バトルスピリッツ アナザースターター   作:謙虚なハペロット

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遅くなりました。
やはりどうも合体アルティメットをどう扱うかで時間が掛かりますねぇ…。


Step.03 『後が無いのはいつもの事!』

 

「深緒が黄色はいやらしいって言ってた意味が理解できた。今の私じゃこれは無理だ」

「そんなことないよ〜。この型だってアルティメットが出てから決まりづらくなってるし、一歩間違えたらこっちが負けてたもん」

「…そうかな」

 

 反省会と称し始めた羽月との初対戦は、攻めに失敗した私の負け、降参で幕を閉じた。

 

「さて凛々ちゃん。このバトルで感じたことは?」

「…自分の弱さ8割。デッキが噛み合ってない感じが2割?」

 

 いやデッキのせいにするのは間違いなんだろうけど、上手く使いこなせない私に責任がある。…せっかく姉さんと二人が調整してくれたというのに。

 

「ならば私の個人的な感想言ってもいいかしら」

「………」

「…い、いいかしら?」

「…いいよ」

「っ! では!」

「早苗さんすっごい嬉しそう」

 

「まず、パワー不足!」

「姉さんから貰ったカードや深緒と羽月が選んでくれたカードにいちゃもんつけんの?」

「いやいやそうではなく! 私が言っているのは…全体的なこと!」

 

 早苗が私のデッキから取り出して見せたのは《火槍アルタイル》。…なんだこっちか。もし選んだら無言でブロー叩きこんでやろうかと思ってたところだ。

まぁたしかにこの火槍にはちょっと疑問を持っていたのも事実。

 

「バランスは良い。しかしそこまで」

「ふむ」

「アルタイルは自分のメインに赤シンボルを追加するのみ。それならばアルティメットの究極シンボルを赤シンボルとしても扱える《紅炎竜ヒノコ》に代えた方が無難でしょう。アルティメットに合体してコストを上げる役割もあるでしょうが、それならエルナトで十分」

「アルタイルに軽減が無いのがとにかく痛い! さすがの緑でも無軽減はちょっとね〜」

 

 確かに。

これに代わるブレイヴがあるならいいんだけど、アルティメットに合体すること自体が初めてのことらしい。

 

「アルティメットが合体してコストが上がる事が異常よ。コスト変更効果は赤。コスト上昇効果は紫、黄、白、青。相手アルティメットのコストを下げるのが紫、緑、黄と。

それぞれが独自の手を作っていたの」

 

 何処からか早苗が青と白のカードを、羽月が黄色と紫のカードを、深緒が緑と赤のをカードを取り出してこちらに見せてくれた。

 

「これが白アルティメットをプラスする《運命姫神スクルド》。こっちがヒット効果で<次代>アルティメット1体のコストを上昇させる《獣将チーダス》」

 

「私のが、<天霊>アルティメットのコストを上げる《天使令嬢アサエル》。こっちが黄色アルティメットのコストを上げる《歌姫伯爵ココ》。

で、召喚時と破壊時に紫アルティメットのコストを上げる《ボーン・サーベルタイガー》ね」

 

「んでんであたしのが、<新生>アルティメットのコストを6か7に変える空母アカギ…じゃなくて《恐竜空母アパト》。こっちのが相手アルティメットのコストを2つも下げちゃう《殻法師シロカブト》だよ」

 

 すご…。見た限り、アルティメットのコストに触れるカードはやっぱり少ないようだ。

 

「パワー不足。或いは、アルティメット対策が進んでいるのもあるか」

「う〜ん…」

「そこで朗報!」

 

 すると早苗が自信満々に懐から1枚のビラを取り出した。

 

「近々発売予定! 『アルティメットバトル06』!」

 

「06!?」

「やっぱり発売するんですね〜」

「…?」

 

 四つ折にされたのを広げるとそれなりに大きな広告紙。その中心には大きく描かれた金色に光るドラゴンと、下に大きくアルティメットバトル06と書かれている。

 

「これで凛々のアルティメットも、私達のアルティメットもパワーアップ間違いなし!」

「おお…」

「早苗さん!発売日は!?」

「近々!」

「近々…?」

「そう!近々! …実を言うと公式がそれしか言わないから発売日もパック内容も全く解らないの」

「「え〜!?」」

 

 ふーん。…深緒と羽月がうんうん唸ってる。

二人が言うには、こんな事は初めてで、いつもなら2、3週間前には公式ホームページで公開され、『スゴイカード特集』という目玉カードが組まれるという感じらしい…のだが、全くの情報が一切無いという。

 

「くっそー!白の情報とかいらないから緑の情報だけでもくれー!」

「黄色は大丈夫かなぁ…。いつもの病気が発症してないといいけど…」

「青は……う〜ん、【招雷】はやり切った感があるから、また何か妙なことをしそうね」

 

 三者三様の悩み方、一体どんなカードが来るのか興奮気味に話しているが私が完全に蚊帳の外だ。

何が何だか解らないのに心配も何もない。……暇だからデッキ片してお店見て回るかな。

 

 

 

 見て回ると思い立って見てるのはいいけど、ほぼ知識の無い私にはキラッキラしたバトスピのカードがショーケースに並べられて値段が書かれてるって以外ちんぷんかんぷん。

 

「1枚1000円…?」

 

 高っ。こっちは1500円、こっち紫のは1700円。別のショーケースには2000円以上しているカードがちらほら。下手なコスメ品より高いとか一体どんな価値が…。

それぞれ何弾とかに分けられてるし。…でもピンキリなのかワンコインのもあった。

 

「てかよく見たら棚に『Xレア』って書かれてた…」

 

「何か、お探しですか?」

 

「えっ」

 

 不意に誰かから声を掛けられた。

て、店員さん? …かと思ったら見ず知らずの女の子だった。白いワンピースにショートの黒髪に何処か儚げな印象を受ける。

この子が私に声掛けてきたのかな。見る限り…小学生?っぽいけど。

 

「あ…いや…。何があるのかな〜って見てただけで」

「そうですか」

「……なんかこう、強いカードってある?」

「強いカード、ですか?」

 

 何とも言えないというような困り顔。

 

「えっと、何をもって強い…でしょうか」

「…よく解んない」

「カードは千差万別、です。強い弱いは、使い方次第。相性次第です」

「…なるほど」

 

 小さい子に諭されてしまった…。

短絡思考に走った結果がこれだよ。

確かに私のデッキで何のカードが相性が良いのか理解が無い以上、何を入れても腐らせるだけか。

 

「一応、お姉さんのデッキがどんなのか、聞いていいですか?」

「えっと……赤の…アルティメット?」

「っ! 赤アルティメット…」

 

 それを聞いて、女の子が少し驚いた。…私のデッキって変わってるのかな。

 

「うん。アルティメットに重ねられるようなカードとかあればいいんだけど」

「アルティメットに、重ねる? …合体(ブレイヴ)ですか」

 

 女の子が少し考え込み、すぐこちらに向き直り首を振る。

 

「…ごめんなさい。私が知ってる限り、アルティメットに合体できるなんてブレイヴは…」

「やっぱ知らないか」

「本当に、ごめんなさい…」

「いやいや、謝らなくていいよ」

「私より、“白姉さんたち”の方がしってるかも知れません…」

「…しろ、姉さん?」

「はい。私の、バトスピのお師匠さんなんです」

 

 バトスピの師匠、ねぇ。

話す姿は何処となく嬉しそうだけど、そんなに好きなのかな。

 

「白姉さんたちにも聞いて、調べて、おきますね」

「えっ、いやそこまでしなくても大丈夫だよ…!」

 

 さすがに小さい子にそこまでしてもらうのは気が引ける。諭してもらってカードまで探してもらったらもう私が色々形無しだ。

 

「そう、です?」

「うん、大丈夫。ありがとね。…えっと」

 

「あっ、えっと。白縫(しらぬい)、です。

 白縫(しらぬい) 理絵(りえ)、です」

 

 リエ、ね。了解覚えた。

 

「今度またカードのこと教えてね」

「はい…! そのときは、バトルもしてくれますか?」

「うん。勿論」

 

 そしてリエちゃんはお店の手伝いがあるとのことで、お店の奥へと姿を消した。……あっ、名乗るの忘れた。

 

 

「おおっ!凛々!どこ行ってたの」

「どこって、そこら辺うろついてただけだよ」

 

 話盛り上がってるところに口挟めなかったし? 素人の私が口挟んでも邪魔だったろうし? …別に拗ねてない。

 

「あーごめんね凛々ちゃん。ほらほら今早苗さんの連絡先送るからね〜」

「えっ、いらないよ」

「がっ!? い、いらない…!?」

「も〜凛々。また早苗さん拗ねちゃうじゃ〜ん」

 

 深緒には悪いが知ったことじゃない。

というか既に羽月が私の携帯に勝手に送ってる最中だ。後で空メールでもしてやればいい。

 

 

 暫く私のデッキについてあれこれ話はしたが、結局06とやらを待つしか無いと結論。下手に弄るとバランスが崩れるって。

そしていい時間となったため今日のところは解散となった。

早苗は美人さんを待つためお店に、私らはお先に失礼し、夕飯を食べたらまた家に集合という形に。…しかも開かれたのは

 

 

「深緒と!」

「羽月と!」

「沙夜お姉ちゃんの〜♪」

 

「「「第2回!おしえて!バトスピ講座〜♪」」」

 

「また始まった…」

 

「沙夜お姉さん、今回で2回目ですね〜」

「そうね深緒ちゃん。なんと今回、2回目で特別編で〜す♪」

「えっ?」

「ふぇ?」

「…特別編?」

 

 姉さんのこれには2人も予想外だったらしく、間の抜けた声を出して硬直してしまった。

 

「ふっふ〜ん♪ なんとなんと〜……ジャンジャジャーン♪」

 

 何やら衝撃の真実を明かされるような効果音を口にしながら上機嫌で何処かから取り出したのは……お店で早苗が見せた『アルティメットバトル06』のビラに描かれていたのとそっくりの箱。

 

「ええっ!?」

「06、ですか!?」

「そのとーりー♪ お姉ちゃん頑張っちゃいました!」

 

 今まで見たことないくらい興奮してる3人。

でもその06って発売する日が判明してないんじゃなかった? 何で姉さんが持ってるんだろ?

 

「沙夜さんこれどうやって入手したんですか!」

「知り合いの店長さんに拝み倒してね〜。1箱だけなんとか手に入れたのよ♪」

 

 やるな姉さん。でも何処となく疲れたように見えるのは何故だろうか。

 

「あのきちく店長に負けること十数回…。秘蔵の凛々ちゃん画像を数点生け贄に捧げることでようやく、ようやく手に入れたんだから…!」

「おい」

「そんなことより沙夜お姉さん、いや沙夜お姉様!」

「早く開封しましょうよ!」

 

 姉さんは今すぐその画像を消せ。

そんなことはお構いなしにはよ開けろと深緒と羽月が期待に湧いている。そんなことって何さそんなことって。

 

「ほらほら凛々も!」

「…わかった」

「は〜い♪一人5パックずつね〜♪」

「「わーい!」」

 

 言いたいことはあるが、姉さんから渡された5パックを受け取る。…ふ〜ん、パックってこんな感じなんだ。

 

「では、一足早く! パックオープン!」

「「開・封ー!!」」

 

 謎の掛け声とともにパックを剥いていく3人。…とりあえず私も剥くとする。

中には8枚のカード。当たり前だが見たこと無いのが全部。

 

「<剣使>アルティメット!?あでも<殻人>じゃーんくそー! <剣獣>はどしたー!」

「<天霊>の、【分散】? 新しい能力かぁ」

「あら。赤はやっぱり<竜人>推しなのね〜」

 

 私のは……なんか一番後ろがめっちゃ光ってる。色は緑みたいだけど…。

 

「うわっ、キモっ」

「ん? リンリンに有り難くキモいと罵られた名誉あるカードは何かな〜?」

「リンリンて言うな。…これ」

 

 光ってるカードを深緒に渡す。

すると、渡したカードを見て深緒の表情が変わった。驚愕一色だ。

 

「でえぇっ!? Xレアじゃん!!」

「そうなの?」

「えっ、嘘!」

「さすが私の妹〜♪」

 

 マジで? よく見てなかったから何とも言えないけど、それが当たったなら良いかな。

 

「り、凛々!沙夜お姉さん!こ、これ…」

「いいわよ〜♪差し上げちゃいます♪」

「マジっすか!? イヤッッホォォオオォオウ!!!」

 

 深緒が今まで見たことないような喜び方をした。夜だから静かに。完全に深夜テンションだ。

 

「<剣獣>じゃないのが悔やまれるけど緑Xアルティメットだー!!」

「良かったじゃん」

「ありがとー凛々ー!赤のX出たらあげるからねー!」

「分かったから抱き着かない」

 

 深緒が抱き着いてきてほお擦りをしてくる。嬉しいのは分かったから暑いし邪魔っけだから遠慮してほしい。

 

「羽月は?」

「………」

「…羽月?」

 

 羽月は何が出たのか…何かを悟ったような、遠い目をしているが何が当たったんだろう。

 

「………」

「ああっ!羽月が何も言わずにカードをパックに戻した!」

「あれが俗に言う“そっ閉じ”ってやつ?」

「かも。…ちょいと失礼」

 

 私もあんな表情する羽月は知らないし、そんな表情をさせるカードが何なのか気になる。深緒がそのパックを手に取り、件のカードを出して確認する。

 

「おっ、青のXレアじゃん」

「…《大剣聖イーグレン》?」

 

 勇ましい鷲頭の戦士っぽい。

青のシンボルが最初から2つあるけど、コストが9とかなり重い。何にしろ私のデッキとは縁が無い。

深緒は効果を読んでいるが、顔が段々と羽月と同じようになっていく。

 

「………」

「…深緒?」

「…これは、ハズレだ…。いや、ハズレ……う〜〜ん…」

「?」

 

 何で2人はそんな顔するのか。

…私も見てみるか。えっと。

 

青 スピリット

《大剣聖イーグレン》

コスト9 軽減青4極2 <剣使・獣頭>

<1> Lv1 BP9000

<3> Lv2 BP11000

<6> Lv3 BP15000

シンボル:青青

Lv1・Lv2・Lv3『このスピリットの召喚時』

自分のデッキを上から7枚オープンし、その中の系統:<剣使>を持つコスト8以下のスピリットカード/アルティメットカードを、召喚条件を無視して、コストを支払わずに好きなだけ召喚する。

ただし、それらの召喚時効果は発揮されない。

残ったカードは破棄する。

【連鎖:条件《究極シンボル》】

[極][極]:自分のトラッシュにある系統:<剣刃>を持つブレイヴカード2枚を手札に戻す。

 

「えっ、好きなだけノーコスト召喚? アルティメットも?」

 

 強いじゃん。何をそんな顔する必要があるのさ。…2人は話にならないから姉さんに聞いてみるか。

 

「姉さん、このカードなんだけど」

「はいはい。……あら、“魔帝龍騎”と似た効果なのね。ちょっと重すぎるけど」

「ま…何?」

 

赤 スピリット

《魔帝龍騎ダーク・クリムゾン》

コスト7 軽減赤4 <竜騎・龍帝>

<1> Lv1 BP6000

<3> Lv2 BP8000

<5> Lv3 BP10000

シンボル:赤

Lv1・Lv2・Lv3『このスピリットの召喚時』

自分のデッキを上から7枚オープンし、その中の系統:<龍帝>/<竜騎>を持つスピリットカードを、コストを支払わず、【転召】させずに召喚できる。

ただし、それらの召喚時効果は発揮されない。

残ったカードは破棄する。

Lv2・Lv3『このスピリットのアタック時』

系統/<龍帝>を持つ自分のスピリット1体につき、BP5000以下の相手のスピリット1体を破壊する。

 

 姉さんがキャリングケースから取り出した1枚のXレアカード。これが似てる、っていうか、一部変えただけみたいな感じがする。

 

「これで2人が落ち込む理由って?」

「この魔帝龍騎と同じで、専用構築をしなきゃならないっていう苦悩と……こんなのがXレアなのかっていう失望じゃないかな?」

 

 つまり、とにかく使い辛くてたまらないと。…まぁ私はいらないからいいや。

 

「それより凛々。新しい赤のカードでデッキ、強化してみない?」

「…いいの?」

「勿論♪ お姉ちゃんそのために頑張ったんだから!」

「…ありがと」

「えへへ〜♪凛々に感謝されちゃった〜♪」

「でも秘蔵画像とやらは消せ」

「断じてお断り♪」

 

 最後のは後日力付くで抹消するとして、カードの方は感謝しよう。…いつか恩は返さなきゃ。

今だ唸り続けてる深緒と羽月を呼び戻し、早速デッキをいじることに。私は赤を、深緒は緑、羽月は黄色のカードで強化を計ることになった。

 

「この“ネコ”は何で<剣獣>持ってないのさ…。持っててもバチは当たらんでしょ…」

 

「《アルティメット・イーズナ》…やっと!ああでもデッキが…!」

 

 深緒と羽月も結構悩んでるみたいだ。

私は、どうするかな。

 

「…これを入れたいな」

「なら、これとこれを1枚ずつ抜いて、これを2枚投入してもいいんじゃないかな?」

「なるほど…」

 

 ふむふむ…。これならパワーが上がった感じだ。この“新しいブレイヴ”も良い感じだし。早苗や羽月にもう少し対抗できるようななるだろう。

 

「よし」

「うんうん♪ じゃあ最後に…はいどうぞ♪」

「? …これは?」

 

 満面の笑みで何処かからか取り出してきた。

 

「店長からね、“赤のアルティメット使いさんに”って」

「…いいの?」

「うん♪」

 

 …なら、有り難く入れさせてもらうかな。

 

 

 

「うおっし!何とか形にゃなったべ!」

「う〜ん、今回はマジックを弄るくらいかな〜」

 

 こちらも何とか終わった。かなり入れ換えた感じがあるが、どう動いてくれるか。

 

「よし凛々!あたしと調整バトルと行きますか!」

「うん。いいよ」

「おしゃ!あたしだけ凛々とバトルしない分けられてにやいかないしね!」

 

 深緒も腕まくりしてやる気満々。

姉さんと羽月はそうくるだろうと予見してたのか既に対戦準備を整えていた。

 

 

   VS 千歳 深緒

     【???】

 

 

「念願叶って凛々とのバトル!勝っても負けても恨みっこなしでいこう!」

「深緒は話しぶりからして緑を使うの?」

「おう。噛ませ犬に定評のある緑だよ!」

 

 噛ませ犬て…。自分で言って軽く凹んでる深緒は何なんだ。

 

「ともかく先攻後攻ジャンケン!」

「ん。ジャンケン…」

「ジャッカル!!」

「はい反則負け」

「ぐあはぁ!!」

 

 深緒のやったジャッカルってのは、本人曰く『ジャンケン十三奥義』とか訳の分からない事を言っている。

 

<凛々・先攻第一ターン>

「先攻で行くからね」

(リザーブ4)

(手札4→5)

 

 見違えるくらい良い感じだ。

 

「じゃあ、《大地穿つ石剣》を出す」

(手札5→4)

(リザーブ4→0)

(トラッシュ0→4)

 

「早速新しいのを使ってきたねぇ」

「まぁね。これで終わり」

 

<深緒・後攻第二ターン>

「新しくなったデッキの切れ味、受けてみんさい!スタートステップ!」

(リザーブ4→5)

(手札4→5)

 

「メイン。こっちもネクサス《戦場に息づく命》を配置!」

(手札5→4)

(リザーブ5→1)

(トラッシュ0→4)

 

「効果は次のターンのお楽しみ! バーストをセットしてターンエンド!」

(手札4→3)

{バースト:無し→セット}

 

 緑か…。あの不良どもと対戦したっきりで、これで二度目の対戦になるのか。ばかばかコアを増やすけど、手札の枯渇がマッハ?とか言ってたっけ。

 

<凛々・第三ターン>

「こっちの番」

(リザーブ0→1)

(手札4→5)

(トラッシュ4→0)

(リザーブ1→5)

 

「《リューマン・ルクス》を出すよ。コストは1で、軽減のやつも1つだから、0で出せる」

(手札5→4)

(リザーブ5→4)

[リューマン・ルクス コア1 レベル1 BP1000]

 

「新しいリューマンかぁ。スピリットソウル持ちのリューマン系サポートできる良いカードだ」

「らしいね。次に《ベアードイーグル》を出す」

(手札4→3)

(リザーブ4→0)

(トラッシュ0→2)

[ベアードイーグル コア2 レベル2 BP4000]

 

「攻撃に入るよ。ベアードイーグルで攻撃。このとき1枚引く」

(手札3→4)

 

「それで、深緒の場にスピリットはいな——」

「いないと思ったらそれは違うよ! そのアタックに反応して、バースト発動!」

「っ!」

「バーストは《トライアングルバースト》!」

{深緒バースト:セット→発動}

 

「手札にあるコスト4以下のスピリット、《ムゲンドラゴン》をノーコストで召喚!」

(深緒手札3→2)

(リザーブ1→0)

[ムゲンドラゴン コア1 BP4000]

 

「ムゲンドラゴンのBPはベアードイーグルと同じ4千!」

「相打ち…?」

「いんや、ブロックはしないよ。わざわざ喚び出したのを相打ちにするのは勿体ないしね」

「なるほど。ならベアードイーグルの効果。深緒のライフを減らさない代わりに、1枚引ける」

(凛々手札4→5)

 

赤 スピリット

《ベアードイーグル》

コスト4 軽減赤2極1 <皇獣>

 

<1> Lv1 BP3000

<2> Lv2 BP4000

シンボル:赤

Lv1・Lv2『このスピリットのアタック時』

自分はデッキから1枚ドローする。

ブロックされなかったとき、相手のライフを減らすかわりに、自分はデッキから1枚ドローできる。

【合体時】Lv2『このスピリットの合体アタック時』

BP5000以下の相手のスピリット1体を破壊する。

 

「あのベアードイーグルっなかなか良いカードですね」

「相手にコアを渡さずに2枚ドローするのは優秀よね〜。合体時効果を合わせると“バル・ガンナー”みたいよね」

 

 よし、一気に2枚引けたのは良い。これなかなか良いな。

インフィニティと入れ替わりになったけど、優秀な良い鳥だ。

 

「これで終わり」

 

<深緒・第四ターン>

「ライフを減らさず手札を増やすては、赤も考えてきたね。スタートステップ! コアステップのときに戦場に息づく命の効果発揮!」

「ここで…?」

「コアステップでコアを増やさない代わりに1枚ドローに代える!」

(手札2→3)

 

「コアを増やさない…!?」

「更に規定のドローステップ!」

(手札3→4)

(トラッシュ4→0)

(リザーブ0→4)

 

「深緒も2枚引いた…」

「コアは犠牲になるけどまぁいいさ!」

 

緑 ネクサス

《戦場に息づく命》

コスト4 軽減緑3

<0> Lv1

<2> Lv2

Lv1・Lv2『自分のコアステップ』

ボイドからコアを自分のリザーブに置かないことで、自分はデッキから1枚ドローする。

Lv2『相手のアタックステップ』

相手によって自分のライフが減ったとき、ボイドからコア1個ずつを、自分の合体スピリットすべてに置く。

 

「メインステップ。《クローフォックス》を召喚!」

(手札4→3)

(リザーブ4→1)

(トラッシュ0→2)

[クローフォックス コア1 レベル1 BP3000]

 

「狐?」

「っぽいやつかな。そいで召喚時効果! 系統:<新生>のムゲンドラゴンにボイドからコア1つ追加!」

[ムゲンドラゴン コア1→2 レベル1→2 BP4000→5000]

 

「次にリザーブとムゲンドラゴンのコアをクローフォックスに移して、バーストセット!」

(リザーブ1→0)

[ムゲンドラゴン コア2→1 レベル2→1]

[クローフォックス コア1→3 レベル1→2 BP3000→5000]

(手札3→2)

{バースト:無し→セット}

 

「アタックステップ! クローフォックスでアタック!」

「むっ」

「レベル2からのアタック時効果発揮! ボイドから1つリザーブにコアブースト!」

(リザーブ0→1)

 

「さてどうする?」

「通すよ」

(凛々ライフ5→4)

(リザーブ0→1)

 

「ターンエンド」

 

<凛々・第五ターン>

「このままじゃコアが増やされるか…」

(リザーブ1→2)

(手札5→6)

(トラッシュ2→0)

(リザーブ2→4)

 

「…うん。まずは《リューマン・スカイハイ》を出す」

(手札6→5)

(リザーブ4→1)

(トラッシュ0→2)

[リューマン・スカイハイ コア1 レベル3 BP5000]

 

「次に、《龍剣聖リューマン・マスターエッジ》を出すよ」

(手札5→4)

 

「おおっ、これも新しいリューマン!」

「そうらしいよ。軽減は赤が1つで金色のが1つだから、払うのは1コスト。レベルにはベアードイーグルから…いいんだよね」

(リザーブ1→0)

(トラッシュ2→3)

[ベアードイーグル コア2→1 レベル2→1]

[龍剣聖リューマン・マスターエッジ コア1 レベル3 BP5000]

「一気に攻める。まずベアードイーグルで攻撃して、1枚引く」

(手札4→5)

 

「そいつはさすがにこっちゃ通せないからブロック! こっちのが千高いから返り討ちさ!」

「役目は果たしたからいいよ」

[ベアードイーグル 破壊]

(凛々リザーブ0→1)

 

「次、龍剣聖で攻撃。こっちも攻撃したら1枚引くよ」

(手札5→6)

 

「かぁー!羨ましいくらいもりもり引くなー!」

 

 確かに。前のでは信じられないくらい引きまくっていて私も驚いてる。

 

「アタックはライフで受けよう!」

(深緒ライフ5→4)

(リザーブ1→2)

 

「ライフ減少でバースト発動!

 《チワワンコ》!」

「っ! チワワ…!」

{深緒バースト:セット→発動}

 

「ボイドからコア1つリザーブにブーストして、疲労効果があるけどアルティメットがいないからそのままバースト召喚!」

(深緒リザーブ2→3→2)

[チワワンコ コア1 レベル1 BP4000]

 

「か…可愛い!」

「でしょ〜。この愛嬌、可愛らしさで相手をノックアウトさ!」

 

 可愛い!デッキに入れたい!テスタロッサ・ドラゴン退かして入れたい!今すぐ入れたい!

 

「…手が出せないからこれで終わりでいい」

 

<深緒・第六ターン>

「よしゃ!スタートステップ!息づく命の効果でドローに!」

(手札2→3)

(手札3→4)

(トラッシュ2→0)

(リザーブ2→4)

 

「メイン。まずはマジック《ライフチャージ》を使用! コスト3以上のスピリット、クローフォックスを破壊して3つコアブースト!」

(手札4→3)

(リザーブ4→2)

(トラッシュ0→2)

[クローフォックス 破壊]

(リザーブ2→5→6)

 

「次はこいつ!

 犬騎士、《シュバリアン・ハスキー》をレベル4で召喚!」

(手札3→2)

(リザーブ6→2)

(トラッシュ2→4)

[シュバリアン・ハスキー コア2 レベル4 BP8000]

 

「緑のアルティメット…」

「更に、あたしもやっちゃる!

 夜空に輝く雄々しき1番星!

 《星獣槍シリウス》を、シュバリアン・ハスキーに直接合体!」

(手札2→1)

(リザーブ2→0)

(トラッシュ4→6)

星獣槍シリウス

  ↓ 直接合体

シュバリアン・ハスキー(合体)

[コスト:4+4=8]

[BP:8000+3000=11000]

[合体時:追加]

[シンボル:追加無し]

 

「アルティメットに…」

「遂にあたしもアルティメットに合体できた…! そしてシリウスの召喚時効果発揮! 凛々は自分のスピリット2体を選んで疲労させてね!」

「…今はルクスしかいないからルクスだけ」

[リューマン・ルクス 回復→疲労]

 

「最後にバーストをセットしてアタックステップ!」

(手札1→0)

{バースト:無し→セット}

 

 私のデッキだけの特権かと思ったら、新しいカードでもう広まったのか。

…なら、先駆者として負けてられない。

 

「ハスキーで、剣刃合体アタック! まずはシリウスの合体アタック時効果でボイドからコア1つブースト!」

(リザーブ0→1)

 

「来た…」

「更にハスキーの合体(ブレイヴ)アルティメットトリガー、ロックオン!」

「えっと、デッキの1番上をめくって……コスト5、《リューマン・リベリオン》」

「ヒット! ボイドからコア2つをハスキーにブースト!」

[シュバリアン・ハスキー(合体) コア2→4]

 

緑 ブレイヴ

星獣槍(せいじゅうそう)シリウス》

コスト4 軽減緑1極1 <剣刃>

<1> Lv1 BP3000

<0> 合体 +3000

シンボル:なし

Lv1『このブレイヴの召喚時』

相手は、相手のスピリット2体を疲労させる。

【合体条件:コスト3以上のスピリット/アルティメット】

【合体時】『このスピリット/アルティメットの合体アタック時』

ボイドからコア1個を自分のリザーブに置く。

このアルティメットのUトリガーを発揮させないことで、さらに、このアルティメットをBP+7000する。

 

 深緒の番でもう6つもコアを増やしてる…。一気に差が出来たけど、ならこっちは火力で差を付ければいい。

 

「攻撃は通すよ」

(凛々ライフ4→3)

(リザーブ1→2)

 

「ターンエンド!」

 

<凛々・第七ターン>

「やられた分は返す…!」

(リザーブ2→3)

(手札6→7)

(トラッシュ3→0)

(リザーブ3→6)

 

 …来た!

今なら、一気に行けるはず!

 

「ルクスの【スピリットソウル:赤】!」

「っ! Uアークか剣輝龍皇か!」

 

「そのどっちでもない、新しい切り札!

 《アルティメット・シャイニングドラゴン》!」

(手札7→6)

(リザーブ6→0)

(トラッシュ0→3)

[アルティメット・シャイニングドラゴン コア3 レベル4 BP14000]

 

「…えっ!? “シャイドラ”!?」

「Uアークに続いて元の輝龍までアルティメットになってたんだ…」

 

 これが姉さんから貰った、新しい切り札!

 

「このまま攻撃に移る! Uシャイニングで攻撃! トリガーってのも使う!」

「トリガー持ちかぁ。…コスト5、マジック《バレットファイア》!」

「赤のカード? とにかくヒット、だっけ。えっと…」

 

「お姉ちゃん解説!

 BP5千以下の深緒ちゃんのスピリット1体を破壊! けどUシャイニングレベル4からの効果! Uシャイニングのトリガーによる破壊上限をプラス1万!」

 

「ぶぇっ!?じゃあ、1万5千以下破壊!? 元のシャイドラより強っ!」

「破壊するのは……チワワは無理。ムゲンドラゴンを選ぶよ」

[ムゲンドラゴン 破壊]

(深緒リザーブ1→2)

 

「更に解説〜♪

このUトリガーで相手スピリットを破壊できたら、凛々の手札にある赤のブレイヴ1つをノーコストで出せちゃいまーす♪」

「げぇっ!?そこら辺は元と一緒なんかぁ!」

 

「出すのはこれ!

 《太陽神剣ソルキャリバー》!

 Uシャイニングに重ねて出す!」

(手札6→5)

太陽神剣ソルキャリバー

  ↓ 直接合体

アルティメット・シャイニングドラゴン(合体)

[コスト:6+0]

[BP:14000+4000=18000]

[合体時:追加]

[シンボル:極+赤=極赤]

 

「突然のダブルシンボル!?」

「さぁどうする深緒。言っとくけどチワワを差し出したら絶対許さない」

「ファッ!?」

「チワワで守ったら、殴る」

「ぼ、暴力反対! ライフで受けますぅ!」

(深緒ライフ4→2)

(リザーブ2→4)

 

「ライフ減少でバースト発動! 《絶甲氷盾》!」

{深緒バースト:セット→発動}

 

「今度は白のカード…」

「ボイドからコア1つをライフに置いて、追加コストを支払ってアタックステップを強制終了させる!」

(深緒ライフ2→3)

(リザーブ4→0)

(トラッシュ6→10)

 

 あのムゲンドラゴンが色を変えたり、白のカードだったり…。深緒はどんなデッキなんだろ?

 

<深緒・第八ターン>

「これはキッツい…。スタートステップ! 息づく命の効果!」

(手札0→1)

(手札1→2)

(トラッシュ10→0)

(リザーブ0→10)

 

「メイン! 一旦ハスキーのレベルを下げる!」

[シュバリアン・ハスキー(合体) コア4→1 レベル4→3]

(リザーブ10→13)

 

「まず《アルティメット・セッコーキジ》を召喚!」

(手札2→1)

(リザーブ13→11)

(トラッシュ0→1)

[アルティメット・セッコーキジ コア1 レベル3 BP5000]

 

「Uセッコーキジはメインステップ中、あたしのアルティメットの究極シンボルを緑、または赤のシンボルとしても扱える!」

「へぇ…。そんなことができるんだ」

「つまり、マジック《ネオ・ダブルドロー》も2コストで使えるってことよ!」

(手札1→0)

(リザーブ11→9)

(トラッシュ1→3)

 

「アルティメットがいるから3枚ドロー!」

(手札0→3)

 

「ぃよっしゃあ! 《ネコジャラン》を召喚!」

(手札3→2)

(リザーブ9→8)

[ネコジャラン コア1 レベル1 BP2000]

 

「ネコジャランは緑軽減に加えて赤、青の軽減も持っていて、青と赤になれる稀有なやつ!」

「この猫も可愛い…!」

「聞いちゃいねぇ!」

 

緑 スピリット

《ネコジャラン》

コスト2 軽減緑1赤1青1 <遊精>

<1> Lv1 BP2000

<3> Lv2 BP4000

シンボル:緑

Lv1

このスピリットの色とシンボルは青としても扱う。

Lv2

このスピリットの色とシンボルは赤としても扱う。

 

「続けて、雄々しき星の爪!

 《撃爪アダーラ》を召喚!」

(手札2→1)

(リザーブ8→6)

(トラッシュ3→4)

[撃爪アダーラ コア1 レベル1 BP1000]

 

 ブレイヴをそのまま出した…?

 

「撃爪アダーラはシンボルを持たない。けど、【スピリットソウル:緑】によって、緑シンボルを得る! これで全部引っくるめて最大軽減!」

「っ!」

 

「魔王の刃は、聖邪問わぬ平等なる断罪鎌!

 《アルティメット・マンティス》のご登場だよ!!」

(手札1→0)

(リザーブ6→1)

(トラッシュ4→6)

[アルティメット・マンティス コア3 レベル4 BP21000]

 

「緑のXレア、だっけ…」

「おうよ! 次に星獣槍シリウスをUマンティスへ換装合体!」

 

シュバリアン・ハスキー(合体)

  ↓ 分離

星獣槍シリウス

  ↓ 合体

アルティメット・マンティス(合体)

[コスト:8+4=12]

[BP:21000+3000=24000]

[合体時:追加、発揮可能]

[シンボル:追加無し]

 

「撃爪アダーラはシュバリアン・ハスキーに合体!」

撃爪アダーラ

  ↓ 合体

シュバリアン・ハスキー(合体)

(リザーブ1→0)

[撃爪アダーラ コア1→譲渡]

[シュバリアン・ハスキー(合体) コア1→3 レベル3→4]

 

[コスト:4+2=6]

[BP:8000+1000=9000]

[合体時:追加]

[シンボル:追加無し]

 

「いっくぞー!“ソードブレイヴアルティメット”!

 アタックステップ! Uマンティスで剣刃合体アタック! 合体バトル時効果、凛々は自分のアルティメット1体を選んで疲労させる!」

「っ、アルティメットを疲労…!? ……龍剣聖を疲労させる」

[龍剣聖リューマン・マスターエッジ 回復→疲労]

 

「続けて合体アルティメットトリガー・ロックオン! コストは12!」

「12!? …コスト3、《アルティメット・ブロンズ・ヴルム》」

「おっしゃヒット! このターン中、あたしの緑、赤、青のスピリットかアルティメットのアタックが通ったら、追加でライフ1つをいただくよ!」

「っ!?」

 

「へ〜。元の“黒蟲魔王”と同じで擬似ダブルシンボルにするんですね」

「しかも指定範囲が色だからかなり驚異的ねぇ」

 

緑 アルティメット

《アルティメット・マンティス》

コスト8 軽減緑4赤1青1 <新生・殻人>

【召喚条件:自分の緑スピリット1体以上】

<1> Lv3 BP15000

<3> Lv4 BP21000

<5> Lv5 BP27000

シンボル:極

【合体時】Lv3・Lv4・Lv5『このアルティメットのバトル時』

相手は、相手のアルティメット1体を疲労させる。

【Uトリガー】Lv4・Lv5『このアルティメットのアタック時』

Uトリガーがヒットしたとき、このターンの間、自分の赤/緑/青のスピリット/アルティメットのアタックによって相手のライフを減らしたら、相手のライフのコア1個を相手のリザーブに置く。

 

「星獣槍の効果で1コアブースト!」

(リザーブ0→1)

 

 今の私のライフ3…。アタックを通したらライフが2つ削れる…。

1回でも通したらもう守りきれない。

それに深緒はこのままアタックし続ければ勝つことができる。

 

「……通す!」

「っ! なら追加でライフを1つ砕く!」

(凛々ライフ3→1)

(リザーブ0→2)

 

「次!ハスキーで剣刃合体アタック! 合体アルティメットトリガー・ロックオン!」

「…コスト4、マジックの《フェイタルドロー》」

「ヒット!ハスキーに2コアブーストして、レベル5にアップ!」

[シュバリアン・ハスキー コア3→5 レベル4→5 BP8000→12000+3000=15000]

 

「スカイハイで守る! 効果!」

「——コスト…6!《雷極天サンダーウルフ》!」

「っ!? 外れた!?」

「これで終わりだよ凛々!」

「何を…!」

「アダーラの合体時効果! BP比べに勝ったらライフ1ついただく!」

 

緑 ブレイヴ

《撃爪アダーラ》

コスト2 軽減緑1 <剣刃>

<1> Lv1 BP1000

<0> 合体 +1000

シンボル:なし

Lv1【スピリットソウル:緑】

自分がアルティメットカードを召喚するとき、このスピリットに[緑]を追加する。

【合体条件:コスト3以上のアルティメット】

【合体時】『このアルティメットの合体アタック時』

BPを比べ相手のスピリット/アルティメットだけを破壊したとき、相手のライフのコア1個を相手のリザーブに置く。

 

 や、ヤバい…! 相打ちを取れなかったどころか負けたら本当に終わりだ…!

逃げることもできない……逃げる…?

 

 

 

「…フラッシュ!」

「っ!」

「《ドラゴニックウォール》!」

「抱えてた!?」

「コストにはスカイハイから取って、ルクスを破壊!これで深緒の番は終わり!」

(凛々手札5→4)

[リューマン・スカイハイ コア1→0 消滅]

(トラッシュ3→4)

[リューマン・ルクス 破壊]

(リザーブ2→3)

 

「か、避わされた!?」

 

<凛々・第九ターン>

「後が無いのはいつもの事!」

(リザーブ3→4)

(手札4→5)

(トラッシュ4→0)

(リザーブ4→8)

 

 とは言え、今私の場に“これ”を最大軽減で出せるシンボルが無い。

…よく考えろ。どうやったらこいつを最大軽減で活かせるか。

 

「………」

 

 ……そうか、この“石剣”か。

 

「《星騎槍ガクルックス》を龍剣聖に重ねて出す!」

(手札5→4)

(リザーブ8→6)

(トラッシュ0→2)

 

星騎槍ガクルックス

  ↓ 直接合体

龍剣聖リューマン・マスターエッジ(合体)

[コスト:3+4=7]

[BP:5000+3000=8000]

[合体時:追加]

[シンボル:追加無し]

 

「出したときの効果。心苦しいけど、BP4千以下の猫を破壊する!」

[ネコジャラン BP2000 破壊]

(深緒リザーブ1→2)

 

 あとシンボル1つ…!

 

「次に《炎星斧エルナト》も出す!」

(手札4→3)

(リザーブ6→4)

(トラッシュ2→3)

[炎星斧エルナト コア1 レベル1 BP3000]

 

「エルナトの効果で、トラッシュのスカイハイを手札に戻す!」

(手札3→4)

 

「これで整った…!」

「ど、どゆこと?」

 

「お姉ちゃん解説。

 大地穿つ石剣の効果で、凛々の場のシンボルの無いブレイヴ1つにつき、このネクサスに赤シンボルを1つ追加するの。

これはブレイヴの状態を問わないわ」

 

「私の場にはシンボルの無いブレイヴが2つ。だから、石剣に赤シンボル2つ追加!」

[大地穿つ石剣 シンボル赤+赤赤=赤赤赤]

 

赤 ネクサス

《大地穿つ石剣》

コスト4 軽減赤2

<0> Lv1

<1> Lv2

シンボル:赤

Lv1・Lv2

フィールドにあるシンボルを持たない自分のブレイヴ1つにつき、このネクサスに赤のシンボル1つを追加する。

Lv2

系統:<剣刃>を持つブレイヴと合体している自分の合体アルティメットのUトリガーがヒットしたとき、自分はデッキから2枚ドローする。この効果はターンに1回しか使えない。

 

「これで最大軽減!

 《アルティメット・アーク》!」

(手札4→3)

(リザーブ4→0)

(トラッシュ3→5)

[アルティメット・アーク コア2 レベル3 BP11000]

 

「うわっ、出た!?」

「次にUシャイニングのコアを龍剣聖とUアークに移す!」

[アルティメット・シャイニングドラゴン コア3→1 レベル4→3]

[龍剣聖リューマン・マスターエッジ コア1→2 レベル3→4 BP5000→7000]

[アルティメット・アーク コア2→3 レベル3→4 BP11000→15000]

 

「Uシャイニングの太陽神剣を、Uアークへ渡す!」

アルティメット・シャイニングドラゴン(合体)

  ↓ 分離

太陽神剣ソルキャリバー

  ↓ 合体

アルティメット・アーク(合体)

[コスト:7+0]

[BP:15000+4000=19000]

[合体時:追加、発揮可能]

[シンボル:赤+赤+赤=赤赤赤]

 

「最後にエルナトをUシャイニングに重ねる!」

炎星斧エルナト

  ↓ 合体

アルティメット・シャイニングドラゴン(合体)

[炎星斧エルナト コア1→譲渡]

[アルティメット・シャイニングドラゴン コア1→2]

[コスト:6+4=10]

[BP:10000+3000=13000]

[合体時:追加]

[シンボル:追加無し]

 

「決める…!」

「やる気満々とか…!」

 

 決めるとは言ったが、肝心要のカードを引けてない。

なら、引けばいい!

 

「龍剣聖で攻撃! 龍剣聖とガクルックスの効果で、合わせて2枚引く!」

(手札3→5)

 

赤 ブレイヴ

《星騎槍ガクルックス》

コスト4 軽減赤1極1 <剣刃>

<1> Lv1 BP3000

<0> 合体 +3000

シンボル:なし

Lv1『このブレイヴの召喚時』

BP4000以下の相手のスピリット1体を破壊する。

【合体条件:コスト3以上のスピリット/アルティメット】

【合体時】『このスピリット/アルティメットの合体アタック時』

自分はデッキから1枚ドローする。

このアルティメットのUトリガーを発揮させないことで、さらに、このアルティメットをBP+7000する。

 

「龍剣聖の…“トリガー”!」

「——コスト3、スピリット《プロキワン》!」

「当たり! BPを5千アップ!」

[龍剣聖リューマン・マスターエッジ BP10000+5000=15000]

 

赤 アルティメット

《龍剣聖リューマン・マスターエッジ》

コスト3 軽減赤1極1 <次代・剣使・竜人>

【召喚条件:コスト1以上の自分のスピリット1体以上】

<1> Lv3 BP5000

<2> Lv4 BP7000

<4> Lv5 BP10000

シンボル:極

Lv3・Lv4・Lv5『このアルティメットのアタック時』

自分はデッキから1枚ドローする。

【合体時】【Uトリガー】Lv4・Lv5『このアルティメットの合体アタック時』

Uトリガーがヒットしたとき、このアルティメットをBP+5000する。

その後、相手のスピリット1体を指定し、そのスピリットにアタックできる。

 

「羽月、この“指定してアタック”って?」

「深緒ちゃんのスピリットに対してその通り指名して強制的にバトルさせるって効果だよ」

「なるほど」

「ちなみにあたしの場にスピリットはチワワンコだけだよ」

「っ!?」

 

「あーっと深緒ちゃんここで精神攻撃に入りましたね」

「カードバトラーなら、いえ、TCGをプレイしている人なら基本中の基本ね」

 

「その指定アタック効果は任意! 凛々!凛々はこの愛くるしいチワワに対して手をあげるのか!?」

「っ…」

 

 で、できない…!私にはできないよ!

 

「必死です。深緒ちゃん何とか逃れようと必死です」

「指定アタックは…しない!」

「っし!」

「浅ましい。これは深緒ちゃん浅ましいです」

「何とでも言え。あたしとて自分のライフを守らねばならん」

 

 物言わぬ動物を盾にするなんて…。やることが汚い!

 

「なぁぁんちゃって!!」

「っ!?」

「チワワンコでブロックだぁッ!!」

「深緒貴様あぁぁあ゛ぁ゛あ゛ッッ!!! 何のためにこんな真似をおぉッ!!!」

 

 潰す…! もうデッキが何色仕込んでるのだとかどうでもいい!

 必ず、深緒をゴッ倒す…!!

 

「フラッシュ!」

「何っ!?」

「倒すしか道が無いなら、無駄にする訳にはいかない!

 《サンブレイカー》!!」

(手札5→4)

[アルティメット・シャイニングドラゴン コア2→1]

 

「こっちの合体してるスピリット、アルティメットが相手だけを倒したら、ライフ1つをいただく!」

「ひぇ…!」

 

 ごめん、チワワ…。必ず邪悪の権化深緒を倒し、仇は取るからね…!

 

「こっちの勝ちだから、ライフ1ついただく!」

「ち、チワワを躊躇いなく…!」

[チワワンコ 破壊]

(深緒ライフ3→2)

(リザーブ2→4)

 

「Uシャイニングで攻撃! エルナトの効果でネクサスを破壊!」

[戦場に息づく命 破壊]

 

「トリガー効果——」

「ちょっと待った凛々!」

「っ!?」

 

 突然姉さんから待ったを掛けられた。な、何さ。ここで…。

しかも近くに来て耳打ちしてくる。

 

(凛々、手札をよく見て)

(…?)

(Uシャイニングのトリガーは、強いけど色々制限があるのよ)

(制限?)

(凛々の手札に赤のブレイヴ、深緒ちゃんの場にBP5千以下のスピリットがいないと、トリガー効果が不発になるのよ)

(…どういうこと?)

 

 姉さんが言うには

『Aすることで、Bする』当たるらしい。

この記述があるとき、今のUシャイニングのような『BP5000以下の相手スピリット1体を“破壊することで”、手札の赤ブレイヴ1枚をノーコストで“召喚する”』に当て嵌まる。

『A』が破壊、『B』が召喚。

このどちらも出来ていないと、発揮することができないようだ。

 

(何となく解った?)

(大体把握した)

(うん♪)

 

「…Uシャイニングのトリガーを撃つ、けど」

「コスト5、マジック《ハンドリバース》」

「当たりはした、けど…不発」

「手札にブレイヴが無いと見た!」

「どちらにしろ攻撃は通すの?ブロックするの?」

「ライフで受けます…」

(深緒ライフ2→1)

(リザーブ4→5)

 

「ラスト…!Uアークで攻撃! トリガー効果!」

「——コスト4、スピリット《ヴァルト・イエーガー》…!」

「当たり! BP5千以下のスピリット…じゃなく、Uアークが合体してるから、BP1万5千以下のアルティメットを破壊する! 選ぶのはそこの雉!」

「ひえぇ!」

[アルティメット・セッコーキジ BP5000 破壊]

(深緒リザーブ5→6)

 

「覚悟しろ深緒…!」

 

「やめろー!しにたくなーい!」

 

「動物を大切にしない奴は!

 太陽の炎に焼かれて、散れぇッ!!」

 

「うわああぁぁーーーっ!!?」

 

(深緒ライフ1→0)

 

 

 

〔winner!! 鴇峯 凛々〕

 

 

 

 

 

「チワワンコ、プロキワン、ネコジャラン…。終わったよ…」

「凛々ちゃんがいつにも増してキリッとしてる」

「凛々が楽しそうで何よりね〜♪」




アルティメットバトル06投入回で、お相手はvs緑の深緒でした。
投入が少し速かったような気もしますが、05でも限界だったので投入した次第です。

アルティメットが合体可能になり、戦略の幅が凄まじく広がりました。
赤のパワーが上がりまくり、<剣獣>サポは07までお預け状態という現状。

ミス等ありましたら、気軽にご指摘ください。

※余談
後半完全に深夜テンションで書いたのが間違いでした。

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