仮面ライダーディケイド ~The Darkness History~   作:萃夢想天

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明日とは何だったのか。

仕事で清水まで遠出してたもので…。


まぁ、自分の人生の節目が一つ片付いたという
感じでございましょうか? どうでもいいですね。


遅れてしまって、本当に本当に、

( ^U^)<申し訳ありません!!!


Ep,05『KING on the BOARD ~王の盤上~』

 

 

士が手にしたカードは、仲間であるユウスケと紡いだ絆の証。

『仮面ライダークウガ』の名が刻まれたカードだった。

 

 

 

ディケイドのマゼンタカラーの体表を、クウガの赤が塗り替える。

頭部に生える二本の角、全身を包む黒いスーツ。

 

 

 

未確認生命体『グロンギ』と闘う仮面の戦士が、今ここに現れた。

 

 

同じライダーでありながら、全く異なる形で姿を変えた

目の前の男に、ギャレンは驚愕していた。

既にラピッドシュートのコンボも発動時間を過ぎて、

その効力を失っていることにも気付かないほどに。

 

「何なんだ、今の変身は⁉ 姿がまるで違うぞ‼」

 

「違うのが姿だけだと思うなよ?」

 

そう言ってクウガにカメンライドしたディケイド(以後もディケイドと呼称)は

その特性を生かすために、躊躇無く間合いを詰めて行く。

未だに驚きの抜けないギャレンは、ディケイドの接近を許してしまう。

クウガの基本フォームである、『クウガ マイティフォーム』

その特徴は、武器を持たない『格闘特化型である』ということ。

 

右拳を打ち込み、ギャレンを牽制して隙を作る。

すかさず左足で相手の腰を狙った鋭い蹴りを放つディケイド。

蹴りが直撃してギャレンの体勢が崩れると、さらなる追撃に移る。

 

一方的なパンチとキックの応酬。

これこそが、クウガの肉弾戦での強さを証明するものだった。

 

しかし、状況は一変する。

 

 

 

『____STAB』

『____RUSH』

 

『____BLIZZARD』

 

 

『_____BLIZZARD STING』

 

 

ギャレンの背後から聞こえてきた電子調の音声。

 

三回のアナウンスに、最後に聞こえたコンボ名。

 

 

「うおぉぉぉぉッ‼‼‼」

 

 

ジャンプしてこちらに跳んでくる仮面の戦士。

その右手には身の丈ほどの長い百杖を持ち、振りかざしている。

雄叫びと共に繰り出してきた突きを、ディケイドはもろに喰らう。

 

「ぐあぁッ‼」

 

ディケイドを一突きで吹き飛ばしたライダーは、

先程まで彼がいた位置に着地して、百杖を振るう。

 

「お、お前……どうして…」

 

「助けに来ました、『(たちばな)さん』。ここからは、俺も一緒に」

 

「………助かる。だが、油断するな。コイツは強い」

 

 

そう言って体勢の崩れたギャレンを立ち起こし、共に並んだこの戦士。

 

 

 

名は『仮面ライダーレンゲル』、普通の高校生『上城 睦月』が変身している。

 

他のライダーとは違う、縦に長いマスク。

それの大部分は薄い黒色で染まっているが、顔の前部にはまるで

脚を広げた蜘蛛のような金色の模様が描かれていた。

その両眼は、何もかもを捕食せんとするような毒々しい赤紫色の光を帯びている。

頭部とは逆に、胴部の装甲はほとんどが金色で染め上げられている。

その中心部に引かれた一線から、クローバー状に模様が広がっている。

吹き飛ばされたディケイドが立ち上がる。

同時に、レンゲルとギャレンは専用武器のホルダーからラウズカードを

取り出して、読み込みを行っていた。

 

 

「橘さん‼ コレで決めましょう‼」

 

 

そう叫んだレンゲルがギャレンに見せたカードは、

クローバーの 8『POISON』と、同じくクローバーの 9『SMOG』

 

(ポイズン)(スモッグ)

 

 

この二枚のカードを選択した睦月の考えを、橘は即座に読み取った。

ギャレンもすぐさまラウズカードを取り出し、スキャンする。

 

ダイヤの 6『FIRE』、燃え盛る(ファイア)

 

 

 

互いにカードの読み込みを終え、ディケイドに照準を合わせる。

 

先にレンゲルが仕掛けた。

 

 

「喰らえ‼‼」

 

手にした専用武器、『醒杖(レンゲルラウザー)』の刃の部分から

紫色に染まった大量の毒煙がディケイドに向けて放たれた。

間髪入れずに、ギャレンもギャレンラウザーから炎を纏った弾丸を射出する。

 

その二つがちょうどディケイドの手前でぶつかり合った。

 

 

 

唐突だが、一般的に言われている毒のほとんどは、『引火性』のものが多い。

 

 

つまり、煙という荒い粒子と混ざり合った引火しやすい霧状の毒が

高速で放たれた炎の塊と衝突したのだ。

 

 

 

ドゴォォォォォォン‼‼‼‼‼

 

 

 

大爆発が起こるのは、当然と言えよう。

 

 

 

カードの能力が切れたレンゲルラウザーとギャレンラウザー。

互いにディケイドに定めていた照準を戻した。

 

 

「やりましたね、橘さん」

 

「ああ……。今といい、俺と『剣崎』の『カテゴリー1(エース)』を奴らから

取り戻してくれた事といい、本当に良くやってくれたな睦月」

 

「いえ……。あ、そうだ‼ 剣崎さんがまだ」

 

「そうだったな、よし。すぐに向かうぞ睦月‼」

 

 

ギャレンとレンゲルは、未だに戦っている剣崎_________ブレイドの元へ

加勢をしに行こうと、爆発のあった場所の残り火に背を向けた。

 

 

向けてしまった。

 

 

だから、一手遅れた。

 

 

 

 

『FOAM RIDE________KUUGA TITAN』

 

 

 

「「‼⁉」」

 

 

背後で今も燃え続ける炎の中から聞こえた電子音。

そこに揺らめく一つの影が、形を変えていく。

 

スマートなフォルムの赤い装甲は、重厚な形状の銀の鎧に。

両腕に装着されていた赤い手甲は、中世の騎士風の籠手に。

その双眸は、胴部や肩部に施された装飾と同じ紫の輝きを。

そして何より、その右手には_________一振りの長剣。

 

 

 

「そ、そんな………」

 

「バカな、あの爆発をモロに喰らわせたはずだ…‼」

 

動揺を隠せない二人に、炎を切り裂き近づくディケイド。

しかしその姿は、先程のクウガとはかなり異なっている。

 

 

「当たり前だ。このタイタンの装甲に、そんな爆発(ひのこ)が通るかよ」

 

 

不敵に語りながら、現れた『仮面ライダークウガ タイタンフォーム』

一歩一歩大地を踏み鳴らしやって来る姿は、まさに『巨神(タイタン)』だった。

 

 

すぐさま動き出すギャレンとレンゲル。

レンゲルが先攻し、ギャレンが後方からそれを援護する。

だが、ディケイドは全く動じていない。

レンゲルが近づき、レンゲルラウザーによる連撃を繰り出そうと

まずは最も強力な一発目の攻撃を、タイタンの胴部に直撃させた。

 

だが、

 

 

 

「……言ったろ?並の攻撃が通るタイタンじゃないんだ_____よっ‼」

 

「うわぁッ‼‼」

 

「睦月ィ‼」

 

 

レンゲルラウザーを左手で掴み、右手の大剣でレンゲルの胴を切り上げる。

凄まじいパワーで反撃を受けたレンゲルは、いともたやすく吹き飛ばされる。

その光景を後方から援護しようと見ていたギャレンも、そのパワーに驚く。

だがその時、ディケイドは既に次の行動に移っていた。

 

自分のいる場所の少し前に落ちてきたレンゲルに駆け寄るギャレン。

声を掛けようとした彼だが、違和感を感じた。

 

『FOAM RIDE________KUUGA DRAGON』

 

 

 

その違和感の正体にギャレンが気付く前に、ディケイドの姿がまた変わった。

今度はまたマイティフォームのようにスマートな青色の装甲。

彼の双眸も、胴部の装甲と同じ青色の光へと変わっている。

だが、彼が右手に持っていた剣が無くなっていて、レンゲルラウザーを

その代わりと言わんばかりに持っていた。そう、持っていた。

 

 

何かのモーターが回転するような音と共に、それの形が変わっていく。

 

百杖(レンゲルラウザー)が、六尺棒(ドラゴンロッド)に。

 

 

「貴様……。睦月のラウザーを‼」

「ブンブンと鬱陶(うっとう)しかったからな。そういや、ソレもウザかったな」

 

「何ッ⁉」

 

「ソイツも借りてくぜ。ただし、返さねぇけどな‼」

 

 

ドラゴンフォームの強化された跳躍力で一気に距離を詰める。

その素早さに反応が遅れたギャレンは、あっという間の連撃に追いつめられる。

とうとう体勢を崩したギャレン。ディケイドは、すかさずロッドでギャレンの手を打った。

迸る打撃による痛みで、ギャレンラウザーを落としてしまった。

 

「ウグッ‼ し、しまった……」

 

「コイツが欲しかったんだ、(コイツ)がな」

 

 

 

腰のライドブッカーから取り出した新たなカードを、バックルに挿入し読み取る。

再び流れる力強い電子調の音声。

 

 

『FOAM RIDE________KUUGA PEGASUS』

 

 

またしても姿の変わったディケイド。

今度は緑色になり、拾い上げたギャレンラウザーもクウガ専用の弩弓銃(ペガサスボウガン)に変化する。

そしてその銃口は、自分に向けられている。

ギャレンもレンゲルもこの瞬間に悟った、『勝てない』と。

 

 

 

「さて、どうする?一回話し合うか?一発ずつコレ喰らうか?」

「………橘さん」

 

「…………分かった、話を聞こう。だからソレを下ろせ」

 

二人はベルトからラウズカードを抜き取り、変身を解いた。

それを確認してから、ディケイドもまた同じように変身を解除した。

 

「やっと落ち着けそうだ……。さてお二人さん、色々聞かせてもらうぜ?」

 

「……いいだろう。だが、こちらの質問に答えてからにしてもらおう」

「それはお前らが俺に勝ってからだといったはずだが?」

 

「それならば、こちらも何も話す事は出来ないな」

 

「ハッ‼ 負けた割に随分強気で来たな。……いいぜ、一つだけ答えてやる」

 

「……では、ディケイド、だったか。お前は一体何者だ?」

 

 

もはや聞き飽きてしまったその言葉に、士は律儀に答えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺は、通りすがりの仮面ライダーだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

________________少し前、『BOARD』本社ビル______________________

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それでは諸君、これより定例会議を始める」

 

 

 

口上を述べたのは、スペードの刻印が刻まれた椅子に座るアンデッド。

彼は『コーカサスビートルアンデッド』、スペードの『カテゴリーK(キング)』である。

 

 

「しかし、この会議に出席する数も……減ってきたな」

 

 

ふてぶてしく椅子に腰を奥まで入れて腰掛けるのは、ハートの『カテゴリーK』

名を『パラドキサアンデッド』といった。後ろにいるのは『カテゴリーQ』の女秘書だ。

 

円卓を囲むようにして座っているのは、全て上級と呼ばれるアンデッド達だった。

 

 

「今それはいい……。それよりも、タランチュラはどうした‼‼」

 

 

苛立ちを隠せず、机に拳を打ち下ろさん勢いで憤慨しているのは、

『ギラファアンデッド』、ダイヤの『カテゴリーK』である。

 

 

「……恐らく、ヤツが手引きしたものと。故に、レンゲルと共に……」

 

「逃げた、か? 俺には理解出来んな、ヤツの考えなど‼」

 

 

その後ろで耳打ちをした男は『ピーコックアンデッド』、カテゴリーは『J』だった。

 

 

「そういえば、タイガーも姿が見えんね。………まさか彼女まで?」

 

「どうだろうな。クローバーの連中は変な奴しか居らんようだしな」

 

 

クローバーの『カテゴリーQ』の行方を気にしたパラドキサと、応えたコーカサス。

いつまでも会議が始まらないと思ったのか、ピーコックが仕切ろうとした。

 

 

その時

 

 

 

 

 

 

ガシャァァァァァン‼‼‼‼

 

 

 

「「「「「‼⁉」」」」」

 

 

 

突然、会議室の大窓が音を立てて砕け散る。

余りに唐突な出来事で、何が起きたのか瞬時には理解出来なかった。

しかし、靄が晴れると共に見えてきた二つの影(・・・・)

 

 

「む……?」

 

「き、貴様‼ ブレイド‼‼」

 

「おい、しっかりしろ‼ 無事か、サーペント‼‼」

 

 

窓を突き破って現れたのは、『仮面ライダーブレイド ジャックフォーム』

 

 

金色の六枚の翼をはためかせ、高らかに告げる。

 

 

 

 

 

 

 

 

「……さぁ、『ハジメ』を返してもらうぞ‼‼‼」

 

 

 

 





やっと書けました……。
これで明日は東方を書ける、はよ書きたいですたい!


それと、また友人から誤字の報告があったので修正を。

Ep,02より、
「海d____ ⇒ 「海t______


何につけてもすみませんでした。
次回も早めに投降するよう努力致します。

遅くなりましたが、感想お待ちしてます。



破壊者よ、運命の切札を掴み取れ!


次回、Ep,06『ELEMENT ~心に剣~』

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