパーダ 破壊]
(リザーブ4→5)
「スピリットの破壊でバースト発動!《夢幻祈祷》! ボイドからコア1つをライフに置きます!」
{山田バースト:セット→発動}
(山田ライフ2→3)
「…ターン終了」
<山田・第九ターン>
「ふー! 山田、危機的状況を回避しました! 山田のターンです!」
(リザーブ5→6)
(手札1→2)
(トラッシュ10→0)
(リザーブ6→16)
「メインステップ! 天は山田を見捨ててません!
《ジェネラル・ドラゴン》をレベル3で召喚!」
(手札2→1)
(リザーブ16→3)
(トラッシュ0→8)
[ジェネラル・ドラゴン コア5 レベル3 BP15000]
「ジェネラル! 山田店員押し切る算段か!?」
「みーちゃん、賭けに出たんだ…」
「ジェネラル・ドラゴンの召喚時効果発揮! BP1万5千以下のスピリット、またはアルティメット1体を破壊します!対象はペレグリンです!」
「っ!? …エルナトは残す!」
[鳥獣剣聖ペレグリン 破壊]
[炎星斧エルナト 残留 コア3 レベル1 BP3000]
「決めに掛かります!山田、健康一番です!」
「…けん、ん?」
「山田ちゃんは健康志向なの?」
「多分、乾坤一擲って、いいたいんだと、思います」
「アタックステップ!ジェネラル・ドラゴンでアタック! レベル2からのアタック時効果で、そちらのBP3千以下のスピリット全部を破壊します!」
[炎星斧エルナト BP3000 破壊]
(凛々リザーブ0→3)
「フラッシュタイミング! マジック《ストームアタック》を使います! 疲労させる対象はいませんが、ジェネラル・ドラゴンを回復させます!」
(手札1→0)
(リザーブ3→0)
[ジェネラル・ドラゴン コア5→4 レベル3→2 BP15000→12000]
(トラッシュ8→12)
[ジェネラル・ドラゴン 疲労→回復]
こちらはがら空き。今仕掛けてきてるのはダブルシンボルのスピリット。
これはマズい…。
「…通す!」
(凛々ライフ4→2)
(リザーブ3→5)
「勝った!!第二部・完!! ジェネラル・ドラゴンでもう1度……」
「……その勝利宣言は早いよ」
「えっ」
「ライフが減って、バースト発動!《ドリームボム》!
回復させるスピリットはいないけど、私のライフが2以下なら、トラッシュのコア1つを私のライフに置く!」
{凛々バースト:セット→発動}
(トラッシュ5→4)
(凛々ライフ2→3)
「アバー!?」
「これで0にはならない!アタックは通す!」
(凛々ライフ3→1)
(リザーブ5→7)
「受けきった!」
「た、ターンエンド、です…」
<凛々・第十ターン>
「スタートステップ!」
(手札3→4)
(リザーブ7→8)
(トラッシュ4→0)
(リザーブ8→12)
「メイン。最期は一気に吹き飛ばす! まずは《リューマン・ルクス(2)》!」
(手札4→3)
(リザーブ12→11)
[リューマン・ルクス(2) コア1 レベル1 BP1000]
「更にルクスの【スピリットソウル:赤】発揮!
最大軽減で《アルティメット・アーク》をレベル5で出すよ!」
(手札3→2)
(リザーブ11→4)
(トラッシュ0→3)
[アルティメット・アーク コア4 レベル5 BP21000]
「更に、《太陽神剣ソルキャリバー》を重ねて出す!」
(手札2→1)
(リザーブ4→2)
(トラッシュ3→6)
太陽神剣ソルキャリバー
↓ 直接合体
アルティメット・アーク(合体)
[コスト:7+0]
[BP:21000+4000=25000]
[合体時:追加・発揮可能]
[シンボル:極+赤+赤=極赤赤]
—————
「っ! アーク…!」
「ああ、あの娘が噂の娘だったんだ…」
「取り戻しますか?」
「そんな事しても意味無いよ。姉さんに怒られます」
「そうですかね」
「ええ。むしろ、姉さんなら『自分より上手く扱える』って言うから」
—————
「アタックステップ」
「ままま待っていただきたい!」
「?」
「そのままアタックされるとトリプルシンボルですので、山田は負けてしまいます。…こ、ここは山田に免じて引き分けにしませんか?」
「NO」
「に、二百円で手を打ちませんか?」
「絶対にNO。ソルキャリバースウィフトでバラバラに引き裂いてそのまま骨にするからね。山田さん調子ぶっこき過ぎてた結果だよ?」
「し、しにたくなーーい!!」
「Uアークで、攻撃!トリガー効果!」
「…こ、コスト2の《ミストバラッジ》です」
「ヒット! Uアークのヒット時効果。合体してるからBP1万5千以下のジェネラルを破壊!」
[ジェネラル・ドラゴン BP12000 破壊]
(山田リザーブ0→4)
「これで、終わり! Uアークはトリプルシンボル!」
「あ……あ……! アバァァーーー!?」
(山田ライフ3→0)
〔winner!! 鴇峯 凛々〕
「か、勝ったと思わないでください…」
「もう勝負ついてるから」
「みーちゃん、勝手に借りたカード使って、負けるなんて…」
「あ、あ、りっちゃん!そんな残念な目で見ないでくださいよ!?」
—————
「終わったみたいですね。引き上げましょう」
「ええ。…では店長。“『詩姫の交響曲』”、確かに受け取りました」
「あいよ。いつかあの馬鹿に手ほどきしてやっておくれよ」
—————
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てなわけでvs(店にあるものを勝手に持ち寄って作った)山田赤緑でした。
しかし06で進めるのもそろそろ限界でしょうかねぇ。
やれてない部分もあるのですが、黄色だから大丈夫でしょう(楽観視)
ミス等ありましたら気軽にご指摘ください。
※余談
色々発売したり秋イベがあったりするのでまた更新が遅くなりそうです。