東方双雲録   作:天白雲

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なかなか、納得のいくものが出来なかったです・・。

作者はこの春から、高校生ということなので。。
なにかインスピレーションを受けて執筆して行けたらなぁと想う所存です。

それでは! 今回も、
「ゆっくりしていってね!」


第93話-希望

…シロサイド…

 

「のぉ…。 お主、この世界の創造主だと言っとったの。。 ならば、教えて欲しい。」

 

飛びさって早々に氷柱から、質問がとんできた。

少しだけ怒ってる。 だがソレを表面に出さないし自分の中で静かに少しずつ

燃やしてる。

 

頭を冷やしながら、怒りを燃やせる。

目の前の妖狐にはそれができるようだ・・・ やりにくい。

 

「ん? 何をだ?氷柱さん。 内容に寄っちゃあ教えるぜ。」

 

ちょっと、性格作るか。

嘘は言わないけど。。 こうなっちまったら答えるしかないしな。

 

「別に交渉をしようというわけでは無いんじゃがな。。。

まぁ良い。 お主とご主人様それに・・あのソラとかいう奴の関係じゃ。

永く生きてる私だから解るが。 お主たち、表面上は別じゃが良く見れば霊質がほぼ同じじゃ。 同一人物でなければならないほどに。」

 

・・・っ!? 何を気付かれたのか気になってはいたが・・

そこに気付かれたか。。 しゃあない。

 

「気付いちまったのか。 なら、こう答えようか。

お前が見て聞いたものがお前の真実だ。 他の物は気にして意味は無い。」

 

霊質は、魂の適合率。

普通の生物からは見えないし普通の生物には見えない・・。

野生の勘でわかる動物もいるけどな。

 

氷柱は神狐。お見通しだったらしい。

 

「はぐらかすのはやめよ! 凍りつかせるぞ・・・。」

 

俺も、あれから無事で居られる自信は無いが。。

はぐらかしてるわけでもないんだけどなぁー。。。。

 

「別にはぐらかしてはいないが・・。 まぁなら教えるさ。

お察しのとおり俺と双覇とソラ・・・この三人は同一人物だ。 ほとんどな。」

 

霊質は偶然で一致したりする簡単なものじゃない。

少しでも似た部分があるなら、確実に生まれ変わりとかだ。

 

「氷柱。 俺とあいつらの霊質は?」

 

まぁ・・知ってるけどな。

 

「99.9999999999...%同じじゃ。 

だから、異常じゃと思った。」

 

生まれ変わりの場合でも精々高くて、55%。

だから氷柱が見たのが真実だ。

 

「俺は、この世界を創る時。

主人公とラスボスを創ろうと思った・・どんな時でもくじけず希望を持つ主人公。

どんな相手でも絶望の淵に落とすラスボス。」

 

言ってしまえば妄想。 子供の戯言だ・・矛盾している二人の人物が現れることは無い・・なぜならそんな主人公が居ればラスボスは破綻し、そんなラスボスが居れば主人公が破綻する。

 

「叶うはずの無い妄想。 生まれるはずの無い存在は・・・

俺の能力と夢現の力の所為でどちらも生まれた。 ただし、希望は先に生まれず。

絶望が噴き出た。 俺の黒いものと一緒に・・」

 

皮肉にも、パンドラの箱のように。

絶望は先んじて誕生しありえないほどに強大な存在になっていった。

 

「それからだ。 俺とソラとの因縁は。。

俺をベースに黒い部分がソラに。どこまでも白く、なりたかった理想が双覇に。 …だから、俺たちは同一人物なんだ。 ただし…」

 

わかってる。 自惚れてなんかない。

あいつらと俺は、もうオリジナルがどうだとかいう話

じゃない。

 

「あいつらは、もう俺の一部じゃない。

俺は絶望を克服することも、受け入れることも出来なかった。 あいつらと俺はもう別々の存在だよ。」

 

何万…何十万…何百万年。。はっきり覚えてはいないが。。。あの時、パンドラの箱の中で俺は。。

 

「はあ…!があっ…!はあ…はあ…!!」

 

あの、恐怖は…忘れられない。

俺は二度と入りたくない。。ソラなら、喜んで住めるだろうし。。あいつなら。

 

「氷柱、文さんのところに急ごう。

あいつには必要なんだ。きっと。」

 

俺も、結局あいつに頼ってるんだな。

あいつの隣に必要なのは最高のヒロインだ…。

 

だから連れてこないと。。

 

そんな事を考えながら、俺は氷柱と文さんのところに向かった。

 

 

 

 

 

 

…双覇サイド…

 

「ああああ…あああ…!!

文…文…文…!!!もう…もうやめてくれ。。」

 

首を落とされ死んでいる文が居た。 俺との結婚を許せなかった大天狗達の手によって。 大病を患い大量の吐血の中で息絶えた文が居た。俺は薬草を集めるために傍に居なかった。 怒りに我を忘れた俺に殺害された文が居た。 川に溺れ、溺死した文が居た。俺は哨戒任務の真っ最中だった。

 

鬼達に虐待され、凌辱され、蹂躙された文が居た。

天魔の指示で俺は動けていなかった。

 

「文・・文・・文・・。 俺の所為で・・・」

 

何度も文が目の前で死んだ。 むせるほどの血の匂い・・氷よりもさらに冷たく、

重たくなった身体、深い絶望を灯した瞳・・・

 

全てが、はっきりと思い出せる。

叫び声も・・怯えも、苦しみも。。 助けを求めて俺を呼んだ声も・・・

だから、もう見たくな・・(ドスッ・・

 

「え・・? ごふっ・・」

 

死んでいたはずの文が起き上がり・・ 俺の腹に短刀を突き立てた。

良く研がれ、妖力を込めたその冷たい刃は容易に俺の腹に致命傷を与えた。。

・・・でも、救われた。

 

「がっ・・ごふっ。。 文・・生きてたんだな・・。。」(ぎゅうっ・・・

 

腹の痛みなんて、辛くない・・

あの絶望は・・文が死ぬ場面はもう見なくて済む。。。

救われ・・・「汚いです。」(ガッ!

 

「あがっ・・・」(どさっ・・・

 

 

「さっさと死んでくださいよ・・。 子供なんて作るつもりじゃなかった。

天魔さまに一目おかれてる彼方の妻であった事実が有れば良いのです。 私の本当に

愛してる方はこの方なんですからっ❤  この方に私の全てを捧げるんです。

全てを愛していただくんです。 ・・・だから、さっさと死ね!(ガッ! ガッ!」

 

あああああああああ”””!!!!!!! 

 

俺の身体に何本も短刀が刺さる・・ 何本も。

そして、もはや文に俺への気持ちは無く・・・刺しては傷口ごと踏みにじっていく

 

だが、俺はきっと文の気持ちに答えられないのだろう。

『死』とはパンドラの箱が生み出した絶望で有り希望だ。 死とは何にでも平等で

恐ろしく・・優しい。

 

「あああああああ”” !!!!」

 

死ねば、想い人とはそれきりだ。 だが死ねば、現世の苦しみからは逃れられる。

死者に痛みは無く、苦しみは無く、流す涙と血は無い。

それはパンドラの箱によって生まれ・・パンドラの箱の中には死は無い。

この痛みは永遠に続く。 想い人に刺され、踏みにじられ。。

 

もうすでに好意は消え失せている事実に、涙があふれ。

 

「ああああああああ!!!!!!!!!!!!!」

 

圧倒的な痛みに書きかえられる。

 

笑いながら、さっさと息絶えてほしそうに・・・

何本も刺しては踏みにじる。。  ・・・・気がつけば文は居なくなっていた。

 

「あ。。。 文・・・ 俺・・は。。」

 

「双覇・・・ 双覇・・! ・・・双覇!!!! 私は此処に居ます!

貴方はきっと戻ってくる! だから待って・・ま・・」

 

考えることをやめようとしたその瞬間に。

真後ろから声がした。 振り向いても誰も居なくただの闇が広がっていたが・・・

でも間違い無く聞こえた。。 アレは・・・

 

文、氷柱、祥磨、さつき、霊夢、魔理沙・・・・大切な仲間達。

その声に・・・俺は気付いた。

 

自分の中の、自分にとっての一番の希望に。。

 

「俺は、独りじゃない。 どんな場所に居たって独りじゃない。

隣には居られなくても俺たちは繋がっている・・俺の結びは俺たちの繋がりには、

距離も世界の隔たりも関係ない。」

 

俺が皆を想えば、きっと皆も俺を想ってくれるんだ。。

だから俺は強くなれる。 独りじゃないから。

 

俺達の力ならきっと、どんな絶望だろうと跳ね飛ばして進める。 先に!

 

「スペルカード宣言。 『希望』結ばれる未来」

 

皆・・・ 俺が、この試練から戻るまで幻想郷を・・

皆が一緒に居られる場所を頼んだぞ!

 

 

・・・・<双覇サイドアウト>・・・・

 

 

 

 

 

・・・<幻想郷サイド>・・・

 

「双覇っ!!! 待ってます・・! ずっとずっと・・貴方は、

きっと戻ってくるから!」

 

パンドラの箱を取り囲むように、人間。妖怪。神。亡霊。

白雲とかかわった全ての者たちが集う。 もちろん中心は鴉天狗の少女。

 

「残念だけどー。。 その英雄は箱に眠ったままだ。

君たちは英雄に守ってもらえず、僕たちの手によって無残に・・・死ぬ!

行けっ・・忘却の悪魔たち。 恨みある生者を蹂躙しろ!」

 

 

「がぁ。。 がぁぁぁぁぁぁぁぁぁ”!!!!!!」

 

幻想郷上空。。 忽然とソラが現れる・・忘却の悪魔という黒いもやが具現化したような怪物を引き連れて。

 

「・・・お兄ちゃんは帰ってくるよ。 お前なんかに負けるかぁっ!!!

ぎゅっとしてぇぇ・・・ドカンッ!!!」

 

「がぁぁぁぁ”!!!」(ダンっ!!

 

「嘘・・・ きゃあああああ!」

 

フランドールの破壊も通じず、その剛爪がフランドールの華奢な体を引き裂く・・・

その瞬間・・!

 

「私の大切なフランを・・怖がらせるなぁっ!!!!!」

 

肩を少し過ぎるくらいに整えられた紫がかった青色の髪、紅い瞳に蝙蝠の翼。

背丈は咲夜に少し劣るほど・・。 だがそのプロポーションに見惚れぬ男は存在しないと言えるほどに美しく・・・ 両の爪は肉を裂き、その犬歯は血液を吸いつくす。

 

悪魔を殺すは。。 レミリア・スカーレット ・・・今、この時 3000歳




引き続き、双覇の絶望。

皆さまはどう受け止めるでしょうか。。
この程度では絶望しないという方も居るのでしょうかね・・・
ちなみに作者は愛する人が傍に居てくれない、あるいは失うのは。

寂しくて、辛くて、孤独で。 生きて居たく無くなります。

みなさんの絶望は。 そして『希望』はなんでしょう?
次回からは、ソラVS幻想郷の全面戦争と行きますか!!

それでは、次回の投稿も!
「ゆっくり待っていてねっ!」

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