仮面ライダーディケイド ~The Darkness History~   作:萃夢想天

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そろそろ自分の方の仕事が
忙しくなってきやがりました………。


なので、暫くの間は更新を控える事に
なってしまうかもしれませんが、皆さん、


この作品をお楽しみいただけるよう最後まで
頑張らせていただく所存です。

それでは、どうぞ!


Ep,02 『BLADE`s World ~バトルファイト~』

 

(ブレイド)の世界』

 

 

かつて士達が旅してきたライダー世界の一つで、

人類に猛威を振るう不死身の怪物『不死なる命(アンデッド)』と

日々闘い続けていた仮面ライダーのいる世界だった。

 

 

しかし、他の世界と圧倒的に違う点もあった。

 

 

この世界では、仮面ライダーは『職業』だったのだ。

 

アンデッドと日夜闘う仮面ライダーは、『商品』として

大手会社の『BOARD』に取り扱われている。

 

 

士達が次のライダー世界に到着する際には、

必ず『士にだけ』その世界での『役割』が与えられる。

 

クウガの世界では警察官、キバの世界ではバイオリニスト、

龍騎の世界ではカメラマン__________

 

 

そしてかつて訪れたこのブレイドの世界では………社員食堂のチーフだった。

 

会社内での格付け(ランク)が全てだった『BOARD』に、士は嫌悪感を

表していたが、結局は自分の思うように(良い方向に)替えてしまったのだ。

 

 

そして士は、その世界でのブレイド_____『カズマ』という青年に、

失敗しても成功しても、共に『進化』を促しあう仲間の大切さを説き、

次なる世界へ旅立っていったのだった。

 

 

そして、今。

 

 

 

士達の目には、その世界でよく見た独特のトランプカードの絵柄が

施されたカードの背景(バック)フィルムが移っている。

 

 

「士、これって……ブレイドの世界の、だよな?」

 

「……この『スペードの1(エース)』、間違いないな」

 

「でもどうしてですか⁉ブレイドの世界はもう私達が……」

 

「………理由はどうであれ、着いちまったんならしょうがないだろ」

 

ぶっきらぼうに呟いた士は、座っていた椅子から立ち上がり

悠然とした足取りで外へと出て行ってしまった。

 

 

「士君!何処に行くんですか⁉」

 

「お前らも早く来いよ。俺の貴重な早着替えを見逃すぞ?」

 

「早着替えって……ああ!この世界の『役割』!見たい見たい!」

 

「ユウスケも!あぁもう、待ってくださいよ!」

 

結局三人揃って『光 写真館』から飛び出していった。

 

残された栄次郎が、紅茶を淹れながら明るく呟く。

 

 

「晩御飯までには帰って来るんだよ~」

 

 

 

 

 

写真館から三人が飛び出した直後、士の真上から

灰色の水を掻き混ぜたように思える膜が降りてくる。

 

士達の知り合いに、コレを使って世界を移動する術を持つ者が

いたが、今回は違う。

士の言う、「早着替え」____この世界が士に与える『役割』に

ふさわしい衣装に自動変換される為のものだった。

 

 

「お、おおお……………お?」

 

「コレは______スーツか?イマイチだな」

 

「なんで文句言うんですか?似合ってますよ、士君」

 

「んな事は分かってる。俺が言ってるのはスーツ自体の事だ」

 

 

士が着せられたのは、いたってシンプルな普通の礼服(フォーマル スーツ)

全体を黒を基調とした上着。

スラリと伸びる脚線を収めるズボン。

………何故かネクタイだけは、マゼンタカラーに白黒ナナメ十字架という

ピンポイントお洒落仕様だったが。

 

 

「………………ん?」

 

士は全身を探っていた手を止め、上着のポケットを

調べ始めて_________何かを取り出した。

 

 

「士君…………何ですかソレ?」

「トランプか?…………うわ、なんじゃこりゃ⁉」

 

「………1から……13(キング)まで全てが…………揃ってる…」

 

 

士が取り出した一枚のトランプカード。

しかし、そのカードの番号は、『存在しない」数だった。

 

カードには本来、どの方向から見ても左上にそのカードの数字が

くるようになっているのだ。

 

しかし、このカードのその部分は明らかに違った。

 

左上にはトランプ特有のマークは存在せず、

ただ1から順にK(キング)までが並んでいる。

 

 

「印刷ミス………なわけないよな」

 

「これが士君がこの世界でするべき『役割』なんでしょうか?」

「だとしたら、この世界は俺を良く分かっているようだな」

 

「どういう事ですか?」

「このカードが俺の為すべき事なら、今回は俺が1からKまでの全てを

支配する存在……いわば『支配人』になれという訳だ。前回は高々チーフ程度

だったが、今回のは実に俺好みだな。良い配役だ、素晴らしいな」

 

そう言って士は身体を独楽(こま)のようにクルクル回り始めた。

心底愉快そうに回っていると、士のケータイに着信が入った。

 

「誰だ?士の番号を知っててこの場にいないのは……」

 

「………もしかして、海d「あのコソ泥じゃない、誰だ?」ちょっと士君!」

 

夏美のセリフを遮った士は、謎の番号から掛かってきた電話に出る。

 

 

「もしもし?唐突だが、お前は誰だ?」

 

「……本日より門矢 士様の秘書を務めさせていただく事になった者です」

 

「名前は?そもそも、秘書ってどういうことだ?」

 

「私の名は『ダイヤのQ(クイーン)』。貴方様は、大手結社『BOARD』の

総支配人様でございますので、その秘書という事になります。」

 

「『BOARD』の総支配人?俺が?」

 

「左様でございます。間もなく出社のお時間ですので、お車を向かわせます」

 

「………そうか、ご苦労」

 

そう言って電話を切った直後に、夏美とユウスケが士に詰め寄る。

 

「今の何なんですか士君⁉」

 

「『BOARD』の総支配人って、ホントなのか?」

 

「さぁな………。直に迎えが来るらしい。話ならそこで聞くとするか」

 

 

そうして暫く写真館の前で待っていると、数分後に

マゼンタカラーに塗装されたリムジンがやって来た。

 

リムジンの後ろのドアが開き、スーツをバッチリ着こなした

女性が右手の指を眼鏡に添えて、言った。

 

 

「社長、お迎えに上がりました。本日も『BOARD』の繁栄の為、

お仕事に精をお出しされますようお願い致します」

 

 

 

女性は、続ける。

 

 

 

 

「本日最初の業務は__________仮面ライダーレンゲルの『抹殺』です」





どうなるんだろうか……(絶望)


士達の旅する世界の行く末は、破壊か、再生か

破壊者よ、運命の切り札を掴み取れ!


次回、Ep,03 『Front or Lia ~表の世界の裏~』


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