IS 西の男性操縦者   作:チャリ丸

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やっぱり深夜が1番サクサク進みます。
ちょこっとだけ原作との変更点あります。


Occasionally, Hit is their bad premonition.

 「それでは、全学年専用機持ちタッグマッチ、開会の挨拶を更識楯無生徒会長からして頂きます。生徒会長、よろしくお願いします」

 

  虚がそう言い、司会用に立てられたマイクスタンドから一歩下がり、一夏や本音がいる隣へと戻る。虚が立ち止まると同時に、先ほどまでその列にいた楯無が、マイクスタンドへと向かって歩く。

  生徒会メンバーである、楯無、一夏、虚、本音は、第1アリーナに作られた特設ステージの上に立っている。

 

 「…ねむねむ…、これだけ早起き頑張ったんだから〜、かんちゃんとおりむーには是非とも優勝してもらわないとねぇ〜」

 「お、おいのほほんさん。教頭先生が睨んでるって」

 「ほぇ〜…、あの先生、よくあんな怖い顔出来るよねぇ〜。私ならぜぇったい無理だよぉ〜」

 

  こくりこくりと、まるで教頭に見せびらかすように本音が大きく二度頷く。本音のその反応が大変気に食わなかったのか、教頭のこめかみに大きな青筋が走った。

 

 「うわぁ。ほら、のほほんさん。流石に織斑先生にも怒られたくないだろ?」

 「…ういー…」

 

  だが一夏は、そんな教頭など全くもって怖くなかった。理由は至ってシンプルなもので、その教頭の後ろに立っている自身の姉が、普段なら絶対見せないようなニッコリとした笑顔を自分に向けているからである。それだけならまだ良いが、何やら千冬から良からぬモノを感じたのだ。教頭の顔がどんどんと青白くなっているのが良い証拠だろう。

 

 「どうも皆さん。今日は全学年専用機持ちタッグマッチトーナメントです。…もちろん、専用機持ちと銘打っているだけあって、出場選手はたったの11人。ですが、その試合内容は決して見ていて無駄になるような物にはならないと思います。専用機持ちではない一般生徒の皆さんにも、これからの将来に大きく役立てることのできる試合が、多くあると思っています。しっかりと見ていてください」

 

  相も変わらず、圧倒的な存在感を放つ楯無。生徒会長としてステージの上に立っているのだから、当たり前と言えば当たり前なのだが、それを無くしても、彼女の話を真剣に聞く人間がほとんどである。

  彼女はただ者ではない。そんな、出会って直ぐに気づいたことを、改めて確認できた一夏は―

 

 「まあそれはそれとして!今日は参加しない生徒の皆さんにも思う存分楽しんでもらうために、生徒会でとある企画を考えました。名付けて『優勝ペア予想応援・食券争奪戦』!」

 

  その後の楯無の言葉を聞いて、ぽかんと口を開けた。そんな彼の心境など露知らず、楯無が『賭博』と書かれた扇子を胸元で開く。それと同時に、再び声が出ない一夏を無視して、綺麗に列を作って並んでいた生徒達が、一斉に湧いた。

 

 「…はっ!た、楯無さん!これってどう見ても賭けでしょう!?」

 「織斑庶務、大丈夫よ。もう既に交渉済みだから」

 「交渉済みって…ま、まさか…」

 

  おそるおそる、一夏は教頭や千冬以外の教員に目をやる。

  すると、何ということでしょう。全員が全員なんの反応もしていないではないですか。

 

 「お酒の力って、ほんとに凄いわね」

 「やっぱり買収ですか!?」

 「やん。そんな物騒な言葉使わないの。取引って言った方が上品よ?」

 「そっちの方が物騒に聞こえるんですが…」

 

  さらばー、おとーさん達のー、宝物ー、とこちらはこちらで何やら物騒なことをボヤき続ける本音は一旦置いておくとして、一夏は再び、ステージ前に並んでいる生徒と教員の列に目をやる。

 

 「…っ」

 

  ふと、息が詰まった。

  その視線の先には、自分が所属している1年1組の生徒達が並んでいる。

  そして、その中心にいる、専用機持ち達の面持ちを見てまた気持ちを切り替えさせられる。

  箒、セシリア、シャルロット、ラウラ、そしてクラスが違うため離れてはいるが、鈴と簪も、騒いでいる周りに流されること無く集中している姿が見つけられた。

 

 「…ふふ。参加する専用機持ち達は、全員、仕上がってるみたいね」

 

  IS学園生徒最強の余裕の現れだろうか、楯無の口から、挑発紛いの言葉が出た。

  彼女が全員、と言ったということは、まだ見つけてはいないが、キャノンボール・ファストの見本を見せてくれた2年生のフォルテ・サファイアとまだ見ぬ3年生のダリル・ケイシーの様子も、楯無の目には映っているのだろう。

 

 「それでは、対戦表を発表します」

 

  楯無がそう言うと共に、今まで騒がしかった生徒達が静かになり、彼女の背後に大型空間投影型ディスプレイが投影された。

 

 「…あー、マジかぁ。もし勝てたら、いつかは当たると思ったけど…」

 

  そこに投影されていた組み合わせは――

 

  第一回戦

 

  第一試合

  織斑 一夏&更識 簪

  vs

  篠ノ之 箒&更識 楯無

 

 第二試合

  フォルテ・サファイア&ダリル・ケイシー

  vs

  セシリア・オルコット&凰 鈴音

 

 第三試合

  シャルロット・デュノア&ラウラ・ボーデヴィッヒ

  vs

  時守 剣

 

 という、一年生達にとって、非常に苦しい組み合わせとなっていた。

 

 「皆さん、思うことはあると思いますが、しっかりと準備をして試合に挑んでください。…これで、開会式を終わります」

 

  ステージ上で、楯無が深く礼をする。

 

  開戦のゴングは、すぐそこまで迫っていた。

 

 ◆

 

 「あれ、簪どこにいるんだ?」

 

  開会式後、一夏はアリーナの廊下を歩いていた。

  開会式のステージの撤去、生徒達の整理、用具の準備や警備の再確認などを行うための、そして選手達にとっては、最後の調整となる1時間。彼はペアである簪を探していた。

 

 「…ん?もしかして、1人で精神統一しようとしてるのか?」

 

  彼なりに、いない理由を考えてみる。今まで様々な場所の通路などを探してきたが、彼女は全く見つからなかったのだ。もしかしたら、誰にも見つからないような場所で、1人集中しているかもしれない。

 

 「なら邪魔しない方が良いのか?…いや、本当に精神統一のために離れてるのか聞かないと…」

 「おやおやおや!そこにいるのは現在IS学園唯一の男子生徒となった織斑一夏君じゃないかー!」

 

  そんなことを考えてながら歩いていると、背後から大きな声で呼び止められた。

  振り向くと、そこには『撮影係』と書かれた腕章を右の二の腕に付け、カメラを構えた黛薫子がいた。

 

 「はいっ、チーズ!」

 「ちょ、…はぁ、もう止めませんよ。どうせそれも、黛先輩の仕事の内なんですよね?」

 

  勝手に写真を撮られたが、その行為を否定してしまえば、彼女の今日の仕事が無くなってしまう。生徒会役員として、腕章を付けている生徒を咎めることも出来ないので、撮らないように説得することは諦めた。

 

 「うん、そうだよ。一夏くんはさっきまで何してたの?」

 「えっと、ペアの簪を探してたんですが…」

 

  ダメ元ではあるが、恐らくあちこち歩き回っているであろう彼女に自分のペアを見なかったか聞いてみる。

 

 「んー、更識さんなら見てないけど…彼女の性格的に、精神統一してるんじゃない?控え室のピットで」

 「…え?ピットで、ですか?」

 「うん。だって彼女、無駄な所にエネルギー使いたがらないでしょ?なら、出撃準備も精神統一もできる、ピットにいるんじゃないかなーって」

 「…なるほど」

 

  それは盲点だった。

  きっと、人混みを嫌ってどこかのベンチに腰掛けているのだろうとでも思っていたが、改めて考えるとそれもそうだ。機体の準備もできる、人も来ない、精神統一ができる選手控え室となっている、ピットにいるのなら、理にかなっている。

 

 「ありがとうございます、黛先輩。では―」

 「ちょーっと待ったー!ねえねえ一夏くん、更識さんの場所のアドバイスしてあげたんだし、ちょっとだけ先輩の話、聞いてかない?」

 「…分かりました。ですが、早くお願いしますね!」

 「分かってる分かってるー」

 

  一夏から了承が出たからか、薫子は陽気に、鼻歌交じりに鞄を探る。

  そして、勢い良く鞄から飛び出してきた彼女の手にあったのは、1冊の小さなメモ帳だった。

 

 「おっ、あったあった」

 「何ですか?それ」

 「たっちゃんが言ってたでしょ?優勝ペア予想応援って。それのオッズよ。私達新聞部が任されてるの」

 「へぇ…。って、最下位ですか…」

 「まあそりゃねぇ〜、白式がピーキー過ぎるっていうが大きいみたい。タッグマッチってこともあるし、皆攻撃特化にはあんまり期待してないみたいよ?」

 「…そういうことなら、燃えてきました」

 「それに何より、時守くんが3位に入ってるっていうのが驚きよねー」

 

  1番下の所に自分達の名前を見つけ、闘志をさらに燃やした一夏だったが、順に視線を上げていく。

  自分達の上にセシリア&鈴、その上にシャルロット&ラウラ。そして、その上。今回の大会で最大の特徴とも言える『単独参加』の時守が、生徒予想で3位に着けていたのだ。

 

 「剣の上が、フォルテ先輩&ダリル先輩。そして1位が、箒と楯無さん…か」

 「そ。1位は、まあ文句無いわね。生徒最強のたっちゃんに、『天災』篠ノ之束の妹であり、お手製の専用機を持つ篠ノ之さん」

 「…ま、まあ束さんお手製ってことなら、俺も同じ何ですけどね…」

 「機体の性質の差じゃないの?…あ、その顔、実は篠ノ之さんのことじゃなくて、2位が気になってるって顔ね?」

 「うぐっ…」

 

  ズバリ、図星だった。

 

 「うんうん、まあ特別に情報を教えてあげよう」

 「いいんですか?」

 「心配しなくてもだいじょーぶ。と言っても、言えるのは彼女達が私達新聞部に公表してることだけなんだけどね」

 

  国とかの許可とか結構シビアなんだよね〜と呟きながら、彼女はメモ帳を捲った。

 

 「おっ、これよこれ。フォルテ・サファイア、2年。専用機は『コールド・ブラッド』。特殊武装として、氷を扱うの。そして、もう1人。ダリル・ケイシー、3年。専用機は『ヘル・ハウンドver2.5』。こっちは、特殊武装で炎を使うわ」

 「こ、氷と炎ですか…」

 「そして、2人の得意戦法でもあるのが、『イージス』っていう戦い方なの。2人とも、氷と炎っていう、攻撃しつつも防御が出来て、かつ視界も奪うことができるものを使うの。どちらかが相手の妨害を、そして隙が出来たら一気に畳み掛けるって感じね。…まあもちろん、それが簡単に出来るだけの技術もあるってことなんだけど」

 「は、ははは…」

 

  情報を提供してくれるのは有難かったが、まさかそこまで強いとは思っていなかった。簪の作戦に穴はないと思いたいが、薫子の話を聞く限り、どうも簡単に通用する気が湧いてこなかった。

  もし、楯無や箒に勝つことが出来ても、その次にはもしかしたらそんなペアが待ち構えているかも知れない。

  一夏はの心は、どんよりと曇っていた。

 

 「…話だけでそこまで追い詰められてて大丈夫?」

 「な、何とか大丈夫です…」

 「そっか。なら良かった。…そろそろ、更識さん探した方がいいんじゃない?」

 「そうですね。外には、いなさそうですね」

 「うん、そうだね。…生憎だけど、この天気だしね」

 

  アリーナの廊下から、2人して外の景色を眺める。

 

  先ほどから、中から雷鳴が響いてくる程の黒雲からは、ぽつりぽつりと雨が降り出していた。

 

 ◇

 

 「あー、つっかれたー」

 「お疲れ様。非の打ち所の無い完璧な試合だったよ」

 「そりゃせやろ。ISの機体性能が全然ちゃうねんからこんぐらい、簡単にせな」

 「ふふっ、そうかそうか。本当に、頼もしくなったものだ」

 「ん?どゆこと?」

 

  IS学園にて、全学年専用機持ちタッグマッチの開会式が終わった頃。時守は、国際連合宇宙開発専用ISステーションにて最後の戦闘訓練を終えていた。

 

 「ISに乗り始めて数ヶ月の男性操縦者が、軍属の操縦者が操る軍用ISを完全試合で下せるんだ。もう少し、給料を弾まなければならないかも知れないね」

 「おっ、マジ?さんきゅー」

 

  ロジャーの話を聞きながら、時守は先ほどまで戦っていた証であろう汗を拭い、テーブルに置いてあった水分を口に含んでいく。

 

 「それでだ。これからの予定だが、IS学園から連絡が来た。君の出発は、移動時間や時差を考えて、およそ50分後。流石にそれだけあれば君の体力、並びにISのSEは完全に回復できるだろう」

 「ん、おっけ。じゃあまたカプセル入ればいいん?」

 「あぁ。とはいえ、初日のようなものではなく、仰向けに寝るタイプの簡易的なものだがね」

 「りょーかいー。んじゃほい、IS回復させといたってな」

 「あぁ、承知した」

 

  短い業務連絡の後、右手中指から指輪を抜き、ロジャーに投げ渡す。

  外に出た時守は、指示通りに回復カプセルが設置されている部屋へと向かう。

 

 「…もうちょいや。もうちょいで、みんなに会える」

 

  着ていたISスーツを脱ぎ、カプセルの中に入る。

  最初こそ、脱衣場でもない場所で衣服を脱ぐことに羞恥心を持っていたが、今となっては、人がいなければ、医療目的であれば、さほど恥ずかしくはなくなっていた。

 

 「…それまで暇やし、寝とくか」

 

  口に呼吸器を装着した彼は、栄養液に浸かっていった。

 

 

 ◆

 

 

 「―――っ!っ、…んっ!」

 「…ん?」

 「っ、起きたか…。時守くん、体調は万全かい?」

 「え、まあそりゃ…普通に浸かってましたし」

 

  カプセルに入って、どれだけ経っただろう。

  ロジャーによって起こされた時守は、壁に掛けられている時計を見る。自分が入る前から、30分しか立っていない。

 

 「…なんかあったんすか?」

 「あぁ。…怒らずに、そして落ち着いて聞いてほしい」

 

  ふと、視線を戻してみると、鬼気迫る表情をしたロジャーが、普段とは似つかわしくない真面目な声色で話しかけてきていた。

 

 

 「―IS学園が、およそ10を超える『ゴーレムⅢ』に襲撃されている」

 

 

  飛び込んできたのは、やはりというか、IS学園が襲われているという報せだった。

 

 「……間に、あうんすか?」

 「…正直に言うが、微妙なラインだ。今急ピッチで輸送ユニットの整備に当たっている。出発は、早くても10分後。到着は約20分後になるだろう」

 「そのゴーレムってのは、どんぐらい強いんすか」

 「…学園から送られてきたデータしか無いが、聞くかい?」

 「あぁ」

 

  ロジャーに、緊迫した雰囲気が伝わる。その大半を焦りが占めているのだろうが、目の前にいる少年の冷静な対応が、より彼を焦らせていた。

 

 「まず、スペックだが、相当に不味い。全体的に『ゴーレム』、『ゴーレムⅡ』を上回っているにも関わらず、よりめんどくさいことになった。右腕に付けられた武装の巨大ブレードと、左腕の掌にある4砲口の超高密度圧縮熱線がメイン武装なんだが、それに絶対防御システムを阻害するジャミング装着が搭載されていてね。つい先ほど、苦戦を強いられていると連絡が入ったところだよ」

 「そう、すか…」

 「自分を追い詰める必要はない。後、10分だ。20分の間、彼女達が耐え忍んでくれることを祈るだけだよ」

 

  今、あまりにも無力な時守は、何も出来なかった。

 

 「…続けるよ。各アリーナにゴーレムが行ったんだが、全てのアリーナではなく、2つだけだ。まあ、試合会場を狙ったようだね。そこで、千冬くんが現場指揮を取っている」

 「まあ、あの人はそういう役目やって自分で言ってたからな」

 「今は…待とう、時守くん」

 

 ◇

 

 「簪っ!」

 「ひっ、あ…ぅ…」

 

  一夏がピットに到着した時、突然の襲撃者に、簪は自身のIS『打鉄弐式』を展開出来ずにいた。

 

 「うおおっ!っ、らぁ!」

 

  扉を壊し、そのまま瞬時加速で『ゴーレムⅢ』の懐に潜り込んだ一夏は、左手を敵の喉元に突きつけた。

 

 「遅いっ!」

 

  一夏を迎撃しようとしているのだろうか、『ゴーレムⅢ』も同様に左手に超高密度圧縮熱線のエネルギーを溜めていたが、それでも一夏には追いつかなかった。

 

 「はっ!」

 

  白式第二形態左腕部多用途武装『雪羅』

  その遠距離兵器である荷電粒子砲『月穿』が、『ゴーレムⅢ』に直撃した。

 

『皆、大丈夫!?』

 「っ、楯無さん!?」

 「お姉ちゃん…」

 

  そんな時、普段、全く聞くことが無いであろう、楯無の焦りに満ちた声が、プライベートチャネルを通して聞こえてきた。

 

『あー、ウチと先輩は大丈夫ッス』

『は?おいフォルテ。3体とかめんどいから助け呼ばねーのかよ』

『僕達は一応大丈夫です!』

『こちら、デュノア・ボーデヴィッヒペア。現在2体と交戦中!』

『アタシ達も一応、無事だけ、どぉっ!』

『数が多すぎますわっ!』

『一夏、お前達の所はどうだ!?』

 「俺達の所は、今一体片付け―」

 

  た。と言おうとしたその時、瓦礫の崩れる音と共に先ほどの『ゴーレムⅢ』が立ち上がる。その側を見ると、もう二機のゴーレムが、自分達をロックしていた。

 

 「3体に増えた!」

『くっ…、これで現状分かっているだけでも11体…。全員、アリーナシールドをぶち破って、アリーナに出て戦ってちょうだい!健闘を祈るわ!』

『了解っ!』

 

  プライベートチャネル越しに、全員の返事が聞こえる。最も、返事をしたのは彼女達だけではない。

 

 「…行けるか、簪」

 「うん。…もう、大丈夫。さっきも、ちゃんと返事できたし」

 

  『ゴーレムⅢ』から一瞬視線を切り、後ろを振り向く。そこには、『打鉄弐式』を身に纏った簪が立っていた。

 

 「もう、私自身には負けない…っ!」

 「よし…、おおおっ!!」

 

  『ゴーレムⅢ』に突撃するフリをした一夏が、一気にピットのアリーナシールドまで詰め寄り、『零落白夜』を振るった。

 

 「簪っ、出るぞ!」

 「うんっ!」

 

  雨が降りしきる中、彼らは躊躇うこと無く、アリーナへと駆け出した。




そろそろ、サブタイでお気づきになる方がいるかも知れませんねぇ…。

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