考えていた設定を少し修正して最新話と共に新たに投稿しました。
勝手な作者でごめんなさい。
王国歴0015年
突如、大国レアグローブが世界征服に乗り出した。
あらゆる協定や条約を受け付けず、武力による支配を目論んだ。
だが、レアグローブの野望を阻止すべく、同大陸北部の小国シンフォニア王国が立ち上がり全世界を巻き込む戦争に発展する。
『王国戦争』と呼ばれる戦争の始まりである。
戦力は拮抗していたが、1年後の王国歴0016年9月9日。
唐突に戦争は終結した。
世界の10分の1を破壊した爆発によって。
後に『
勝者も敗者もない終戦だった。
そして、50年の月日が流れた―――――――
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―――0066年
世界の中心から南東の方へ進むと小さな島がある。
この島にはある高名な予言者が住んでおり、“未来を司る島”とも呼ばれている。
予言者の名はサガ・ペントラゴン。
サガ「よ~く来なすったの~旅の方」
ソニア「紅茶をどうぞ」
青年「・・・・」
青年の目の前にいる枯れた花(?)である。
何故かこの島の住民は壁に花のような顔と手が付いた姿をしている。
サガは正面の壁に、サガに仕えるメイドのソニアは左の壁にくっついている。
青年はテーブルを挟んでサガの正面に座った。
出された紅茶を一口飲んだ後、サガが「さて・・」と切り出した。
サガ「今日来たのは予言かな?」
青年「ああ。俺は・・」
サガ「何も語らずともよい。ワシが未来を見てやろう。ただし、ワシのポリシーは良い事も悪い事も全て伝える。それでも良ければだがね」
ある目的の為、サガの予言を頼りにこの島を訪れた青年は黙って頷いた。
サガ「では・・・・ふん!!」
青年「ーーーーーーーっ!?」
サガが深呼吸した後、全身(?)に力を込めて見た目が劇画風になる。
枯れた花からの急激な変化に驚愕し、青年は声にならない叫びを上げ、頭の中が真っ白になった。
やがてサガは、劇画風から元の枯れた姿に戻っていった。
サガ「ふむ・・ここより北の地へ向かうといい、そこで大きな出会いが待っている・・」
青年「北?漠然としすぎて何処か分からないな・・他には何かないのか・・?」
サガ「・・・・」
青年「・・・・」
サガ「・・・・」
青年「・・・・おい?」
サガ「・・・・zzz」
ソニア「サガ様はお休みになられましたわ」
青年「ええぇぇぇぇぇーーーーーーーー!!?」
サガの予言の続きを待っていた青年だったが、まさかの展開に思わず叫んだ。
青年「おい予言は!?まさかあれで終わりか!?」
ソニア「しー。サガ様の睡眠を妨げますと、予言の力は無くなってしまうのです」
青年「何ソレ面倒くさ」
予言を聞きに来ただけなのに驚き、叫び、げんなりとなる。
・・なんだこれ、と思う青年であった。
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その後、サガが眠ったため屋敷を後にした青年は船に戻り、予言通り北へ向かうことにした。
まず、行き先を決めるべく、世界地図を広げた。
サガは北の地と言っていた。
北にある陸地はシンフォニア大陸、ルカ大陸、エンカ列島の3つ。
1番近いのはシンフォニア大陸だが、大陸全土をとりかこむ大嵐“デスストーム”があり、行く事ができない。
距離的にエンカ列島は後にした方がよさそうだ。
残ったのはルカ大陸だ。
目的地はルカに決まった。
次はルートだ。
海路で直接行けなくもないが、それでは食料が持たない。
船に積んだ量を考えると、ソング大陸までなら行けそうだ。
青年「そう言えばソング大陸とルカ大陸の間には列車が走っていたな。なら陸路を行った方がいいか」
これでルートも決まった。
大よその進路を定めた青年は地図を畳み、船を出した。
目指すはソング大陸――――。