試合とかどう書けば良いのかわからないな、とか、原作の流れ覚えてないな、とか思っていたらいつの間にか(一周回って)夏来てました。
バスケ詳しい方とか、黒子のバスケの二次創作書いてる方とか、アドバイスあったらお願いします、どうかお願いします。
(タイトル縛り、無理あったと思ったので諦めました)
「あーあ、零途っち戻っちゃったスか」
残念そうに頭をかく黄瀬。ハッキリと言えば、黄瀬が誠凛との試合を楽しみにしていたのは、零途が居たから、という理由が大きい。その零途が試合が始まりすぐに下がってしまったのだから、黄瀬が残念がるのに無理はない。
しかし。
「そんな気抜いてて大丈夫かよ」
それを許さない男が一人いた。言わずもかな、火神である。
「あいつが居なくても、俺が楽しませてやるよ」
「……へえ」
黄瀬が味方からのパスを受け取り、ドリブルを始める。
「前にやった時は、零途っちが帰ってきたからすぐにやめちゃったッスけど……今回はたっぷりと時間あるッスから」
不敵に笑いながら。
「精々楽しませてくださいッス!」
そう言って、一瞬で火神を抜き去った。抜かれた火神が驚いたような声を上げながら、黄瀬を追いかける。
(クソッ、気は抜いてなかった筈なのにッ……)
警戒していた。十年に一度と呼ばれるほどの才能、キセキの世代と呼ばれるほどの実力。黄瀬が秘めていた能力に、十分警戒していた筈なのに。黄瀬は、それをあっさりと追い抜いた。
黄瀬はそのまま他の敵も抜き去ると、そのままダンクを決めた。
「俺、コピーばっかり注目されるッスけど……そのコピーが出来るのは、そのポテンシャルがあるからって事を忘れないで欲しいッスね」
誠凛高校で火神と1on1をした際も、黄瀬は火神の動きを一度見ただけで真似して見せた。理由は、単純。それだけのポテンシャル、少なくとも火神と同等かそれ以上の実力があったから。
「ったく、キセキの世代ってのはこうも面倒なのかよ」
まだ二度目ではあるが、確かに感じたキセキの世代の実力。
「……面白え」
火神は、楽しそうに口角を上げた。
くだらないと思っていた日本のバスケ。けれど、これと同等かそれ以上の実力を持つ人間が、あと四人もいる。それに加えて、今まで出会ってきた人間とは明らかに別格の実力を持つ、零途の存在。
(意外と良いもんだな、日本のバスケってのも)
そんな事を思いながら、火神は味方からのボールを受け取り、敵側のゴールへと走って行った。
ーーーーー
試合は進み第二クォーター。誠凛は、未だに勝つ為の方法を見いだせずにいた。
まだ第一クォーターでは黒子が居たためマシだったが、黒子が下がった今、黄瀬と対峙できるほどの実力を持つのは、実質火神のみ。
味方からのパスを受け、日向が3Pシュートを撃つ。それが入り、今度は海常側の攻撃。
敵キャプテンの笠松が伊月を抜き去り、そのボールを黄瀬にパス。そしてボールを受け取ると、必然的に対峙する、黄瀬と火神。
「黒子っちも零途っちも居ない。この状況で、なんか策はあるんスか?」
「まあとりあえず、てめえを止めりゃ勝機はあるだろうな」
「なるほど、まあそうッスね!!」
挑発的に言う火神に、黄瀬は口角を上げながら、火神を抜き去る。
火神は今、黄瀬を止められていない。食らいついてはいるが、どうしても黄瀬を完全には止められない。しかし、火神も黄瀬を抜けないわけではないため、点の取り合い合戦になっている。
しかし、厄介なのは黄瀬だけではない。
「随分と盛り上がってんな」
ボールを突きながら、笠松が言う。
海常高校は、キセキの世代の一人を手に入れた。しかし、黄瀬に任せきりな訳ではない。海常高校は、強豪校の内の一つ。黄瀬以外のメンバーも、十分な実力を持っている。
「こりゃ先輩として負けられねーな!」
笠松が対峙していた伊月を抜き去り、そのままダンク。
「ナイスッスよキャプテン」
「おう」
「この調子で頑張ってくださいッス」
「言われなくてもするっつの」
二十七対三十三。
第二クォーターが始まり三分。まだ対して差が開いているわけではないが、それでもゆっくりと、確実に。点差は、徐々に開いて来ていた。