バトルスピリッツ アナザースターター   作:謙虚なハペロット

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いつも遅れる私を許してほしい…(無言じゃない謝罪)



Step.15 『見直すべき』

「《アルティメット・マンティス》、剣刃合体アタック! ヒット時効果により、アタックでライフを減らしたとき追加でライフ1つを破壊する!」

「ま、待って!まだ主役のアルティメットが手札に…」

「関係ないよ!主役と一緒に逝けぇ!」

「関係なかった!!」

 

「《闇騎神ネメシス》、合体アタック。合体している《護星鎧エク・レウス》の効果で【毒刃】の枚数を1枚増やし、Uアークに毒を3枚仕込みます。これにより全体の毒は合わせて12枚。ブロックされたときレベル2の効果で下にあるカード3枚につきライフ1つ、よってライフ4つ砕きますね」

「ま、待ってください!まだ自壊用のマジックが…」

「関係ありません♪ 使いたかったマジックと一緒に逝ってください♪」

「関係なかった!!」

 

「《邪神龍ドゥーム・ドラゴン》に《獣竜アルドゥーム》3体の効果にデ赤のシンボル3つ追加ァ!!」

「ま、待って!まだ何もしてな…」

「関係ねェヨ! 抱えタ手札と一緒に逝ケェ!!」

「関係なかった!!」

 

 

 

 これが、特訓…。

冗談が言えるくらいにはなってきたが、早苗のときみたく噛み付くことすらままならないとは。良くて間燈さんに良いとこまで行けるのみ、あとはあしらわれて終わり。

 

「桜はまダしも、星に白星を1ツも取れナいッテなどういう構築してンの?」

「赤青を意識してはいるんですけど…」

「ふむ。では全員でチェックといこう。アドバイスはできるだろうし」

 

 てな訳で早苗と姉さん、理絵に見てもらって以来のデッキチェック。…おかしい。何故白のスピリットやアルティメットが引けないんだ。ちゃんと入ってるのに。

…本格的に見直すべきか。

 

「赤青に白ですね」

「……驚いた」

「4、5、6コスのスピリットがいナいだト?」

「あら、通りで」

 

 …そういえば改めて見てみるとそうかも。

 

「シンボル確保はネクサスの仕事かな」

「自然とそうなる形でしょうか。…ただ、纏めて処理されやすく脆いですね」

「例え低コストのアルティメットだロうと、究極シンボルの軽減がネックだカらナ。速攻型なら分からナくもナいが」

 

 三人からの評価は不評。

フィニッシャーやキーのUアーク、剣輝龍皇が1枚だからとにかく継続的に攻める力が足りないとのこと。嵌まれば強い…が、嵌まるまで相手が待つ訳が無い。

 

「ブレイヴの合体先が限定されているのも踏み切れ無い要因かもね」

「でも、アルティメットに合体させれば…」

「それまでの繋ぎだよ。例えばガクルックスならコスト3以上が条件だろう? 合体先が龍剣聖としても、アルティメットである以上ルクスかエルギニアスを先に出す必要が出てくる。しかし彼らはコスト1。一時的にでも合体させて置けないとなってしまうと、無防備に1コストのスピリット出しているようなものだ。まぁ破壊後バーストの囮としてなら話は違ってくるがね」

「なるほど」

「それを踏まえてスタードライアンはどうだ。レベル1のBPは3千と低めだが、レベル1から青、レベル2からは赤になれる。コア効率も良い。いっそエルギニアスを抜きこれを3枚採用しても良いかも知れないね」

「ふむ…」

 

「となれば、私からはこれをオススメしますね」

「…《トライアングルバースト》?」

「相手のスピリットのアタックに反応して発動するバーストです。コスト4以下のスピリットかアルティメットを召喚時効果を無効にして出せるので、鴇峯さんのデッキならば相性は良いかと」

「へぇ…。なら、オステアと入れ換えても良いかもですね」

「見たところバーンカラーとシグルド以外にこれといった召喚時効果も無い様子ですし、Uイグア・バギーもついでに外してしまっても良いかもしれませんね」

 

「ナらこレと一緒にヤるよ」

「え?」

「《トライアングルバースト》、《六分儀剣のルリ・オーサ》、《流星の剣聖シューティングスター》。好きに使いナ」

「そんな、勝ってもいないのに…」

「いいサ。ルリ・オーサは余ッテるし、ボクはシューティングスター使わナいから」

「…ありがとうございます」

「クヒッ、多少は強くナッてヨ?」

「はい」

 

 

 

 あれやこれやと話し合うこと数時間。

遂に見えた、今出来るデッキの極致。それは……

 

「全部ぶち込む」

 

「…今までの流れは何だったんだい」

「全部ですか? 交換したとしても50枚ぎりぎりですよ?」

「お前考えてルように見えテ深く考エるの苦手だロ?」

「…そ、そんなことないですよ」

「ったく、ナらぐちゃぐちゃしてナいで、貪欲な瓶並に何も考えズヤッたらどうダ?」

 

 正直に申しますと考えるのが面倒になってきたためです。はい。

 

「なんかこう、ネオ・ダブルドローとかもそうなんですけど、いっぱい引けるマジックとかって無いですか?」

「となると、令毀さん?」

「アアン?我が儘な注文だナァ。…灼熱の谷みたイなのカ?」

 

 それも良いんだが捨てたくない。破棄したくない。出来ればドロー枚数をプラスするのがいい。それを聞いた令毀さんが桜さんに何か取ってきてくれるよう頼んだ。

 

「お待たせしました」

「サンキュ。ついデに色々持ってケ」

「っ! こんなに!?」

「ただシ!コんだケくれてヤるンだ。絶対に強くなルって約束しろ。いいナ?」

「約束します」

「ではまた見直しかな凛々君」

 

 こんなに良くしてもらってボロ負けしてますじゃ申し訳が立たないどころではない。

 

 

 

 ——更に数時間。時計を見れば夕方の18時を回ろうとするところ。朝から対戦してからかなり時間が経過していた。

 

「もうこんな時間か…」

「小腹空いたなぁ」

「ん?」

「ん?」

「さておき鴇峯さん。一応組み上がりましたし、バトルしてみますか?」

「ならば私が相手だな」

 

 おそらく時間的に最後の対戦になる。そこに名乗り出た星さん。このごった煮のようなデッキでどこまで行けるかリベンジと行こう。

 

 

「さて、連敗記録はどこまで伸びるかな?」

「せめて露出狂からは1勝もぎ取る!このままじゃ恥だ!」

「酷い!」

 

<星・先攻第一ターン>

「繊細な私のハートは傷付いた!訴訟も辞さない!慰謝料として先攻をもらう!」

(リザーブ4)

(手札4→5)

 

「ならまず服装から正すべきじゃ…」

「何!?この服装は普通では無いのか!?」

「媚びる気も無いのにんな服着るのが悪い!」

「…ううむ、ファッションを見直すべきか」

 

 やめるとかではなく見直すのか。

 

「まあ後で考えようメインステップ!《ウスバアゲハ》を召喚だ!」

(手札5→4)

(リザーブ4→0)

(トラッシュ0→3)

[ウスバアゲハ コア1 レベル1 BP2000]

 

「召喚時効果によりリザーブに1コアブースト。そしてウスバアゲハをレベル2にし、バーストをセットしターンエンド!」

(リザーブ0→1→0)

[ウスバアゲハ コア1→2 レベル1→2 BP2000→3000]

(手札4→3)

{星バースト:なし→セット}

 

 いつものコアブースト。このデッキじゃコア差を詰めることは無理。なら場を整えさせず、徹底的に荒らすのが上策。考えず暴れるのが良い。

 

<凛々・後攻第二ターン>

「スタートステップ」

(リザーブ4→5)

(手札4→5)

 

「メイン。ネクサスの《炎の楽園》を置く」

(手札5→4)

(リザーブ5→1)

(トラッシュ0→4)

 

「次にバーストを伏せてターン終了」

(手札4→3)

{凛々バースト:なし→セット}

 

 デッキがまた様変わりしたから戦い方が変わった。道筋みたいのは構築するときに大体整えたが、あとは当たった流れでどうにかしろとのアドバイス。…何だその八百長を促すような助言は。

 

<星・第三ターン>

「スタートステップ!」

(リザーブ0→1)

(手札3→4)

(トラッシュ3→0)

(リザーブ1→4)

 

「メインステップ。《シマリース》くんを召喚!」

(手札4→3)

(リザーブ4→3)

[シマリース コア1 レベル1 BP2000]

 

「更に《アルティメット・オニクワガー》を召喚だ! 維持コアにはウスバアゲハから確保!」

(手札3→2)

(リザーブ3→0)

(トラッシュ0→3)

[ウスバアゲハ コア2→1 レベル2→1]

[アルティメット・オニクワガー コア1 レベル3 BP7000]

 

「もう来たか…」

「ここはターンエンドとしよう。焦る必要はまだ無いからね」

 

 ということは次に攻めてくるつもりか。

 

<凛々・第四ターン>

「スタートステップ」

(リザーブ1→2)

(手札3→4)

(トラッシュ4→0)

(リザーブ2→6)

 

「メイン。ネクサスの《大地穿つ石剣》を置く」

(手札4→3)

(リザーブ6→3)

(トラッシュ0→3)

 

「次に《星騎槍ガクルックス》をスピリット状態で出す! コストは炎の楽園の効果で赤の軽減が1つ追加されているから、2コスト!」

(手札3→2)

(リザーブ3→0)

(トラッシュ3→5)

[星騎槍ガクルックス コア1 レベル1 BP3000]

 

「召喚時効果。BP4千以下のシマリースを対象に破壊する!」

「今さっき出たばかりのシマリースくんをいぢめるのかい?」

「………」

「いぢめる?」

「イラッと来る!吹き飛べ!」

「ああ゛っ!?シマリースくーん!!」

[シマリース BP2000 破壊]

(星リザーブ0→1)

 

緑 スピリット

《シマリース》

コスト1 軽減緑1 <遊精>

<1> Lv1 BP2000

<3> Lv2 BP3000

シンボル:緑

Lv1・Lv2【スピリットソウル:緑】

自分がアルティメットカードを召喚するとき、このスピリットに[シンボル:緑]を追加する。

Lv2『相手によるこのスピリットの破壊時』

ボイドからコア2個を自分のリザーブに置く。

 

「まあいい。その召喚時に反応してバースト発動!《双翼乱舞》! バースト効果で2枚ドローさせてもらう!」

{星バースト:セット→発動}

(星手札2→4)

 

 掛かった……いや、掛かりに来たのか。

何にしろ好都合だ!

 

「伏せてあるのだろう?わざわざ私に手札を増やさせたんだ!」

「勿論!手札が増えた後にバースト!《インペリアルバースト》!」

{凛々バースト:セット→発動}

 

「バースト効果でコスト5以下のアルティメット、ぴったりコスト5のUオニクワガーを破壊!」

[アルティメット・オニクワガー コスト5 破壊]

(星リザーブ1→2)

 

青 マジック

《インペリアルバースト》

コスト5 軽減青2赤1

【バースト:相手の効果によって相手の手札が増えた後】

コスト5以下の相手のアルティメット1体を破壊する。

その後コストを支払うことで、このカードのフラッシュ効果を発揮する。

フラッシュ:

コスト4以下の相手のスピリット1体を破壊する。

【連鎖:条件《赤/究極シンボル》】

[赤][極]:相手のネクサス1つを破壊する。

 

 これで同等と言いたいけどそうは行かない。場は空けたが手札2枚が対価だし。…星さんもデッキを改良してるだろうけど緑にガクルックスを破壊する手段が無い事を祈ろう。

 

「バーストを伏せてターン終了」

(手札2→1)

{凛々バースト:なし→セット}

 

<星・第五ターン>

「さて建て直すか。スタートステップ!」

(リザーブ2→3)

(手札4→5)

(トラッシュ3→0)

(リザーブ3→6)

 

「メインステップ。リズムを上げていこうか!《タマムッシュ》をレベル2で召喚!」

(手札5→4)

(リザーブ6→0)

(トラッシュ0→2)

[タマムッシュ コア4 レベル2 BP5000]

 

「召喚時効果!召喚した際のレベル分、タマムッシュにコアを追加する!」

「レベル分?」

「そう。召喚した際のレベル1な1つ、2なら2つ追加されるのさ!」

[タマムッシュ コア4→6]

 

緑 スピリット

《タマムッシュ》【1枚制限】

コスト3 軽減緑1 <怪虫>

<1> Lv1 BP2000

<4> Lv2 BP5000

シンボル:緑

Lv1・Lv2『このスピリットの召喚時』

ボイドから、このスピリットのLvと同じ個数のコアをこのスピリットに置く。

 

「3コストで2つ増やすか…」

「これが制限カードの力さ。更に《シュバリアン・ハスキー》をレベル3で召喚!」

(手札4→3)

[タマムッシュ コア6→3 レベル2→1]

(トラッシュ2→4)

[シュバリアン・ハスキー コア1 レベル3 BP6000]

 

「そして、先駆けたる獣の刃、《星獣刃プロキオン》!

 シュバリアン・ハスキーへ直接合体!」

(手札3→2)

[タマムッシュ コア3→2]

(トラッシュ4→5)

星獣刃プロキオン

  ↓ 直接合体

シュバリアン・ハスキー(合体)

[コスト:4+3=7]

[BP:6000+2000=8000]

[合体時:追加]

[シンボル:追加無し]

 

「召喚時効果!アルティメットであるシュバリアン・ハスキーに1コア追加!」

[シュバリアン・ハスキー(合体) コア1→2 レベル3→4 BP6000→8000+2000=10000]

 

「最後にバーストをセットしアタックステップだ!」

(手札2→1)

{星バースト:なし→セット}

 

「ハスキー、剣刃合体アタック! プロキオンの効果、アルティメットと合体しているならば相手スピリット1体疲労させる!」

[星騎槍ガクルックス 回復→疲労]

 

「そしてアルティメットトリガーロックオン! こちらのコストは7だ!」

「…コスト2、《獣士スカイラーク》」

「ヒット!ハスキーにコア2つ追加!」

[シュバリアン・ハスキー(合体) コア2→4]

 

 コア差が開いてきた。だけどまだ余裕はある。…手札1枚だけど。

 

「アタックはライフに通す!」

(凛々ライフ5→4)

(リザーブ0→1)

 

「ライフ減少でバースト、《ディクタトールレギオン》!炎の楽園に2コア乗せて、追加は払わずそのまま!」

{凛々バースト:セット→発動}

[炎の楽園 コア0→2 レベル1→2]

 

「ターンエンド。さあ新しくなった動き、期待させてもらうよ」

 

 言われずともやる。やってやる!

約束した以上、ここまで力を貸してくれた以上、不様な負けを晒す訳にはいかない。

 

<凛々・第六ターン>

「スタートステップ!」

(リザーブ1→2)

 

「炎の楽園レベル2の効果でドローステップで引く枚数を1枚増やす!」

(手札1→3)

(トラッシュ5→0)

(リザーブ2→7)

 

赤 ネクサス

《炎の楽園》

コスト4 軽減赤2

<0> Lv1

<2> Lv2

シンボル:赤

Lv1・Lv2

自分の手札にあるブレイヴカードすべてに軽減シンボル[赤]を与える。

Lv2『自分のドローステップ』

ドローの枚数を+1枚する。

 

「メイン! 早速投入!《リューマン・ソードブレイカー》!」

(手札3→2)

(リザーブ7→3)

(トラッシュ0→3)

[リューマン・ソードブレイカー コア1 レベル3 BP8000]

 

 令毀さんと桜さんから大盤振る舞いして貰ったカードの一つ! 後はただ流れに乗る!

 

「召喚時効果!合体しているスピリットかアルティメットのブレイヴを破壊する!」

「ほう!Uシュリケラプトルより範囲が広いのか!」

「シュバリアン・ハスキーのプロキオンを指定!」

[星獣刃プロキオン 破壊]

[シュバリアン・ハスキー BP10000−2000=8000]

 

「そしてガクルックスをソードブレイカーへ重ねる! これでレベル4!」

星騎槍ガクルックス

  ↓ 合体

リューマン・ソードブレイカー(合体)

[星騎槍ガクルックス コア譲渡]

[リューマン・ソードブレイカー コア1→2 レベル3→4]

[コスト:5+4=9]

[BP:8000→11000+3000=14000]

[合体時:追加、発揮可能]

[シンボル:追加無し]

 

「何も考えず…。《リューマン・ルクス》!」

(手札2→1)

(リザーブ3→2)

[リューマン・ルクス コア1 レベル1 BP1000]

 

「最後に石剣をレベル2、ルクスをレベル2、バーストを伏せてアタックステップ!」

(リザーブ2→1)

[大地穿つ石剣 コア0→1 レベル1→2]

[炎の楽園 コア2→0 レベル2→1]

[リューマン・ルクス コア1→3 レベル1→2 BP3000]

(手札1→0)

{凛々バースト:なし→セット}

 

「ソードブレイカーで攻撃!まずガクルックスの効果で1枚引いて、トリガー発揮!コストは9!」

(手札0→1)

 

「——コスト6、《剛の剣聖ルビート》!」

「ヒット!石剣の効果で2枚引く!」

(手札1→3)

 

 よし、手札が戻った!悩むな、押して行け私!

 

「ソードブレイカーのヒット時効果、このアルティメットのBP以下のスピリットを破壊する…けど、ルクスレベル2からの効果! 名前に“リューマン”を含む合体アルティメットのトリガー効果対象をアルティメットも含められる!」

「ルクスの隠された効果か!」

「使う機会がなかった!BP1万4千以下のシュバリアン・ハスキーを破壊!」

[シュバリアン・ハスキー BP8000 破壊]

(星リザーブ0→4)

 

赤 スピリット

《リューマン・ルクス》

Lv2

カード名に「???」/「リューマン」と入っている自分の合体アルティメットのUトリガーのヒット効果に書かれた「相手のスピリット」を「相手のスピリット/アルティメット」に変更する。

 

赤 アルティメット

《リューマン・ソードブレイカー》

【召喚条件:コスト1以上の自分のスピリット1体以上】

コスト5 軽減赤2極1 <次代・竜人>

<1> Lv3 BP8000

<2> Lv4 BP11000

<5> Lv5 BP17000

シンボル:極

Lv3・Lv4・Lv5『このアルティメットの召喚時』

相手の合体スピリット/合体アルティメットのブレイヴ1つを破壊する。

【Uトリガー】Lv4・Lv5『このアルティメットのアタック時』

Uトリガーがヒットしたとき、このアルティメットのBP以下の相手のスピリット1体を破壊する。

 

 盤面をこっちに傾けられた…!手札も優位、蹂躙していけ!

 

「前より良い動きだ。しかぁし!私のアルティメットの破壊に反応し、バースト発動!」

「っ!」

「舞い躍れ疾風!《アルティメット・ウシワカ》!」

{星バースト:セット→発動}

 

 伏せてたか…。ソードブレイカーで出た時に引っ掛からなくてよかったと思うべきか。

 

「バースト効果でルクスを疲労!そしてバースト召喚レベル5!」

[リューマン・ルクス 回復→疲労]

{星バースト:発動→召喚}

(星リザーブ4→0)

[アルティメット・ウシワカ コア4 レベル5 BP18000]

 

「1万8千…!」

「Uウシワカでブロック!そしてバトル時アルティメットトリガーロックオン!」

「っ、コスト5の《フレイムスパーク》」

「同値で外したか。まぁいい。ソードブレイカーのBPでは4千届かない!何も無ければ返り討ちだ!」

「…ガクルックスは残す!」

[リューマン・ソードブレイカー 破壊]

[星騎槍ガクルックス 残留 コア2 レベル1 BP3000]

 

「ターン終了」

 

 上手く躱されたか。だけど焦るな、思考の沼に嵌まるな、前見て現状を打破する道を探れ…!

 

<星・第七ターン>

「シュバリアン・ハスキーを破壊されたのは想定外だったが、まだ利はこちらにある!スタートステップ!」

(リザーブ0→1)

(手札1→2)

(トラッシュ5→0)

(リザーブ1→6)

 

「メインステップ! 好機!まず2体目の《シマリース》くんを召喚!」

(手札2→1)

(リザーブ6→5)

[シマリース(2) コア1 レベル1 BP2000]

 

「更にマジック、《ハンドリバース》を使用!手札を全て破棄し、そちらの手札と同じ枚数ドローする!そちらのドローはこちらとしても有り難い限りだ感謝してあげよう!」

(手札2→1→0)

(リザーブ5→4)

[タマムッシュ コア2→0 消滅]

(トラッシュ0→3)

 

「毎回思うんですけどあもりにも卑怯すぐるでしょう?汚いな緑さすが緑きたない」

「汚いは、褒め言葉だ。とどこかの忍者が言っていたな」

(手札0→4)

 

「ふふっ、この手札なら君のライフを撃つのも容易いだろう」

「…容易いかどうか、これを見てから判断すればいい!相手の手札が増えたことで、バースト発動!」

「っ!?」

「星さんから貰った《エグゾーストエンド》だ!増えた分コアを追加させてもらう! 6枚増えたから、リザーブに6コア追加!」

{凛々バースト:セット→発動}

(凛々リザーブ0→4)

 

「更に追加コストを支払って、そちらの手札2枚につきスピリット1体疲労させる! ウスバアゲハ(1)とシマリースを指定!」

(凛々リザーブ1→5→2)

(トラッシュ3→6)

[ウスバアゲハ(1) 回復→疲労]

[シマリース(2) 回復→疲労]

 

 これで6コアブーストして2体分穴を開けた!今まで増やされた分これでイーブンに持ち込めたはずだ!

 

「…まさか、私のあげたカードでその私が苦しくなるとは。熱くなってくるよ!」

「やっぱ、マゾヒスティックな感じなんですね」

「ふはははっ…!この高揚、この接戦!良い調子じゃないか凛々君!だが足りない!もっと私を苦しめてみせろ!」

「なんだ突然」

「そんなマジレスされちゃ私が困ってしまう」

 

 星さんが楽しくなってるのは理解出来たが、苦戦を楽しむか…。今の私じゃ理解が追い付かないと思う。今は、どう戦うかを考えるのに必死だ。

 

「では見せてあげよう、我がデッキの切り札!“風舞の牛若”、“烈刃の青龍”と並ぶアルティメットを! シマリースの【スピリットソウル:緑】発揮!」

「っ!」

 

「始祖にして終焉!

 連なりし最後の帝、《終焉甲帝》!

 流れ往く黄昏纏いて立ち上がれ!!」

(手札4→3)

(リザーブ4→0)

[アルティメット・ウシワカ コア4→3 レベル5→4 BP18000→13000]

(トラッシュ3→7)

[終焉甲帝 コア1 レベル3 BP12000]

 

「終焉甲帝…」

「ご察しのとおり、モデルになったのはかの最後の皇帝“ラストエンペラー”だよ。

そしてアルティメットが召喚されたことにより、碧きの剣刃が目覚める!

 《地球神剣ガイアノホコ》を手札から提示!」

 

 3体目のアルティメットに地球神剣まで来た…。いよいよ本気を出してきたか!

 

「地球神剣を終焉甲帝へ献上! そして召喚時効果により自身にコア2つ追加!これによりレベル4!」

(手札3→2)

地球神剣ガイアノホコ

  ↓ 直接合体

終焉甲帝(合体)

[コスト:7+5=12]

[BP:12000+5000=17000]

[合体時:追加]

[シンボル:極+緑=極緑]

[終焉甲帝 コア1→3 レベル3→4 BP12000→18000+5000=23000]

 

「暁へ刻め!ソードブレイヴアルティメット!!」

 

緑 アルティメット

終焉甲帝(ラストエンペラー)

コスト7 軽減緑3 <次代・殻人>

【召喚条件:コスト3以上の自分のスピリット1体以上】

<1> Lv3 BP12000

<3> Lv4 BP18000

<5> Lv5 BP24000

シンボル:極

Lv3・Lv4・Lv5『このアルティメットの召喚時』

ボイドからコア2個をこのアルティメットに置く。

【Uトリガー】Lv4・Lv5『このアルティメットのアタック時』

Uトリガーがヒットしたとき、相手のスピリット2体を疲労させる。

Uトリガー後、自分のライフが3以下なら、さらに、XUトリガーを行う。

【XUトリガー】???……

 

 何戦かしても姿を見せなかったアルティメット…いや、敢えて使わなかったんだろう。星さんの切り札中の切り札、召喚時のコアブーストだけで済むはずがない。

 

「ではアタックステップ! 終焉甲帝、剣刃合体アタック!!」

「きた…!」

「地球神剣のバトル時効果によりバーストは発動できない!更にアルティメットトリガーロックオン!」

「…! コスト7《ネオ・フレイムテンペスト》!ガード…」

「いいやヒットだ!」

「えっ!?」

「終焉甲帝は“【XU(クロス・アルティメット)トリガー】”を持つ地球神剣の担い手!よって加算できる!」

「クロスアルティメットトリガー!?」

「今は発揮できないが、いずれ分かるさ。いずれな!」

 

「ヒット時効果によりそちらのスピリット2体を疲労!だが対象がいないか」

 

緑 ブレイヴ

《地球神剣ガイアノホコ》

【合体時】

XUトリガーを持たないアルティメットと合体している間、このブレイヴをコスト0として扱う。

 

「受けろ2点ダメージを!!」

「っ、ライフに通す!」

(凛々ライフ4→2)

(リザーブ2→4)

 

「続けてUウシワカでアタック! アルティメットトリガーロックオン!」

「…コスト3、《アルティメット・エルギニアス》!」

「ヒット!」

 

 Uウシワカのトリガーはアルティメットを回復させて手札に戻る効果。終焉甲帝を回復させて仕留めるつもりか。なら…!

 

「Uウシワカのアタックは…」

「甘いッ!!このカードを忘れた訳ではあるまいな!《アルティメット・セイリュービ》、【烈神速】の存在を!!」

(星手札2→1)

 

「トラッシュのコアは7つ!これをウスバアゲハに1つ、Uウシワカに1つ、残りを終焉甲帝に注ぎ【烈神速】召喚ッ!!」

(星トラッシュ7→0)

[ウスバアゲハ コア1→2 レベル1→2 BP2000→3000]

[アルティメット・ウシワカ コア3→4 レベル4→5]

[終焉甲帝(合体) コア3→8→7 レベル4→5 BP18000→24000+5000=29000]

[アルティメット・セイリュービ コア1 レベル4 BP10000]

 

 セイリュービ…!こいつもやっぱり手札にいたか…!

 

「ウスバアゲハレベル2からの効果! 私の<殻人>アルティメットがバトルしている間、そちらはバーストを発動できない!ガイアノホコを持ってなくともバーストは封じられるんだよ!」

「っ…」

「フゥーハハハーーッ!今更セットしようともう遅い!!」

 

「フラッシュタイミング!」

 

「…っ!?」

 

「マジック《絶甲氷盾》!!」

(凛々手札4→3)

(リザーブ4→0)

(トラッシュ6→10)

 

「手札から絶甲氷盾だとぉ!?」

「このアタックが終わったらアタックステップを強制終了させる! アタックはライフに通す!」

(凛々ライフ2→1)

(リザーブ0→1)

 

「ちぃ…! だがUウシワカのヒット時効果により自身を手札に戻し、終焉甲帝を回復させてターンエンドだ!」

[アルティメット・ウシワカ 手札に]

(星手札1→2)

(星リザーブ0→4)

[終焉甲帝(合体) 疲労→回復]

 

「さあ凛々君!きみのファイナルターンだ!」

 

 分かっている。ここを逃せばもう勝ちは無い。

余計な事は考えるな!勝ちを目指せ!

 

<凛々・第八ターン>

「スタートステップ!!」

(リザーブ1→2)

(手札3→4)

(トラッシュ10→0)

(リザーブ2→12)

 

 っ!!!

…一瞬電流が走り抜けていく感覚。

これが来たなら、行ける!

 

「メイン!《炎星斧エルナト》をスピリット状態で出す!」

(手札4→3)

(リザーブ12→11)

(トラッシュ0→1)

[星騎槍ガクルックス コア2→1]

[炎星斧エルナト コア1 レベル1 BP3000]

 

「召喚時効果でトラッシュにあるコスト5以下の赤アルティメット、《リューマン・ソードブレイカー》を手札に戻す!」

(手札3→4)

 

「そして再び《リューマン・ソードブレイカー》を出す!」

(手札4→3)

(リザーブ11→7)

(トラッシュ1→4)

[リューマン・ソードブレイカー コア1 レベル3 BP8000]

 

「召喚時効果で地球神剣を破壊!」

「おのれまたしても!」

[地球神剣ガイアノホコ 破壊]

 

「ソードブレイカーにエルナトを重ねる!」

炎星斧エルナト

  ↓ 合体

リューマン・ソードブレイカー(合体)

[炎星斧エルナト コア1→譲渡]

[リューマン・ソードブレイカー(合体) コア1→2 レベル3→4 BP8000→11000]

[コスト:5+4=9]

[BP:11000+3000=14000]

[合体時:追加、発揮可能]

[シンボル:追加無し]

 

「シンボルの確保は十分!

 最大軽減で《剣輝龍皇シャイニング・リューマン》をレベル3で出す!」

(手札3→2)

(リザーブ7→4)

(トラッシュ4→6)

[剣輝龍皇シャイニング・リューマン コア3 レベル4 BP14000]

 

「ようやくお出ましか剣輝龍皇!」

「召喚時効果、【U抜刀】!

手札の<剣刃>ブレイヴ、《水星神剣マーキュリーブレイド》を剣輝龍皇へ直接重ねる!」

(手札3→2)

水星神剣マーキュリーブレイド

  ↓ 直接合体

[コスト:6+0]

[BP:14000+4000=18000]

[合体時:追加]

[シンボル:極+青=極青]

 

「成程。だが剣輝龍皇の効果を持ってしても終焉甲帝のBPは2万4千!越える事はできん!」

「まだだ!」

「っ!」

「U抜刀が成功したから、1枚引く!」

 

 このドロー効果で、アイツが来るかで、この対戦の結末が変わる。

勿論来なければ敗北。…だけど、来たのなら。

 

 

「………来いッ!!」

(手札2→3)

 

 

 

 

「………」

 

「……っ」

 

 “カードが応える”なんてオカルトだって思っていたけど、現金な話、今なら信じられる気がする!

 

「……来たのか!!

 《アルティメット・アーク》!レベル4!!」

(手札3→2)

(リザーブ4→0)

(トラッシュ6→8)

[ry-マン・ルクス コア3→2 レベル2→1]

[アルティメット・アーク コア3 レベル4 BP15000]

 

「っ…!」

「最後だ!《太陽神剣ソルキャリバー》をUアークへ! コストはガクルックスから確保!」

(手札2→1)

[星騎槍ガクルックス コア1→0 消滅]

(トラッシュ8→9)

太陽神剣ソルキャリバー

  ↓ 直接合体

アルティメット・アーク(合体)

[コスト:7+0]

[BP:15000+4000=19000]

[合体時:追加、発揮可能]

[シンボル:極+赤=極赤]

 

「今出来る最大限で勝負だ!アタックステップ!!」

[アルティメット・アーク(合体) シンボル極赤+赤=極赤赤]

 

「Uアーク、攻撃!トリガー効果!」

「——《アルティメット・セッコーキジ》、コスト3!」

「ヒット!まず石剣の効果で2枚引く! そして太陽神剣の効果でヒットしたカードがアルティメットだったなら、合体していないアルティメット1体を破壊する!対象は、終焉甲帝!!」

「なんとっ!?」

(凛々手札1→3)

[終焉甲帝 破壊]

(星リザーブ4→11)

 

「更にBP4千以下のウスバアゲハ、Uアークの効果でBP1万5千以下のUセイリュービも破壊!」

[ウスバアゲハ BP3000 破壊]

[アルティメット・セイリュービ BP10000]

(星リザーブ11→14)

 

「か、壊滅だと!?」

「そしてメインのトリプルシンボル!」

「ええい…、フラッシュタイミング! 《ブレイド・ジー》を【神速】召喚!」

(星手札2→1)

(リザーブ14→12)

(トラッシュ0→1)

[ブレイド・ジー コア1 レベル1 BP1000]

 

「ブレイド・ジーでブロックすれば3点ダメージはなくなるぞ凛々君!」

 

 普通の【神速】も抱えていた…けど今の私は、そんなんじゃ止められない!止まる君は無い!

 

「フラッシュタイミング!」

「っ!?」

「マジック《フレイムブラスト》! BP4千以下のブレイド・ジーを破壊!」

(凛々手札3→2)

[リューマン・ルクス コア2→1]

(トラッシュ9→10)

[ブレイド・ジー BP1000 破壊]

(星リザーブ12→13)

 

「また焼かれただと!?」

「最後の手札はUウシワカ!手は尽きた!!」

「……ふっ、確かに。ライフだ!」

(星ライフ5→2)

(リザーブ13→16)

 

「ラスト!これで…!」

「まさか、考え方を少し変えるだけでここまでやるようになるとは…。やるじゃないか」

「星さんたちのお陰ですよ」

「それは重畳」

 

 凄い…!この力と感覚! これならアイツに一発かませる…。後は遅れを取らないよう高めて行くのみ!

 

「剣輝龍皇、合体アタック!! 剣輝龍皇はダブルシンボル!!」

「最後のライフ2つ!受けてあげよう!!」

 

(星ライフ2→0)

 

 

 

〔winner!! 鴇峯 凛々〕

 

 

 

──────

────

───

 

 

 

「今日はありがとうございました」

「いや。こちらもかなり有意義になったよ。凛々君も上達したみたいだからね」

「間燈さんも、令毀さんも、ありがとうございます」

「ン」

「…はい」

「頂いたカード、必ず役立てます!」

「入口まで送ろう。店内の連中にターゲットされてはアレだしね」

「は、はあ…」

 

 

 

 

 

  ◇  ◇  ◇

 

 凛々と星が出た個室。そこでは令毀と桜が浮かない面持ちで向かいあっていた。お互いやってしまったかと言った申し訳なさが伺える。

 

「………」

「………」

「…ヤッぱ、ボクは人に何か教えられルような器ジャないネ」

「それは私もです。…悪い事をしました」

 

 凛々が自信を付け、カードの扱いが上達したのは喜ばしい事ではある。…しかし、凛々が最後のアタックをする瞬間に見せたあの目。二人が何度も目にした、初心者や中級者成り立てがするあの特有の嫌な雰囲気。

 

「……」

「はァァ…。バカ姉と“義姉貴”に叱らレンなこりャ二人揃って」




突然の07投入!フラゲ組からいただいたと言うことで…。
しかし当初予定していた作品の内容からズレが生じている感じです。
まぁいっか(匙投げ)
フィールを高める主人公の結末はいかに。

ミス等ありましたら気軽にご指摘ください。

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