仮面ライダーディケイド ~The Darkness History~   作:萃夢想天

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はっはっは、色々ヤッベェ……(´;ω;`)


もうどうしていいかも分からんほどヤバい。
誰か助けてください‼‼

日々を過ごす毎に、『幻想郷に行きたい』
という欲望が止めどなく溢れてきますWW

それでは、来週の木曜日まで更新を
ストップしますので、それまで皆さまお元気で。


Ep,03 『FRONT or LIA ~表の世界の裏~』

 

__________今、何と言った⁉

 

 

 

 

士達の前に現れた女性の口から放たれた言葉は、士達の耳から

脳に達しながらも、その意味を理解出来ずにいた。

 

自分の聴覚が確かならば、

『仮面ライダーレンゲルの抹殺』をしろと言ったのか。

 

だが何故この女性はライダーを殺せと言うのだろうか。

余りにも唐突だった為遅れたが、夏美が疑問を口にした。

 

 

「抹殺って………何でですか⁉ 仮面ライダーを、士君に……」

 

「……貴女、『光 夏美』さんですね?」

 

「え?ハイ、そうですけど………」

 

「全く……。支配人たる士様のご友人であると言うから、今まで手出しを

されなかったというのに………人間如きが、その生意気な態度を慎みなさい」

 

 

女性が夏美を罵った直後、ドス黒い殺気が滲み出る。

 

そして、女性の体表に不気味な『異形』が浮き出て、

やがてそれは全身を包み込んで形となる。

 

 

「夏美ちゃん、逃げて‼」

「なるほど……名前からして変だとは思ってたが……『アンデッド』とはな」

 

士達の前に現れた不死身の怪物『アンデッド』。

 

彼女は電話で『ダイヤのQ(クイーン)』と名乗っていた。

 

このブレイドの世界では、アンデッド達はトランプカードの

数字によって(ランク)付けされているのだ。

 

スペードの3よりもダイヤの4の方が上であり、

クローバーの5よりもハートの6の方が上なのだ。

 

そして、J(ジャック)Q(クイーン)K(キング)などの、

俗に言う『絵柄札』と呼ばれるカードは上級とされていて

例え仮面ライダーが数人で挑んでも、勝つことは難しいと言われる。

 

 

その内の、Qなのだ。目の前のアンデッドは。

 

 

「さぁ……再教育の時間よ……」

 

 

 

ユウスケは焦っていた。

 

目の前の怪人がアンデッドだという事は過去の戦いで知っていたが、

隣にいる士が手を容易に出さない_______否、出せない相手である為、

ユウスケも迂闊に手がだせないでいたのだ。

 

しかし、士は別の理由で動けなかったのだ。

 

 

(『ダイヤのQ』……そうか、『サーペントアンデッド』か)

 

 

士はそう心の中で独りごちる。

 

 

 

突然だが、『門矢 士』には記憶が無い。

 

正確には『自分に関する全ての記憶』が無いのだった。

 

しかし、何故か仮面ライダーや、それに関する知識は知っている。

それは、士自身にも分かっていない事なのだが、

世界を渡り歩く度にその記憶はハッキリと色濃く鮮明になる。

 

始めこそおぼろげだったものの、旅を重ねるごとに

ライダーや怪人の事を見る前に知ることが出来ていたのだった。

 

 

故に、今回もまた。

 

 

 

 

蒼白な顔面に、肩や首の隙間などから伸びている

ウミヘビのような生物の頭部をかたどった突起。

苔の生えたような緑色の体表と、その所々に蛇の蛇腹が

絡みついており、腕から伸びた尻尾のような部分は恐らく、

ムチのように振り回せるようになっているのであろう。

 

そしてその腰には、ベルトのようなものが巻かれている。

 

今にも夏美に襲い掛かろうとしているサーペントアンデッド。

ユウスケが我慢できずに『変身』しようとしたその時。

 

 

 

 

 

 

「ヴェェェェェェェェイ‼‼‼」

 

「ぐあぁッ‼⁉」

 

 

 

突如、サーペントアンデッドの身体が道路へ吹き飛ぶ。

 

襲われる直前だった為、目をつぶって固まっていた夏美には

何が起こったのか分からなかったが、士とユウスケは理解出来た。

 

一先ず夏美の安全を確保するため、ユウスケは夏美に駆け寄り、

士はいつの間にかサーペントアンデッドを追っていった

『仮面の戦士』の後を追って駆け出した。

 

 

 

「グッ‼ お、お前は、何故変身を………」

 

「あぁ、『睦月』のおかげだよ。アイツがこの『スペードの1』を

お前達から奪え返して、俺達の元に届けてくれたんだ………覚悟しろ‼‼」

 

「フフフ………良い気になるなよ、たった一人で______」

 

「俺対お前………充分だろう、が……⁉」

 

 

吹き飛ばされた道路には、彼女が乗って来たリムジンが駐車してあった。

それだけならば気にも留めないが、彼は目を見張った。

 

バタン、と車のドアを閉める音と共に姿を現す男。

全身を黒のスーツで決めた男は、此方へ歩み寄って来る。

「フフ……さぁ、『トータス』‼ 私に力を貸せ‼」

 

「_______了解」

 

 

男がスーツの襟を締め直すと共に、『異形』が浮き出る。

 

全身がスーツに代わって光沢を放つ黒い甲羅に覆われる。

ただし、左肩だけはミドリガメのような緑色で枠線の入った

デザインの異なる甲羅に覆われていた。

 

そこに、士がようやく追いつき状況を判断する。

 

 

(アレは『ダイヤの7』……『トータスアンデッド』だな)

 

 

 

正直、かなり分が悪いだろう。

 

上級のQと中級の7が一体ずつ。

対してこちらは一人……………いや、二人(・・) か。

 

士は物陰から成り行きを見ていたが、そう結論付けると

ゆっくりと歩き出し、三人______一人と二体のいる場所へと向かう。

 

 

「いきなりメンドくさい事になったが、仕方ない。手を貸すぞ『ブレイド』」

 

 

 

 

鍛えられた鋼を上回る硬度を誇る白金の装甲。

内に秘めた正義の炎が反射したように赤い瞳。

下腹部の装甲は、彼の適合したスペードの形。

 

 

 

彼こそがこの世界の柱、『仮面ライダー(ブレイド)』である。

 

 

 

「………突然何なんだ、お前は?」

 

「俺か?俺はな___________」

 

「「総支配人(オーナー)‼‼」」

 

 

アンデッド達に『総支配人』と呼ばれた男の出現に驚くブレイド。

慌てて訂正しようとする士だったが、二体のアンデッドが口々に喋る。

 

 

「総支配人‼ 此処はQと私にお任せを‼」

 

「そうです、総支配人。貴方様は『レンゲルの抹殺』を‼」

 

 

士としては、抹殺するとしたらレンゲルに恨みは無いが、

この世界での自分の役割である以上は仕方ない犠牲だと先程までは

思っていたのだが、仲間であるブレイドの前では、彼女らの言葉に

「おう、分かった」などとうなずけはしなかった。

 

 

「お前、『総支配人』って……。それに、睦月を抹殺だと……⁉」

 

「………あー、待て落ち着け、な? コレには少し複雑な事情が___」

 

「ふざけるな‼‼ 睦月に、俺の仲間に指一本‼ 触れさせるか‼‼」

 

「ぅうおッ‼‼ ………チッ、どの世界でも『こう』なるんだな…!」

 

 

ブレイドが真横に振るった『覚醒剣(ブレイラウザー)』を後ろへ

身体をよろつかせながら避ける士。しかし、彼の追撃は終わらない。

 

振り払いが避けられたブレイドは、すかさず右足を半歩踏み込んで、

その勢いを乗せた右腕の剣を逆袈裟気味に振り下ろす。

 

士はそれを身体を半身にして躱す。

続けて繰り出される連撃も、素早い体裁きで尚も躱す。

 

痺れを切らしたブレイドが剣で突きを繰り出す。

 

それを上半身を左側へ逸らして躱し、その重心の移動を

流れとして利用して右足でブレイドの剣を大きく蹴り上げる。

 

生身で反撃されるとは思っていなかったブレイドは、男の予想外の

行動とそのためらいのなさに驚いていた。

 

 

 

 

_______その一瞬の隙を、『悪魔(つかさ)』は見逃さない

 

 

 

 

腰の後ろのポケットから、ソレを取り出す。

 

そして、自分を援護するためにやって来たアンデッド達にブレイドの相手を

任せて、取り出したソレを自らの腰に(あて)がう。

 

 

 

 

____ガシュイィン‼‼

 

 

 

腰に宛がったソレが起動し、スーツの上からベルトを装着する。

 

ベルトを排出し、腰に巻き付けたソレのバックルの左右にある

白い取っ手とも思える部分を両手で掴み、引っ張る。

 

するとバックルの中心が横から縦に向きを変えた。

装着者の士から見ると、僅かに『何か』を差し込むような

隙間があるのがうかがえた。

 

ベルトが装着されると同時に、腰の左側へ同様に装着された

折り畳み式の大きな『手帳のような物』を両手で開き、

中から一枚のカードを取り出す。

 

 

「やれやれ………一発殴って、大人しくさせてから事情聴取するとするか」

 

 

 

そう言って取り出したカードの表面を相手に

見せつけるように自分の身体の前に突き出して、士は叫んだ。

 

 

 

 

 

「__________変身‼‼」

 

 

 

カードを指で押し出しつつ裏返し、バックルの隙間に差し込む。

 

この僅かな隙間は、『カード読込口』だったのだ。

 

では、一体何のカードを読み込むのか。

 

 

その答えは、すぐに現れた。

 

 

差し込まれたカードを読み込んだバックルの部分_____というよりは、

その中心に光る紅い宝玉の辺りから、電子調の音声が響く。

 

 

『KAMEN RIDE____』

 

 

 

両手で先程引っ張った白い取っ手部分を、

今度は逆に両手で中心へと軽やかに押し込んだ。

引っ張った時とは逆に、中心の部分は取っ手を押し込む

動きに合わせて縦から横へと向きを変えた。

 

 

そして、この工程でカードの読込が完了し、

現実へと『反映』を開始するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

『__________DECADE!!』

 

 

 

 




遂に変身でござんす。
次回から戦闘か………………大変だぁ。




次回、Ep,04『JOKER of JOKER ~切札~』

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