IS 西の男性操縦者   作:チャリ丸

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待たせたな…ついに彼らの登場だ…


原作開始
圧倒的コミュ力の差


 

「(これは…想像以上にキツイ…)」

 

俺、織斑一夏は少々まずい事になってしまった。男なのに女しか動かせない筈のISを動かしてしまいその後見つかったもう1人の男性操縦者と女子ばかりのIS学園に強制入学させられたんだが…

 

「(視線が…それに…)」

 

まだ先生は来ていなくて、何人かの女子はこちらをじっと見つめてきている。…しかし、まだましな方なのだろう。何故なら――

 

 

「あははっ!時守くんおもしろ〜い。」

「いや、俺の友だちの方がおもろいで?あ、せや。飴ちゃんいる?」

「あ、私欲しい!」

「私も〜、けんけん〜。」

「けんけん?…剣ちゃんの方がええねんけどな、ま、ええわ。んなら君にはお手製サーターアンダギーあげよ。」

「わ〜い。」

 

もう一人の男子のコミュ力がおかしいのだ。…え、これは俺がおかしいのか?女子ばかりの中に放り込まれてしかもこんなに注目あびて緊張してる俺がおかしいのか?俺もサーターアンダギー作ってきた方がよかったのか…うーむ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「全員揃ってますねー。それではSHRを始めますよー。」

 

SHR?…朝の会ちゃうん?…ショートホームルーム…ちっちゃい家の部屋?意味分からんわ。

 

「それでは皆さん、1年間よろしくお願いしますね。」

「よろしくーせんせー。」

 

…あれ、俺だけ!?おいおいおい…冷たすぎるやろ東京!!

 

「は、はい!よろしくお願いします!時守くん!」

「よろしゅう。」

 

なんで俺と山田先生だけの会話みたいになってんの?

 

「…じゃ、じゃあ自己紹介をお願いします…出席番号順で…」

 

お、自己紹介か。事故紹介やな。おk、任せんしゃい。

 

 

 

 

「織斑くん、織斑一夏くん!」

 

お、ついにもう一人の男か。…な、こ、こいつ…敵や。俺らの敵やでこいつはぁ…ただのイケメンやないか…!

 

「は、はい!」

「あっ、あの、お、大声出してごめんね?お、怒ってる?怒ってるかな?ゴメンね!で、でもね、自己紹介『あ』から始まって今『お』の織斑くんなんだよね。だからごめんね?自己紹介してくれるかな?だ、ダメかな?」

 

ペコペコしすぎやろ山田先生。…ん?山田…あぁ、ののちゃんか笑点の人でもなかったんや。

 

「いや、あの、そんなに謝らなくても……って言うか自己紹介しますから、先生、落ち着いてください。」

 

お、すんのか!?

 

「期待してんぞー!織斑ー!一発ギャグやれー!」

「はぁ!?…え、ちょ……」

 

なんや、せーへんのかい。ほーらクラスしけたー。

 

「はぁ…もうええわ。普通に自己紹介し?」

「あ、あぁ…」

 

…山田先生や。なんで俺のことを救世主みたいに見てんの?

 

「えー……えっと、織斑一夏です。よろしくお願いします。」

「……かーらーのー?」

「えぇ…、からのー…」

 

………

 

「はい時間切れーー。残念!織斑くん!」

「…え?じゃあ、………」

 

お、マジかよ。この修復不可能な空気でボケんのかよ。

 

「……以上です!」

「かーらーのー?」

「えぇ!?」

 

おもんな、こいつ。名前ゆーて終わりとか何が自己紹介やねん。

 

「あ、あのー?」

「…はい?」

 

瞬間!教室のドアが開いた!

 

 

 

 

 

 

 

パアンッ!!

 

「正解はっ!!越後製菓!!」

「時守、貴様も喰らうか?」

 

ボケただけでなんで叩かれなあかんねん!!…あっ

 

「…さすがちっふー先生。…ボケにはツッコミが必要なことも分かってらっしゃるんですね?はい、じゃあどうぞ思いっきりしばいてください。」

「…学園では織斑先生と呼べと言ったはずだ。」

 

え?

 

「アレフリや無かったんすか!?」

「当たり前だ。」

 

な、なん…やと…

 

「げ、げぇ!?関羽!?」

「誰が三国志の英雄か、馬鹿者。」

 

スパァン!

 

「2へぇ頂きました。」

「時守、20へぇ程貴様の頭に叩き込んでやろうか?」

「え、いやいいです。流石に織斑の持ちネタ奪う訳にはいかないんで。」

 

あの一瞬で2回叩かれる。織斑の持ちネタは叩かれやな。ひたすら叩かれるだけ、それでもおもろい人はおる。

 

「あ、織斑先生。もう会議は終わられたんですか?」

「ああ、山田君。クラスへの挨拶を押しつけてすまなかったな。」

 

…この変わりよう…関羽ちゃうやろ…ブロリーやろ…

 

「い、いえっ。副担任ですから、これくらいはしないと…」

「諸君、私が織斑千冬だ。君たち新人を一年で使い物になる操縦者に育てるのが仕事だ。私の言うことはよく聞き、よく理解しろ。出来ない者には出来るまで付き合ってやる。私の仕事は弱冠十五歳を十六歳までに鍛えぬくことだ。逆らってもいいが、言うことは聞け。いいな?」

 

「キャーーーー!千冬様、本物よ!」

「ずっとファンでした!」

「私、お姉様に憧れてこの学園に来たんです!北九州から!」

 

おぉ…すげぇ…こりゃ乗らんわけないやろ…!

 

「ちっふー先生ーー!また写真撮ってくださーーい!」

「あの千冬様にご指導いただけるなんて嬉しいです!…って写真!?」

「今度またバッティングセンター行きましょ!!」

「私、お姉さまのためなら死ねます!…バッティングセンター!?」

「ならば死ねい!」

 

ふぅ…今はこんぐらいにしとくか。

 

「……毎年、よくもこれだけの馬鹿者を集められるな。感心させられる。それとも何だ?私のクラスにだけ馬鹿者を集中させてるのか?」

「はーい、バーカでーーす。」

 

ズパァン!

 

「ナイスツッコミです。」

「褒められて嬉しくなかったのは久しぶりだな。」

「きゃあああああっ!お姉様!もっと叱って!罵って!」

「へいっ!」

「でも時には優しくして!」

「へいっ!!」

「そしてつけあがらないように躾をして!」

「イェア!!」

 

ズパァン!!

 

「もうつっこまんぞ。」

「そんな……!なんて生き地獄を……!っく…分かりました…。」

 

なんでや…俺はただリズムに乗っただけやぞ…見事に韻踏めてたですやん。

 

「で、貴様はろくに自己紹介も出来ないのか?」

「いや、千冬姉、俺は――」

 

パアンッ!

 

「ツー丸見え!」

「下ネタに走るな時守。…織斑先生と呼べ。」

「……はい、織斑先生。」

 

…って千冬姉?…ガチのお姉様かよ。

 

 


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