無害な蠱毒のリスタート   作:超高校級の警備員

44 / 86
襲来な嵐山の英雄派

 翌朝、僕は何とか綺麗なまま朝を迎えることができ、誰かに気づかれる前にホテルで分身と入れ替わる。

 

(はぁ~、今でもドキドキが治まりきらないよ……)

 

 昨夜の本気で誘惑する二人、ちょっとでも欲望に耳を貸そうものならズルズルと深みに嵌ってしまいそうな誘い。現代に戻って初めての頃の暴走と違い本当にヤバかったよ。

 今はまだ悪魔とのしがらみも残ってるし、僕自身も気持ちが不確かな状態だ。藻女さんも玉藻ちゃんも身を固めてもいいと思うほど好きだけど、実際するとなるとまた別の問題がある気がするというか……うぅ、もやもやするよ~。そして昨晩のことを思い出すとドキドキするぅ~。

 二人の本気の誘惑を無理やり普段の愛情表現でいなし、それも限界に近づいてきたとき、消灯時間を伝える先生のように現れた蘭さんに促され眠ることに。

 いつの間に戻ってきていたこいしちゃんも入れて、いつも通り変体川の字で少しだけ眠った。短い睡眠時間だったけどこいしちゃんが無意識を操り深い睡眠状態にしてくれたから目覚めはすっきり!

 ……けど、あそこまで好きを行動で示してくれたことは、戸惑ったけどすっごく嬉しかったなぁ。いつの日かその好きに全身全霊でこたえたいな。

 一旦ホテルの部屋に戻ると、同室の細田がちょうど起きた。

 

「ふぁ~ぁ!」

「おはよう」

 

 寝起きの細田にとりあえずおはようと言っておく。細田は大きなあくびをしながらこちらを見た。

 

「おはようさん。……あれ? まだこんな時間かよ。てか、もう着替えてるって早すぎじゃね?」

 

 現在時計は朝の六時を回ったところ。学生にしてみればギリギリ起きてくる時間帯だろう。

 

「ちょっと早く目が覚めちゃって。それで朝の散歩をね」

「早く目が覚めたってまだこんな時間で、ジジイじゃねぇんだから」

「ジジイとは失礼な奴じゃ。まだまだ若いもんには負けんぞ」

「元気なジジイじゃねえか」

 

 朝からキレのいいツッコミだ。ボケた甲斐があったってもんだよ。

 分身からの大雑把な記憶では昨日の夜には細田たちはまた女湯に向かったらしい。しかしまた変態三人組の今度は一誠を以外がシトリー眷属の女子に取り押さえられたのを知る。そこでまた覗きは断念。その代わり、その昨晩は細田の班に僕も加わって男子会をしていた。

 思い返してみるとこういう男子で仲良くおしゃべりするって機会はあんまりなかったな。こっちも楽しい思い出を作ってくれたようだ。

 

 その後、ゆっくりと準備をし朝食を済ませ、時間になると僕たちの班はホテルを出てバスに乗った。

 

「今日も憂世はワクワクガンアゲっすよ! 誇銅ちゃん、今日はどこから行くんっすか」

「銀閣寺ですよ。あと他のお客さんに迷惑になるからあんまり騒がないようにね?」

 

 修学旅行も後半に差し掛かり、加えて朝の元気満タン状態で自分のテンションをイマイチコントロールできてないようだ。

 そんな憂世さんを落ち着かせようとする罪千さんの声が聞こえる。その必要がなければ基本僕の隣にいる罪千さんだが、今日は憂世さんの隣の席に座っている。罪千さん自身がその席を選んだ。

 朝食の時もなんだかいつもより元気がなかったし、何より食後の指舐めの時でさえ元気がなかった。まるで憂世さんに元気を吸い取られたかの……いや、この人は自前で全部補えるだろう。

 それとなんか昨日から徐々に距離を感じるんだよね。一体どうしたんだろうか。僕何かした……?

 一人で悩んでいると後ろの席から憂世さんが体を乗り出して僕に訊く。

 

「ところで今日はこいしちゃんいないんっすか?」

「いるよ~?」

「ギャーッ!?」

 

 憂世さんが僕に訊くと、こいしちゃんが後ろの席からにゅっと顔を出して声をかける。憂世さんはド派手な声を上げて驚く。その声にバス中の人がびっくりした。

 

「いつの間に!? 気配を消して忍び寄る、まるで忍者っすね」

「ドーモ。アツネ=サン。コイシ=です」

「アイエエエ! ニンジャ! ニンジャナンデ!?」

 

 憂世さんのツッコミにノリでボケを入れるこいしちゃん。僕には元ネタがわからないけど何やら通じてるみたいだ。今日も楽しく騒がしい一日になりそうだね。

 

「今日もよろしくね、こいしちゃん」

「うん、まかせて!」

 

 やる気に満ちた顔で言うこいしちゃん。現在京都ではいろいろゴタゴタしてるからすっごく頼もしい。

 

「それじゃぁ今日も目一杯京都を楽しもう! ね、罪千さん」

「へ、あ、はい」

 

 憂世さんばかり盛り上げを任せないで僕も動かないとね。他の乗客に迷惑が掛からない程度に到着時間まで楽しくおしゃべりをする。

 三十分ほどしてバスは目的地へ到着した。

 

「到着っす」

 

 到着したあとは、銀閣寺まで徒歩。こいしちゃんがいるから迷うことは絶対にない。

 そしてついに目的の銀閣寺に到着した。銀閣寺を見て憂世さんが最初に言ったことは。

 

「タッハー! 銀閣寺って名前なのに銀要素ゼロっす!」

 

 爆笑気味に叫ぶ憂世さん。銀閣寺が銀色ではないことは日本人なら誰でも知ってることだけどね。

 

「どこが銀閣なんだって話っすね」

「銀閣寺の本当の名前は確か慈照寺(しょうおんじ)だっけ」

「慈照寺・観音殿だよ。銀箔を張った跡はないし、建立当時から銀箔にするつもりがなかったって言われてる」

「まさかの銀要素一つもナシッ!」

 

 銀閣寺なのに銀要素が皆無なことにまたしてもツッコミを入れる憂世さん。今日も最初っからマックステンションで飛ばしてるね。

 

「そもそも銀閣って名前も後の時代での呼び名で当時はそう呼ばれてなかったんだって。たぶん金閣寺を由来にしてるからだと思うよ」

 

 その辺は曖昧なんだね。妖怪からすれば人間が何を思って違う呼び名を付けたなんて、それが特に重要なことでなければ興味はないか。現代人が建物にあだ名をつけるのと同じようなものだったっぽいね。

 銀閣寺の風流な庭を堪能し、近くのお店を軽く覗き、次の目的地へと向かった。銀閣寺の次と言えば当然金閣寺。

 

 

 

 

「おぉー! 今度はちゃんと金っす!」

 

 金閣寺に着くと開口一番に再び叫ぶ憂世さん。先ほどと少し違い、今度は単純に喜んでるって感じだ。今度は名前に違えず金ピカだからね。

 僕も実物の金閣寺を見て感動している。やっぱり実際に足を運んで感じる感動は圧倒的だね。

 

「金閣寺も銀閣寺みたいに本当の名前ってあるんっすか?」

「うん、鹿苑寺・金閣」

「こっちはちゃんと金閣って名前なんっすね」

 

 だけど本当に綺麗に金色な建物だ。もう何百年も昔に建てられたハズなのにぱっと見それほど老朽が見られない。時間の流れに負けない強さを感じちゃうね。

 

「鹿苑寺は過去に放火で焼失しちゃって立て直されてるんだけどね」

 

 勝ててなかった!? 人の手によって大事に保たれてきのかと想像してたのに違った! 

 

「誇銅ちゃん! 海菜ちゃん! 記念写真撮るっす!」

 

 カメラを取り出しながら憂世さんが言った。一枚目はこいしちゃんにカメラを頼んで学生組だけで撮る。

 金閣寺を背景に場所を移動し並ぶ。その時罪千さんが僕から距離を取ろうとしたので、強引ながらその手を握って無理やり僕の隣に引き寄せた。その際罪千さんは困り顔でもじもじしてたけど、口元が緩んでいたのは見逃してないよ。どうやら不快な思いはさせてなかったようだね。

 反対の腕を憂世さんと組んでカメラに向かってピース。

 

「ひゅ~、両手に花っすね誇銅ちゃん」

「あはは、そうだね!」

 

 修学旅行なんだしこのくらいはちゃけてもバチは当たらないよね?

 一枚目を撮り終えたら今度はこいしちゃんを入れて二枚目。他の人にカメラを頼もうとしていたら。

 

「おー、誇銅じゃんか!」

 

 細田の班とばったり出くわした。細田の班は男子三人のグループで昨晩男子会したメンバーだ。

 だけどちょっと待てよ、同じタイミングで同じ場所にいるってことは、同じような順路で回ったってことじゃないのかな?

 

「もしかしてここ来る前に銀閣寺行った?」

「ああ、行ったけど」

「僕たちも行ったんだけど、同じバスにいたっけ?」

 

 僕がそう訊くと細田の班の一人の日向が言う。

 

「たぶん俺たちは電車を経由したからじゃないかな。少し遠回りだけど込んでる時期は電車を経由した方が早く着くってネットで見たから。結果あんまり混んでなかっしちょっと道に迷ったからただの遠回りになっちゃったんだけどね」

 

 事前の調べてその情報は僕もみた。けれど僕たちが行く時期はどちらかと言えばオフシーズンだったから大丈夫だろうと思ってバス路線を選んだ。バスの方が簡単だって書いてあったからね。

 

「ところでその子は?」

 

 日向がこいしちゃんを見て訊く。

 

「この子はこいしちゃん。僕の妹みたいな存在だよ」

「こいしで~す」

 

 笑顔であいさつするこいしちゃん。無邪気な笑顔に細田たちも笑顔で軽く自己紹介をする。こいしちゃんの明るく可愛い笑顔で笑顔にならなかった人を僕は見たことないよ。

 

「こいしちゃんは初日からずっと純音たちのガイドしてくれてたんっすよ」

 

 なぜか自慢げに言う憂世さん。初日から可愛いガイド付きの修学旅行なんて特別待遇もいいところ。そういう意味では特別な優越感なものもあり、不平等さに後ろめたさを感じたりもする。

 

「ガイド付きとか誇銅の班だけずりーぞ」

「あはは……ごめんね」

「有史以来、世界が平等であったことななんか一度もない。これもまた世界の理。だからこそ愚民は平等になろうと努力を続けるのだ!」

 

 細田の班のもう一人、厨二病っぽい言動の中田がフォロー? を入れてくれた。まあ細田事態が本気で不満を言ってたわけじゃないんだけどね。

 僕たちは細田たちにこいしちゃんを入れた集合写真を撮ってもらうことに。さっきの構図に僕がこいしちゃんを肩車する形だ。それから今度は逆に細田たちの班の集合写真を僕たちが撮り、最後に二班合わせた写真を別の人に頼んで撮った。

 

 

 ◆◇◆◇◆◇

 

 

 誇銅たちが銀閣時へ向かっていた頃、一誠たちは電車で嵐山方面を目指していた。

 最初の目的の天龍寺へ到着し、大きな門を潜り系境内に進み受付で観光料金を払っていると。

 

「おおっ、お主たち、来たようじゃな」

 

 聞き覚えるある幼い声がする。振り返るとそこには巫女装束姿の九重がいた。

 

「九重か」

「うむ。約束通り、嵐山方面を観光案内してやろうと思うてな」

 

 昨日の帰り際に九重がこっそり一誠たちにお詫びとして嵐山方面の観光案内を約束したのだ。卯歌の叱責の直後ではあったが九重としては純粋に慰めてくれたお礼と襲ってしまったお詫びをしたかった。

 小さい金髪少女の九重を見て松田と元浜は驚く。

 

「はー、かわいい女の子だな。なんだ、イッセー、おまえ現地でこんなちっこい子をナンパしてたのか?」

 

 松田がそう言う一方で元浜は―――。

 

「……ちっこくてかわいいな……ハァハァ……」

 

 ロリコンな彼は危険な息づかいになる。そんな元浜を吹き飛ばして桐生が抱き着く。

 

「やーん! 可愛い! 何よ、兵藤、どこで出会ったのよ?」

「は、離せ! 馴れ馴れしいぞ、小娘め!」

 

 嫌がる九重だが、桐生はいっそう喜ぶ。

 

「お姫様口調で嫌がるなんて、最高だわ! キャラも完璧じゃないの!」

 

 そんな状況を一誠は嘆息しながら、九重を桐生から離し、話題を再開させた。

 

「こちらは九重。俺やアーシア達のちょっとした知り合いなんだ」

「九重じゃ、よろしく頼むぞ」

 

 一誠は改めて九重を紹介し、九重はえっへんと若干ふてぶてしい態度を取る

 

「あ、グレモリー先輩繋がり? それなら分かるかも。あのホテルだって先輩の親御さんが経営している会社と関係あるって話だし」

「ま、まあ、そんな所だ。それで九重、観光案内って何をしてくれるんだ?」

 

 一誠が訊くと九重は胸を張って自信満々に答える

 

「私が一緒に名所へついて回ってやるぞ!」

「じゃあ、早速天龍寺を案内してくれよ」

「勿論じゃ!」

 

 一誠がそう言うと久寿はパァッと笑顔を輝かせた。

 九重がやろうとしていることはこいしが誇銅の観光案内をしているのとほぼ同じ。上の立場と言うのも下の者から見れば同じと言って差し支えない。そんな二人が唯一違うのは、妖怪としての強さ。

 こいしは一人でも自分の身を守れるだけの強さがある。しかし九重は自分の身を自分の力で守れない。後者は非常に危険に晒されている。

 そんな状態にも関わらず九重の案内による名所めぐりが始まってしまった。

 

 

 

 

 九重に案内されて一誠たちは天龍寺を回る。九重は誰かに教えられた知識を自信満々に話し、一誠たちはその様子を可愛らしいと感じた。

 世界遺産に認定されている大方丈裏(だいほうじょううら)や、堂内(どうない)の天井に描かれた雲龍図(うんりゅうず)。天龍寺を一通り回り、それからそれから二尊院(にそんいん)、竹林の道、常寂光寺(常寂光寺)も見て回る。

 それらを見回った一誠たちは九重のお薦めで、湯豆腐やで昼食を取った。

 九重が一誠たちに湯豆腐をすくって器に入れたりしながら和気藹々と京都の食事を堪能する。

 

「あ、イッセーくん」

 

 一誠たちが食事する隣の席で偶然木場の班と出くわした。

 木場と一誠がこの後の予定を話していると、「秋の嵐山、風流なもんだぜ」と聞き覚えのある声が聞こえる。

 

「おう、おまえら、嵐山堪能しているか?」

 

 その声の正体はアザゼル。それも真っ昼間から日本酒を飲んでいた。

 

「先生! 先生も来てたんですか? って、教師が昼酒はいかんでしょう」

 

 一誠が非難すると、アザゼルは「固いこと言うな。ちょっとした休憩だ」と言う。

 昼食を終え店をあとにし、次に渡月橋を目指す。

 店を出て数分ほど観光街を歩き桂川が見えてくる。

 

「知ってる? 渡月橋って渡りきるまでうしろを振り返っちゃいけないらしいわよ」

 

 桐生がそう言うと、アーシアが訊き返す。

 

「なんでですか?」

「それはね、アーシア。渡月橋を渡っている時に振り返ると授かった知恵がすべてかえってしまうらしいのよ。エロ三人組は振り返ったら終わりね。真の救いようのないバカになるわ」

「「「うるせえよ!」」」

 

 松田、元浜、一誠が異口同音に桐生の言葉に返す。

 桐生はそれを一切気にせず追加情報を言う。

 

「あと、もうひとつ。振り返ると、男女が別れるって言い伝えもあるそうね。まあ、こちらはジンクスに近いって話だけど」

「絶対に振り返りませんから!」

 

 桐生の説明を遮って、アーシアは涙目で一誠の腕につかまった。

 

「だ、大丈夫だよ、アーシア。言い伝えだって」

 

 一誠がそう言うものの、アーシアは首を横に振って「絶対に嫌」と一誠の腕に強くつかまる。

 渡月橋を渡っている最中、アーシアは頑として振り返らなかった。背後では松田と元浜が一誠たちをバカップルと言ったりして悔しがる。

 こうして無事に反対岸に到着すると、アーシアは大きく息を吐いて落ち着いた。

 反対側をどう攻略しようかと風景をぐるりと一望した時、突然、ぬるりと生暖かい感触が一誠たちだけを包み込んでいった。

 

 

  ◆◇◆◇◆◇

 

 

 不思議な感触が一誠たちを包み込むと、そこには一誠、アーシア、ゼノヴィア、イリナ、九重、そして離れた位置にいる木場。人外世界を知らないクラスメイトや観光客がいなくなっていた。

 この現象に一誠たちは驚き身構える。周囲を警戒するが、怪しい者は近くに誰もいない。

 少しして、一誠たちの足元に霧のようなものが立ち込めて来た。

 

「この霧は」

 

 霧を見て驚いたのはアーシア。

 

「……この感じ、間違いありません。私がディオドラさんに捕まってた時、神殿の奥で私はこの霧に包まれてあの装置に囚われていたんです」

「―――『絶霧(ディメンション・ロスト)』」

 

 木場が一誠たちのほうに歩み寄りながらそう言う。

 

神滅具(ロンギヌス)のひとつだったはずだよ。先生やディオドラ・アスタロトがそれについて話していただろう? おそらく、これが……」

 

 木場はその場で屈み、足元の霧を手で触るようにする。

 

「おまえら、無事か?」

 

 空からの声。アザゼルが空を飛んで一誠たちのいるところへ降り立ち、翼をしまいながら言う。

 

「俺たち以外の存在はこの周辺からキレイさっぱり消えちまってる。俺たちだけで別空間に強制的に転移されられて閉じ込められたと思って間違いないだろう。……この様子だと、渡月橋周辺とまったく同じ風景をトレースして作り出した別空間に転移させたのか?」

 

 自分たちがおかれている状況を冷静に考察する。

 

「ここを形作っているのは悪魔の作るゲームフィールドの空間と同じものですか?」

 

 この空間がレーティングゲームのフィールドと酷似していると感じた一誠がアザゼルに訊く。

 

「ああ、三大勢力の技術は流れているだろうからな。これはゲームフィールドの作り方を応用したんだろう。――――で、霧の力でこのトレースフィールドに転移させたと言う訳だ。『絶霧』の霧は包み込んだ物を他の場所に転移させる事が出来るからな。……殆どアクション無しで俺とここにいるリアスの眷属を全員転移させるとは……。神滅具はこれだから怖いもんだぜ」

 

 アザゼルの説明の後、九重が震える声で口を開く

 

「……亡くなった母上の護衛が死ぬ間際に口にしておった。気付いた時には霧に包まれていた、と」

 

 渡月橋に向けると、渡月橋の方から複数の気配が現れる薄い霧の中から人影が幾つも近付いてきて、一誠たちも前に姿を現す

 

「初めまして、アザゼル総督、そして赤龍帝」

 

 挨拶してきたのは学生服を着た黒髪の青年、学生服の上から漢服(かんふく)を羽織っていた。見た目は一誠たちと一つ二つ程しか違わない。

 青年の手には槍が握られており、槍からは不気味なオーラが出ている。

 青年の周囲にはこれまたいろんな国々種類の民俗衣装のようなものを着た若い男女が複数人いる。

 悪魔やドラゴンとはまた違った異様なプレッシャーを放つ。

 

「おまえが噂の英雄派を仕切っている男か」

 

 アザゼルが一歩前に出て訊くと、中心の青年が肩に槍の柄をトントンと乗せながら答えた。

 

曹操(そうそう)と名乗っている。三国志で有名な曹操の子孫―――いちおうね」

 

 曹操と言う名前から三国志を連想した一誠は仰天しアザゼルに訊ねる。

 

「先生、あいつは……?」

 

 アザゼルは男から視線を外さずに答えた。

 

「全員、あの男の持つ槍には絶対に気を付けろ。最強の神滅具『黄昏の聖槍(トゥルー・ロンギヌス)』だ。神をも貫く絶対の神器とされている。神滅具の代名詞になった原物。俺も見るのは久し振りだが……よりにもよって現在の使い手がテロリストとはな」

 

『――――ッ!?』

 

 アザゼルの言葉に全員が酷く狼狽し、曹操の持つ聖槍に驚きの視線を向けた。

 

「あれが天界のセラフの方々が恐れている聖槍……っ!」

 

 イリナが口元を震わせながら言い、ゼノヴィアも低い声で続ける

 

「私も幼い頃から教え込まれたよ。イエスを貫いた槍。イエスの血で濡れた槍。――――神を貫ける絶対の槍っ!」

 

 教会関係者の二人からしてみれば『黄昏の聖槍』はまさに究極の存在と言える。一誠も以前リアスからあの槍のことを聞いており、そのすごさを漠然とだが理解した。

 

「あれが聖槍……」

 

 一誠の隣にいるアーシアが虚ろな双眸で槍を見つめていた。まるで聖槍に魅了され、意識が吸い込まれていくかのように。

 そこへアザゼルが素早くアーシアの両目を手で隠した

 

「アーシア。信仰のある者はあの槍をあまり強く見つめるな。心を持っていかれるぞ。聖十字架、聖杯、聖骸布、聖釘と並ぶ聖遺物(レリック)のひとつでもあるからな」

 

 機械天使と違い存在するだけで圧倒的な力を見せつけるものではないが、それでも悪魔や堕天使や教会信徒にとって聖遺物としての脅威は強い。

 九重が憤怒の形相で槍を持つ青年――――曹操に叫ぶ

 

「貴様! 一つ訊くぞ!」

「これはこれは小さな姫君。何でしょう? この私ごときで宜しければ、何なりとお答えしましょう」

 

 曹操の声音は平然としているが、明らかに何かを知っている様な口調。

 

「母上をさらったのはお主達か!」

「左様で」

 

 あっさりと認める曹操。やはり『禍の団(カオス・ブリゲード)』が絡んでいたのかと一誠たちやアザゼルは思う。

 

「母上をどうするつもりじゃ!」

「お母上には我々の実験にお付き合いしていただくのですよ」

「実験?お主達、何を考えておる!?」

「スポンサーの要望を叶える為、と言うのが建前かな」

 

 それを聞いて九重は歯を剥き出しにして激怒、目にはうっすらと涙を溜めている。悔しい気持ちも無理はない。母親をさらわれた挙げ句、実験の材料にされそうになっているのだから。

 

「スポンサー……? オーフィスの事か?それで突然こちらに顔を見せたのはどういう事だ?」

 

 アザゼルが問い詰める。

 

「いえ、隠れる必要も無くなったもので実験の前に挨拶と共に少し手合わせをしておこうと思いましてね。俺もアザゼル総督と噂の赤龍帝殿にお会いしたかったのですよ」

「わかりやすくてけっこう。九尾の御大将を返してもらおうか。こちとらなぜか冷えてる妖怪との関係を改善させたいんでね」

 

 アザゼルが手元に光の槍を出現させ、一誠たちも戦闘の態勢を整える。一誠は禁手のカウントをはじめ、ゼノヴィアにアスカロンを渡す。

 

「ゼノヴィア!」

「すまない!」

 

 ゼノヴィアもアスカロンを受け取り前方に構えた。

 しかし敵は一誠たちが構えても一向に構える様子はない。すると、曹操の横に小さな男の子が並び、曹操がその男の子に話しかけた。

 

「レオナルド、悪魔用のアンチモンスターを頼む」

 

 この言葉に、男の子は無表情で小さく頷く。その直後、男の子の足下に不気味な影が現れて広がっていく。

 広がる影に一誠たちは背筋が冷たくなるような、得体のしれない戦慄を感じた。

 影は更に渡月橋全域に至るまで広がり、盛り上がって形を成していく。

 腕、足、頭が形成されていき、目玉が生まれて口が大きく裂けた。それも百以上の数が。

 

「ギュ」

「ギャッ!」

「ゴガッ!」

 

 耳障りな声を発して現れた黒ずくめのモンスター。二足で立ち、肉厚な体と鋭い牙と爪を持っている。それが大量に前方にずらりと並ぶ。

 生唾を飲み込みながら驚愕していると、アザゼルがぼそりと呟いた。

 

「『魔獣創造(アナイアレイション・メーカー)』か」

「ご名答。そう、その子が持つ神器は『神滅具』の1つ。俺が持つ『黄昏の聖槍』とは別の意味で危険視されし、最悪の神器だ」

 

 アザゼルの言葉に曹操が笑みを見せながら言う。

 神滅具を安売りするかのように出してくる曹操に一誠の頭はこんがらがる。

 その間に禁手のカウントが終わったので一誠は素早く禁手化し、赤いオーラで鎧を形成した。

 

「せ、先生、何がなんだか……」

 

 混乱する一誠にアザゼルが説明を始める。

 

「あの男児が持っている神器はお前のと同じ『神滅具』だ。神滅具ロンギヌスは現時点で確認されているもので十三――――。グリゴリにも神滅具の協力者がいるが……。その神滅具の中でもあの神器は性質――――能力が『赤龍帝の籠手』や『白龍皇の光翼』よりも凶悪なんだよ」

「それは一誠のよりも強いって事か?」

「直接的な威力ならイッセーとヴァーリの神器の方が遥かに上だ。ただ、能力がな……。木場の『魔剣創造』、あれは如何なる魔剣も創り出せる能力だった。それは分かるな?」

「は、はい」

「『魔獣創造』がそれと同様だ。如何なる魔獣をも創り出す事が出来る。例えば、怪獣映画に出てくるような全長百メートル、口から火炎を吐く怪物。それを自分の意志でこの世に生み出す事も出来る。自分の想像力で好きな怪物を生み出せるとしたら、最悪極まりないだろう? そう言う能力だ。使い手次第じゃ、一気にそんなバケモノを数十、数百の規模で創り出せるんだよ。『絶霧』と並ぶ、神器システムのバグが生んだ最悪の結果とも言われている。『絶霧』も能力者次第では危険極まりない。霧を国家規模に発生させて、国民全てを別空間――――次元の狭間辺りに送り込めば一瞬で国を一つ滅ぼすなんて事も可能だろうからな」

「そ、それってどっちも世界的にヤバい神器じゃないですか!」

 

 仰天する一誠の言葉にアザゼルも苦笑する

 

「まあ、今の所どちらもそこまでの事件は前例が無い。何度か危ない時代はあったけどな。しかし、『黄昏の聖槍』、『絶霧』、『魔獣創造』。……神滅具の上位クラス四つの内、三つも保有か。それらの所有者は本来、生まれた瞬間に俺の所か、天界か、悪魔サイドが監視態勢に入るんだが……。二十年弱、俺達が気付かずにいたってのか……。それとも誰かが故意に隠したのか……。確かに過去の神滅具所有者に比べると、現所有者はほぼ全員、発見に難航している」

 

 アザゼルは一誠の方に視線を移す。当時の一誠も危ない神器と疑われ殺され、結局は違ったと判断されたが、最終的に神滅具の『赤龍帝の籠手』と評価が覆されていった。

 アザゼルのつぶやきは続く。

 

「……何か、現世に限って因果関係があるのか? 元々の神滅具自体が神器システムのバグ、エラーの類と言われているからな……。ここに来てそれらの因果律が所有者を含めて独自のうねりを見せて、俺達の予想の外側に行ったとかか? それは勘弁願いたい所だが……、イッセーの成長を見ていると現世の神滅具全体に変調が起き始めていると感じてしまっても不思議は無いな……。バグ、エラーの変化、いや、進化か? どちらにしろ、神器研究や神器システムを司っているわりに俺も含め、お互い甘いよな、ミカエル、サーゼクス」

 

 長々と自問自答を繰り返すアザゼル。

 一誠が『魔獣創造(アナイアレイション・メーカー)』について訊く。

 

「先生、その凶悪神器の弱点は?」

「本体狙いだ。――――まあ、本人自体が強い場合もあるが、神器の凶悪さ程じゃないだろう。それに『魔獣創造』は現所有者がまだ成長段階であろうってのも大きい。やれるならとっくに各勢力の拠点に怪獣クラスを送り込めている筈だからな」

 

 アザゼルの言葉を聞いた曹操は苦笑した。

 

「あららら。何となく『魔獣創造』を把握された感があるな。その通りですよ、堕天使の総督殿。この子はまだそこまでの生産力と想像力は無い。――――ただ、一つの方面には大変優れていましてね。相手の弱点を突く魔物――――アンチモンスターを生み出す力に特化しているんだな、これが。今出したモンスターは対悪魔用のアンチモンスターだ」

 

 曹操が手をフィールドに存在する店の1つに向けると、アンチモンスターの1匹が口を大きく開けて一条の光が発せられ、その刹那―――店が吹き飛んで強烈な爆風を巻き起こす。

 

「光の攻撃――――。こいつは!」

 

 爆風の中、アザゼルが叫んだ

 

「曹操、貴様! 各陣営の主要機関に刺客を送ってきたのは俺達のアンチモンスターを創り出すデータも揃える為か!」

「半分正解かな。送り込んだ神器所有者と共に黒い守備兵もいただろう? あれはこの子が創った魔物だ。あれを通じて各陣営、天使、堕天使、悪魔、ドラゴン、各神話の神々の攻撃を敢えて受け続けた。部下の強い要望でかなり防御力を上げざるを得なかったが、おかげでこの子の神器にとって有益な情報を得られた」

「あの黒い怪人でデータを収集していたのか!」

「禁手を増やしつつ、アンチモンスターの構築も行おこなった。お陰で悪魔、天使、ドラゴンなど、メジャーな存在のアンチモンスターは創れるようになった。――――悪魔のアンチモンスターが最大で放てる光は中級天使の光力に匹敵する」

 

 神器所有者の禁手使いを増やしつつ、アンチモンスターを創り出すためのデータ収集。その用意周到さを厄介に感じていた。

 憎々し気ににらむアザゼルだが、一転して笑みを作り出した。

 

「だが、曹操。神殺しの魔物だけは創り出せていないようだな?」

「…………」

 

 アザゼルの一言に曹操は反論しない

 

「どうして分かるんですか?」

 

 一誠が訊くとアザゼルはニヤけながら答える

 

「やれるならとっくにやってる。こうやって俺達に差し向けてくるぐらいはな。各陣営に同時攻撃が出来た連中がそれを試さない訳が無い。それに各神話の神が殺されたら、この世界に影響が出てもおかしくないものな。――――まだ、神殺しの魔物は生み出せていない。これが分かっただけでも収穫はデカい」

 

 アンチ神モンスターがいないと聞かされた時、一誠の脳裏に神殺しの魔物、『神喰狼(フェンリル)』が頭をよぎった。

 

「神はこの槍で(ほふ)るさ。さ、戦闘だ。――――始めよう」

 

 それが開戦の合図となった。

 

『ゴガァァァァァッ!』

 

 不気味な鳴き声を唸らせたアンチモンスターの群れが突っ込んできた。木場とゼノヴィアが前線に立つ。

 

「木場、悪いが聖剣を一振り創ってくれ」

「了解。キミは二刀流の方が映えるからね」

 

 木場が素早く手元に剣を一振り創り出すと、駆け出したゼノヴィア目掛けて放り投げる。

 空中で聖剣をキャッチしたゼノヴィアはアスカロンとの二刀流で敵陣に突っ込んでいった。今回のモンスターは以前の守備兵型に比べて何倍も防御力が低かったため、ゼノヴィアの豪快な斬撃でアンチモンスターが大量に消えていく。

 アンチモンスターの一匹が口を大きく開けて光線を放とうとしたが、放たれた光線はゼノヴィアの前方に入った木場の聖魔剣によって弾かれた。

 弾かれた光線が離れた位置にある建物を崩壊させる。

 

「このぐらいの光なら、当たらなければ問題じゃない」

「いや、当たる前に倒せば良いだけだ」

 

 聖魔剣でアンチモンスターを切り払おうとした瞬間、敵のコサック帽子をかぶった男が背面跳びでゼノヴィアの前に立ちふさがり、長いコサック帽を支柱に上下さかさまの蹴りで二刀の攻撃を弾き返した。

 その蹴りで木場から渡された聖魔剣は砕けてしまった。

 

「くっ! デュランダルだけでなくアスカロンまで! なぜだ!?」

 

 ゼノヴィアはデュランダルがうまく扱えなくなったと言っていたが、まさかアスカロンまで同じようにうまく扱えなくなっていることを実感した。

 

「ふむ、良い聖剣だ。しかしだいぶ嫌われているようだな」

 

 コサック帽の男は両手を組んだまま足の回転の勢いで立ち上がり言った。

 

「貴様、それはどういう意味だ……!」

 

 聖剣に嫌われているとはいったいどういう意味か。この男は自分が二刀の聖剣をうまく扱えなくなった原因を知っているのか? ゼノヴィアはコサック帽の男に訊くが。

 

「わからないならいい。それよりもまずはそのお粗末な二刀流をどうにかした方がいい。見たところ君の力量では二刀流はまだ早い」

 

 男は無表情でそう言うだけ。ゼノヴィアの質問には何も答えなかった。

 

「曹操、お前は俺がやらしてもらおうか!」

 

 アザゼルがファーブニルの宝玉を取り出し、素早く人工神器の黄金の鎧を身に纏った。十ニ枚の黒い翼を展開すると、高速で曹操に向かっていく

 

「これは光栄の極み! 聖書に記されし、かの堕天使総督が俺と戦ってくれるとは!」

 

 曹操は桂川の岸に降り立つと不敵な笑みで槍を構えた。槍の先端が開くと光り輝く金色のオーラが刃を形成され、この空間全体の空気が震える。

 その神々しさに悪魔は見ているだけで体が締め付けられるようなプレッシャーを感じた。

 アザゼルの光の槍と曹操の聖槍がぶつかり、強大な波動が生み出された。その衝撃で桂川が大きく波立ち、舞い上がった水飛沫が周囲に雨の如く飛び散っていく

 アザゼルと曹操は攻め合いながら川の下流の方へ向かって岸を駆けていく。その姿を見てコサック帽の男は小さくため息をついた。

 一誠側で現在京都に存在する戦力は、アザゼル、イリナ、ゼノヴィア、木場、誇銅、一誠の七人。回復役のアーシアを入れたとしても、そのうち二人が既に欠けてしまっている。

 チームの要となっている回復役のアーシアの壁を作ることを最優先とした。

 普段は整っているチームバランスが現在(いちじる)しく低下している中、一誠は頭を回転させベストな回答を導き出そうとする。

 この状況で九重も死守しなければいけないと、まずはアーシアよりも後方に下げる。

 リアスならどうする、自分が『(キング)』になったらどうするかを必死に考えた。

 そうして導き出された答えを一誠は発した。

 

「ゼノヴィア! お前はアーシアと九重の護衛! それと聖なるオーラを飛ばしてこちらに近付く敵を倒すんだ!」

「――――っ。了解だ!」

 

 ゼノヴィアは一誠の指示に応じ、素早く後方に下がり、アーシアたちの護衛に入った。コサック帽の男も下がるゼノヴィアを追いはしない。

 

「限られた人数で瞬時に役割を決めるか、それは良い判断だな」

 

 一誠の指示を見てコサック帽の男がつぶやく。

 (つたな)い脳みそをさらに回転させる一誠。容量がよほど不足していたのか一誠は鼻血を噴きだす。

 しかしそのおかげで一誠は敵がアンチモンスターであることと、木場の能力を繋げることができた。

 

「木場! お前、光を喰う魔剣が創れたよな?」

「え? うん。――――そうか!」

 

 一誠の問いに祐斗は直ぐに理解し、闇の剣を足下に何本か創り出して仲間に放り投げる。

 

「その剣は普段、柄のみだ! 闇の刀身を出したい時は剣に魔力を送ってくれ!」

 

 木場からの補足説明。一誠からも追加の指示が送られる。

 

「ゼノヴィア、危うくなったらそいつを盾代わりに光を吸え! アーシアも不慣れかもしれないが、そいつを持っているんだ! 無いよりマシだ!」

「やるな、一誠!」

「は、はい!」

 

 ゼノヴィアは柄のみの闇の剣をスカートのポケットに入れる。

 一誠は木場から貰った闇の剣をアスカロンが抜けた籠手の穴に嵌め込み、闇の盾を作り上げた。

 剣の能力を籠手に与える荒技。無理をすれば命を削りかねないが、この場限りで時間を限定すれば無理なく可能。しかし多用は禁物とドライグは言う。

 そして今度はイリナに振り返り指示を送る。

 

「イリナ! 悪いがゼノヴィアの代わりに祐斗と前線に立ってくれ! 天使のお前なら光は弱点じゃないよな?」

「じゃ、弱点じゃないだけでダメージは受けるんだけど、悪魔ほどの傷は貰わないわ。――――わかった! 私、やってみるよ! ミカエル様のA(エース)だもん!」

 

イリナは純白の翼を羽ばたかせてゼノヴィアがいた前衛ポジションに行く。

 光の剣を出現させたイリナは空中を飛び回ってアンチモンスターを撹乱し、隙を見て一気に(ほふ)っていった。

 その様子をコサック帽の男はアンチモンスターたちがやられるのを黙ってみている。まるでその行為に何の意味もないだと言わんかのように。




 この間見た夢の話を少しさせていただきます。
 ニューダンガンロンパV3が基本舞台で一部キャラの変更された世界。登場人物として参加する私はV3の設定の記憶はありません。出演中は他のキャラと同じように役を演じ続けています。

 超高校級の民俗学者→超高校級の警備員(作者)
 超高校級の冒険家→超高校級の新聞部
 超高校級のコスプレイヤー→超高校級の歌舞伎役者

 私は四章で超高校級の警備員の研究室にある、

欠陥着ぐるみアニマトロニクスに詰められ超高校級の新聞部に殺されました。
 動機は超高校級の新聞部が同時に生存者であることと、その企みを知ってしまったから。
 一応霊体としてこの裁判の結末までは見ましたが、その後の展開はそこで目が覚めたので知りません。できればこの話は作品として書きたいな。だけど同時進行とかできそうにない。
 なので一応これ以上の詳細は伏せます。そんなの興味ない? 作者の自己満足だ、深く考えるな。
 でも……ちょっと気になるとか言われたら地味にやってみようかな~。ちょうどお手本になりそうな人の作品とかもあるし。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。