東方双雲録   作:天白雲

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皆様、大変お久しぶりです!

天白雲というものです。今回はソラと双覇の一騎打ちです。
パンドラの箱での修行を終え劇的にパワーアップした双覇の活躍を、

ご確認くださいっ!

それでは、今回も
「ゆっくりしていってねっ!!」


第96話-其は結びを司る『神』

「…っ大丈夫か文?」(なでなで

 

なんとか…間に合った。。

こっちでは、あの絶望を繰り返してたまるか。。

 

文は…うん。 怪我も回復してるな。

怪我…させちまったな。。

 

「文。ちょっと待っててくれ。

ちょっと世界救ってくる!」(ぎゅんっ!!

 

文の頭をもう一度優しく撫で、あいつを見据える。

そしてふっ飛んでいく

 

「ソラぁっ!! 好き勝手やってくれたな。」

 

『神器』結天浮雲太刀

契約解放…! フェル・スカーレット

 

「もう戻ってきたのか腰抜けが。

ボクがせっかく、素晴らしいプレゼントを贈ろうと思っていたのにさ。」

 

西行妖を斬り倒した剣を受けてなお、余裕を崩さず

ニヤニヤとこちらを見てくるソラ。

 

「ようやく。 終われるぜ…ソラ。

俺が、お前を消してやる。 無駄に永かったお前の存在

今日ようやく消滅する!

 

白雲流 『焔の型』 」

 

太刀に炎が走り、俺の体にも流れていく。

『焔凍の結』を神器に纏わせ攻撃するんじゃなくただの

力として自らに『常時』纏わせる。

 

「よくそこまで行けたねぇ。このボクが火傷しちゃいそうだよ。ほら、かかってきなよ主人公!

 

教えてやるよ圧倒的な絶望を。 ボクという存在を!」

 

俺は、神器をソラはその腕を刃に変えてお互いを迎え討つ!

 

「白雲流焔の型・・ 焔刀の結!」

 

刀身に灼熱を纏わせ、上段から斬りかかると

あいつは左に避けて横薙ぎを繰り出してくる。太刀を持ち替え真下に突き立てるように受ける。

 

「主人公くん。ボクの動きが見えてるみたいだねー。

なるほど・・少しは楽しませてくれよ!」

 

上 上 右 左 上 下・・・etc

よし追いつけてる。 加速してくかっ!

 

「契約解放 斎藤衛! 龍神王の力よ・・

全てを焦土と化す爆焔よこの身に宿れ!さぁっ燃え盛っていこうか!

 

白雲流・・・『龍神王の刃燐(ドラグ・アクセル)』!」

 

纏う炎が橙と白の二色に変わる。

全てを守る白き覚悟の炎と、敵を射ち滅ぼす赤き剛の炎。

 

「・・あいつが設定したキミの力。良くぞそこまで物にしたものだ。

だけどまるでキミのほうが世界を破壊する怪物だね・・ 十尾の神狐、吸血鬼の王、純白なる守護龍、

全知を司る神、境界のスキマを生きる妖怪賢者、

 

剣と雷の武神、日輪、月光、武勇の姉弟神、支配と慈愛の祖神、死に翻弄された亡霊姫、怨霊祓いの剣豪、

 

死を親しむ死神、妖殺しの消却者、縛鎖と断斬の剣士、永遠と須臾の月姫、英知の薬師、

神霊と戯れる月の剣、幻想を育む母なる巫女、叶わぬ想いの観測者、白く気高き狼牙の天狗、

魔と剣を統べる創造者、恋とパワーの魔少女、全てを狂わす波長の瞳、この世を破壊する吸血少女、

時を納め運命を握る吸血女王、時を捧げる従僕なる剣、黒き狼の牙宿す天の狗。

 

幻想と生きる無垢なる巫女、神風纏う神速のブン屋。

 

そして。 幻想の世界。」

 

右、下、上、右、左、左下・・

鋭く研磨され焔を纏った鱗を叩きつけ、神器で斬りかかる。

 

「あいつもキミがそこまでの力を得るとは流石に予期していなかったろう。

普通なら神妖の肉体でも耐えきれないほどの力を、キミは世界の創造者にも成りえる『夢現の器』で

成し得ている。 だけど、醜いとは思わないかさまざまな神妖人の力が混じった君はまるでキメラだ。

 

ボクには自分が何でありたいのか、どういう存在なのか見失っているようにしか・・見えないねっ!!」

 

「がぁぁぁぁっ!!」

 

右手の剣を受けてる間に、何倍にも肥大化させた左腕にぶん殴られた。

べきっばきょっメキッ・・!という鈍い音と一緒に吹き飛ばされる俺の身体・・地面に叩きつけられながら

折れた骨や破裂した臓器、皮膚の修復。 龍神王の堅固な鱗でも重傷。。

 

それに衝撃で契約解除されたか・・

 

「はぁっ・・はぁっ・・ゴぷッ。。

契約・・・解放っ 姫神焔・星熊勇儀・伊吹萃香!」

 

鬼の三位解放だっ。。

これやると、伊吹瓢と星熊杯がなぜかどこからか装備されるあたり。

鬼と酒は切れない結びらしい。

 

「んくっ・・ ふぃー。。

酒も入ったし捻り潰してやろうかのぅ童。」

 

鬼との契約解放はすこぶるパワフルな戦いをする。

たとえば・・

 

「そぅらっ・・一発デカイのくれてやろうっ。

豪拳『驚天動地』!!」

 

拳を振り上げ、地に叩きつける。

それだけでかなりの深さまで砕け真上に吹き飛ばされて行く。

 

「知っておるか?物体を真上に飛ばすには、本来飛ばすのに必要な力よりも

もっと何倍にも力を加える必要があるんじゃよ。まぁ聴き流してもかまわんがの。

結び-黒霧ソラ」

 

真上に舞った岩がソラに向かって、次々と吹っ飛んでいく。

まぁこんなのが効くなんて思ってないさ・・

 

「よっ・・ほっ・・とっ・・・

お返しだ化けもんが! 『真祖三歩必殺』」

 

 

「三歩必殺は、地と接してなければ威力がガタ落ちする。

それくらいのことは予習してい・・るっ?!」

 

空中で身動きが取れないなんて、変な感覚だろうな。

遠慮なく・・・叩きこむっ!

 

「一で撃ちっ・・二で壊し・・三で必殺!」

 

思いっきり殴り、焔を注ぎ込み。

爆破で吹き飛ばす! 腹にデカイ穴を空けながら吹き飛ばされたソラは

またたくまに叩きつけられた。

 

「ぐあっ・・おぉぉぉぉっ・・・・!」

 

一瞬で回復して、起き上ったがダメージを忘れるのに少し時間がかかるみたいだな。

ならっ!

 

「白雲流 『山脈崩し』!」

 

「調子に・・乗るな。 (がっ

お前は。。忘れない・・・お前のことはボクの手でぶち殺してやるっ!

全く良い子ちゃんしてて腹が立つんだよ!!

 

お前とボクは同じなんだ! その身体に秘めた力・・その危険性!

何も変わらない。」

 

萃香と俺の能力の複合行使で、『○夜叉』に出てくる『鉄○牙』並みの刀身にして

斬るというより殴ってるんだが。掴まれた。

 

「お前は・・ボクと同じだ。 あいつから生まれた光と闇だ。

その力の危険性もなにもかわらない・・持って生まれた性質が違うだけだ

あいつが考えなしに実行したばかりにこんな運命になった。」

 

ぐっ・・・こいつどんな握力してやがるっ・・・

 

「なぁ主人公。悪はな滅ぼされるんだ。

どんな綿密なプランがあろうが、どれほど宿命の戦いだろうが、どれほどの物を背負っていようが、

どれほど強くなろうが、どれほど追い込もうがねぇ!

 

だから、ボクもこの滅びゆく運命の門出にせめて一つ成し遂げたいじゃないか。

悪らしく世界の崩壊って奴を!」

 

「くっそ・・離しやがれっ!!!」

 

ズガンッ!という音とともに、掴んでいた指が引きちぎられ

距離を取ることに成功した。 すぐに『忘れて』元通りだけどな。。

 

「ボクは忘れるよ主人公。 かつてボク達が憧れた英雄たちを・・

何度も何度も悪を討ちいくつもの世界に希望を照らした主人公たちを。

お前が大好きなこの世界を!そう、蟻でも潰すかのように忘れてやるよ。

 

あいつもお前もどうせなら一つに戻ろう? あの時英雄に憧れた無力な少年に!

終わらせようかこの茶板劇を!」

 

ソラの前に生成されるドス黒い塊・・(どしゅ

 

「え・・・ がふっ。。」

 

超速度のソレが腹に当たり、腹が消失した。

ぐっ・・痛ぇぇ。。。

 

「忘却のエネルギーかっ・・・契約解放・・んっ!!?」

 

口がっ・・消失したっ。。

 

「ふふっ・・つまらないよ誰かの力を借りなきゃそんなのもひっくり返せないのか?

ボクを倒せるのはお前だけなんだろう? そうだよなぁっ!?主人公?

 

ほらやれよ。お前の力で。持ってるんだろう逆転のなにかを。」

 

・・意識が。。 沈む。

 

「・・・ほんとにそれっぽっちか。 ほんとにそれっぽっちなのかよ!

ふざけるな!お前が・・ボクが・・皆が憧れた英雄は倒れないだろ!? そうだよなぁっ?

ボクを消してみろよ。 変身か?武器か?力か?不屈の魂か?

 

こいよっ!全部忘れてやるから!ヒーローを・・・否定させろぉぉぉっ!!!」

 

 

・・・・くそっ。。 あ・・や・・ 守らねぇと。。

ここを・・みんなを・・

 

 

「・・拍子抜けだったのか。 楽しみにしていたのに。

もういい全て終わらせよう。。あいつももう止めるのも諦めたようだしなっ・・?」

 

これは・・鎖。 ばかな。。こんなもので。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「契約解放。 白井瞬・笹塚俊・東雲修也・斎藤衛・銀野優・雲母策士丸・全狐神氷柱・伊邪那岐命・天照大御神・月読命・建御雷神っ。

まだ・・終わらせねぇよ。 本当の戦いはここからだってな・・・皆。。力貸してくれ!

絆の力お借りしますってな!」

 

助かったぜ・・衛。 『再生の焔』

無けりゃヤバかった。。

 

「優。縛鎖の力使わせてもらう! 

白雲流『雷火の型』! 今なら何でもできそうな気がする・・

瞬の知識が俺の力をさらに引き出してくれてるしな。」

 

・・・化け物か。たしかにな。

他人の力を個性を。譲り受け強化して自分のものとする力。。

 

俺は、いつもみてた物語のチート野郎になったんだな。

主人公に。ご都合主義や絶対のハッピーエンドや逆境を無理やり跳ね飛ばす力を

もった存在に。

 

「衛・・力使わせてもらうぞ。 俺は『白雲双覇(おれ)』を超える!

っ『白雲流捕縛術 狂狼縛る神糸(グレイプニル)』!」

 

俺は。。 誰かを守ることが出来たんじゃない。

守ることしかできなかっただけだ。

 

与えられた力を悪用しなかったんじゃない。

悪用できなかっただけだ。

 

「たしかに、人間にしては奇妙な存在だな。俺は。

主人公っていう役割だったから…なんだろうな。」

 

パンドラの箱の中で、いろんな可能性を見た。

絶望も希望も。 いろんな俺がいた。 決して善人じゃない俺も居た…

 

そのなかには…ソラもシロも。

 

「…ボクを消すのか。それで満足か?

自分の片割れを消し飛ばして。。悪が無くなってこの世界も無事でハッピーエンドか

 

 

お前以外は。ボクという悪が居なくなったら

お前はどうなるのかなぁ…?主人公。」

 

ソラを倒したら…か。 ここで文と暮らしていたい。

いつまでも。。 でもそうは…行かないんだろうな。

 

「神器『輪廻』。 瞬。イザナギ。策士丸。衛。氷柱。

お前らの神力…そして皆の力を俺に貸してくれ!

 

神技『束ね紡ぐ神の贋作(オリジンコピー)』」

 

全てを断ち斬り 万象を凍てつき焦がす俺の神器

『結天浮雲太刀』俺の両手に、そして周りの中空にいくつも浮かぶ刃。 その全てが神器そのものだ。

 

「ソラ。 お前を倒したらどうなるかなんてわかんねぇ

俺がしてることの正義と悪も。

 

だが、俺はお前を倒す! ここは守り抜く!」

 

守り抜くことの難しさ。あなたとあなたの息子のお陰で

わかった。ありがとう要さん。。

 

「…『死の境地 結』」(スゥ・・ッ

 

俺が死ぬことなんてないって思ってたんだけどな・・

完全に自惚れてた。

 

「創造神。。お前の言った通りだ。

俺には・・・『俺だけ』じゃ死の境地に辿りつけなかった。」

 

皆が、幻想郷が。

俺を受け入れてくれたからここまで来れた。

 

「長ったらしい講釈だ。縄抜け一つくらい十分に可能なほどに。。

なかなか堅固な糸だったけど所詮糸まとわりついた糸くずは意識すればうっとおしいが

忘れてしまえばなんの不都合もない。」

 

やっぱり抜けだしてきたか。

 

「キミの力なんて、この世界の力なんて一つに束ねたところで無意味なんだよ!

『虚無刀朧尽(おぼろづき)』! もう一度・・今度は一気に!消し去ってやるよ!」

 

もう一度黒い塊を・・今度はさらに大きいものを精製していくソラ。

その塊がどんどんとドス黒さを増していく・・・来たっ!

 

「3、2、1・・今っ!」(シュンッ

 

うしっ避けれる! 反応出来てる!

死の境地・・笹塚の感じていた感覚はこれだったのか。。

いつもの何十倍~何百倍も研ぎ澄まされている・・・

 

結の力も相性良いな。研ぎ澄まされてる中でもちゃんと解る区別できる。

殺気と友好が。

 

「もう・・通用しない。それじゃあなっ!

『白雲流奥義 焔凍の結』!」

 

身体から焔と赤い雷をスパークさせながら放つ奥義。

全てを護る焔と氷交わりし刃。

 

これで・・・終わらせるッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぐっ・・あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

両断された体躯を火焔と凍結がつつみ、幻想を忘れる悪魔 黒霧ソラは。

その空しい命を虚空に消した。。




はいっどうでしたでしょうか。

やはりスランプというものは恐ろしいもので、待たせてしまっている分
超大作を書くぞ!と息まいた結果いつもより1000文字ちょっとしか伸ばせませんでした。 非常に申し訳ない・・・

今回は双覇くんが複数人との契約解放をしてましたね。

ながいこと使ってこなかった禁断の手をついに!
解禁ですっ!

これからは、戦闘もどんどん加速していきますよー!
更新ペースも上がっていくといいなー。

それでは次回も!
「ゆっくりしていってねっ!」

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