黒子のバスケ~次世代のキセキ~   作:bridge

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投稿します!

お待たせしましてすみません…(^-^;)

リアルが立て込んで結果、ここまで空いてしまいました。

『』表示は大勢のセリフと今回は、セリフ内は日本語表記されていますが、実際には英語で話しています。主に、ジャバウォックの選手達とジャバウォックの選手達と会話を交わす三杉や堀田のセリフが『』表示になりますので悪しからず…。

それではどうぞ!



第62Q~開始~

 

 

 

花月高校理事長から告げられた内容に、花月の選手はもちろん、その話を聞いていた者達も衝撃を受けた。

 

「試合が無くなったって、いったいどうして…」

 

納得出来ない空は理事長に詰め寄りながら尋ねた。

 

「……それは」

 

真剣な表情で尋ねる空に、普段は柔和な表情が特徴の理事長は悲痛な表情で視線を逸らす。

 

「教えていただけませんか? どのような経緯で試合がなくなったかを」

 

同じく納得出来ない大地が真剣な表情で尋ねた。

 

「……彼らに同行しているガイドからは、体調不良を理由にキャンセルすると連絡が来ました」

 

花月の選手達の真剣な視線を受け、理事長は経緯を話し始めた。

 

「体調不良やて?」

 

説明を受けた天野は、半分拍子抜けの表情で返した。

 

理由は告げた理事長の表情は、暗いものであった。

 

「おいおいマジかよ。これじゃあいくら何でも拍子抜け過ぎるだろ」

 

話を聞いていた火神が思わず声を上げた。

 

「本当にそれが理由なんですか?」

 

説明に納得出来ない馬場が再度問い詰めた。

 

「恐らく、理由は別にあるかと思います。ですが、何度問い合わせをしても相手方からはその一点張りで…」

 

この場にいる全員、理事長を含めて、試合の中止とその理由に納得出来ていなかった。

 

「ああ違う。理由は別にある」

 

「景虎さん!」

 

そこへ、景虎が現れた。

 

「何か知っているのか?」

 

「ああ。何せ、俺もあいつらの案内役の1人だからな」

 

上杉の問いかけに、景虎は溜息混じりで答えた。

 

「体調不良なんてのは嘘っぱちだ。あのクソガキ共は昨日も今日も元気に観光してやがったよ。体調不良なんてのは、今回のイベント側がお前達(花月高校)に気を使ってそれっぽい理由を付けただけだ。今も街で遊び歩いてやがるよ。あの様子じゃ、奴ら、ハナから試合をする気はなかったんだろうな」

 

「はぁ!? どういうことですか!?」

 

景虎の言葉を聞いて空が怒りを露わにする。

 

「試合をする気がなかったって、だったら何で前日になって急に…」

 

「奴等は、親善試合の為にこっちが招いた身だ。当然、滞在中の費用は全てこっち持ちだ。だが、早々に試合をキャンセルしちまったら日本に滞在する理由がなくなり、帰国することになっちまう」

 

「まさか…!」

 

ここで真崎が真相に気付く。

 

「そうだ。あの悪ガキ共はタダで日本で豪遊してえからこのタイミングでキャンセルしやがったんだよ。ったく、既に会場の設営も終わって、チケットも完売した後だってのによ」

 

景虎は頭を掻きながら不快感と怒りを露わにした。

 

「……あのクズ共…、どこまで日本人舐め腐れば気が済むんだよ…!」

 

『…っ』

 

鬼のような形相を浮かべる空。それは、この場にいる全て者が同じであった。

 

「……私はコミッショナーのところへ行ってきます。試合がキャンセルとなれば、手続きがあるでしょうから」

 

理事長がそう告げ、体育館を後にする。

 

「理事長、待って下さい」

 

その理事長を、三杉が呼び止めた。

 

「景虎さん。ジャバウォック達は、今、何処にいるか分かりますか?」

 

「奴等なら、六本木の繁華街にいるが、どうする気だ?」

 

「彼らが試合に乗り気でないなら、直接俺が交渉に行きます。理事長、景虎さんは明日の試合の準備を進めておいて下さい」

 

そう理事長と景虎に告げ、三杉は体育館を後にしていった。

 

「俺も行こう。交渉の頭数は多い方がいいだろう」

 

その後に堀田が続いていった。

 

「俺も行く。ごねるようなら力付くでもその気にさせてやる!」

 

「私も行きます。何か力になれるかもしれませんし、何より、空を放っておくわけには行きませんので」

 

さらに空と大地が続いていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

            ※ ※ ※

 

 

場所は六本木の繁華街の一角の建物。目の前の建物には煌びやかで淫靡なネオンに看板が立っていた。

 

「ここに彼らが?」

 

「ああ。間違いねぇ」

 

三杉の問いかけに、景虎は答える。

 

そこは、女性が客席に付いて接待を行う飲食店、所謂キャバクラであった。

 

「あいつらって、俺達と大して歳変わらないじゃなかったっけ?」

 

「ああ。あいつらがどうしても行きてえって言うもんだからな」

 

げんなりしながら空の質問に答える景虎。

 

「行くぞ」

 

三杉はそれだけ発して階段を下りて行った。それに続くように堀田、空、大地、そして、景虎が階段を下りて行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・

・・・・・・・

・・・・

 

 

階段を下り、扉を開くと、店内は僅かに薄暗く、所かしこにソファーがあり、男性客の横で女性が接待をしていた。

 

店内に入ると、男性従業員が三杉達を一瞥し、駆け寄ってきた。

 

「申し訳ありませんが、当店は18歳未満の入店をお断りして――ひっ!」

 

退店を促そうとする従業員の前に、堀田が歩み出た。

 

「心配はいらない。俺達は客じゃない。この店の客に用があるだけだ。用が済めばすぐに帰る」

 

「か、かしこまりました」

 

身長2メートルを超え、いかつい顔の堀田から見下ろされながら言われた従業員は、表情を引き攣らせながら了承した。

 

「お邪魔させてもらうよ。さて……向こうだな」

 

従業員に一言添え、店内の一角、ひと際けたたましい英語が飛び交う席へ三杉は向かっていった。

 

『ギャハハハ! もうちょっとこっち寄れよ』

 

「ちょっ、ちょっとストップ! 勘弁してよ!」

 

黒人の1人がキャバ嬢の肩に腕を回し、自身に引き寄せると、女性は拒絶の意思を示した。

 

『……あっ?』

 

その時、金髪の白人が、自分達の席に歩み寄ってくる三杉達に気付いた。

 

『お楽しみのところ、邪魔するよ』

 

三杉が流暢な英語で金髪の白人、ジャバウォックのリーダー、ナッシュに声を掛けた。

 

『何だ、てめえらは?』

 

『明日の君達の対戦相手さ』

 

『あん?』

 

そう告げられると、ナッシュは目の前の三杉と、堀田、空、大地と一瞥していく。

 

『明日の試合はやらねぇって言ったはずだ。聞いてないのか?』

 

『もちろん聞いている。だが、それでは困るからこうして直接出向いてきたわけだ』

 

鋭い視線を向けながら告げるナッシュに、三杉は淡々と告げていく。

 

『見たところ、コンディションに問題はなさそうに見える。明日、試合をするのに影響があるとは思えないが?』

 

『…ったく、何かと思えば』

 

面倒くさそうに溜息を吐くナッシュ、その他のメンバーは三杉達を見てニヤニヤしている。

 

『せっかくの親善試合。しかも、あれだけかましておいて、予定していた試合をせずに帰るってのは、筋がとおらないんじゃないのか?』

 

『親善だぁ?』

 

すると、ナッシュは両脇に抱えたキャバ嬢を払いのけ、立ち上がると、三杉の近くまで歩み寄ってきた。

 

『笑えねぇんだよ。何で結果の見えた試合に付き合わなきゃならねぇんだよ。これ以上、サル回しに付き合うつもりはねぇ』

 

蔑むような表情でナッシュは三杉達に告げた。

 

『結果の見えた…ね。それはどうかな』

 

『なに?』

 

『先の試合を見た限り、俺は君達と戦っても負ける気がしなかったけどね』

 

『…あっ?』

 

微笑を浮かべながら言う三杉。ナッシュは軽く苛立った表情を取る。

 

『確かに、あれだけこき下ろす発言をした後だ。負ければ日本とアメリカの両国から笑いものだ。恥を晒したくないという君達の胸の内も理解出来る』

 

淡々と挑発染みた言動で話を続ける三杉。

 

『さっきから黙って聞いてりゃ…、恥を晒したくないだぁ? こっちはむしろ、これ以上お前達が恥を晒さねぇようにこうやって試合をキャンセルしてやってんだよこのサル共が』

 

席に付いていた一番の長躯の黒人、ジェイソン・シルバーが嘲笑を浮かべながら見すぎに言った。だが、当の三杉は…。

 

『…ジェイソン・シルバー。悪いが君と話はしていない。彼(ナッシュ)との話が終わるまで口を閉じていてくれないか?』

 

シルバーに一瞥もくれずにそう告げた。

 

 

――ガシャァァァン!!!

 

 

『きゃっ!?』

 

三杉がそう告げると、シルバーじゃテーブルの1つを蹴り上げ、辺り一帯に皿やグラスの割れた破片が散らばり、キャバクラ嬢達は悲鳴を上げて席を離れた。

 

『今のは聞き間違えか? てめえ、この俺様に黙れって言ったのか?』

 

怒りを露わにしたシルバーが立ち上がり、割れたグラスの破片を踏みながら三杉の下に歩み寄っていく。

 

『そう言ったのだが?』

 

三杉はシルバーに一瞥もくれず、淡々と告げた。それを聞いたシルバーはさらに激昂する。

 

『このサルが…、いっぺん死ななきゃ分かんねえようだな!』

 

右拳を握ったシルバーが三杉目掛けて床を蹴り、握りこんだ右拳を三杉の顔面目掛けて振り下ろした。

 

 

――バチィッ!!!

 

 

だが、その拳は三杉の顔面に突き刺さる直前に現れた1つの手に阻まれた。

 

『あん?』

 

シルバーは自分の拳を阻んだ者の方へ視線を向ける。そこには、三杉の左手側から右手を伸ばし、シルバーの拳を受け止めた堀田の姿があった。

 

「お、お客様、て、店内でのその……け、喧嘩は困ります!」

 

一連の光景を見ていた従業員が慌てて止めに入る。だが、2メートルを超える者同士の為、かなり及び腰になっている。

 

「心配はいらない。これは喧嘩ではない。ただの握手だ」

 

慌てふためく従業員を落ち着かせるかのように堀田は薄い笑みを浮かべて言う。

 

『おいてめえ、いつまで俺様の手を握ってんだ。さっさと――』

 

拳を振るったシルバーは堀田の右手に納まった自身の手を引き抜こうとした。

 

『(ぬ、抜けねえ…!)』

 

だが、シルバーの拳は堀田の右手から抜ける事はなかった。

 

『これは、握手だ。明日の試合で健闘を誓い合う者同士のな…』

 

『ぐっ…! ぐっ…!』

 

拳を握りこんだ堀田の右手の力が徐々に強まっていく。すると、先ほどまで嘲笑を浮かべていたシルバーの表情が少しずつ曇っていく。

 

『そうだろ? ジェイソン・シルバー』

 

 

――メキィッ!!!

 

 

『ぐおぉっ!』

 

拳を握る力を最大にすると、痛みに耐えられなくなったシルバーはその場で膝を付いてしまう。

 

『てめえ、何しやがんだ!』

 

その光景を見たジャバウォックのメンバーが激昂し、立ち上がった。

 

「おいおい、先に手を出したのはそっちだろうがよ」

 

それに合わせて空が前に出る。

 

『健、君の握手は彼らには過激過ぎるようだ。その辺で勘弁してやってくれ』

 

『ふむ、そうか。それは残念だ』

 

三杉の言葉を受けて堀田はシルバーの拳を放した。

 

『クソザルがぁ…! ぶっ殺してやる!!!』

 

拳が放されると、さらに激昂し、目を血走らせたシルバーが堀田に殴りかかろうとした。

 

『っ!』

 

それを見た空、大地が臨戦態勢を取る。

 

『待て、シルバー』

 

そんなシルバーをナッシュが制止した。

 

『うるせえ! 止めんじゃねえ! こいつら1人残らず皆殺しに――』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『――待てって言ってんのが聞こえねえのか』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『っ!? …ちっ』

 

静かだが、低く、良く通る声でシルバーに告げると、シルバーは身体をビクつかせると、舌打ちを1つ入れて拳を収めた。

 

「(あのデカブツがビビった? あのナッシュとか言う奴、そこまでの奴なのか…)」

 

シルバーを黙らせたナッシュに、空は注目した。

 

『なかなか面白いもん見せてくれるじゃねえか。ここまで舐めた真似してくれた奴はお前らが初めてだ』

 

ナッシュは、一見すると上機嫌にも見える表情で言った。

 

『この場でお前らをシメてもいいが、それじゃこっちも収まりが付かない。いいぜ、試合してやるよ』

 

突如、ナッシュがニヤ付きながら試合の決定を告げ、三杉の前まで歩み寄り、握手を求めるように右手を差し出した

 

「何だって?」

 

「試合をしてもいいと言っています」

 

「っ! マジかよ…」

 

言葉が理解出来なかった空が大地に聞き、驚愕した。

 

「そうでなくてはな」

 

それを聞いた三杉はニヤリと笑い、右手を差し出した。

 

 

――ガシッ!!!

 

 

だが、ナッシュは三杉の手ではなく、右手首を掴み、顔の高さまで持ち上げた。

 

『ここまで舐めた真似してくれたんだ。サル共の前で恥を掻かすだけじゃ済まさねえ。もし、お前達が負けたら、2度とバスケが出来ないようにこの右手をへし折る。それで良いなら試合してやるよ』

 

ニヤ付いた表情から一変、睨み付けるような表情でナッシュが三杉に告げた。

 

「っ!? そんな、なんて条件を…!」

 

言葉を理解出来る大地はナッシュの出した条件に驚愕した。

 

『良いよ。その条件、受けるよ』

 

三杉は何の躊躇いもなく出された条件を了承した。

 

 

――ガシッ!!!

 

 

了承したのと同時に自身の右手首を掴んでいるナッシュの右手を左手で掴み、引き離した。

 

『こっちが勝った時、同じことして良いならな』

 

表情を変えることなくナッシュに言い放った。

 

『…っ、上等だ。その言葉、忘れんなよ』

 

ナッシュは三杉の左手を振り払い、手首から外した。

 

『では明日、会場で会おう』

 

踵を返した三杉と堀田は出口へと歩み出した。

 

「話は決まった。みんな、帰るぞ」

 

空と大地に告げると、2人は戸惑いながら後ろに続いていった。

 

『フッ、せいぜいその腕と最後の一夜を楽しむんだな』

 

店の扉に向かう三杉達の背中にナッシュが告げる。

 

『その言葉、そっくりそのまま返すよ』

 

振り返らず、三杉はそれだけ言い返し、店を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・

・・・・・・・

・・・・

 

 

店を出て、階段を上がるとそこには、上杉がいた。

 

「…話はどうなったんだ?」

 

「予定通り、明日、試合をすることになりましたよ」

 

恐る恐る尋ねる景虎に、三杉はにこやかに答えた。

 

「…そうか、それは何よりだ」

 

安心した上杉はホッと一息吐いた。

 

「分かった。理事長と会場にはそのように伝えておく」

 

上杉は表情を変えることなく、懐から携帯電話を取り出し、連絡を始めた。

 

「さて、帰ろうか。明日は、楽しい試合なるぞ」

 

「ふっ、そうだな」

 

「ハハッ、勝ってあいつら鼻を明かしてやりましょう!」

 

「勝ちましょう。日本人の誇りを守る為に」

 

三杉は笑みを浮かべ、堀田は拳を握り、空は気合を入れ、大地は真剣な表情を取った。

 

一時、キャンセルとなった試合は晴れて決まった。花月の選手達は、明日の試合に向け、ゆっくりと英気を養ったのだった…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

            ※ ※ ※

 

 

そして翌日…。

 

『おぉぉぉぉぉぉーーーっ!!!』

 

東京某所の試合会場。会場は満員御礼。各所から怒号が飛び交っている。

 

『花月ーーっ!!! 勝ってくれぇ!』

 

『奴等をこのままアメリカに帰すなぁっ!!!』

 

1週間前の試合後のナッシュによる日本人への暴言もあり、会場のボルテージは最高潮にまで高まっており、会場全部が花月を応援している。

 

花月、ジャバウォックの両方の選手は既にベンチにて試合の時を待っている。

 

「いいね。会場全部が俺達の味方だぜ」

 

「もしかするなら、日本中かもしれませんよ」

 

空がバッシュの靴紐を結びながら会場中に響く声援を受け、頬を綻ばせる。大地も、自分達に向けられる声援に心強さを感じている。

 

「ええでぇ。盛り上がれば盛り上がる程俺は実力だせんねん。今なら誰が相手でも負ける気がせんでぇ」

 

天野もストレッチをしながら声援を背中で受けていた。

 

「フッ…フッ…」

 

堀田は無言で身体を解しながら集中を高めていた。

 

「そのままでいいから聞け」

 

監督、上杉がベンチの前に立ち、選手達に向き合った。

 

「スタメンは予定通り、三杉、堀田、天野、神城、綾瀬だ」

 

『はい!』

 

「作戦の変更はない。言うことは1つだ。お前ら、奴等に2度と戯言を吐けないよう叩きのめせ」

 

『はい!』

 

上杉の言葉に、花月の選手達は気合の籠った声で答えた。

 

「行くぞ。俺達の手で、ジャバウォックを狩るぞ」

 

「おう!」

 

「っしゃぁ!」

 

「はい!」

 

「了解や!」

 

三杉の掛け声にスターティングメンバーが応え、コートへと向かっていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・

・・・・・・・

・・・・

 

 

対するジャバウォックベンチ…。

 

「うるせえサル共だ」

 

シルバーは小指で耳の穴をほじりながら悪態を吐いた。

 

「今だけだ。10分も経てば、サル共も黙る。試合が終わる頃には、悲鳴しか聞こえてこないだろうよ」

 

笑みを浮かべながらナッシュが言う。それを聞いて他のメンバーもニヤニヤと笑みを浮かべた。

 

「もう日本も飽きてきたところだ。とっととサル共潰して帰るぞ」

 

ナッシュのこの一言を告げると、ジャバウォックの選手達はコートに向かっていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・

・・・・・・・

・・・・

 

 

コート上に花月、ジャバウォックの両スタメン達がやってきた。

 

 

花月高校スターティングメンバー

 

4番SG:三杉誠也 190㎝

 

5番 C:堀田健  204㎝

 

8番PF:天野幸次 192㎝

 

10番PG:神城空  179㎝

 

11番SF:綾瀬大地 182㎝

 

 

ジャバウォックスターティングメンバー

 

4番PG:ナッシュ・ゴールド・Jr 190㎝

 

6番SG:ニック・ネイビー     189㎝

 

7番PF:アレン・ブラウン     192㎝

 

8番 C:ジェイソン・シルバー   210㎝

 

10番SF:ザック・ホワイト     198㎝

 

 

『よう、命乞いの言葉は考えてきたのか?』

 

挑発染みた物言いで三杉に言うシルバー。

 

「…」

 

三杉は特にリアクションすることはなかった。

 

センターサークル内にジャンパーとして立つ堀田とシルバー。

 

他の選手達がそれぞれ配置に付く。審判がボールを高く上げ、ティップオフ。遂に試合が開始される。

 

「『っ!』」

 

堀田とシルバーが同時に飛ぶ。

 

 

――バチィィィッ!!!

 

 

『お…!?』

 

ジャンプボールを制したのは堀田。ボールは三杉が拾い、花月ボールで試合は開始される。

 

「…」

 

ボールを持った三杉の前に立つのはナッシュ。

 

 

――ダムッ!!!

 

 

『っ!?』

 

目の前に立ち塞がったナッシュに対し、キレのあるドライブを仕掛け、一気に抜きさる。ナッシュを抜きさると、7番、アレンがヘルプに現れる。

 

 

――ピッ!

 

 

その直後、三杉はノールックビハインドパスで左にボールを流す。そこへ、駆け込んできた空がボールを受け取り、そのままドリブルで突き進んでいく。

 

『行かせるかよ!』

 

そんな空に前に6番、ニックが立ち塞がる。空は構わずクロスオーバーで仕掛ける。

 

『その程度で俺を――』

 

 

――ガシィィッ!!!

 

 

空を追いかけようとしたニックだったが、天野のスクリーンに掴まる。天野の援護を受けた空はそのまま突き進む。10番のザックが空の前に現れたところで…。

 

 

――ピッ!

 

 

空はリング付近にボールを投げつけた。そこへ、タイミング良く大地が現れる。リング付近でボールを受けた大地は…。

 

 

――バキャァァァッ!!!

 

 

そのままリングにボールを叩きつけた。

 

『おぉぉぉぉぉぉーーーっ!!!』

 

空と大地のアリウープが成功すると、会場は歓声に包まれた。

 

「まずは1本」

 

「挨拶代わりです」

 

空と大地がハイタッチを交わす。

 

『負けた時の言い訳は考えてきたか? そうでないのなら本気でかかってくることだ。俺達は、簡単にはいかないぞ』

 

三杉がジャバウォックの選手達に言い放つ。

 

『あぁ!?』

 

『ふん…』

 

その言葉を受けて、シルバーは怒りを露わにし、ナッシュは鼻を鳴らした。

 

試合は、花月の先制で始まったのだった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

続く

 

 





1度短編を書き、3月に入って忙しくなってしまった為、更新が一ヶ月以上も空いてしまいました。後、スランプに陥り、どうにも執筆に対してモチベーションが低下したというのもあったりします。何とかペースを戻して行きたいです。

黒子のバスケの映画が放映開始されましたが、今現在、まだ見ていません…( ;∀;)

近所でやってないので、多忙の関係で未だ見れず。早く見たいなぁ…。

感想、アドバイスお待ちしております。

それではまた!

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