10分間のチート   作:reiz0

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 一年と四ヶ月、ずっとサボってましたごめんなさい。
 試合とかどう書けば良いのかわからないな、とか、原作の流れ覚えてないな、とか思っていたらいつの間にか(一周回って)夏来てました。
 バスケ詳しい方とか、黒子のバスケの二次創作書いてる方とか、アドバイスあったらお願いします、どうかお願いします。
(タイトル縛り、無理あったと思ったので諦めました)







海常戦 Ⅰ

 

「あーあ、零途っち戻っちゃったスか」

 

 残念そうに頭をかく黄瀬。ハッキリと言えば、黄瀬が誠凛との試合を楽しみにしていたのは、零途が居たから、という理由が大きい。その零途が試合が始まりすぐに下がってしまったのだから、黄瀬が残念がるのに無理はない。

 しかし。

 

「そんな気抜いてて大丈夫かよ」

 

 それを許さない男が一人いた。言わずもかな、火神である。

 

「あいつが居なくても、俺が楽しませてやるよ」

「……へえ」

 

 黄瀬が味方からのパスを受け取り、ドリブルを始める。

 

「前にやった時は、零途っちが帰ってきたからすぐにやめちゃったッスけど……今回はたっぷりと時間あるッスから」

 

 不敵に笑いながら。

 

「精々楽しませてくださいッス!」

 そう言って、一瞬で火神を抜き去った。抜かれた火神が驚いたような声を上げながら、黄瀬を追いかける。

 

(クソッ、気は抜いてなかった筈なのにッ……)

 

 警戒していた。十年に一度と呼ばれるほどの才能、キセキの世代と呼ばれるほどの実力。黄瀬が秘めていた能力に、十分警戒していた筈なのに。黄瀬は、それをあっさりと追い抜いた。

 黄瀬はそのまま他の敵も抜き去ると、そのままダンクを決めた。

 

「俺、コピーばっかり注目されるッスけど……そのコピーが出来るのは、そのポテンシャルがあるからって事を忘れないで欲しいッスね」

 

 誠凛高校で火神と1on1をした際も、黄瀬は火神の動きを一度見ただけで真似して見せた。理由は、単純。それだけのポテンシャル、少なくとも火神と同等かそれ以上の実力があったから。

 

「ったく、キセキの世代ってのはこうも面倒なのかよ」

 

 まだ二度目ではあるが、確かに感じたキセキの世代の実力。

 

「……面白え」

 

 火神は、楽しそうに口角を上げた。

 

 くだらないと思っていた日本のバスケ。けれど、これと同等かそれ以上の実力を持つ人間が、あと四人もいる。それに加えて、今まで出会ってきた人間とは明らかに別格の実力を持つ、零途の存在。

 

(意外と良いもんだな、日本のバスケってのも)

 

 そんな事を思いながら、火神は味方からのボールを受け取り、敵側のゴールへと走って行った。

 

 

 

ーーーーー

 

 

 

 試合は進み第二クォーター。誠凛は、未だに勝つ為の方法を見いだせずにいた。

 まだ第一クォーターでは黒子が居たためマシだったが、黒子が下がった今、黄瀬と対峙できるほどの実力を持つのは、実質火神のみ。

 

 味方からのパスを受け、日向が3Pシュートを撃つ。それが入り、今度は海常側の攻撃。

 敵キャプテンの笠松が伊月を抜き去り、そのボールを黄瀬にパス。そしてボールを受け取ると、必然的に対峙する、黄瀬と火神。

 

「黒子っちも零途っちも居ない。この状況で、なんか策はあるんスか?」

 

「まあとりあえず、てめえを止めりゃ勝機はあるだろうな」

 

「なるほど、まあそうッスね!!」

 

 挑発的に言う火神に、黄瀬は口角を上げながら、火神を抜き去る。

 

 火神は今、黄瀬を止められていない。食らいついてはいるが、どうしても黄瀬を完全には止められない。しかし、火神も黄瀬を抜けないわけではないため、点の取り合い合戦になっている。

 しかし、厄介なのは黄瀬だけではない。

 

「随分と盛り上がってんな」

 

 ボールを突きながら、笠松が言う。

 海常高校は、キセキの世代の一人を手に入れた。しかし、黄瀬に任せきりな訳ではない。海常高校は、強豪校の内の一つ。黄瀬以外のメンバーも、十分な実力を持っている。

 

「こりゃ先輩として負けられねーな!」

 

 笠松が対峙していた伊月を抜き去り、そのままダンク。

 

「ナイスッスよキャプテン」

 

「おう」

 

「この調子で頑張ってくださいッス」

 

「言われなくてもするっつの」

 

 二十七対三十三。

 第二クォーターが始まり三分。まだ対して差が開いているわけではないが、それでもゆっくりと、確実に。点差は、徐々に開いて来ていた。

 

 

 

 


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