東方双雲録   作:天白雲

103 / 114
はいっ! 89話です。

サブタイの話数で100話ぴったりの完結を目指しておりますので、
あと・・・10話ほどですか。 そんなにさいごまで見たいと言う方がはたして
居らっしゃるか・・w

それでは! 今回は5480字です。

「今回もゆっくりしていってねっ!!!」


第89話-異変終結? ~亡霊少女と死の桜~

「くっ・・・氷柱を先には行かせたけど。。

ちょっと後れちまった・・」

 

昔からこういう時に無駄に余裕を見せちまうから、文や氷柱や祥磨に

怒られるんだよな~。。。

 

「はぁっ! はぁっ! ・・・・みんな、大丈夫か!?

ってこれは・・・どうなって。。」

 

階段を駆け上がり・・祥磨や魔理沙氷柱が居るはずの庭にたどり着いた

でも・・・

 

「何で皆倒れてるんだ・・・まさか!」

 

 

「ぐっ・・うぅ・・・

ご主人様! この亡霊・・明らかにおかしい! これほどまでの妖力。

いくら身体があると言っても幽霊に持てる限界を越えておる!! はっ・・

 

がぁっ!!!」

 

アレは・・・幽々子?

いや。。 普通の状態の幽々子が『九尾』の氷柱と対等に戦えるわけない・・・・

となると。。。

 

「・・・予想通り。 だけど出来れば外れててほしかったぜ。。

早すぎる。。 どうしてもうあの化け物の力がたまりきってるんだ・・・・」

 

俺の目の前にそびえている巨大な桜は、すでにその枝の一つ一つに

この地全てを覆わんばかりに満開の花を開かせていた。。

 

「くっ・・うぅぅ・・・・

やはり異常じゃ・・このままでは・・・九尾でももたぬ・・・・。。」

 

幽々子の力じゃ・・氷柱をここまで苦戦させるのは無理だ。

本気だしな・・・あの妖力。。。

 

 

「氷柱! 契約解放だ・・

すぐにこっちに! そいつはもう幽々子じゃない・・・ただの化け物。。

そこの桜の妖力に呑まれた・・・・ただの『西行妖』だ!!」

 

俺一人じゃ無理だし・・・

この弾幕の量・・氷柱の力が無いとまともに存在もできない。

全ての弾幕に『死』が込められてるんだから掠ることすら許されない・・

 

「りょ・・・了解じゃ。。

正直、わしのみではもたぬ・・すぐにわしの力を!

『焼却』!」

 

炎狐王の力で弾幕を消し去りつつ、雹桜となってこちらに来る。。

 

「よしっ!(ガシャっ  それじゃあ・・・また力借りるぜ氷柱。

『契約解放』全狐神 氷柱・・」

 

・・・なんか変な気分だな。 

狼天狗だったはずなのに、妖狐の神になるってのは。。。

金色の毛に10本の尾・・頭には狐耳か。

 

強力な契約解放を行う時・・俺はその力を出し切るために何度か種族が変わってる。

 

「ふぅ、今回は・・妖狐である氷柱の力だから『狐変化』か。。

こうコロコロと自分の存在が変わると、どれが本当の『我』かわからなくなるな。」

 

どうして狐になるとこんなに自尊心があふれるんだろうな・・

まぁ・・これも心地いいが。。

 

「ふむ。 亡霊の娘にとてつもない妖力を持った大樹・・・

確かに我もいささか本気でいかねばなるまい。。 消滅させん程度にな。」

 

やっぱり・・契約解放にも相性が有るんだろうか。

氷柱とはもうだいぶ馴染んでるからかすごく心地良い。。。

なんだろ・・・ベタな表現で表すなら

 

「今の我に・・出来ぬ事など無いな。

さぁ、見たところマズイのはあの大樹だな・・お前はそこで跪いていろ亡霊の娘。」

 

暗いオーラに、表情の無い顔・・・

『死』そのものをまきちらし襲いかかってくる幽々子(西行妖)。。。

 

だから、弾幕は燃やして本体を凍てつかせて動きを封じる。

 

「・・・・・・(ぐっ・・ぐっ・・・」

 

 

「・・・諦めておけ化け物。

その凍結は物質を凍らせたわけではないのだ。 その空間自体の凍結は

誰にも破れない。(すたすた・・」

 

何度か身じろぎしてるが、そもそも破る気もあんまりないのか全く激しくは動いてない

 

 

「さぁて・・じゃあ、やりあうとしようか。

久方ぶりだな『西行妖』。 数千年前までの我だと思うなよ。。(ゴォォッ!」

 

振り下ろされる細い枝(サイズ的には十分巨大だが。)を、

妖力と一緒に体から放出した熱で炭化させる。

 

「・・・終わりなのか?

ならば・・その鬱陶しい枝の全てを焼き尽くし・・・・

存在を凍結させてやろう。 我直々にな。」

 

氷柱の能力を刀に結びつける。。

 

「我が刃に顕現せよ。 『焦土』と『冷獄』

祖の力を『斬り結べ』・・」

 

引き抜いた二本の愛刀。

『結月』は刀身が黒く俺の左腕にも伝わるほどに強烈な熱気を放ち、

『雹桜』は青みが増し、冷気を放っている。

 

「これで準備完了だ。 さぁ待たせたな・・

それじゃあ行くz(パァン!!!」

 

(ご主人様! ・・・・ご主人様!!)

 

余裕ぶっこいてる俺に、西行妖の容赦ないツッコミ(さっきの比じゃない枝)

が振り下ろされ氷柱が叫ぶ。。 全く・・無事ですか?ってか? 可愛いなぁ。。

 

さて、こんな風に思考出来てるんだおわかりだろう。

 

「ふむっ・・やはり、余裕の表情で受けきることは難しそうだ。。。

だがまぁ今の我には効かぬ!(ギリリッ!!!」

 

振り下ろされた枝は、二本の刀で受け止めた。

足は地面にめり込んで腕の筋肉もかなり無理させてる・・(文と一緒に鍛えといて良かった。。)

 

「ふっ・・ご自慢の強靭な枝もやはり植物だな。

このままでは触れてる場所から焼滅するか凍結するぞ? くっ!?・・ぐうっ!

うぅぅ・・・!!!」

 

押し切る気か・・・?

あの化け物がどこから力を出してるのか解らないからまだ膂力があるかどうかも

解らない・・・・押し負けっ・・

 

「て・・たまるかぁぁぁ!!!!

龍と狼よ・・・我の妖力を喰らいその力解放せよ!!」

 

握る手の先から、自分の力がどんどん持ってかれてるのがわかる。。

それと同時にそれぞれの刀の特性もガンガン強化される。

 

「はぁっ・・はぁっ・・」

 

俺を潰そうとしていた10数本の枝のうち半分は、炭となって崩れ

もう半分は凍りついて動かなくなった。

 

ここまでは計算通り。 全力の俺と氷柱なら出来るって確信はあった・・・が

 

「まずいな。 我としたことが・・・(ズキッ!!!

ぐっ・・このままじゃ消し去る前に我の両腕が使い物にならなくなるかもな。。」

 

力が上がる分。 両刀は両刃を帯びる。。。

つまり、使用者の俺自身の手も熱と冷気にやられそうになっている。。

 

「獣妖怪の超回復と言えども、傷は一瞬では無くならない。

スタミナ切れは避けなければ・・・使うか。」

 

この二本の愛刀同様に、最も信頼できるものを使おう。

 

「流石に手数が足りないのでな。 悪く思うな。

『妖技』惑わし分身狐。 それに我が神器の力で武装する・・・

『神術』千狐兵隊 少しの間頼んだぞ!」

 

印を結び、舞い散る花弁を片っ端から狐分身に変え

無制限に現れる輪廻によって武装。。 その間に多重結界を張り消耗した体力を

回復させる・・・

 

「はぁっはぁっ。。 ぐっ・・・やはりそう簡単には行かぬか。

あの葉狐たちでは数が居ても長くは持たない。。」

 

だが、俺一人だとしのぎ切れないだろう。。。

俺にひけをとらない強さのやつがもう一人必要・・・って。。 あ。

 

「そういえば。。 祥磨も居るんだよな・・

あやつならば我に付いてこれるはず。 となれば・・・探すしかあるまい。」

 

結界解除・・・最高火力で熱を放出!

 

「ぐっ・・・あ・・ちぃ・・(ふらっ

祥磨~! どこだ! どこに居やがる・・こんなとこで死ぬたまじゃねえだろ!!」

 

やっぱり、この力は自傷の力だな。。。

んっ・・この感じ。 近くに・・・っ! まずい・・・・

 

「アァァァァァァァァァァァ””!!!!!!!」

 

西行妖が激昂しながらその枝をこちらに向かって叩きつけてくる。

しかも・・・何本かを束にして。

 

「この・・人ならざる化け物のくせにいっちょまえに学習しおってからに。。

確かにこの束ねた枝ならば燃やしつくす前に首をふっ飛ばされ死ぬ。 だが・・・

残念だがこっちはすでに補足済みだ。 ・・・・誰よりも信用できる『親友』を。」

 

能力を発動し見つけた霊力の地点まで、距離を結びその場から消える。

 

(ドゴォォォォォォォ!!!!!!!!)

 

 

「ぐっ・・衝撃がこっちまで。。  祥磨。 いけるよな?」

 

祥磨は、どうやら気絶しちまった魔理沙の奴を逃がしていたらしい・・

本来の歴史と違い正史よりも強くなっていたがそれでも幽々子を倒すので精いっぱい

西行妖。。。EXですら生ぬるい化け物にはなにも出来なかったとか。

 

「・・・はぁ。。 無茶な要求してくれるよな・・

なんだアレに勝つ手段があるのか? フュージョンでも試すか?・・というか何だ?その(スーパー)○○人! みたいなの。」

 

ふむ・・『ドラ○ンボール』のアレか。。。

今は、一刻を争うし試したこと無いから出来るかもわからないが試してみたいな。

・・・今は金髪でボサボサの髪が少し逆立ってる様に見えなくもないかもしれないが

全く違うけど。

 

 

「くく・・やってみても良いかもな。

『祥磨と双覇で『祥覇』か? それとも『双覇と祥磨で『双磨』か。。

ま・・今は我が力を溜め切るまで面倒な枝をなんとかしてほしいだけだ。」

 

『だけ』と言っても、それがとんでもない鬼畜難易度のことだが。

 

「あぁ・・解った。 俺は魔理沙(こいつ)を守るために戦う。

 

・・・力。 貸せよな。 親友。(すっ」

 

 

霊力と魔力を放出させつつ、こちらに握り拳を向けてくる。

 

 

「あぁ! ラストは任せとけ。。。 それじゃあ・・・頼んだ!(がっ ばっ!!」

 

拳をぶつけあった瞬間を合図に、若干祥磨を先に。

二人で西行妖に向かっていく。

 

「さぁ・・・始めよう。 二人で・・確実に勝つ。(す・・・」

 

目を閉じ、引き抜いた二本の刃に意識を向ける。

ぶつけてやる。俺と氷柱の持てるすべての『焔』と『氷』そして・・・力を!

 

頼んだぜ祥磨。 この技は・・時間がかかり過ぎる。

 

 

 

 

・・・・(双覇サイドアウト)・・・・

 

 

 

・・・・(祥磨サイド)・・・・

 

 

「・・・ったく。。 こんなバカでかい妖力の真ん前でよくもあそこまで

落ち着いてられるな。」

 

今のあいつの性格は、『高慢』であり『傲慢』だったか?

まさか契約解放による性格変化がプラスに働くとはな。。。。

 

「ガァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!!!!!!!」

『消し去ってやる! この世全てを死へと歩ませてやる・・この女と共に!』

 

 

「うるせぇな・・ でけぇ図体しやがって。。。

先ずは俺一人くらい殺してみろよ! ・・・・・・準備は済んでる。

 

これなら。 いける!『光符』ホープスパーク!!!」

 

いつかの金髪の少女がやったみたいに、霊力でコーティングした掌の先に

魔法陣を展開・・・種をまき、育て、大樹として扱うのが俺の戦い方・・・・・

そしてなにも無い場所から己の全力をかけて大樹を生み出すのが『彼女達』の戦い方

 

親友と力を合わせた俺は・・・大樹を・・量産する!

 

「グゥゥゥゥ! ギィィィィィィィィィィィィィィィィ!!!!」

『コレでどうだぁっ! 消えされ!!!!』

 

 

「なるほど、流石に束ねる枝を増やされたんじゃ手が追いつかないな。

でもま。 なら『俺を増やすさ。』」

 

皆は、表裏一体って知ってるか?

この世界の物全てには表と裏の二面性がある。 今の俺を光としよう。

ホープ。 希望の光を使う魔法使い。

 

そんな俺に。 裏が有ったら・・・どうなると思う?

 

 

「「答えはこうなる。」」

 

ホープスパークの光を浴びせられながらも押してきてる枝。。。

それを真横から切断する『黒い魔力』

 

「・・・なにがなんだかわからねぇって顔してんなぁ西行妖。

俺は、そこでちんたら生半可な攻撃してるやつの裏だ。 詳しくは・・・後で。

ま・・お前は聞けるかわかんねぇけど(笑) 

 

・・・この程度で消えんなよ? 『闇符』ディスペアスパーク。」

 

本人が言ったようにこいつの説明は後でするが。

とりあえず、今・・・俺は『二人』居る。 まぁ例によって能力だけどな。

 

「ガァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!! ギィィィィ!!!」

 

どうやら、『希望』の俺と『絶望』の俺・・

二人の俺でなら止めるくらいのことはできるみたいだな・・・ん? ッ!!!!??

 

「・・・ふっはははは。。 何だこの力。。。

双覇の奴、コレをやるために俺に時間稼ぎさせてるってのか・・

俺に掠りでもしたら死ぬぞ。。。(ゾクゾクッ!!!」

 

いや・・・・この力全部刀に纏わせ集束されてる。。

アレを叩きこむのか。 存在を保てる奴なんて居るのか?

 

「「あいつの切り札。十分に理解した・・・なら!足止め死ぬ気で遂行してやらぁッ!!!!」」

 

もう・・・10分も持たないけどな。 後は頼むぜ双覇・・

 

 

 

・・・・・(祥磨サイドアウト)・・・・・

 

 

 

 

・・・・(双覇サイド)・・・・

 

「・・・・・・・・・・(すっ。。。」

 

・・・そうだ。 思いだしてきたこの感じ。

『仲間』を『友』を『人』を『妖怪』を『家族』を・・・・『文』を。。

 

守りたいものを全て守るための力・・不可能を可能にする力。

 

「怖がってちゃだめだ。 これが失敗すれば皆終わる・・・けど!

我に失敗はない・・我ならばどんな不可能も可能になる。 逆境も追い風になる。

 

『結月龍爪』『雹桜狼牙』・・・結神の御魂において命ずる。 一つとなれ。」

 

青白き氷獣の刃と灼熱の繋がりの刃。。

一方ずつでは限界が有った。 ならば・・・・それすらも無くして見せる。

 

 

「・・・ふぅ。。 フュージョンよりもよっぽど制限のある力だな。

行くぞ・・『神器』結天浮雲太刀(ゆいそらうきぐものたち)・・・・・・

 

我が友・・瞬よ。 また使わせてもらうぞ『神技』焔凍ノ結(えんとうのゆい)

 

・・・こちらの行動にもきちんと気を配りすでに回避行動をとってる祥磨。

助かる。。 別のことに力を回せる余裕はない。

 

一つになった刃を焔が舞い、氷結が走る。

火の玉と雪の結晶を螺旋状に纏った刃は峰から腹は純白に輝き・・刃には

血にも似た黒色がわかる。

 

矛盾の・・・この世にはあり得ない力の塊を西行妖にぶつける!

 

「はぁぁぁぁぁぁぁぁ! 西行妖ーーー!・・・消え去ってしまえ!!!」

 

 

死の力を纏わせた、極太の枝を幾重にも重ねたもので

最後の抵抗を図る・・・だが触れた瞬間からその枝は凍りながら燃える。 あるいは

燃えながら凍る。 そうして・・どんどんとボロボロになっていく。

 

 

「消えろ・・・届けぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ザンッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・その瞬間。 途方もないほどに巨大な妖樹が倒れた。




どうだったでしょうか?

玄武さん。 奥義・・・せっかくなので決め技に使わせてもらっちゃいました。
頂けた技は嬉しくて基本的に使ってしまうので、やめて!とかあったらお願いします
(もちろん、読者の皆さま全てにも該当します皆様の考えた技使わせてみたいです!よろしければですが。)

なんか、ついドラゴンボールの話もぶっこんじゃいました。
双覇と祥磨のフュージョン(もちろんその他の組み合わせも)見たい方居ましたら
言ってください。 がんばらせますw

それでは!
「次回投稿もゆっくり待っていてねっ!!!」

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。