「これで……満足したぜ」
↑モチベーション消滅の瞬間
元々この小説は、本編に対する不満やイライラを物語にしただけだったのです。
本編の遊矢が立ち直った今、モチベーションを維持するのは難しい。途中で失踪するくらいなら、多少強引でもキリがいいこのタイミングで終わらせるべきだと考えました。
↓はメモ書きです。
「……やっぱり凄い。この人達、全員がフレンドシップ・カップの参加者なのね」
熱気に塗れた人混みの中で、柊柚子は呟いた。
ライディング・デュエル用のコースには色とりどりのD・ホイールがずらっと並び、D・ホイーラー達はというと、バトル・シティ開幕までの時間を各々自由に過ごしていた。
といっても全く緩やかな雰囲気ではなく、ガラの悪そうな連中があちこちでメンチを切っている。
「なんとなく分かってはいたけど、舞網チャンピオン・シップとは別物ね。全体的にピリピリしてる……?」
「そうだな。もしかしたらライディング・デュエルとアクション・デュエルの違いが、こういうところにも出てるのかもな」
遊矢は自分のD・ホイールを触りながら、軽くイメージする。
デュエルで皆を笑顔にする。言葉にすると簡単に聞こえるが、実際は尋常ならざる難易度だ。ただ強いだけではいけない。勝つだけでは達成できない。いやそもそも、この次元の
何しろ遊矢自身、ライディング・デュエルは初心者だ。同じような参加者は数多くいるが、この大会にはジャックとの対戦目当てで参加したベテランD・ホイーラーも紛れ込んでいる。
「ライディング・デュエル……かぁ」
対して柚子は、桃色のD・ホイールを不安そうに撫でる。彼女にはライディング・デュエルの経験が一切ない。この次元に迷い込んでからは遊矢そっくりの人物“ユーゴ”と行動を共にしていたが、彼女自身がライディング・デュエルをすることはなかった。つまり、ぶっつけ本番でやるしかないということだ。
遊矢は思い出す。この次元に来たばかりの自分達を。
全ては“不動遊星”がきっかけだった。彼と出会ったおかげで、バラバラだった歯車は少しずつ噛み合い始めた。もし出会っていなかったら、おそらく何もかもが違う結果になっていただろう。もしかしたら柚子の立場に立っていたのは、ほかならぬ遊矢自身だったかもしれないのだ。
「ゆ、遊矢?」
ならばと、遊矢は柚子の手を握る。
そして提案する。不動遊星ほど上手くはいかないだろうが、それでも、少しは安心させられるように。
「柚子。最初のデュエルは俺と一緒にやらないか? その方が経験も積めるし、緊張も少しくらい誤魔化せるだろ?」
「一緒に? 私と遊矢が?」
「ああ。名付けて、“タッグ・ライディング・エンタメ・デュエル”だ。……ちょっと長いかな」
「でも、遊矢だってまだ経験浅いでしょ? 私がいたら足手まといに……」
「その時はその時さ。一定以上の成績を出せば勝ち上がれるんだから、一回くらいは負けても大丈夫だよ」
「そうなの? ……でもこの大会、タッグ・デュエルなんてできるのかな」
「その点は心配いらねーぞ。この大会は比較的自由度が高いからな。タッグは勿論、変則バトル・ロイヤルだってできる」
「?」
柚子の問いに答えたのは別の男だった。
黒いヘルメットを脇に抱え、茶色のライディングスーツ。顔にはイタズラでもされたのか、文字のような、あるいは模様のようなラインがこれでもとか刻まれている。
二人は知っていた。それは“マーカー”と呼ばれる印であり、犯罪者の刻印であることを。不動遊星にもマーカーはあったが、ここまでひどくはなかった。一体何をしたらここまでマーカーまみれになるのかは、この次元の人間でも分からない。
柚子は警戒心をむき出しにして、遊矢の後ろに下がった。
「遊矢、この人……」
「大丈夫だ、柚子」
「え?」
ただ、遊矢は知っていた。
ガレージに飾ってあった一枚の写真。それに不動遊星、ジャック・アトラスと共に写っていた人物であると。
「えっと……もしかして、不動遊星さんと知り合いの方ですか?」
「おお、よく分かったな! 俺は
名前は……榊遊矢だったな。となると、もしかして後ろのが柊柚子か?」
「え? 柚子のこと、知ってるんですか?」
「まあな。事のあらましは遊星から聞いてるぜ。随分と大変だったらしいが……ま、再会できてよかったじゃねえか」
「はい。遊星さんには色々とお世話になりっぱなしです」
「らしいな。ならお礼は、そのD・ホイールとデッキで払ってもらおうか」
「……デュエル、ですか?」
「ああ。折角だ、二人まとめて相手してやるよ」
「え――っ」
通常、デュエルは一対一か二対二で行われる。それはライディング、アクションを問わず同様である。
だからこそ、クロウの発言は二人を驚かせるものだった。一対二では、どうしてもアドバンテージに差が出来てしまう。バトル・ロイヤル形式でもタッグ・フォース形式でも、一人の方が圧倒的に不利なのだ。
「本当にいいんですか?」
「お前ら、どっちもライディング・デュエルは初心者だろ? だったら問題はねえさ。このクロウ様に任せとけ」
「――いいわけないだろ。何言ってんだお前は」
また一人、クロウの後ろから人が駆けつけた。
長身の男だった。寒色系のライディング・スーツを着込み、脇には黄土色のヘルメットを抱えている。
「シンジ。お前もこのエリアに来てたのか」
「偶然だと思うけどな。で、クロウ。お前いきなり浮気か? 一戦目は俺とやるって言ってただろ」
「悪ぃ。けど、エキシビションであんな試合見せられちゃ、今のうちにやるしかねえと思ってな」
「だとしても一対二は無理だ。ルールブック読んでねえのかよ」
「前回の時はできただろ? 乱入にバトル・ロイヤル、なんでもありだったじゃねえか」
「そのシステムだと、徒党を組んで乱入を繰り返せば相手にターンを回さず勝ててしまうからな。それで問題になって、今回は禁止になったんだよ。できるのは通常のライディング・デュエルと、“タッグ・フォース”ルールのデュエルだけ。どうしてもやりたいなら、その辺のセキュリティに申請して許可を貰わないとな」
「はぁ!? マジかよ……どうせ申請なんかしたとこで、許可なんて貰えねえだろうしなぁ」
「……えっと」
クロウとシンジの会話について行けず、遊矢と柚子は沈黙する。
どちらも成り行きで参加することになったため、詳しいルールまでは把握していなかったようだ。
「遊矢、どうする? 一対二は無理だって」
「そうだったのか……じゃあ、仕方ないな」
遊矢は腹を括り、クロウとシンジに向き合った。
柚子を一人にはしておけない。クロウとデュエルする。
これらを同時に満たす方法は一つだけ。遊矢と柚子にとっては無謀極まりない提案だ。クロウ・ホーガンは以前、不動遊星、ジャック・アトラスと同じチームで活躍していた。実力は折り紙つきだ。
それでも、もう一度ジャックとデュエルするためには、避けては通れない壁である。
「クロウさん、シンジさん。俺達とタッグ・デュエルをしましょう」
「えぇ!?」
真っ先に反応したのはクロウでもシンジでもなく、柚子だった。
「ちょっと遊矢。本気なの?」
「ああ。確かに、いきなりこの人達を相手にするのは厳しいと思う。でも、試したいことがあるんだ。そしてそれは、お前とのタッグでしかできない。
……頼む、柚子」
「う……私じゃないと、駄目なの?」
「ああ。他には考えられない」
言動は冗談レベルでぶっ飛んでいたが、遊矢の目は真剣そのものだった。
柚子はその気迫に気圧され、泣く泣く承諾した――してしまった。
クロウは、そんな遊矢を見てほくそ笑む。彼自身、こういう思考をする人間は嫌いではないのだ。
「どうやら冗談で言ってるわけじゃなさそうだな。
遊矢。一応聞いておくが、俺達がどういうチームか知ってて言ってんだよな?」
「知ってるさ。クロウ・ホーガンとシンジ・ウェーバー。世界大会で活躍中のタッグ・チームだ」
「せ、世界大会!?」
再び柚子は驚く。
マーカーだらけのD・ホイーラーは実は大物で、その大物相手に遊矢が喧嘩を売っている……声を荒らげるのも無理はない。
柚子はようやく遊矢の無謀さを理解する。初心者と世界レベルのベテラン。結果は初めから見えているようなものだ。
「そこまで知った上で俺達に挑むと? どう足掻いたところで、大人と子供の遊びにしかならねえと思うが?」
「それはどうかな。デュエルはそんな単純じゃない。少なくとも、俺はそう信じてる」
「――ははっ、違いねえ。そんじゃま、期待させてもらうぜ」
クロウは踵を返し、シンジと共に自分のD・ホイールの場所へ戻っていった。
面白い相手を見つけたと言わんばかりに、笑みを浮かべながら。
――かくして対戦相手は決定した。
榊遊矢、柊柚子と、クロウ・ホーガン、シンジ・ウェーバーによるタッグ・デュエル。
バトル・シティと化したこの街では、シティ全域でライディング・デュエルが行われる。これもまた、数十を超える戦いの一つに過ぎない。
大きな意味を持つか、それとも平凡な一試合として終わるか。全ては彼ら次第である。
◆
以下、メモ。
『バトル・シティ編』
・遊矢・柚子 VS クロウ・シンジ
ルールはタッグ・フォース式(重要)
遊矢・柚子。クロウ・シンジのコンビネーションに追い詰められるも、連続ペンデュラム召喚でなんとか対抗する。
(タッグ・フォース・ルールでは、ペンデュラムスケールは共有する)
ターンは
1.遊矢
2.クロウ
3.柚子
4.シンジ
の順番。
ラストターンで柚子が遊矢の《オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン》をペンデュラム召喚。
遊矢、遊星直伝のライディング・テクニックで
しかし、シンジも同じようにAカードを拾いまくり対抗する。完全にマリ○カート。
ここでクロウが《月影のカルート》で反撃。これで終わりかと思いきや、柚子が“なにか”を発動して攻撃を取り消すorオッドアイズの攻撃力上昇。(“なにか”はご都合Aカード)
柚子「いくわよ遊矢!」
遊矢「あ、ああ!(それ俺のモンスターなんだけど、まあいいか)」
遊矢・柚子「「“螺旋のストライク・バースト”!」」
で今度こそフィニッシュ。遊矢=トマトラル。
勝者は遊矢・柚子。試合後クロウが柚子をからかう。
クロウ「よく考えたら勝てるわけなかったわHAHAHA!」(ハリセン受けながら)
・セレナ VS 炎上ムクロ
融合 VS スピード☆アクセルデッキ
ムクロのデッキは平たく言うなら超速(物理)バーン(カード)SPCデッキ。
炎上ムクロ、SPCをガンガン稼いでヒャッハー!!!!
《融合》、《Sp-スピード・フュージョン》はどちらもSPCが必要。セレナは終始圧倒される。
ラストターンで存分に《融合》を使って一矢報いるが、ムクロのエースに倒され敗北。
勝者は炎上ムクロ。ここでセレナの精神を徹底的に折り、覚醒フラグを立てる。
『オベリスク・フォース襲来』
・大会中に融合次元が侵略してくる。
遊星、大会を辞退して市民を守ることを優先する。
ジャックは頭に血が上り、同じようにキングの座を捨てようとする。
零児 「キング。どちらへ?」
ジャック「キングではない。今のオレはジャック・アトラス。
零児 「しかし今は大会中。貴方がその席を離れれば、問題になると思いますが」
ジャック「知ったことではない。キングの座など欲しければくれてやる。今のオレには、そんなものよりも大事なことがある」
イェーガー「……お待ちください、ジャック・アトラス」
イェーガーに諭され、ジャックは“砦”となる。
市民を会場内に避難させ、その入口をジャックが仁王立ちで守るイメージ。
・遊矢、キレる。覇王化。逆鱗。
当然のように《覇王黒龍オッドアイズ・リベリオン・ドラゴン》(以下オベリオン)でワンターンスリーキルゥ。
そして暴走。オベリスク・フォースを片っ端から殲滅する。
「流石にやりすぎだろ」ということで、
逆鱗遊矢 VS 沢渡・セレナ・柚子
の変則マッチ開始。ターンは三人→遊矢の順。三人は攻撃できないが、遊矢は攻撃できる。
各々エースを召喚するが、初手オベリオンでワンターンスリーキルゥされかける。
途中で遊星乱入。《エフェクト・ヴェーラー》で効果を止める。
以下、華麗なるソリティア↓
《エフェクト・ヴェーラー》の効果発動。
手札4
遊星「俺のターン、ドロー!」
手札5
《ジャンク・シンクロン》召喚、効果で《エフェクト・ヴェーラー》特殊召喚。
手札4
墓地から蘇生したので《ドッペル・ウォリアー》特殊召喚。
手札3
《ドッペル・ウォリアー》に《ジャンク・シンクロン》をチューニング。《アクセル・シンクロン》、ドッペルトークン×2特殊召喚。
手札3
《アクセル・シンクロン》を自分の効果でレベル7に。ドッペルトークンと《アクセル・シンクロン》で《スターダスト・ドラゴン》召喚。
手札3
ドッペルトークンと《エフェクト・ヴェーラー》で《フォーミュラ・シンクロン》特殊召喚。効果でドロー。
手札4
遊星「アクセルシンクロォォォ!!!!」
そしてグォレンダ。ワンターン遊矢キルゥ…。
《Sp-オーバー・ブースト》×2、《Sp-ファイナル・アタック》
プ○シド「馬鹿な! 攻撃力6600の五回連続攻撃だと!?」
ここで遊矢は一旦フェードアウト。ヒーローとヒロインが交代する。
・遊星のガレージ(仮)でランサーズ集合。
柚子が正式にランサーズIN。
セキュリティのおかげで住民の被害は今のところゼロ(ここ重要)
しかしあちこちにオベリスク・フォースがいるので危険。
柚子「避難し遅れた人達を探しに行きましょう!」
というわけでランサーズを分断……ではなく班分け。
柚子・デニス(重要)
権現坂・黒咲
セレナ・沢渡
で別れる。
遊矢「zzz……」
零羅「看病」
零児・月影「情報収集」
・権現坂・黒咲 VS オベリスク(ry
ルールはタッグ・フォ(ry
デッキの相性最悪にも関わらず、安心安定のコンビネーションでオベフォ殲滅。特に山場はない。
・セレナ・沢渡 VS バレット(ここ重要)・オベ(ry
ルールは(ry
沢渡は終始サポートに徹する。
セレナが覚醒する(雑)
勝者、セレナ・沢渡
・柚子・デニス
ユーリと遭遇。バトル・ロイヤル開始。
デニス「なぁwんちゃってwおかしくって腹痛いわぁw」
デニス「楽しかったよ柚子ww君達とのエンタメごっこぉww」
ユーリ・デニス VS 柚子
柚子フルボッコ、そして攫われる。シンクロ次元からオベリスク・フォースが全員撤退する。
→セレナは失敗したが、柚子を攫うことには成功した。
遊矢が起きる。主人公交代。曇る。
市民の被害はゼロ。しかし柚子はいない。
仲間は励まそうとするが耳を貸さない。権現坂でも不可能。
黒咲「おい、デュエルしろよ」
黒咲が遊矢と自然な流れ(?)でデュエル。
黒咲 VS 遊矢
簡単に言うと遊矢イジメフェイズ。
黒咲「ユートは違ったぞ」
黒咲「あいつは瑠璃が攫われても、俺達と一緒に立ち上がった」
黒咲「貴様にそのドラゴンは相応しくない」
黒咲「戦う意思を持たぬというのなら、貴様はここで永遠に這い蹲っていろ!」
度々ユートと比較し、遊矢を挑発し続ける。
遊矢「何度も何度もユートとばかり……他の言葉を知らないのか?」
遊矢「俺はユートじゃない。榊遊矢だ!」
みたいな決め台詞と共に覚醒。BGM:揺れろ、魂のペンデュラム。
当たり前のようにカード創造。《ペンデュラム・コール》で《竜脈の魔術師》、《竜穴の魔術師》をサーチし、Pスケールをセッティング。
オッドアイズPをペンデュラム召喚、以下省略。
フィールドには《オッドアイズ・メテオバースト・ドラゴン》と《竜穴の魔術師》。
遊矢 「――これで、レベル7のモンスターが二体揃った」ゴゴゴ
権現坂「レベル7が二体……まさか!」カンコーン!
権現坂、以前の逆鱗遊矢を思い出す。
権現坂「遊矢!」
遊星 「待て、権現坂」
権現坂「なぜ止める!? このままでは遊矢は――!」
遊星 「いや、あの時とは明らかに違う」
権現坂「なに……?」
遊星 「よく見ておくんだ。これが、遊矢なりの覚悟だ」
遊矢 「俺は、レベル7の《オッドアイズ・メテオバースト・ドラゴン》と《竜穴の魔術師》で、オーバーレイ・ネットワークを構築!」
~構築!まで言ってるのは「これまでとは違う感」を出すための演出。
遊矢、《オッドアイズ・アブソリュート・ドラゴン》を創造(エクシーズ召喚)し、黒咲に勝つ。
最後に柚子を助けることを誓ってエンド。
ここから遊矢は《マスター・オブ・ペンデュラム》のカードも使うようになる。
ユーゴ「……俺は?」
作者 「素で忘れてた」