仮面ライダーディケイド ~The Darkness History~   作:萃夢想天

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大ッッッッ変ッッッッ長らくッッッッ‼‼
お待たせ致しましたァァァァァッッッッ‼‼‼


約2か月間、待たせたな‼‼ by大・蛇


新型のパソコンに買い替えたのでやっと
こちらも更新を再開する事が出来ます‼
ストーリーを考えていたので、これからは
定期的に投稿出来そうなので、またしばらく
お付き合い願います。それでは、どうぞ!



Ep,06『ELEMENT ~心に剣~』

 

 

 

士と橘、それに睦月の三人は戦闘を止めて10分。

三人はある場所へと向かっていた。士達の旅の拠点、光写真館である。

最初はぶつくさ言っていた二人だったが、目的地に着いた途端に表情が一変した。

睦月が士に何か言おうとしたが、士はズカズカと歩いて先に入ってしまった。

そのまま一階の撮影ホールにいるであろう人物に向けて、扉を開けながら言い放つ。

 

 

「おーい店長(マスター)、客の来店だ。いつものコーヒーを三ば…………い?」

 

「………君、誰? なんで此処の事知ってるの?」

 

撮影ホールだと思っていた部屋にいたのは、牛乳を飲んでいた青年だった。

慌ててこぼしそうになりながらも士を見て警戒したのか、少しだけ後ろに身を引かせた。

すると後から入って来た橘と睦月がその青年を見て声をかけた。

 

 

「大丈夫か『虎太郎』⁉ おいディケイド、何故お前がこの場所の事を知っているんだ‼」

 

「虎太郎さん、無事ですか!」

 

「橘さん、睦月君! これどういう事? この人誰?」

 

 

目の前で狼狽える青年に士が話しかけようとした時、不意に入り口で立ち止まっていた

三人の後ろから陽気な声と共に一人の老人が姿を現した。

 

 

「あら士君おかえり。夏海もユウスケ君も、もう戻って来てたのに遅かったね」

 

「あ、士! 帰ってたのか、何処行ってたんだよ心配してたんだ……………その人達誰?」

 

「士君お帰りなさい、あの………ごめんなさい! 私あの時は……って聞いてますか士君⁉」

 

 

老人と共に青年と女性が部屋になだれ込むように入って来た。

橘と睦月は驚いたが、士は少しだけ予想していたかのような振る舞いで二人に問いかける。

 

 

「ったく……おいじーさん、それとユウスケ。少し話がある、この世界のライダー達とな」

 

「え? ライダーって、この二人が?」

「橘さん、なんでこの人がライダーだって知ってるの? どういう事なの?」

 

「ちょっと士君! どういう事なのか説明してくださいよ!」

 

「夏ミカン、叫ぶと果汁が飛ぶからそこの牛乳と一緒に他の部屋行ってろ」

 

「士君、柑橘系の果物と牛乳を一緒に食べたらお腹壊すから、止めときなさい」

 

「おじいちゃんは黙っててください!」

 

 

何故か言い争いに発展した事に睦月が戸惑うが、橘は冷静に虎太郎と呼んだ青年に

この場は大人しく下がるように言い、士に促されるままにソファに腰かけた。

納得がいかない表情の夏海を見たユウスケが、一緒に居てもいいだろと士に抗議して

仕方なく士が納得したため、七人で話を進める事にした。

 

 

「分かった、とにかく話を聞こうぜ。なぁ、レンゲルにギャレン?」

 

「……………良いのか? この人達は……」

 

「気にするな、じーさんと夏ミカンはともかくこのアホは一応ライダーだ。他の世界のな」

「えっ! この人もですか⁉」

 

 

睦月が驚きながらユウスケの方を見ると、ユウスケは士の方を睨みながら抗議していた。

だが士と橘がなだめて落ち着かせ、改めて話を切り出した。

 

 

「睦月、それは後でいい。…………ディケイド、全てを話すが信じていいんだな?」

 

「勝手にしろ。だが、俺はこの世界でやらなきゃいけない事がある………らしいから手短にな」

 

「……分かった。お前の事は信用できないが、お前の強さは理解出来る」

 

 

そして橘の口から、この世界の現状がゆっくりと話された。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お前はヤツらに支配人(オーナー)と呼ばれていた。それが何故かは今は置いておこう。

だがそれなら、アンデッドの説明は要らないよな? ヤツらはある日、封印の(ほこら)から発掘され

俺達BOARDの本社の研究機関に輸送された。だがそこで原因不明の事故が発生してしまった。

その結果、ほぼ全てのアンデッドが封印から解き放たれて、日本中に散らばっていった。

俺ともう一人の仲間の剣崎の二人で協力し、アンデッドを順調に封印していったんだが……」

 

「ダイヤのJ(ジャック)、ピーコックアンデッドが橘さんに接触して来て………橘さんに僕を、

仮面ライダーレンゲルを造り出す為に必要なクローバーの1(エース)の封印を依頼してきたんです」

 

「当時の俺は、その……色々あって正常な判断が難しい状態だった。

そのせいで、ヤツに協力してしまった。だがそのせいで睦月を闘いに巻き込んでしまった。

しかもクローバーの1は封印されてなお、睦月の心に巣を張り、洗脳していったんだ」

 

「あの時は橘さん達がいなかったら、僕はもうダメだったと思います。

でも、あのピーコックアンデッドは僕を操る計画が破綻した時、その報復で………橘さんの」

 

「睦月、いい。………………俺が話す。

ヤツらアンデッドの上級に位置するピーコックが、俺の大学時代から想いを寄せていた

無関係の女性を手にかけた。その時俺はようやく正気に戻れたんだ、まさしく皮肉なものだ

だが丁度その辺りから、連中が妙な動きをするようになったんだ。」

 

「妙な動き?」

 

ここでやっと口をはさんだ士だったが、その言葉に違和感を覚えた。

ユウスケはアンデッドについては余り詳しく知らなかったので聞こうとしたが、橘の悲しげな

表情と同時に呟いた「想いを寄せていた人」という言葉に、酷く共感できた為に

何も言うことが出来なくなってしまった。夏海も全く同じ心境だった。

士の問いかけに、橘が相づちを打ちながらさらに話を続ける。

 

 

「上級のアンデッド達が何故か一致団結し、一度は廃墟と化したBOARDの本社を

乗っ取り、俺達に封印されていない残りのアンデッドをまとめ上げ始めたんだ。

つまり、人間以上の力を持った不死身の化物が組織を作り上げたんだ。しかも大規模な奴を。

そして無差別な攻撃は、効率的な虐殺に変わっていった。更に凄まじい速度で学習していた。

段々と俺達三人ではアンデッドの脅威の抑えられなくなっていたんだ………。

そしてとうとう俺と剣崎はヤツらに打ち倒されてしまったんだ、情けない話だがな」

 

「えっ! 負けちゃったんですか⁉」

 

「ユウスケ!」

 

「いいんだ、事実だからね。話を戻すが、俺達は上級アンデッド達によって1のカードを

奪われて変身出来なくなっていたんだが、睦月が一度俺達を裏切るふりをしてヤツらの

内部に潜入し、今日こうしてカードを取り戻してくれたという訳だ」

 

一気に話して疲れたのか、橘はふぅと小さく息をついた。

逆に士達は戸惑いを隠す事が出来なかった。

自分達が旅してきたブレイドの世界とは、全く状況が違ったからだ。

今までの話をまとめようとしていた夏海よりも早く、士が先に答えた。

 

 

「なるほど、だいたい分かった。つまり俺は…………ん、来たか」

 

「士?」

 

 

士が何かを言おうとした直後、士のスーツの上ポケットに入っていたスマホに

着信が入った。ユウスケが不思議そうな顔で見つめると、士がニヤリと笑って答えた。

 

 

「早速連絡だよ、そのBOARDのお偉いさんからみたいだぜ」

 

「お偉いさん……? まさか、K(キング)か⁉」

 

「橘さん! すぐに剣崎さんを‼」

 

「まぁ慌てるな、今出て色々聞いてやるから………おう、元気してるか」

 

 

士が明るい態度で通話に応じた途端、向こう側から声が聞こえてきた。

 

 

「やぁ支配人、私は至って元気だよ。まぁ今横に居る人間の方は違うかもだけど」

 

「横に居る人間? 一体誰の事なんだ?」

 

「おや?お聞きではない? それは困ったことになりましたな」

 

「おい、誰なんだって聞いてんだ。答えろ『パラドキサ』‼‼」

 

「ハハハ、そう熱くならずに。ただの人間ですよ、名前は…………剣崎 一真?」

 

「「何‼⁉」」

 

 

電話越しの言葉に驚く士と激昂する橘。

だが向こう側に居るハートのカテゴリーKの『パラドキサアンデッド』は

高音程の声で高らかに笑って、こちらの感情を更に揺さぶるような口調で話す。

 

 

「落ち着いてください支配人。さぁ、共に人間種の滅びる断末魔を聞きましょう」

 

「………俺の趣味じゃないな、今すぐ迎えをよこせ。客人も連れて行く」

 

「おや、こんな時間にですか。まあ構いませんが、今はどちらに?」

 

「あー、いや、俺が近くまで行くから途中で拾ってくれ」

 

「了解しました、ですがお気を付けください。もしも支配人が今

仮面ライダー共のアジト付近にいるのなら(・・・・・)、大変ですからね」

 

少し妙な話し方をするパラドキサに士は疑問を抱くが、それよりもさらに

疑問を抱かせるような言葉を耳にして、そちらのほうへ注意が向いてしまった。

 

「何が大変なんだ?」

 

「いえ、会議中にブレイドが我々の元へ無謀にも飛び込んできたので

丁重におもてなしをしたところ、なんと我々を人間の本拠地へご招待頂けるとの

事でしたので、早速『コーカサス』が向かったところなんですよ」

 

「スペードのKが、何処へ行っただと?」

 

士が再度パラドキサに問いかけようとした直後、睦月が写真館を飛び出した。

橘とユウスケが慌てて後を追ったが、写真館のすぐそばにいたソレが睦月を阻んでいた。

最後に士が出て来て、悔しそうに顔を歪ませながら呟く。

 

 

「クソ、そういう事かよ……。悪知恵だけは相変わらずかパラドキサァ‼」

「これは支配人? こんなところで出くわすとは奇妙な偶然があるものだ。

偶然ついでに、この場で今すぐ朽ち果てるがいい。我らが栄えんが為にな‼」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

__________________ BOARD本社、研究機関 __________________

 

 

 

「さて、と………お膳立てはこれくらいでいいかな。後は頼むぞコーカサス」

 

薄暗い研究室の中で、様々な薬品や書類に用途不明の装置などに囲まれた空間で

一人本来の姿でスマホの通話を切ったパラドキサは、自分の目の前にある巨大な

円柱状の水槽の中に浮かぶソレを見つめながら、再び笑い出した。

 

 

「全ては計画通りだ………後は支配人殿の持つ()さえ手に入れば、フフフ。

ブレイド、君の無謀さには感謝してもし切れんよ。君の力と鍵があればついに、

ついに開くことが出来るんだよ、進化の扉をね………」

 

 

目の前の水槽の中には薄い緑色の液体が溜まっていて、その内部が

少し見える程度だったが、彼にはそれで充分だった。

水槽の表面を異形の指でなぞりながら、一人呟いた。

 

 

「もうすぐ君が、いや……君と私が統べる世界が出来上がる。

楽しみだよ、早く君の力が見てみたいよ『アルビノカリス』………ハハハ‼‼」

 

 

パラドキサはただただ、高らかに笑っていた。

 






と、言う訳で再び始まりました
仮面ライダーディケイドですが
まぁこの話は今度します。



次回、Ep,07『WILDCARD ~逆襲の切札~』

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