Fate/eternal rising [another saga]   作:Gヘッド

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最ッ高の時間よ

 走れ、走れ、走れ、走れ、死にたくなければ走れ—————

 

 バーサーカーの本能がそう告げていた。幾千もの死地をくぐり抜けてきた彼だからこそ本能的にこの危機に気づけた。

 

 真っ黒に焼けた土と灰に覆われた山をフルスピードで駆け下りる。急斜面でも足の運びを止めることなく、ただ必死に逃げていた。

 

「ぅぉおおっ‼︎ひゃぁッ‼︎怖い!怖い!怖い!やっぱり下ろせっ!下ろせってぇ〜‼︎」

 

 バーサーカーの脇に抱えられている達斗は小さな体をジタバタと揺らす。時速六十キロほどの速さで山を駆け下りているのだから、ショボいジェットコースターほどなのに、泣きべそをかきながら叫んでいる。

 

 もちろん、達斗の泣き言はバーサーカーには一切理解できない。とりあえず彼は元マスターの言うことに従うよりも自分がしたいことを専決する。

 

 だが、時すでに遅し。彼の本能がもうダメだと鐘を鳴らしている。何かこの山でヤバいことが起こるのだと、もう手遅れなのだと言っている。

 

「■■■■■■■————‼︎‼︎」

 

 バーサーカーは吼えた。これ以上とない危機の事態。こんな事態、いつもなら自分一人だから少しの無茶しても全然平気だった。だけど、今は無理なのだ。

 

 達斗を見る。彼は次々に訪れるチンサムに絶叫しかしていない。

 

 こんな少年を守らねばならないのだから。

 

 たった一ヶ月の関係、心を通わせることができた時間は僅か十数分、これからは多分もう一生会わないであろうこの少年を全力で守りたいと思える。

 

 自分を友と呼んでくれたこの少年を。

 

 聖杯なぞもうどうでもよかった。

 

 誰にでもくれてやる。それぐらいの思いである。

 

 彼はあと少ししかこの世界にいられないだろう。あと少ししかこの少年といられないだろう。

 

 残念である。この少年ともっとずっといたかった。いっぱい話したかった。まだ笑いあってもないから笑いあいたい。そしたら、もっともっと仲良くなる。

 

 こんな少年とこんなにも一緒にいたいと感じるのは思いもよらなかった。

 

 ああ、もっともっと、続け————

 

 時間がない。そう考えた彼は膝をぐっと曲げた。腰を深くまで落とし、足の指を焼土にめり込ませる。そして精一杯、筋力だけが取り柄のバーサーカーの本気を出して膝を伸ばし、飛んだ。冬の夜空めがけて、星々に届くように。

 

「■■■■■■■■■■ー‼︎」

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ‼︎バカやろおぉぉぉォォォォォッ‼︎」

 

 ————最ッ高の時間よ。

 

 バーサーカーは満面の笑顔だった。腹の底からこのおかしくて、憎らしいほど輝いて見える世界が綺麗だと思えた。かつて絶望した世界がこんなにも美しいものだと気づいた。

 

 達斗はバーサーカーを見て、ふっと笑った。

 

「何、涙流しながら大笑いしてんだよ。フハハッ、ダサい顔」

 

 かつて暗い霧が立ち込めていた彼らの世界は、今目の前に広がる景色のように希望のある光をポツポツと灯していた。眼前の星々のように。

 

 バーサーカーが達斗を抱えて空に飛んでから二秒後、赤日山が爆発した。鼓膜を破ってしまいそうなほどの轟音が身体を揺らす。山の中枢が爆弾のようなもので吹き飛んだ。山はほぼ半壊、真ん中から上が火山の噴火のように吹き飛び、瓦礫は大小問わず宙を舞い、岩なだれが起きた。

 

 空を飛んでいるバーサーカーたちは何とかギリギリ山の爆発の巻き添えを喰らわずに済んだ。

 

 しかし、安心はまだ早い。彼らの命を狙う者はアサシン一人ではないのだ。

 

「へぇ、直感であの爆発から逃げる……か。僕が大事なもの色々と捨てた意味がなくなっちゃったなぁ〜」

 

 セイギだ。彼はこの山の爆発の実行犯である。彼はアサシンにこう言われた。

 

「もしかしたら私、あの姿に戻っても負けちゃうかもしれない。だからさ、その時のためにこの山を爆発しておいてくれない?」

 

 その時のあまりに突然の言葉にセイギは唖然。令呪一画を使っても倒せないと言われて、その次には魔術師にとって大事な魔術工房を破壊しろと言うのだ。

 

「いや、流石にそれは……」

 

 セイギは反論する。しかし、その反論も長くは続かなかった。

 

「大丈夫、バーサーカーは倒せるから。勝てるよ」

 

 新手の宣伝商法のように勝てるという言葉だけで彼女はセイギにそうさせようとしていた。セイギはその言葉が気に食わなかった。だが、そうするしかなかった。例え泥舟でも乗りかかってしまったからには渡らなければならない。

 

 セイギは空を飛ぶバーサーカーたちに向かって右腕を突き伸ばした。左手を右肩に添え、反動に備える。

 

「勝てる……か。確かにバーサーカーには勝てただろうけど、僕的には色々と負けなんだよ。魔術師としても、男としても」

 

 彼はぐっと力強く目を見開いた。その視線の先の敵もセイギに気づいて攻撃を受ける構えをとろうとする。

 

 しかし、遅い。セイギの身体の魔術回路はフル稼動して魔力はグツグツと煮えたぎっている。アサシンたちの猛追も詰めにきていた。

 

「僕だけ損だなんて。そんなこと、はいそうですか、で了承すると思う?きっちりと君たちも失いな。傷の舐め合いは付き合ってあげるからさ」

 

「■■■■■■■‼︎」

 

 セイギの右手の先に超高密度の魔力球が現れる。さらにその球体にこれでもかというくらい魔力を詰め込み、巨大な球体となった。セイギの魔力を全て詰め込んだ、彼の魔術師としての力の全てがそこにあった。

 

「これが魔術師、伊場正義の本気だァッ!————魔白の砕星砲(ホウリィ・エンド)‼︎」

 

 彼は球体の中にある魔力をビーム状にして放出させる。一筋の眩く大きな閃光はバーサーカーさえも覆い尽くしてしまった。

 

「■■■……■■■■ッッ‼︎」

 

 目をくらますほど強い光を放っていた太い線は冬の夜空へ消えてゆく。そして、黒い巨人がぐったりと力なく真っ逆さまに地へと叩き落とされた。

 

 地に落ちた巨人の脇の中には達斗がいた。彼は達斗を地面の衝撃から守っていた。達斗はバーサーカーの腕の中から這い出ると、大ダメージを負っているバーサーカーを見た。

 

「……おい、バーサーカー。お前、何で、そんなこと……。最後の令呪、無駄になっちゃうだろっ⁉︎」

 

 達斗は悔しそうに拳を握った。小さな手だ。何も救えない小さな手だった。

 

 バーサーカーはセイギの攻撃を受けた時、身体を燃やさなかった。つまり、魔力を焼かなかったのである。確かにあの魔力量は通常の比ではなく、例え魔力を焼くことのできるバーサーカーだとしても少しはダメージを与えることができた。しかし、それくらいでは倒せない。

 

 だが、達斗の目の前にいるバーサーカーはやられたのだ。それは何故か。

 

 それは、達斗を守ったのだ。彼が自身の体を燃やせば、彼と接している達斗の身体は灰と骨と化してしまう。だから、しなかったのだ。自分が大ダメージを負うとしても。

 

 バーサーカーは小さな唸り声をあげる。起き上がろうとするが、うまく身体が動かない。

 

 そんなバーサーカーに近寄ってくるセイギ。彼もまた残りの魔力は僅か。さっきの一撃に全てを注ぎ込みすぎたせいか、あと一回くらいしかバーサーカーを殺せるくらいの攻撃はできない。

 

 そんな彼にとってこの事態は確実に仕留められる絶好のチャンス。見逃すわけはなかった。

 

「味気ない最期。それで僕は良いと思うよ。バーサーカー、君は十分、一等星のように輝いた。最後に言い残したいことは何かあるかい?」

 

 セイギは優しい顔を向ける。それと相反するように彼の右腕は無慈悲に彼の命を奪おうとしていた。彼の身体中の魔力が右腕に装填されてゆく。次の一撃に賭けていた。

 

 バーサーカーは最期かと悟ると、壊れかけの身体に鞭を打ち無理矢理立ち上がった。それは寝そべったまま終わるということを許さない巨人族の矜持なのだろう。

 

「素晴らしい。本当、君みたいなサーヴァントが仲間だったら、ある意味では僕はこんな辛い思い絶対してないし、本当、英霊としての鑑だよ。尊敬するよ」

 

 セイギは右腕の指先に神経を集中させる。魔力球が指先に現れた。

 

 その時である。急に達斗がバーサーカーの目の前に立った。両手を大の字に広げ、バーサーカーを守ろうとしていた。

 

「—————やめろォ!バーサーカーを撃つなッ‼︎」

 

 小さな身体が巨躯を覆い隠そうとしている。しかし、達斗の身長はバーサーカーの腹のあたりほどまでしか到達しておらず、胸の中の心臓を撃とうとしていたセイギには無意味な障害でしかなかった。

 

 だけど、彼の眼は訴えかけてくる。殺すなと、トドメを撃つ必要はもうないと。

 

 もうバーサーカーは魔力の限界にきていた。当然である。ただでさえ魔力消費が激しいバーサーカーがずっと供給なしでこの世に存在しているのだから。

 

「こいつを撃つ必要はないだろッ⁉︎だって、こいつはもう……」

 

 言葉が続かない。自分の彼への優しさが逆に彼の敗北を招いてしまったのだから。あの時、最後の令呪を使わなければ良かったと悔やみながら、それでも今を受け入れてその上で彼を守ろうとしている。口にはできなくとも彼のバーサーカーへの思いはただのマスターとサーヴァントの関係ではないことを示す。

 

 だが、セイギは右腕を降ろそうとはしない。

 

「撃たなくとも死ぬ?そんなこと知っているよ。それでも僕はやり遂げる義務がある。アサシンのマスターだからね」

 

「何なんだよ、聖杯戦争がそんなに大事かよ⁉︎魔術師であり続けろって言うのか⁉︎」

 

「そうだよ。だから、僕たちはここにいる。この夜の街に居続ける資格はその魔術師であり続けること。敵の命を奪うこと」

 

 セイギは正しいことを言っている。彼は魔術師だから。この聖杯戦争には魔術師しか参加できず、よって魔術師のみの魔術師らしい行動が厳守される。

 

 魔術師であるということは人を捨てるということ。ゆえに、人らしい優しさなどは必要などない。

 

「だから、僕はこの腕を下げることは……」

「じゃあ、お前はあのアサシンってやつを簡単に殺すことできるのかよ⁉︎」

 

 達斗はセイギに大声で尋ねる。怒りの感情を露わにした少年。彼の問いにセイギは何も答えられなかった。

 

 ただ、一言だけしか口から出なかった。

 

「それができたら、僕はこんな苦しい思いをしてないよ」

 

 侘しい笑顔を向ける。無理矢理顔の筋肉を使って笑顔を作ってはいるが、心は一切笑っていなかった。その笑顔を見てしまうと、達斗はそれ以上何も言えない。

 

「できるのなら、僕はみんなで仲良くしたいんだ。だけど、魔術師だから、この聖杯戦争に参加したからこうしないとならない。それに、英霊はもうこの世にはいない存在なんだ。バーサーカーもアサシンも。だから、ここにいてはいけない。殺さなければならないんだよ。嫌でもね。それが義務であり、意味だ」

 

 達斗は悔しかった。ここで自分たちは終わりなのかと実感し、あまりにも短い距離しか歩いていないことに悲しみを抱く。

 

 分かっている。バーサーカーは過去の存在であり、達斗とは本来一緒にいてはいけないということも。だから、この別れはいつか必ず来ることであって、今がその時だと理解してしまった。

 

 二人で歩んだ一ヶ月間の道のり、心を通じあわせた時間はその中のほんの僅かな時間。もっと時間があればもっともっと仲良くなれたかもしれない。

 

 一人ぼっちの自分を見つけてくれたバーサーカー。会えないとなると、ふと目頭が熱く感じてしまった。

 

 悲しみにくれる達斗。そんな彼を見兼ねて、バーサーカーはポンと彼の小さな頭の上に手のひらを置く。彼の大きな皮の厚い手のひらは岩のようにゴツゴツしていて、重かった。そして、ちょっとあったかかった。

 

 バーサーカーは達斗より前に立つ。さぁ、殺せとでも言うように勇ましい巨人の最期の姿だった。

 

 セイギは右腕に神経を注ぐ。バーサーカーの潔い男らしさに尊敬を評してその最後に相応しい攻撃をあびせようとしていた。

 

 だが、ふと考えてしまった。今、自分がしようとしていることにだ。セイギは今、目の前にいる巨人を殺そうとしている。

 

 思えば、まだ誰も殺したことはなかった。聖杯戦争の参加者であり、ここまで生き残ってきてはいるのだが、彼はまだ手を汚してなどいない。殺すということは全てアサシンに任せていたからか、こう自らが自らの手で殺すとなるとどうも何段階か上らねばならないのだ。それに覚悟や勇気が必要で……。

 

 まぁ、一言で言ってしまえば、少しビビっていた。

 

「……ッ」

 

 いや、少しどころではない。かなりビビっている。人を殺すことに。

 

 おかしいと彼自身感じていた。この聖杯戦争は自分の意思で参加したいと思って参加したのだ。その時に人を殺すことの覚悟は決めたはずだ。なのに、なぜ怖いのか。

 

 それはきっと、セイギが魔術師らしくなくなったから。魔術師らしくなくなったから、人を殺せなくなった。アサシンと、ヨウと、セイバーと、みんなといたから彼の魔術師らしさはとうに薄れていた。

 

 セイギはフッと笑った。それは自分に対する嘲りである。男らしさを見せているバーサーカーの期待に応えられずにいる自分のみじめな姿を笑ったのだ。

 

 彼は一人ぼっちでは殺せない魔術師になっていた。

 

「へぇ、殺せないねぇ〜。なら、私が殺してもいいのかしら?」

 

 聞き覚えのある声。大人の女性を印象付ける色気が混じった声に思わずセイギは「えっ?」と反応した。

 

 だが、その場にいた三人は何が何だか分からなかった。はっきりとその声は彼らの耳に届いてはいたが、頭が理解しなかった。だって、その声がするはずがないのだ。

 

 それは死んだはずアサシンの声だった。

 

 その瞬間、バーサーカーの首の後ろに何か黒い影が飛び込んで行く姿が見えた。ほんの一瞬、わずかゼロコンマ数秒の出来事だった。

 

「————セイギ、あなたに殺しはまだ早すぎるわ。殺しは私の特権よ」

 

 黒い影はギラリとした鈍い光をバーサーカーの首を横切るように動かした。

 

「私はやっぱり暗殺(これ)よね。だって、私、アサシンだもの————」

 

 左の口元をきゅっとあげた彼女。艶かしい肌は月の光に照らされ、短い髪はふわりと揺れて、一際輝く目は宝石のよう。

 

 その瞬きにすらならない刹那の中にいた彼女がセイギの目に焼き付いた。暗殺者としての彼女は彼にとってあまりにも鮮烈で、美しすぎた。彼は呆然とただ彼女の姿を捉えていた。生きていたという喜びの事実に驚愕しながら。

 

 彼女は肘を曲げ、細い腕を風を追い越すように振った。手に持っていたヒビの入った鎌がぐっとバーサーカーの首に傷口を創り、そしてその傷口に沿うように割いていった。

 

 バーサーカーはちらりと最期に達斗の顔を見ようと視線を下げた。ぐっと視線を下げてようやく見つけた彼のマスターは小さな子供だった。だが、それでも彼の心の中の不完全燃焼のモヤモヤが達斗によって晴らされた。

 

 バーサーカーは笑った。アサシンに首を切られているというのに、彼はこの最期に笑みを浮かべた。なぜならこの終わりは彼にとって最高の戦いだったのだ。

 

 そりゃ、もう彼にとって天上天下、二度と来ることがないだろう至極心踊る戦いだった。

 

 友と呼んでくれた。こんな小さな子供にだ。だが、その一言は彼の最大の栄誉ある言葉だった。

 

 視界から達斗の姿が消えた。ゆっくりと見える景色が回転しながら、星空を映し出す。

 

 彼の最期の景色は温かく包み込むかのような満点の星空だった。

 

 

 

 ——————ありがとう、達斗よ。




バーサーカー、脱落でございます。最期はアサシンにスッと首を切られて。

そこで何となく気づきましたが、アサシンの詳しい紹介はまだでした。

ですので、アサシンの詳しい紹介をしたいと思います。



アサシン
パラメーター:筋力D・耐久C・敏捷B・魔力B+・幸運E・宝具B(魔力がB+なのは魔術師の娘だから)
スキル:気配遮断B・肉体改造A・無辜の怪物D(このせいで獣耳がある)・魔性の女A
容姿のモデル: 『ワンパンマン』のフブキ
特技: どんなことでもエロに繋げることができる
天敵: アーチャー・キャスターのマスター・ライダー
身長: 171センチ
体重: 未詳。スリムな体型なのに、異常なほど重い(彼女の身体は金属の機械仕掛けだから)。
スリーサイズ: 90・59・85
好きなもの: エロ
嫌いなもの: 差別、自分
座右の銘: 人の命って儚いの
髪型: そんなに長くない。肩にかかるぐらい。髪の色は特に規定なし。ただ、彼女の設定上のある理由により、色や雰囲気などがその場その場によって多少変わる(吸精魔な彼女は他者の精を吸い生きるため、吸った相手の影響が少し出る。髪型が変わるのもその影響である)
目の色: 黒
スタイル: エロスティックなお姉さん。いつも着ている服がピチピチ過ぎて、結構胸の方が主張されている。正直言って、めちゃくちゃエロい。
身体的特徴: 魔力不足の時、身体の皮が剥がれ落ちることがある。相手に自らの魔力を流し、相手の傷を癒すなどの芸当を持つ。吸血種であり、本当は死体である。つまり、サーヴァントは死んでいながらも一時的に生き還させられた存在だが、彼女は死んでいながらも死んだ状態で生き還させられた存在(←まぁ、めんどくさい)
性格: 本作のエロ要員。というより、性のことに関する知識が作中でダントツトップ独走中!優しいお姉さんで、エロい。交わり(エロ)に関する抵抗が一切ない。しかし、たまに暗殺者としての残忍性を見せつける。

宝具
自我を押し殺して(プロテクティブ・カラー)
ランク:C
種別:対人宝具
レンジ:0
最大補足:1人
アサシンの宝具。彼女の身体そのものが宝具である。この宝具は相手から奪った魔力を無限に蓄えることができる宝具である。つまり、言うなれば無限に溜まるバッテリー。しかし、彼女はそもそも存在自体が死者(ゾンビホムンクルス)なので、自ら魔力を製造することはできず誰かから魔力を得なければならない。サーヴァントという常に魔力を使い続けるという性格上、100の魔力を奪っても実質的に自由に使えるのは50ほどの魔力しかない。それでも、しっかりと貯めていけば、神の魔力をも超えることは可能。
またこの宝具は相手に蓄えた魔力を安全に流すこともできる。個々の独特なクセのある魔力を純粋な何色にも染まっていない魔力に変換し、誰もが使えるような魔力に変える。ヨウの腹の傷を直したり、誰かにアサシンのクラススキルを付与させることができるのもこの宝具のおかげ。
セイギは事あるごとに彼女とキスをしてしっかりと貯めていた模様。ちなみに、今現在はセイギの全魔力の10倍ほど。まだまだである。
セイギの令呪により、この宝具の真の姿が解放された。それは彼女の身体に搭載された殺人の機能をフルに稼働させる人殺しマシーン。醜い化け物へと変貌する。
この宝具はバーサーカーによって、ほぼ全壊となっている。

精気強奪の鎖鎌(スナッチ・フォース)
ランク:B+
種別:対人宝具
レンジ:1〜30
最大補足:2人
アサシンのもう一つの宝具。彼女がよく手にしている鎌がそれである。この鎌はよく彼女が殺しで用いていた鎌である。
この宝具は敵に与えたダメージ分、敵の魔力がこの鎌を流れて彼女の自我を押し殺して(プロテクティブ・カラー)に流れるという仕組みである。100の体力がある敵に10のダメージを与えれば、敵の魔力の一割を強制的に奪えるというものである。

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