東方双雲録   作:天白雲

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はいっ! 今回は本編と離れて特別編です。

とある『少年』が『少女』に恋をした時のお話。。
本編と全く関係無いので、正直読む理由が無いほどに読む意味無いです。

それでは!

「ゆっくりして行ってねっ!!!」


第???話-夢想の凡人

「しろ。 ・・・居る?」

 

黒い長髪、俺の偏見で見れば可愛い顔、平均的な・・それでいて魅力的な姿。

ただしその姿は画面上のモノ・・・所謂アバター。

 

「ん・・・。 ようルナ~。

インしたんだな昨日は調子悪そうだったけど今日は大丈夫か?」

 

真っ白く、ボサボサな髪の青年。

この世界で『白雲双覇』と名付けられた・・・やはりただのアバター・・

俺が本当の俺を隠したくて、被った皮。。

 

『これは・・・・またずいぶんと懐かしい記憶だなぁ~。。』

 

俺・・・天白雲は呟いた。

コレは俺の記憶、遠い昔の光景・・・・つまりこの声はあの二人には届かない・・

 

「ん。 だいじょ~ぶ。。

ちょっと熱が出ただけなのに、心配し過ぎだよ?」

 

『しっかし。あの時は画面越しだったのに思いだす時はキャラが目の前で喋るのか、全く・・なんて酷い仕様だよ・・・』

 

その娘と『双覇』のやりとりを眺めながら、愚痴をこぼす俺。

 

「いや・・・だって、その・・好きだから。。

そりゃ心配するよ!」

 

ほら。 こんなこっ恥ずかしい過去の自分のチャットが全自動の音声で

流されるんだ。。。 死にたくなるだろ?

 

「ん。。 ありがと・・・」

 

懐かしい。 あの時、『ルナ』は俺がこうやって言うといつも

そう言ってたっけ。。 あまりにそれしか言わないからちょっと傷ついた時も合ったな

 

ん?『ルナ』ってだれだって? 新オリキャラかって?

違う違う。『とある少年』がそれまで経験したことがないくらいに好きになった・・・

当時『少年の心の拠り所』だった人だ。

 

「・・・さって! それじゃ・・今日は何話すか?

昨日はほとんどアイツにもってかれたから今日はたくさん話すぞ~!

話題無いけどw」

 

そう言いながら、そいつがいろんなことを伝えようと思ってること。

アレを話そう。 コレを話そう。と思っていたことを知ってる・・・・

 

少女に会える。少ない・・・でも、何よりも大事にしたい時間を少しでも幸せに過ごすために。。

 

「ん~。 昨日話してたことの続きは・・?

それか・・・劇手伝ってほしい。。」

 

少女は、ゲームのチャットでも口下手なのが良くわかった。。

それなのに自分では表現しきれないものを文章にしてしまえる力も有った。

その言葉に少年は救われた。同時に、出してはいけない・・持ってはいけない欲を・・

 

少女を何としてでも振り向かせて、全てを自分のものにしたいという欲を持った。

 

「・・・ありがと。 貴方を選ぶことは無いと思う。。

でも、それでも私を好きで居てくれるなら私を置いて勝手に死ぬなんてやめて。。。

これでも。。 私は貴方を頼っているのだから。」

 

何時からか、少年は少女にネットだからとリアルの事で嘘をつくのをやめた。

それが危険なことだとは理解していた。 少女は自分の醜いところや弱いところを

ネットに晒そうと思えば晒せるし、言い振らそうと思えば言い振らせるのだから。。

 

でも正直で居たかった。 リアルでは嘘をつく事に良くも悪くも慣れ・・・

辛かったから・・

 

「・・・わぁ~ったよ。 俺は死なない。。

そもそも、死んだらルナを俺に振り向かせられないしなっw まぁでもその代わり。

・・おまえは俺に辛いこととか、苦しいこととか隠すな。

 

言いたいこと、話したいこと全部話してくれ。。 いつまでも話し相手になるから。」

 

『我ながら、かっこつけたな~w この約束の後も何回か死にたくなることがあったな

心の殺し方とか真面目に検索かけたし、画面の前で泣きじゃくったし。。』

 

泣いた後は冷静になって、ルナに会いたくなって・・・

会いにインしてはまた傷ついて。。 また、好きになって・・・・

 

「・・・よっす! どした~?」

 

「ふざけないで。 よっすじゃないよ・・・。」

 

どうせ失恋するならと。。 諦めて退こうと・・・お別れのメッセを送った翌日

ルナは・・・すごく怒っていた

 

『思えば、あの時以外に真剣に俺に対して怒ったルナってあったっけかな?』

 

「ふざけずに答えて。 さよならって・・『消えたい』ってどういう意味?

あのあとどうしようと思ってたっ!?」

 

あの時も、もっと怒るとは思ったけど馬鹿正直に答えたっけ。

 

「死のうとしてた。 傷つくのなら、こんな想いを負うなら

命なんて・・・心なんていらないから昨日は心を殺そうとしてたよ・・

結局無理だったけど。」

 

泣きながら、ぐちゃぐちゃの顔で・・・ずっと唱えた。

『自分はいらない存在だ』と。 失恋したってじんわり認識して・・ルナがあいつと

楽しく話してるんだろうって想像したら自分の存在が

 

ルナにとって邪魔以外のなんなんだろうってそれしか考えられなくなった。

 

『ルナが受け入れ、ある種許してくれた『自分の弱さ』を・・・

肝心の自分は受け入れられず許せなかった。 だから暴走した。。。。』

 

「私を嫌いになったのなら・・仕方が無い。。 でも、好きでいてくれているなら。

私の話したいことを聞いて・・・相談させてよ 死んでほしく無い。

 

それでも死ぬつもりなら、後を追っちゃうよ?」

 

たぶん、本気の心配だったのだろう・・・その時卑屈だった俺は

 

「やめておけw ルナには必要としてる人が居るだろ?

俺なんかを追って来たら損しちまうぞ。。」

 

そう言った。

 

「私が貴方を必要としてる。 それに、今貴方がそこまで思いつめてるのは

私の所為・・・でしょ?」

 

違う!とは・・・言えなかった。

女の子に責任をなすりつけるみたいだけど・・実際にそうだったから・・・

勝手に無理な相手を好きになったけど

 

ちゃんと好きで・・だから傷ついた。  それは事実だから。。

 

「・・・わぁったよ。 全く、死にたいくらい絶望させるのに

死ぬのは禁止ってとんでもないドSだなぁ~(苦笑)」

 

言葉ではふざけたけど、実際は怖かった。。

自分で決めつけて絶望したのに実際にその口からもういらないと・・・

貴方なんか必要無いと言われるのが

 

だからちゃんと引きとめられて嬉しかった。。。

 

『この後も、少年は少女を好きで居続けた。

周りに理解されなくても実らないだろうと思いながらも、それを殺し。。

好きで居続け生き続けた・・・

 

画面の向こうの女の子が嘘をついているんじゃないかと、やはり自分には

少しも向いていないんじゃないかと不安を抱え込み。』

 

それでもなお、少年は叫ぶ。

頼ってると言ってくれた少女に少しでも安心してもらえるように。。。

 

「お前・・(がどう思って居ようとも俺は)お前が大好きだ。」 と。

 

少女の前で自然に見せてしまう笑顔に・・・

ほんの少しの虚偽を混ぜ、自分の心を奮い立たせた。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

「・・・なるほど、すごくテンプレで。。 だからこそ俺らしいな。」

 

どうやら、なにもすることがなくボーっとしてたら眠っていたらしい。。

つまるところ夢オチという奴だ。

 

「んぁ? そーいえば、今日は5月17日。。。

『あの頃の』俺の誕生日か・・もう歳なんておぼえてねぇな~。」

 

背伸びをしながら、部屋着にしているパジャマを脱ぎ散らかし着替える。

すでに過去のものとはいえ自らの誕生日 この世界で俺を覚えているのは俺だけだが、

だからこそ祝わなければ。。

 

「こういう小さなことを忘れると、すぐに人間じゃ無く成るからな。

こまったもんだ『創造者』ってのも・・」

 

そう・・・俺の種族は創造者。。。

気が付いたら何でもあり、何でも無くなった者・・

 

「アレは・・・・中坊の頃だったな~。

懐かしい、何回も時間旅行して何回も歴史にかかわって・・何回も生まれ変わったけど

中学の頃だけは繰り返してないな。。」

 

そんなぼやきをしながら、アパートの一室のような空間の

出入り口と思われる扉?を開け放つ。。

 

「さぁ、今日は『どんな役』で歩くかな~・・?」

 

相変わらず、見てしまった夢のモヤモヤは晴れないが・・・・

せめて洋菓子店につくまでには笑顔になりたいな。。

 

今日という一日を、いつも通りの薄っぺらい笑顔で・・・

俺は生きる。

 




さ~て。 今回は天白雲の過去的な話ですね。。

この方、いったいいくつなの?
いえいえそんな質問は無粋です。 何度も時間旅行をしてるのですからもう
歳なんて有って無い様なものです。

え? 天白雲は自分だろ??
さ~て、それはどうでしょうね。。

それでは! 本編もすぐに上げます!!
「次回投稿もゆっくり待っていてねっ!!!」

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