東方双雲録   作:天白雲

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はい。祥磨編ラスト!!!

需要(読者様からの要望)があれば、またやるかもしれませんがとりあえず
祥磨単体行動での視点は今回がラストです!

それでは今回も。

「ゆっくりしていってね!!」


第42話-祥磨のイギリス放浪記③

「さて!!今日も元気に吸血鬼退治にいってみよーー!!!」

 

ドリズルの生マスタースパークを目前にした次の日、

俺はそのドリズルと一緒に最初に会った城下町に来ていた。

 

「今日もって祥磨・・・ボクはそう頻繁にヴァンパイアハンティングをした

覚えは無いんだけど・・・??」

 

 

俺がテンション高めに言った言葉に冷静に突っ込んでくるのは

イギリスに来て、知り合った魔女。ドリズル。

 

「まぁまぁ。。それより・・大丈夫か?」

 

城からは距離を置いているとはいえ、もうかなり濃い妖気が

漏れてきている。。ドリズルが耐えられるか心配だったが・・・・・

 

「うん。。大丈夫だよ・・・・」

 

目の前の魔女は、肩を抱き震えながらもこちらに笑顔を浮かべてくる。

本来はサファイアのような青い瞳は紅く染まり、体から魔力を感じる・・・・

 

 

「・・・・そっか。辛くなったら言えよ?」

 

その時は、それしか言えなかった。

ただなるべく笑顔でドリズルを安心させられるように・・

 

「うん。・・・・」

 

ドリズルを抱え、山の上にある真っ赤な目の悪くなりそうな屋敷に向かう。

 

 

 

 

・・・・<少年少女移動中>・・・・

 

 

「たのも~。この屋敷の城主、スカーレットとかいう吸血鬼はどこに居る。」

 

扉をあける。誰も居ない・・・・

 

「あれ??だから城主を出せって・・・待たされんの嫌いなんだよ・・・

んぐっ!!!!???」

 

背後で扉が閉まる音。

そして背中に強い衝撃・・・・・

 

 

 

「かはっ!!!!・・・・・ドリズル。。」

 

振り向くと、深紅の瞳を輝かせ困惑しているドリズル・・・

 

 

「へ・・・・・?ぼ・・く、ボクどうして・・・なんで!!!!!!」

 

困惑の表情は崩さずそれでも、拳を握り襲いかかってくるドリズル。

その姿はコウモリのような翼をはやし、犬歯は発達し爪は長く伸び・・・・・

 

化け物・・吸血鬼そのものの風貌だった。

 

 

「ぐふっかはっ!!!!!!」

 

殴られるたびに、肺の空気が抜け体勢と呼吸を整えた次の瞬間にはまた殴られる。

結果俺は立つことすら叶わず殴られ続ける。

 

 

「やめて・・・やめてよ!!!止まってよ!!!!

ボクの・・ボクの体だろ!!どうして・・・・どうしてボクの体ならどうして!!!祥磨に酷いことするんだよ・・・・もうやだよ・・・家族も。。友達も・・・

 

小さい頃に仲の良かったおじちゃんやおばちゃんも・・みんな・・・ボクの好きな人

をこれ以上失いたくない!!!!!」

 

少女の悲痛な叫びがこだまする。

 

「はぁはぁ・・・んぐっ!!!がはっ!!!!!」

 

泣き叫び、拒絶しながら。。体に刻まれた本能を怖がるように・・

 

???「ほう・・今日は男、か・・私としては美女の血が飲みたい気分なのだが・・

まぁ良い。そいつの血はきさまにやろう。『飲め』ドリズル・スカーレット」

 

背後に現れた謎の男。後ろを向く力は無いが声が低いので恐らく男だろう・・

 

「へ・・・・嘘・・・嫌だ・・・やめて!!!やめてやめてやめて・・・・・・・・

嫌だ。。殺したくない・・・・・」

 

言葉の拒絶もむなしく、ドリズルはこちらに進んでくる。

どんどん歩みを進める・・・

 

 

「かはっ!!ぜぇぜぇ・・・」

 

 

「もうやめて・・・止まってよ・・・嫌だ・・血なんて飲みたくない・・・

なんで・・・なんでかってに動くの・・・やめて!!やめてやめて!!!!!」

 

 

俺の前に膝を着く、口を開き首筋に運ぶ・・・

そして、歯を振り下ろ「どしゅっ!!!!」え・・・・・・・・

 

「ド・・・リズル・・・??」

 

目の前には、青い目をした女の子間違いなく『人間』の・・

『魔女』でも『吸血鬼』でもなく人間の・・・ただの女の子・・・・

 

それが、自分の心臓に十字の刃を突き立て倒れていた。

 

「はっ・・はっ・・あはは、やっと・・止まってくれた・・・・ごめんね祥磨???

ボク・・魔女になれなかったんだ・・・吸血鬼と・・・契約・・して・・・」

 

 

「もういい。もういいからしゃべるな・・・頼む・・・もう・・・良いから・・」

 

少女はゆっくりと瞳を閉じ、笑った。

俺はずっと泣き続けている・・・・・・・

 

「ボク・・ね・・楽しかったんだ・・化け物だから・・・人と会わないようにしてた・・・なのに祥磨は・・ボクを・・・助けて・・・だから・・・君なら信じれるから・・・君の前でなら・・・ボクは普通の女の子で・・・普通に人として恋することができたから・・・・」

 

もう・・・やめてくれ・・・別れの言葉なんて嫌だ・・・

まだ、俺はお前と修業していたいんだ・・・・・・・・・・・

 

 

「もういい・・・。もう無理なんかしなくていい・・・

町に住めばいいじゃないか・・ドリズルは化け物なんかじゃない・・・・

たとえ、誰も信じなくても・・・ドリズル自身が信じなくても・・・俺はわかってる

 

ドリズルはただの可愛い『人間の女の子』なんだ・・・。」

 

 

「ありがとう・・しょう・・・ま・・・・ボク・・も・・・祥磨が大好きだったよ・・・」

 

ドリズルは、少しだけ顔をもち上げ・・俺に・・・柔らかなキスをした。

 

「・・・・・・・・。召喚十六夜 咲夜。」

 

少女を召喚したベッドに寝かせ、咲夜に頼んで少女の時を止める。

少女は笑っていた。最期まで、俺が好きな笑顔で居てくれた・・・・

 

???「ふむ・・やはり魔女にすらなれぬような人間では失敗だったか・・・・・・

次はもっと優秀な人形を作らねば・・・・ぐっっっっ!!!!!?????」

 

 

「ざけんな・・・・・てめえ、人を何だとおもってやがる・・・・てめえの所為で

未来を奪われた人間は何人居る・・・」

 

気がつけば、魔力と霊力を迸らせ後ろで観賞していた男性吸血鬼を殴り飛ばしていた

 

「ふむ。まずてめえなどではなく『ベル・スカーレット』と言う。

そして、質問の答えだが・・忘れてしまった。あんな貧弱な種族殺した数を覚える気にもなれん。」

 

ぶちっ!!!!

このクソが!!!!!!

 

「そうか・・・なら、もう良い・・・・・・てめえは殺す。。

エリュシ・データ、ダーク・リパルサー。」

 

召喚したのは、二本の剣。

ソード・アート・オンラインの主人公が振るう2本の剣。

 

「申し遅れたな。俺は神薙祥磨・・・・

『万物を呼び出す程度の能力』を持つ、いままでで最強のヴァンパイアハンターだ。

 

はぁ!!!!!」

 

 

相手の反応も待たず、一気に接近して斬りかかる。

ベルの体は真っ二つになり死んだ・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

「ほう。。それは楽しみだ・・・

私はベル・スカーレット。『干渉する程度の能力』を持っている。

 

さて、お前は何度私を殺せる?」

 

死体が蝙蝠になり、また復活する。

ま、どうでもいいもういちど接近縦に掻っ捌く。

 

復活。

 

瞬殺。

 

復活。

 

瞬殺。

 

復活。

 

瞬殺。

 

 

「なるほどな・・・・。お前の能力の弱点見つけた・・・」

 

 

「ほう。私の能力に弱点だと?

一体なんだ??これまでのハンターは銀も十字架もにんにくも木の杭も使ったが

すべてを生きて殺したぞ?」

 

なるほどな・・・・でも、あいつの能力が誰にでも発揮できるなら・・・

 

 

「わ~ったわ~った。御託はいい・・・ならご自慢の能力で俺の思考に干渉して殺したり、すりゃいいじゃねえか・・・・なぜしない?」

 

問いかけた瞬間にまた斬り殺す。

 

 

「せっかくの楽しい勝負だ、楽しみたいのだよ。長くなっ!!!!」

 

復活して、いままでの仕返しとばかりに攻撃してくるベル。

流れる乱打をすべて剣で受け流す。

 

「あぁそうかい!!!!なら、何度でも殺してやる!!!!!

『召喚』ガキの喜ぶ痛みの無い世界」

 

唱えた瞬間、屋敷の景色・・・いや、世界の景色がかわる。

俺の呼びだした世界へと・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

 

「なにっ!!!????なんだここは・・・・・・・

それに。この数字は・・・・99?    ぐああああああ!!!!!!!!」

 

困惑するベルに躊躇なく、斬りかかる。

99、98、97、96、95、94、93、92、91、90、

 

「いま、10回殺した。ここではお前がお前に対して行った『不死』の干渉も関係ない。」

 

そう。ここはゲーム。それも『スー○ーマ○オ』とかでおなじみの蘇生回数が決められてるアクションゲーの世界。

 

「馬鹿な・・・そんなわけがあるかぁーーーー!!!!」

 

激昂する王。

その爪を頬にかすませて吹っ飛ぶ。

 

「ふ・・・ふふふふはーっはっは!!!これで貴様は私に支配される。

さぁ!!『死ね』!!!」

 

王はなおも狂ったように叫ぶ。だが・・・・

 

「は?死ぬわけねえだろ・・・コンテニューできねえんだから残機は大事にな!!」

 

王の狂った妄言を無視し、殺す。殺す。殺す。殺し続ける。

80、70、60、50、40、30、20、10、9、8、7、6、5、4、3、

2、1、・・・・・・・

 

「さぁ・・・後一回で蘇生も何もなくただの貧弱な吸血鬼としての生涯を終えることになるぜ?」

 

余分なので、ダークリパルサーを消し、ベルの首筋に黒の刃を突き立てる。

 

 

「はったりを言うな!!!私は誇り高き吸血鬼の王だぞ!!!!!

それが・・・魔法が使えるというだけのただの貧弱な人間に!!!!!!」

 

うるせぇ・・・・・自分も死と向き合えばちょっとは反省するかと思えば・・・・

しゃあねえ・・・

 

「(どしゅっ)なぁこれでわかったか?再生しないだろ??」

 

左腕を切り落とし、再生しないことを確かめさせる。

 

「なっ・・・なぜだ・・・・この私が・・・王である私がーーーーー!!!!」

 

 

「やかましい。(びゅんっ!!!)」

 

さすがに呆れて、首に添えられていた剣を振るう。

邪悪で傲慢な吸血鬼の王を99回殺してゲームクリア・・・・

 

「世界は、元の形に戻る。」

 

元の真っ赤な屋敷の内部に戻る。

目の前には、99回も殺され精神的にも完全に死んだベル。

 

後ろには未だ止まった時の中で生きるドリズル。

 

「その身は朽ちてもその愛は朽ちず、その鼓動は止まってもその思いは止まらず。」

 

呪文を唱えると、ドリズルの遺体は暖かな光を放ち空に浮かぶ。

そして徐々に体内から妖気が取り出され・・消え去る。

 

 

「じゃあな。ドリズル・・・」

 

俺が発動したのは、念のために作った魔法だ・・・・・

ドリズルが・・・・・

 

効果は・・・転生。

自分が死んでしまった時に俺が唱えることで発動する。記憶と一部を除いた魔法を

消去しいつか・・未来でまた会う・

 

たぶん、ドリズルは俺のために作ってくれたんだと思う・・・

 

「ふむ。。どんな魔法だ?私の分身を99度も殺すとは・・・・」

 

突如聞こえた声に振り向く・・・・

まだ再起不能になってるベルとそっくりな・・・けれど妖力が段違いに多いベルが居た。・・・・

 

 

 




祥磨編もう終わりと言ったな。・・・・・あれは嘘だ!!!!!!!!!

すみません・・・実際のところは駄作者ゆえ、うまくまとめられなかっただけです。

さて、次はどうすっかなぁ・・たぶん、半分祥磨半分双覇だと思います。

つぎこそがんばります!!!!これからも有意義な暇つぶしを!!

「次回もゆっくりしていってね!!」

感想、評価よろしくお願いします!!

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