「
(かんじてきとう)
しようとしたら想像以上に長くなったので分割。
今回は1.5倍くらい、次話は0.5倍くらいだと思います。多分。
そして果てしなく続くランサーズの戦いのロード……ARC-Vキャラ多すぎ。一人で全キャラ書ききれねーヨ。沢渡さんの噛ませ化は必然やったんやなぁ……。
※注意
大量の
本編でも度々使われる超ピンポイント
で、何故イラっとするのか自分なりに考え、解消しようと頑張ってみたのが今回のデュエル。
つまりあれだ。これは遊戯王であって遊戯王ではない。ポケモ○ですよ、○ケモン。
『――エド・フェニックスという男によろしく伝えといてくれ』
結局、男は最後まで名前を明かすことなく消えていった。
素顔も名前も分からない。分かっているのは、あの男が融合次元を裏切ったこと。黒咲と互角以上のデュエルができる実力者であること。そして――“エド・フェニックス”と知り合いであること。
「あーあ、逃がしちゃった。けど、まさかエド・フェニックスを知ってる
仮面の男を追いかけてきた素良は、標的を逃して残念そうにするどころかほっとした様子を見せた。
遊矢はそれを見て首を傾げた。融合次元での評価は知らないが、少なくとも素良の実力はランサーズに加えても遜色ないほど……つまり、スタンダード次元が基準ならトップクラスの実力なのだ。
「なあ素良。そのエドって人、そんなに強いのか?」
「うん、強いも強い。アカデミア時代に戦ったことあるけど、一回も勝てた試しはなかった。卒業してからは一度も会ってないけど、エクシーズ次元侵攻の際は随分活躍したらしいよ。ね、黒咲?」
素良は遊矢の隣にいる黒咲を嘲笑し、黒咲は素良を睨み返した。二人は既にスタンダード次元で二度戦っている。
一度目は公の大会。二度目は邪魔が入った。もしここに遊矢がいなければ三度目のデュエルが開始され、負けたどちらかがカードにされていただろう。
融合とエクシーズ。両者の溝はとてつもなく深い。これを埋めるのは恐ろしく困難だ。
だが、それでも埋めたいと遊矢は思う。デュエルで皆を笑顔にするとはそういうことだからだ。
どうすれば二人は和解できるだろう――そう考え始めたところで、素良は遊矢の方を向いて言った。
「まあいいや。今は黒咲なんてどうでもいい。それより遊矢、僕とデュエルだ」
「……え?」
「何呆けた顔してるのさ。さっき言ったよね? 僕がここまで出向いたのは君とデュエルするためだって」
「……そういえばそうだったな。分かった、やろう」
「待て」
デュエルに向かおうとした遊矢に、黒咲は待ったをかける。
「遊矢。お前が今何をしようとしているのか、分かっているのか?」
「分かってるさ。ただのデュエルだろ?」
「いいや違う。お前がやろうとしているのはただのデュエルではない。
――決闘だ。勝てばいい。だが負ければカードにされる。ヤツがお前に仕掛けてきたのは、スタンダードのようなお遊びのデュエルではない!」
黒咲は自分にも言い聞かせるように遊矢に告げる。このデュエルは遊びではないのだと。
通常のデュエルなら負けても次がある。だが、遊矢が挑もうとしているのはそういったものではない。負ければ次はない、正真正銘全てを賭けたデュエルだ。
「遊矢。お前にヤツを――紫雲院素良をカードにする覚悟はあるのか? 仮にお前がここで勝ったとして、躊躇なくヤツをカードにできるのか?」
「それは――」
遊矢は言葉に詰まる。未だ遊矢にとって素良は“敵”ではなく“友達”だ。
友達をカードにできるのか?
……答えはノーだ。
「……覚悟がないのなら下がれ。俺はヤツに個人的な借りがある。紫雲院素良との因縁はここで断つ」
「それは駄目だ」
黒咲の言葉を、遊矢は強く否定した。
「素良は俺の友達だ。たとえ融合次元の
「フン、実力はあっても所詮はスタンダードか。考えが甘いな。
確かにお前と紫雲院素良は友達なのだろう。だが、だからこそヤツはその関係を壊しに来た」
「な……どうして――?」
「勝てば戦士として勲章を得、負ければ敗残者として前線から去る。お前とデュエルをすれば勝敗に関係なく、紫雲院素良は“榊遊矢の友達”から“融合次元の戦士”へと戻る。そしてヤツ自身もまた、そうなることを望んでここに来た。
お前と紫雲院素良の絆はもう壊すしかない。変わるのは“誰の手で壊すか”、それだけだ。
もう一度訊こう。お前に、友情の絆を断つ覚悟はあるのか?」
「――ない。そんなこと、できるわけないだろう」
「だろうな。だからこそ、代わりに俺が――」
「そうじゃない」
「?」
たとえ何と言われようと、ここを退く気はない――そう言わんばかりの眼差しで、遊矢は黒咲を見つめた。
「俺は、素良との絆を断つつもりはない。もしあいつがそのつもりなら、このデュエルで素良を変えてみせる」
「……チッ」
なんの根拠もなく理想を語る遊矢に、黒咲は苛立たしく舌打ちした。
デュエルで人を変える。なるほどそれは素晴らしい。
だが黒咲からすれば、それは綺麗事だ。デュエルとは戦いであり、勝つか負けるか、消すか消されるかでしかない。
「ジャック・アトラスとのデュエルで少しは成長したと思っていたが、見当違いだったようだな。
空虚な理想ほど脆いものはない。やはり貴様は足手まといだ。ここは既に戦場。敵に止めを刺す覚悟がないのなら、早々に立ち去れ!」
「……何が覚悟だよ。覚悟がないのはそっちだろ!」
「なんだと……!」
「黒咲、お前の言ってることは分かる! 戦場では時に非情に撤しなきゃいけない時もあるって、俺の中のユートが教えてくれた。
だけど、それとこれとは話が違う。素良は敵じゃない、
「仲間――だと?」
遊矢に気圧され、黒咲が一歩下がる。
「ああ、素良は仲間だ。融合とかスタンダードとか、そんなのは関係ない。どんな過去があっても、あいつと過ごした日々は……楽しくデュエルをした日々は本物なんだから。
だから向き合わなくちゃいけない。敵になったから倒す、なんてのはただの逃げだ。
俺は素良とデュエルで向き合って、一対一で話を聞く。あいつに本当の気持ちを吐き出させる」
「……仮にそれが上手くいったとして、ヤツの結論が変わらなかったらどうする」
「そうなったら、デュエルで説得するだけだ」
そう答えた遊矢は、黒咲や素良とは違った目をしていた。
二人にとってデュエルとは決闘であり、目的は相手を倒すこと。融合とエクシーズの違いはあれど、根本の部分にそう大きな違いはない。
しかし、遊矢はその先を見据えていた。
融合・シンクロ・エクシーズ、そしてペンデュラム。デュエルとは戦う相手や舞台など、その時の状況次第で大きく変わるものだ。どんなに強い
そして――勝敗を超えたその先には、きっと笑顔がある。
遊矢は確かな足取りで歩を進め、素良と向き合う。
「待たせたな、素良。さあ、スタンダードでの続きを始めよう」
「待って。デュエルを始める前に、一つだけ条件を出させてもらう」
「条件?」
「そう。僕が勝ったら、君のデッキとデュエルディスクを没収する」
「な――!?」
素良の出した条件は、
デッキの消失。それは即ち、
「どうしてそんなことを?」
「カードにされるよりはマシでしょ?
君はここで一度死ぬ。
「素良……」
「話は終わりだ。僕は本気で行くよ。遊矢、君を全力で叩き潰す」
素良の瞳に真剣みが帯びる。
もはや彼に声は届かない。真意を問いただしたいのなら、デュエルの中で訊くしかないだろう。
――両者は一斉にデュエルディスクを展開する。
一度目は榊遊矢。二度目は中断。此度は三度目。ペンデュラムと融合の戦いの幕が切られた。
「「
◆
素良
LP:4000
遊矢
LP:4000
「僕の先行! 僕は
その効果により、エクストラデッキから《デストーイ・チェーン・シープ》を特殊召喚する!」
素良
LP:4000 → LP:3000
突如、素良のフィールドに融合モンスターが召喚された。
鎖で拘束された羊のぬいぐるみ。キュートとグロテスクをごった煮にしたかのようなモンスターだ。
「融合素材を使わずに融合召喚を……?」
「《
でもまだだ。僕はさらに
手札の《ファーニマル・キャット》、《エッジインプ・シザー》、フィールドの《デストーイ・チェーン・シープ》を融合!
現れ出ちゃえ、全てに牙向く魔境の猛獣! 《デストーイ・サーベル・タイガー》!」
《デストーイ・サーベル・タイガー》
星8/闇属性/悪魔族/攻2400/守2000
融合モンスターを素材に、新たな融合モンスターが誕生した。
巨大な虎のぬいぐるみが無数の剣に貫かれ、口からは
「《デストーイ・サーベル・タイガー》の融合召喚に成功した時、墓地から《デストーイ》モンスターを一体特殊召喚できる!
現れ出ちゃえ、《デストーイ・チェーン・シープ》!」
《デストーイ・チェーン・シープ》
星5/闇属性/悪魔族/攻2000/守2000
モンスター効果により《デストーイ・チェーン・シープ》が復活する。
《デストーイ・サーベル・タイガー》は以前、遊矢とのデュエルでも見せたモンスターである。召喚に手間が掛かるだけあって、能力もまた他の《デストーイ》より一段と強力なのだ。
「《デストーイ・サーベル・タイガー》の効果により、《デストーイ》モンスターの攻撃力は400アップする!」
《デストーイ・サーベル・タイガー》
攻2400 → 攻2800
《デストーイ・チェーン・シープ》
攻2000 → 攻2400
「そして、融合素材となった《ファーニマル・キャット》の効果発動! 自分の墓地から《融合》を一枚選択して手札に戻す!
僕はこれでターンエンド!」
「俺のターン!」
遊矢はドローしたカードを確認する。
――《
素良のフィールドには二体の融合モンスター、そして手札には《融合》。
どうやって切り抜けるか――そう思考する遊矢の視界に、一枚のカードが過ぎる。
「あれは……」
そびえ立つ摩天楼。ビルの群れを貫くコース。人口の森とも言える街の片隅で、一枚のカードを見つけた。
――
「……よし」
天啓に打たれる。榊遊矢のデュエルはかくあるべき、と。
「素良。俺のターンを始める前に、一つだけ質問させてくれ」
「?」
疑問符を浮かべる素良。そんな素良に、遊矢は問いかける。
「素良にとって、デュエルはどういうものなんだ?」
「……どういうものか、だって……?」
今まで問われることがなかった質問に、素良は困惑した。
困惑しつつも、素良は自分の考えを述べる。
「……僕にとって、デュエルは決闘……いいや、狩りだ。片方が片方を倒すこと。蹂躙するか拮抗するかの違いはあっても、争いであるのは間違いない」
「そっか」
素良の答えは遊矢にとって半ば予想通りだった。
融合次元の戦士の模範的回答。おそらくオベリスク・フォースや他の戦士に問いかけても、殆ど同じ答えが返ってくるだろう。
「じゃあこのデュエル、素良はそうしてくれ。素良の全力を以て、榊遊矢というデュエリストを狩ってほしい。
それに俺は、俺のデュエルで応えるよ」
「遊矢のデュエル……?」
遊矢は赤いデュエルディスクを掲げ、世界に宣言するように、腹の底から声を張り上げた。
「アクションフィールド
「な……!?」
遊矢を中心に新たなフィールドが展開される。空中に透明色の足場が出現し、裏面に
スタンダード次元のデュエリストが自分に有利なフィールドを作る。アクションフィールドの使用法としては何も間違っていない。
しかし素良からすれば、遊矢の行動は奇行のように見えた。遊矢は明らかに素良を倒すためではなく、楽しくデュエルをするためにアクション・フィールドを使ったのだから。
「戦いの殿堂に集いしデュエリスト達が、モンスターと共に地を蹴り、宙を舞い、フィールド内を駆け巡る。
その特性上、アクションデュエルは相手を選ぶ。けど、融合次元で訓練を受けた素良なら、上手く活用できると思ったんだ」
「……その言い方だと、僕に
「そ-ゆーこと。早速だけど、まずは俺が
遊矢は先ほど目にした
「俺は
遊矢と素良の間に巨大な地図が出現する。
記されているのは――ネオ童実野シティの地形、二つの三角形、そして点滅する複数の光。三角形は遊矢と素良、光の点は
どれがどんなカードかはまだ分からない。しかし、どこに
「これは……
「フレンドシップカップが始まる時、ネオ童実野シティ全域に
「平等、ねえ……遊矢、それは君の勘違いだ。僕達アカデミアの戦士は、あらゆる状況に対応できるよう訓練を受けている。こんなものを使えば、君が不利になるだけだよ」
「それはどうかな。
――俺は《
遊矢のフィールドに一体のモンスターが召喚される。
黒い衣装を着た金髪の道化師が、アクロバットに宙を舞い着地した。
《
星4/闇属性/魔法使い族/攻1800/守 100
「ドクロバット・ジョーカーのモンスター効果発動! 通常召喚に成功した時、デッキから新たな《
俺が加えるのは――《
ジョーカーは黒いシルクハットを取り、中から三匹のインコを呼び出した。
三匹はバラバラに飛び立った後遊矢の元へ向かい、カードとなってその“手札”に加わる。
「これで準備は整った!
俺はスケール2の《刻剣の魔術師》と、スケール5の《貴竜の魔術師》で、ペンデュラムスケールをセッティング!」
左サイドには黒い衣装、黒い剣を持った少年魔術師。
右サイドには白い衣装、白い杖を持った少女魔術師。
遊矢のデュエルディスクの両サイドにペンデュラムモンスターがセットされ、大きく“PENDULUM”と表示される。
「これでレベル3から4のモンスターが同時に召喚可能!
揺れろ、魂のペンデュラム! 天空に描け、光のアーク!
――ペンデュラム召喚! 来い、俺のモンスター達!」
ペンデュラムとは即ち振り子。
天空に現れた振り子は左右に揺れ動き、時を刻む。光の軌跡が異次元への扉を開き、モンスターが召喚される。
「レベル3! 《
レベル4! 《
《EMインコーラス》
星3/風属性/鳥獣族/攻 500/守 500
《
星4/地属性/植物族/攻 500/守2000
遊矢のフィールドに白・赤・黄、三位一体のインコと、
表示形式はどちらも守備。戦闘破壊されてもダメージは受けないが、素良の《デストーイ》と比較すればステータスは貧弱と言わざるを得ない。よって、どちらも壁としてはその場凌ぎのものでしかない。
しかしラディッシュ・ホースにはモンスター効果が、インコーラスにはアクションデュエルならではの能力がある。
「ここで、ラディッシュ・ホースのモンスター効果発動! 一ターンに一度、相手モンスター一体の攻撃力をラディッシュ・ホースの攻撃力分ダウンさせ、さらにその数値分、自分のモンスターに加える!
俺は《デストーイ・サーベル・タイガー》、《
ラディッシュ・ホースは自分の角を上空に発射した。
角は爆発し、中から無数のトゲが《デストーイ・サーベル・タイガー》に降り注ぐ。ぬいぐるみの四肢が傷つき、《デストーイ・サーベル・タイガー》は苦悶の表情を浮かべた。対してドクロバット・ジョーカーは得意顔だ。
《デストーイ・サーベル・タイガー》
攻2800 → 攻2300
《
攻1800 → 攻2300
「バトルだ! ドクロバット・ジョーカーで《デストーイ・サーベル・タイガー》を攻撃!」
「何っ――?」
二体の攻撃力は並んでいるにも関わらず、遊矢はドクロバット・ジョーカーに攻撃命令を下した。
ジョーカーは迷う素振りを見せることなく、《デストーイ・サーベル・タイガー》目掛けて突進する。
「二体の攻撃力は互角。攻撃してもダメージは通らないよ!」
「それはまだ分からないさ! さあ行け、インコーラス!」
遊矢はもう一体の《
インコーラスは遊矢の元を飛び立ち、四方八方に散っていく。
「――! そうか、そういうことか!」
「気づいたみたいだな。そう、これはアクション・デュエル! カードの力が全てじゃない。
モンスターと一緒に戦うことが、このデュエルの醍醐味ってワケさ!」
遊矢はカードを受け取り、ドクロバット・ジョーカーを対象にそれを発動させる。
「
《
攻2300 → 攻3300
ドクロバット・ジョーカーが《デストーイ・サーベル・タイガー》に強烈なアッパーカットを繰り出した。
その姿はまさに怪人と戦うヒーローそのもの。打撃を受けた《デストーイ・サーベル・タイガー》はよろめき、後退りした。
つまり、破壊されていない。
素良
LP:3000 → LP:2000
「やるね。でも、《デストーイ・サーベル・タイガー》は三体以上を融合素材にした場合、戦闘と効果では破壊されない。僕のモンスターは健在だよ」
「流石は素良、アフターフォローもバッチリだな。俺はカードを一枚伏せて、ターンエンドだ」
遊矢のフィールドに新しくカードが出現し、ターンが終了。ラディッシュ・ホース、
《デストーイ・サーベル・タイガー》
攻2300 → 攻2800
《
攻3300 → 攻1800
「僕のターン! 僕は、《ファーニマル・ドッグ》を召喚!」
天使の翼をつけた犬のぬいぐるみが召喚される。
つぶらな瞳と愛らしいポージング。並び立つ二体の《デストーイ》とは似ても似つかない。
「《ファーニマル・ドッグ》の召喚に成功した時、デッキから《エッジインプ・シザー》を手札に加えることができる。
さらに僕は、再び《融合》を発動!
手札に加えた《エッジインプ・シザー》と、フィールドの《ファーニマル・ドッグ》を融合!
悪魔の爪よ! 猛犬の牙よ! 神秘の渦で1つとなりて、新たな力と姿を見せよ!
――融合召喚! 現れ出ちゃえ、すべてを引き裂く密林の魔獣! 《デストーイ・シザー・タイガー》!」
両手を合わせ、素良は新たな融合モンスターを召喚した。
《デストーイ・サーベル・タイガー》とはまた異なった虎のぬいぐるみが鋏で裂かれ、新たな四肢が再構成された。
《デストーイ・シザー・タイガー》
星6/闇属性/悪魔族/攻1900/守1200
《デストーイ・シザー・タイガー》
攻1900 → 攻2300
「《デストーイ・シザー・タイガー》のモンスター効果発動! 融合召喚に成功した時、融合素材となったモンスターの数だけフィールドのカードを破壊できる!
僕が素材としたのは二体! よって、遊矢のフィールドの《刻剣の魔術師》と
「そうはさせないさ! 頼むぞ、インコーラス!」
遊矢はインコーラスを放ち、もう一度
先ほど発動した《トレジャー・マップ》により、
しかし、
ならば、と素良は《トレジャー・マップ》を睨む。
「……よし、覚えた。こっちだ!」
僅か数秒で、素良は
「俺は
「
「何っ!?」
遊矢が発動した
結果、《デストーイ・シザー・タイガー》の効果は有効。浮上している《刻剣の魔術師》に狂気の鋏が迫る――
「くっ――なら、
互いのペンデュラムゾーンのカードを全て破壊する!」
シザー・タイガーに切られる直前、遊矢の
二体の魔術師が消滅し、両サイドに昇っていた光の柱はガラス片となって砕け散り――
「《揺れる眼差し》は、破壊したペンデュラムカードの枚数によって複数の効果を得る。
一枚以上の場合、相手に500ポイントのダメージを与える!」
そのまま、ガラス片は素良へと襲いかかった。
素良
LP:2000 → LP:1500
「くっ……!」
「《揺れる眼差し》第二の効果! 破壊したカードが二枚以上の場合、デッキからペンデュラムモンスターを一体手札に加える」
遊矢がデッキからペンデュラムモンスターを手札に加えた後、シザー・タイガーが発動後の《揺れる眼差し》を切り裂いた。
発動後の
「けど、《デストーイ・シザー・タイガー》が存在する時、《デストーイ》モンスターは《デストーイ》または《ファーニマル》一体につき、攻撃力が300アップする!」
《デストーイ・チェーン・シープ》
攻2400 → 攻3300
《デストーイ・サーベル・タイガー》
攻2800 → 攻3700
《デストーイ・シザー・タイガー》
攻2300 → 攻3200
「バトルだ! まずは《デストーイ・シザー・タイガー》で、《
「げっ!」
シザー・タイガーがインコーラスを自慢の鋏で一刀両断する。
確かにモンスターは
「これで
素良は暗記した記憶を頼りに
「戦闘破壊されたこの瞬間、インコーラスの効果が発動! デッキからペンデュラムモンスター以外の《
現れろ、ロングフォーン・ブル!」
巨大な受話器の頭に乗せた雄の牛が遊矢のフィールドに現れる。
表示形式はやはり守備。素良の強力なモンスターを前に攻撃表示は許されない。
「ロングフォーン・ブルの特殊召喚に成功した時、デッキからペンデュラムモンスター以外の《
「まだバトルは終わっていないよ! 《デストーイ・サーベル・タイガー》でドクロバット・ジョーカーを、《デストーイ・チェーン・シープ》でラディッシュ・ホースを攻撃!」
巨大な二体の猛攻を受け、ライフが大きく減少する。
遊矢
LP:4000 → LP:2100
だが、まだ終わりではない。
素良の手には、先ほど拾った二枚目の
「さらに
行け、サーベル・タイガー! ロングフォーン・ブルを攻撃!」
「ぐあっ――!」
そう、全滅だ。ペンデュラムゾーン、モンスターゾーン、
「僕はこれでターンエンド。で……早速で悪いけど、僕は
「選ぶ? 探す、の間違いじゃないのか?」
「僕の場合は――いや、僕達の場合は違うんだよね。
遊矢がモンスターを駆使して
つまり同条件でのデュエルなら、
……もう分かったでしょ? スタンダードじゃあ融合には勝てない。君達ランサーズが次元戦争に加わったら、皆カードにされてしまう」
「……ああ、やっぱりそうか」
合点がいった。そう言わんばかりに遊矢は頷く。
「素良は俺のこと、心配してくれてたんだな。融合次元に負けたらカードにされる。だから、その前に俺をスタンダード次元に帰そうとしたのか」
「……まあ、平たく言えばそういうことだね」
「……そっか。ありがとな。
でも、やっぱりそれはできないよ。ランサーズの皆は融合次元と戦う気でいる。それを蚊帳の外から見てるなんて、俺には耐えられない」
「ランサーズのデュエリストは殆どがスタンダード次元出身じゃないか。シンクロやエクシーズが滅んでも、君達にはなんの関係もない。
それにプロフェッサーだって言ってた。スタンダードは敵じゃないって。なのに、どうしてわざわざ戦争に参加するのさ」
「だって。そうしないと、黒咲が突っ走っちゃうだろ?」
「――は?」
驚きのあまり、素良は口に加えた飴を落としそうになった。
“榊遊矢にとって黒咲隼は赤の他人”。その先入観があったからこその驚きだった。
「仮にここでランサーズが解散しても、きっと黒咲は一人で融合次元に立ち向かう。それを見て見ぬ振りはできない。
黒咲だって、俺にとっては仲間――友達なんだから」
「友達……」
「ああ。勿論素良もだ。友達が危険なことをしようとしてるんだから、それを止めるのは当たり前だろ?
それにきっと、この次元戦争は俺と無関係じゃない」
「? どういうこと?」
「なんとなくだけど胸騒ぎがしてるんだ。各次元に俺とそっくりな人物が一人ずついる。そして、次元戦争の開幕を告げるように、俺はペンデュラム召喚に目覚めた。
……まずは次元戦争を止める。その上で俺はきっと、戦争の発端となった人物に会わなきゃいけないんだと思う」
「……そう。どうあっても僕達と関わろうとするんだね。
まあ、分かってはいたけどさ。だったら僕の目的は変わらない。力ずくでスタンダードに送り返してあげるよ――!」
素良は空中の足場へ飛び移り、
「
ネオ童実野シティの地図が砕け散る。これでお互いに、
しかし、これによって影響を受けるのは遊矢のみ。素良は全ての
「さて。これで
「いーや、まだ分からない! お楽しみはこれからだ!
俺のターン、ドロー!」
――そしてまた、新たな扉が開く。
遊矢がドローカードを確認した瞬間、片方の瞳が青くなった。
しかし、それは僅か一瞬の出来事。デュエルを見ている黒咲も、実際に戦っている素良も、遊矢本人すら気づかない極々僅かな変化だった。
「俺は
俺が融合するのは――《覇王黒竜オッドアイズ・リベリオン・ドラゴン》! そして、《オッドアイズ・メテオバースト・ドラゴン》!」
遊矢の背後に巨大な竜が二体出現する。
一体は怒りの眼輝く竜。もう一体は大地を抉る隕石竜。本来なら各々エクシーズ召喚・シンクロ召喚によって召喚されるべきモンスターである。
「リベリオンが融合する、だと――?」
異次元のモンスターが異次元の召喚法で交わることに、見学に徹していた黒咲もまた驚きの声を上げる。
「つまり、シンクロとエクシーズの融合ってこと……!?」
「《オッドアイズ・フュージョン》は相手フィールドにモンスターが二体以上存在し、自分フィールドにモンスターが一体も存在しない時、エクストラデッキの《オッドアイズ》モンスターを素材に融合召喚できるのさ!
さあ行くぞ、オッドアイズ・リベリオン! オッドアイズ・メテオバースト!」
遊矢の掛け声に応え、二体の竜は一つとなる。
神秘の渦で一つとなりて、ここに新たな力を持つ《オッドアイズ》が誕生する。
「二色の眼を持つ竜達よ。今一つとなりて、次元を荒らす旋風となれ!
――融合召喚! いでよ、レベル7! 天候を司る暴風竜! 《オッドアイズ・ボルテックス・ドラゴン》!」
新たな竜の召喚と同時に、遊矢を中心として旋風が吹き荒れた。
その勢いに《デストーイ》達は足止めされ、素良もまた
赤と青、二色の眼。緑色の体色と青い宝玉。背中には四つの翼。
――《オッドアイズ》はついに翼を得、風を纏い、天空へと飛翔する。
《オッドアイズ・ボルテックス・ドラゴン》
星7/風属性/ドラゴン族/攻2500/守3000
「シンクロモンスターとエクシーズモンスターを融合素材に……それも、エクストラデッキから直接……なんて――」
素良は《オッドアイズ・ボルテックス・ドラゴン》を見上げた。
口角が吊り上がる。
「凄いよ遊矢! やっぱり君とのデュエルはいつだってゾクゾクする! ワクワクする! こんなの、今まで見たことないよ!」
素良の顔からは、誰が見ても分かりやすいくらいに期待と興奮が溢れていた。
攻撃力は《デストーイ》達に遠く及ばないが、些細なことだ。シンクロとエクシーズの融合。これで弱いはずがない。
「喜んでもらえたようで何よりだけど……そんな余裕、素良にあるかな? この《オッドアイズ》は少しばかり過激だぞ?」
「構わないよ。むしろどんどん見せてよ。遊矢のデュエルをさ!」
「そっか。なら、遠慮なく行かせてもらう!
《オッドアイズ・ボルテックス・ドラゴン》の効果発動! 特殊召喚に成功した時、相手の攻撃表示モンスターを一体を手札に戻す!
俺は《デストーイ・サーベル・タイガー》を選択! “リバウンド・フォース”!」
竜の咆哮と共に再び旋風が巻き起こる。圧縮された高密度の空気が放たれ、対象に叩きつけられる。ぬいぐるみの身体は四散し、素良のフィールドからサーベル・タイガーが消滅した。
「《デストーイ》モンスターがいなくなったことで、素良のモンスターの攻撃力はダウンする!」
《デストーイ・チェーン・シープ》
攻3300 → 攻2600
《デストーイ・シザー・タイガー》
攻3200 → 攻2500
「くっ……それでも、攻撃力はまだこっちが上だよ!」
「まだまだ、続けて行くぞ! 出ろ、《
遊矢は前のターン、ロングフォーン・ブルの効果で手札に加えた《
シルクハットを被り、蝶ネクタイをした紫のコブラ。頬には大きな星マーク。胴体は鞭のように大きくしなり、尾の部分には革の持ち手があった。
人懐っこい性格らしい。ウィップ・バイパーは召喚されるとすぐさま遊矢の腕にぐるぐる巻き付いた。
《
星4/地属性/爬虫類族/攻1700/守 900
「ウィップ・バイパーは一ターンに一度、モンスター一体の攻撃力と守備力を入れ替えることができる!
これにより、《デストーイ・シザー・タイガー》の攻守を変更する!
行け、ウィップ・バイパー! “
遊矢がシザー・タイガーを指差すと、ウィップ・バイパーはしなる身体を使って意気揚々と飛び出した。
毒攻撃が浴びせられ、シザー・タイガーの能力値が変動する。
《デストーイ・シザー・タイガー》
攻2500 → 攻1200
守1200 → 守2500
攻撃力は一気に1200へとダウン。ウィップ・バイパーでも戦闘破壊可能なほど弱体化した。
「くっ――!」
素良は記憶を頼りに
カードはすぐに見つかった――が、既にシザー・タイガーに接近しているウィップ・バイパーの攻撃は防げない。
「バトルだ! ウィップ・バイパーでシザー・タイガーを攻撃!」
ウィップ・バイパーは身体をバネのように変形させ、《デストーイ・シザー・タイガー》に全力の体当たりをぶちかました。
シザー・タイガーは消滅し、素良のライフが削られる。
素良
LP:1500 → LP:1000
《デストーイ・チェーン・シープ》
攻2600 → 攻2000
「続けて行くぞ! 《オッドアイズ・ボルテックス・ドラゴン》で、《デストーイ・チェーン・シープ》を攻撃!」
「させないよ!
「甘いぞ素良! ここで《オッドアイズ・ボルテックス・ドラゴン》のモンスター効果発動! 一ターンに一度、エクストラデッキから表側表示のペンデュラムモンスターを一体デッキに戻すことで、このカード以外の
俺はエクストラデッキから《貴竜の魔術師》をデッキに戻し、《回避》を無効にする!」
二色の眼が光輝き、刃の如き旋風が放たれる。
素良の発動した
「何っ――!?」
「攻撃は続行だ!
行け、《オッドアイズ・ボルテックス・ドラゴン》! “烈風のスマッシュバースト”!!」
烈風のブレスが《デストーイ・チェーン・シープ》を貫き、素良のライフをさらに削る。
素良
LP:1000 → LP:500
「く……でもここで、《デストーイ・チェーン・シープ》の効果発動! 破壊されたターンに一度、攻撃力を800ポイント上げて墓地から特殊召喚できる!
甦れ、《デストーイ・チェーン・シープ》!」
《デストーイ・チェーン・シープ》
攻2000 → 攻2800
ライフは残り500。しかし、モンスターの全滅はかろうじて避けたらしい。
素良のフィールドには攻撃力2800の融合モンスター一体のみ。攻撃力は《オッドアイズ・ボルテックス・ドラゴン》を上回っているが、遊矢のフィールドには攻撃力と守備力を変更できる《
このデュエルは次のターン、素良のドロー次第と言っても過言ではない。
「……はは。やっぱり遊矢は凄いや。追い詰めたと思ったのに、一ターンでここまで巻き返すなんて」
「デュエルってのは、そういうものだろ? ターンごとに繰り広げられる状況の引っくり返し合い。エンタメであろうとなかろうとこれだけは変わらない。だから、こんなにもデュエルは楽しい」
「楽しい……か」
素良は噛み締めるように呟く。
デュエルは楽しい。そんな当たり前のことを、素良は忘れていた。
無理もないことだ。それはアカデミア、オベリスク・フォースを見ていれば分かる。彼らにとってデュエルとは戦い。純粋にデュエルを楽しむ余地などなかったに違いない。
「……素良。お前、本当は迷ってるんじゃないのか?
自分達のやってることは間違ってるって、どんな目的があっても侵略なんてしちゃいけないって。
そう思ったから、こうして俺とデュエルしに来たんじゃないのか?」
「それは――そうだね、そうかもしれない。僕は迷い始めてる。
今回のシンクロ次元侵略の目的は柚子とセレナを連れ去ることだ。元々融合次元にいたセレナはともかく、スタンダード次元の柚子を攫うのは間違ってると思う。
オベリスク・フォースに関してもそう。少数精鋭で交渉すればいい話なのに、こんな大規模な戦争を起こすのは間違ってる。
でも、それとこれとは関係ない。融合次元が間違ってるからといって、僕が融合次元を裏切る理由にはならないよ」
「どうしてだよ。間違ってるって気づいたなら、それを正すべきだろ?」
「何もかも間違ってるわけじゃないってことさ。
今回のシンクロ次元侵略は間違ってる。でもそれだけなんだ。エクシーズ次元との戦争は間違ってるとは思わない」
素良は自分の言葉を一切疑うことなく、遊矢に向かって宣言した。
「ッ……」
エクシーズ次元との戦争という言葉に、黒咲は顔を歪める。
素良の発言は、融合次元側には戦いを止める気はないという意思を示していたからだ。
「っ……!」
遊矢は苦しげに胸を抑える。
――ユートの魂が震えている。融合次元に対する怒りか、エクシーズ次元を守れなかったことに対する無念か。あるいは両方かもしれない。
確かなことは二つ。この感情の出処は自分ではないこと。そしてそれは、遊矢が思っていたよりも大きいことだ。
「……そういう、ことか」
ユートの想いを感じ取り、遊矢は一人納得する。
以前、心の中のデュエルで見せた強い怒り。トリガーさえあれば覇王黒竜すら操ってみせる強烈な想い。
何故あそこまで強い怒りを感じているのか。そして、どうして黒咲が融合次元に対して苛烈なのか。
「ユートも、黒咲も、素良も。皆、故郷が大切なんだな。俺がスタンダードを大切に思うのと同じってことか」
そもそも怒りとは何故生まれるのか。
愛情があったからだ。愛して愛して愛しているからこそ――それが失われた時、より大きな“怒り”が生まれる。
「君の言う通りさ、遊矢。君達にとっては碌でもない場所でも、僕にとってアカデミアは故郷。そこでできた親友だって、尊敬していた先生だって何人もいた。
でも、エクシーズ次元との戦争が始まってしまった。アカデミアの生徒達も戦線に駆り出され、デュエルディスクを奪ったエクシーズ次元のデュエリスト達にカードにされたんだ」
「当然の結果だな。貴様らは俺達の同胞をカードにした。ならば、相応の報いを受けて然るべきだ」
ありったけの憎しみを込めて、黒咲は素良を睨んだ。
素良は応える。黒咲に負けず劣らずの憎しみを以て。
「あーあ、これだからエクシーズ次元は困るんだよなぁ。そうやって被害者面して自分達を正当化する。ホント、タチが悪いったらないよ」
「何を言い出すかと思えば。事実、俺達は被害者だ。俺達は、お前達にカードにされた仲間の仇を討ったに過ぎん」
「仇討ちか……ねえ黒咲。耳障りのいい言葉で誤魔化すのはもうやめようよ。
確かに僕ら融合次元は、エクシーズ次元のデュエリストを何人もカードにした。でもそれはそっちだって同じさ。
君の言う“仇討ち”が上手くいったおかげで、僕の仲間は皆カードにされたんだ……!」
「っ――」
怒気を含んだ静かな声に黒咲は押し黙る。
黒咲にも覚えがある。エクシーズ次元では融合次元の尖兵を、スタンダード次元ではLDSを何人かカードにした。
素良は融合次元で育った。ならばその中に素良の仲間がいても不思議ではない。
「融合次元とエクシーズ次元の争いはもう止められない。お互いがお互いの大切な存在を奪い続けてるんだから当然だ。たとえプロフェッサーが撤退を命令しても、水面下で戦争は続く。
でも遊矢。逆に言えば君達は関係ないんだ。エクシーズが滅ぼうと融合が滅ぼうと所詮は他所。だから、遊矢は大人しくスタンダードに帰ってよ!」
「断る」
遊矢は頑なに首を横に振る。
当然だろう。事情を知ったからこそ引き下がれない。榊遊矢という男は、そんなどうしようもない場所でこそ輝かなければならない。
「話してくれてありがとな、素良。おかげで覚悟が決まったよ。
俺は、融合もエクシーズも滅ぼさせない。どうにかしてこの二つを和解させてみせる」
「勝手なこと言うなよ。そんなことできるはずがない。
いやそもそも、僕らはそんなこと望んでない! カードにされた仲間の仇を討つ。それが僕らの動力源なんだから!」
「――それは、嘘だ」
「っ……!」
心の底を見抜くような瞳に、素良は狼狽する。
「本当のお前は違う。本当のお前は心の奥底で、この戦争を止めてほしいと思っている。
だからここに来たんだろう。俺が次元戦争に巻き込まれる前に、スタンダードへ逃がすために」
「――――」
「素良、こっちに来るんだ。お前はこの戦争が間違ったものだと知っている。融合次元のデュエリストだけど、ランサーズの一員として次元戦争を止めるために戦える! だから俺達と――」
『乱入ペナルティ、2000ポイント』
「……え?」
――遊矢の説得は、乱入者によってかき消された。
時々細かい所を修正するかもしれませんが、大筋は変わりません。
このままGXの使者に暴れてもらいます(ネタバレ)。
それはそれとして……最近ちょっと“続きが書けない病”を発症してな。更新速度はガッツリ落ちる……どころか更新しないまで有り得る。
よって次回を暫定的な最終回とします(二回目)。