東方双雲録   作:天白雲

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今回で、絶世の美女編は終了です!!!!

さてさて、ベルの本当の力とは・・大和や優華がどれだけ強くなったのか・・・

それでは本編!

「ゆっくりしていってね!」



第43話-双雲、紅き王と月の精鋭。

・・・・<祥磨サイド>・・・・

 

「ふむ・・・私の分身を99度も殺すとは・・・どんな魔法だ?」

 

突如として目の前に現れた2体目のベル。・・

いや、最初に心からボロボロにしたベルはすでにベルではなく大した妖力を持ってない吸血鬼の姿をしていた。

 

「・・・・・・・。妖力が段違いだな・・・お前(が)ベル・スカーレットか?」

 

はっきり言って・・こいつが本物だ。間違いない。。

こいつの妖力はさっき惨殺した奴の数10倍はある・・・・・

 

俺が本気になっても勝てるかわかんねえや・・

 

「まぁ、そのとうりだ。私がベル・スカーレット。

先ほどお前に殺されたのは影武者と言ったところ・・・いや、正確には奴も私だが・・

 

能力で思考、細胞、能力に干渉し、完璧に私を造ったのだが・・・」

 

 

「なるほどなぁ・・全てに干渉できると言うことは自分のクローンすらも作れるのか

・・・てか、『干渉する程度の能力』すらもその吸血鬼の能力だったらどうしようかと・・・・・」

 

てことは、能力の発現条件も同じはず・・・

十分に気をつけて・・・・・っっ!!??

 

 

「ぐぁあああああ!!!!!がっはっ!!」

 

馬鹿な!!警戒は解いて無かった・・・・

近付かれたら気づけたはずなのに・・・早すぎる・・・・

 

 

「ふぅ・・私の能力の弱点を見つけたと言うから驚いたが・・・まさか本当に気付かれていたとは・・まぁいい『跪け』。」

 

「ぐっ!!」

 

畜生!!ベルの言葉に応じ、膝を折る俺の体・・・・

 

 

「やはり、この光景のほうが落ち着くな。さて要件を『言え』。」

 

 

「ここより、東の国。日本という場所で八雲紫という妖怪が人間と妖怪が共存できる

そんな理想郷をつくろうとしてる。俺はその手伝いだ。」

 

まぁ思考に干渉して、嘘を言わせないようにされたところで

嘘つくような内容でも無いし。さて、相手さんの反応は・・・・・

 

 

「ふむ。。。それで?その理想郷作りお前はどう考えてるんだ?」

 

この問いに関しては能力で勝手に体が動くことも無かった・・・

つまり、従わせられる命令は簡潔じゃなきゃ無理なのか?まぁいいか

 

「もちろん。んなのはただの夢物語。

いったいいくつになってほざいてやがるって感じだ。

人は妖怪を恐れ、妖怪は人を喰らい、神はその人の願いを聞き、信仰を得るため英雄たちにその力の一部を貸す。これは人間と妖怪、神を結びつける絶対のルールだ。

 

人間と妖怪は相反する存在、共存なんて生半可なやつには叶えられっこ無えし、笑われて終わりだ。」

 

 

「・・・・・くくくく。てっきりお前もその紫という妖怪同様、できると根拠の無い

事を言って協力を仰ぐ愚か者かと思えば・・・では、我々吸血鬼に実現なんてできないだろう空想の理想郷のために、領地を捨て協力しろと?」

 

紅い瞳は一層強く輝き鋭い目つきでにらんでくる。

わきあがる殺気を隠そうともせず。

 

 

「あぁ。ぜひ頼むたしかに、誰に聞いたところで夢物語、儚い幻想、実現不可能、

だろうが・・その八雲紫なら必ずやってのける。規格外の強さを持つ神も居るしな

それに、・・・

お前も感じてるとは思うがこの世界の人間たちがお前らを恐れなくなったとしたら?

もし、妖怪の存在がその世界と同じように幻想になってしまったら・・・

 

もう妖怪は、夢の中の理想郷に逃げるしか無いんじゃねえか?」

 

 

やがて、俺の言葉にベルが訝しげな顔で考え込む。・・・・

しばらくして俺の体の拘束が解け、立ちあがれるようになった。

 

 

「ふっ。私の前で偽りを口にせず、怯えもしなかったのはお前が初めてだ。

わかった。その新しい世界の創造・・・・・我ら吸血鬼も協力しよう!!!!」

 

 

「・・・・あら?貴方そちらの方は人間?生きて館の中に入れた人間なんて数100年ぶりね。」

 

これまた唐突に屋敷の奥から、若々しいが大人の魅力という言葉にふさわしい女性が

現れた。う~ん、確かに妖力は感じるし吸血鬼ではあるんだろうけど・・・

 

 

「これは失礼しました、俺は神薙祥磨。魔力は使えますが確かに人間です。

能力は『万物を呼び出す程度の能力』です。」

 

 

「うふふ。。私は『イヴ・スカーレット』そちらに居るベルの妻で

『不吉を視る程度の能力』をもっています。」

 

女性・・イヴはやはりベルの妻らしい・・・

不吉を視る・・・か。。

 

 

「おいイヴ。でてきて大丈夫なのか?あまり無理をするなよ?」

 

ベルの問いに「えぇ・・」とイヴさんは短く答えた。

まさか・・・

 

「イヴさんは体が悪いんですか?」

 

 

「えぇ。実は今、身ごもっていまして・・それに私は元人間なんですよ。

そう・・・あの夜。この人に牙を突き立てられるまでは・・・・・・・・・」

 

結局その後、なぜか俺はベルとイヴの馴れ初めをずーーーーーーーーーっと!!!!聞かされ続け、この屋敷で執事をする羽目になった。

 

はぁ・・・・双覇のやつ・・元気にやってかな?

 

 

 

・・・・<祥磨サイドアウト>・・・・

 

 

 

 

・・・・<双覇サイド>・・・・

 

「爆死しやがれ!!このリア充がぁああああああああああああああああああ!!!」

 

叫び結月龍爪を引き抜く、そして突きの体勢で

突っ込む!!!!

 

 

「なっっっ!!あっぶね!!!!」

 

もう人目を気にせずキスしちまうんじゃねえか?ってぐらい二人だけの特甘空間に居た大和が、寸前で迫りくる刃に気付き飛びのいて躱す・・・・・・・ちっっ!!

 

 

「まだ、倒すべき標的が居るってのにこれ見よがしにいちゃつくんじゃねえよ!!!

モテない俺への当てつけか!!この野郎!!!!」

 

そうだよ!どうせ俺は好きな相手に手紙だけおいてさっさと消えちまうようなチキン

だよ!!この野郎がァアアアアアアあああああああ!!!!!!!

 

 

「なんだぁ嫉妬か?勇者のお姫様救出物語なんだから、無理して邪魔しちゃだめだぜゴブリン!!!!」

 

 

勇者(w)大和が斬りかかってくる。龍爪の刃で受け流し後方に目をやる。

優華がすでに準備していたのか叫ぶ。

 

 

「大和!攻撃いきます!!!『雷弓』グリントオブ・ビー!!!!!」

 

 

先ほどまでの銃は消え去り、両手に美しい弓を構えた優華が雷を伴う矢を飛ばしてくる。大和の猛攻はそのタイミングで一旦やみ、その隙を埋めるように今度は矢が

視界いっぱいに・・・・

 

「サンキュっ優華!!んじゃ、こっちもかっこ悪いところはみせらんないな!!!」

 

大和の声にびくんっ!と反応し顔を真っ赤にする優華・・・・・

なんだ?今時の女性ってのはああいうストレートな感じが好きなのか???

 

転生前は全くモテず、リアルをあきらめ二次元に1チャンかけて密かに恋愛ゲーを

やったりしてた俺じゃ駄目だったのか・・・・

 

「はっ!てことは・・もしかして文も・・・・俺のこと実は嫌いだったんじゃ・・・

文花帳も迷惑だったんじゃ・・・・」

 

「戦闘中に考え事してると取り返しのつかないことになるぜっっ!!!」

 

「あ。やべ・・」     ずしゃああああ!!!

 

一瞬対応の遅れた俺に大和が刃を振り下ろす。

当然、胸から腹にかけてでっかい切り傷ができて俺の開き完成!!!・・・・・

 

 

「うそ・・・でしょ・・・そう・・は・・・双覇ぁああああああああああ!!!」

 

絶世の美女。蓬莱山輝夜も叫ばずには居られないらしい・・・まぁそりゃあそうだけど・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・「はい何でしょう?」

 

地に倒れた死体は黒く染まり沈む。

黒き影は本来の色を取り戻し、世界という舞台に上がる。

 

「契約解放。『フェル・スカーレット』

影魔法『Shadow Of Switch』-嘲笑う幻影

 

残念ながら幻影だ。」

 

大和の顔が驚愕に染まる。

まぁそりゃあ死体がまた立ってしゃべりだしたらビビる・・

 

 

「う・・・・・そ・・・・・?」

 

優華が声を漏らす・・・あれ?そう言えば口元と頭の風通しが良くなったような・・

まさか・・・

 

「そ・・そう・・・・双覇・・隊長??」

 

大和が決定的な言葉を口にする・・・・ミスった・・・

マスクとフードがとれたのか・・・

 

 

「え・・えーと。もしかしなくても俺・・・・ばれてる?」

 

つぶやいた瞬間、二人とも一気に駆け寄って抱きついてくる。

 

「し・・・しょう・・・師匠ーーー!!!!やっぱり生きていてくれたんですね

ッ師匠!!!」

 

 

「双覇さん!!!双覇さん!!!!良かった!!生きていてくれた・・・・・・・

そうはさ~~~~ん!!!!」

 

二人とも涙を滝のように流して抱きついてくる。

大和は鼻水のオプション付き・・・・・・・・・・まぁなんだ・・とりあえず!!

 

 

「俺はもうお前らの隊長でも師匠でもねえよ!!!そして、まだ戦闘中ってことを

忘れんなよ???」

 

 

べちょべちょの服をどうするかは後で考えよう・・・。

妖力解放!!!

 

「っっっっっ!!!!!!!!!!!」

 

二人は即座に離れ、体勢を整える。

うし、ちゃんと依姫に教育されてんな・・・・

 

 

「師匠がその気なら、こっちも本気で行くぜ!!!!「あっまって大和。いったん作戦を!!!」ぐふっ!!!」

 

 

「契約解放『斎藤衛』大和を超える。はぁ・・・熱くなると暴走するの変わってねえな・・・・・奥さんの忠告はちゃんと聞くもんだぞ?」

 

たしかに、配役どうりに自分の世界に相手をつれこめる大和の能力は強い。

でも、その世界で自分を最強に設定してる大和を超えちまえば関係ない・・・・。

 

「あ・・・・・もしかして。。私終わっちゃってます??」

 

冷や汗だらだらで俺を見つめる優華。

はい!!終わってます!!!!!!!!!・・・

 

 

「そんじゃ、覚悟はできてんな参謀。・・・・・・ていっ!!」

 

恐怖して俺が接近するのを見る優華・・・・

おいおい、いくらなんでも女子にそこまで酷いことしねえって顔のすぐ前に行き・・

 

デコピンをする。

 

「いたっ!!」

 

ちょっと強かったかな??うずくまってらぁ・・・・

 

「て・・・あれ?お前らだけか???」

 

たしか、軍を率いて輝夜を回収しにくるって・・・・・

んぐっ!!!!

 

 

「双覇~~~!!!!あなた、やっぱり生きてたのね!!!あの時はたいてごめんなさい~~~!!!」

 

 

「お・・・おう永琳久しぶり・・・・ほかの軍の奴らはお前がやったのか???

あ・・・・と・・・窒息する!!!!」

 

涙を流した永琳に抱きつかれる俺・・・・

当然密着する形になり、呼吸器が全てふさがれる・・・・てまずい!!死ぬ死ぬ死ぬ

ーーーーーーー!!!

 

「ぷはぁっっ!!はぁはぁ・・・とりあえず、俺の信仰を集めてくれたんだって?

サンキューな。それと、腕を治す薬も助かった。」

 

 

その後・・大和と優華は依姫に俺が生きていたことを報告そしてツクヨミに計画の失敗を告げるために大量の昏倒した兵士を連れ、月に帰って行った。

 

「んじゃ、隠れる場所はもう見つけてあるからいくぞ。」

 

スキマを開き、二人を連れて中に入る。

抜けた先には当然広大な竹林。

 

「うさ?そいつらが、あたしたちに智恵を授けてくれる人間?」

 

 

「あぁ、そうだぞてゐ。んじゃ後は・・・・『結い合わせ』竹林+迷い」

 

遊戯に良く使う迷路を呼び出し、迷路の迷いの概念を竹林に結びつける。

これで迷いの竹林完了!

 

「んじゃ、俺はこれからまだやることがあるから一旦都に帰るわ。じゃあな!!」

 

迷いの概念を付与したことを伝え、スキマに入る。

さてさて輝夜姫さまから蓬莱の薬2本と帝への手紙も受け取ったし・・・

 

さっさと届けて終わりかな・・・・

 

 

俺はすっかり忘れていた・・・・・

この数日後、俺が届けた薬が原因で一人の少女が孤独になるということを・・・

 

 




はい!どうでしたか?

これで、輝夜姫編は終了です。そして祥磨のイギリス編は双覇編をしばらくやってからまたやると言うことになります。

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それではこれからも有意義な暇つぶしを!!

「次回もゆっくりしていってね!!」

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