姫島家に居候している束と紫にであい、ひょんなことから興味を持たれた夏。だが、その直後朱乃に巨大なクレーターを作ってしまったことによる制裁を受け、動けないでいると束が何もない所から杖のようなものを取り出し、質問すると、着物を着た中年が話しかけてきた
「おっちゃん誰?」
「お、おっちゃん!?坊主!俺の何処がオッチャンだ!!」
夏の問いに中年が驚くと
「諦めろアザゼル。子供から見れば俺達はおっちゃんだ。寧ろ、じいさんと呼ばれないだけ良いと思え」
「父様!」
「ただいま朱乃」
中年の隣にいたいかつい中年もとい、バラキエルは駆け寄ってきた朱乃を抱き上げた
「あ、バラキエルのおっちゃん」
「久しぶりだな夏。それと、朱乃は絶対にわた・・・あた!?」
「まだそんなこと言うのですか貴方?子供の幸せを思うのが親の務めだとこの間言いましたよね?」
「だ、だが父親として娘をそう簡単に嫁に出すわけには」
「これ以上とやかくうならお仕置きですよ?」
笑っているのに怖い朱璃の笑顔を見たバラキエルは顔を青くした
「おーおー、相変わらず尻に敷かれてるな」
その状況をアザゼルは表情一つ変えないで見ていると、視線を夏に移した
「んで?坊主は何時まで地面に寝っころがってんだ?」
「起き上がりたくても、朱乃ちゃんの電撃の痺れのせいでまだ起き上がれないんだよ」
「いや、普通の人間は加減してるとは言え堕天使の一撃を受けたら死ぬぞ?」
「夏君は前に父様の攻撃を喰らってもピンピンしてましたよ」
「何!?バラキエルの攻撃を喰らって生きてただと!?」
朱乃の発言にアザゼルは驚愕すると同時に疑問を感じた
「(バラキエルの一撃を受けてピンピンしてる奴が何で今動けないんだ?)」
「何時間も連続で電撃受けてれば痺れもするわ」
「普通は感電死するからな?ってか、人の心の内を読むな」
「ねぇ、ねぇ、さっき言った神器って何?」
すると、今まで黙って話を聞いていた束が尋ねてきた。序に言うといつの間にか夏の頭を紫と一緒に膝の上に乗せていた
「おっとそうだった!いいか神器って言うのわな」
~アザゼル説明中~
「つまり神器って言うのは神様が作った不思議な力ってことだね」
「っま、簡単に言うとそうだな。嬢ちゃんはいつから神器を出せるようになったんだ?」
「う~~~ん半年ぐらい前かな?そのせいで親からは更に気味悪がれてここに連れてこられた」
「まぁ、何も知らない一般人が見ればそう思うのも無理ないな。俺もまだ見たことのない種類だな。形状からして魔法関係に精通してそうだな」
アザゼルは束の持つ杖をまじまじと見て自身の思ったことを口にする
「じっくりと調べたい所だが、今俺の興味は坊主なんだよな」
「俺?何で?」
「堕天使の放つ電撃を数時間喰らって痺れただけで済まし、幹部で俺の共であるダチの攻撃を喰らってピンピンしてる。興味を持たない筈がないだろう?出来れば本部に連れて行ってじっくりと調べたい所だが、俺の後ろにいる怖~~い悪魔が許してくれそうにないからな」
「当たり前です」
「グレイフィア!?」
聞き覚えのある声に夏は声を上げる
「帰りが余りにも遅いので来てみればまさか、堕天使のトップのアザゼルがいるとは」
「そりゃあこっちの台詞だぜ。バラキエルからの話を聞いて半信半疑だったが3人の最強女性悪魔の一人が人間に仕えてるだなんてよ。一体どんな心境だよ?」
「貴方には関係ない事です。もし夏様を連れて行くと言うのであれば容赦なく倒しますよ」
「おー怖。安心しな連れて行きゃしねぇよ。バラキエルの妻を怒らせてああなりたくないからな」
アザゼルは体中を叩かれ高揚しているバラキエルを見て苦い表情をする
「・・・随分と変わった趣味のある人、堕天使ですね」
「やるなら人の居ない所でやれっての」
身内の見られたくないところを見られてアザゼルは胃が痛く感じた
「夏様、ハッピーそろそろお夕食の時間なので帰りましょう」
「もうそんな時間なんだね。夏動けそう?」
「・・・まだ無理」
ハッピーの問いに少し考えた後答える
「では、転移魔法で帰ることにしましょう」
グレイフィアが転移魔法を用意すると
「あ、グレイフィアさん。申し訳ないけど朱乃とそこにいる二人もそちらの夕食に加えてくれないかしら?こっちはまだ終わりそうにないから」
バラキエルを叩くのを止めた朱璃がグレイフィアにお願いする
「解りました。では、帰りましょう」
そう言うと、グレイフィアは夏、ハッピー、朱乃、束、紫を連れて家へと帰って行った
「・・・俺も帰るか」
一人残されたアザゼルはこの場に居てもしょうがないと感じ、バラキエルに一言入れた後、漆黒の翼を広げてこの町の拠点へと帰って行った