…黒歴史ですが、誠に勝手ながら消させていただきました。
「はわわわわ……」
「い、いや…別に気にしてへんから…な?」
「そ、そうは言っても…」
シャルが泣きやんだ。そう思って安堵した俺は悪いのだろうか。
いきなり俺から離れた思たら今度はあたふたしだしてずっとはわわ、はわわ言うとる。
なんやお前は。フランス人ちゃうくて、はわわ星からやってきたはわわ人か何かか?
「少なくとも剣くん、君が思ってるようなことは無いと思うわよ?」
「なんで考えてること分かんねん楯無。」
「そりゃあずっと一緒の部屋でほぼ毎日特訓も一緒だったら考えてることぐらい分かるわよ?」
「お、同じ部屋!?」
いきなりシャルが大声をあげた。俺の耳元で。ワンサマやったらしばきたおしてるぞ?
「おう、男性操縦者やしな。護衛的な意味で。」
「そ。私、ロシア代表だし、少しぐらいは出来ると思ったからね。」
「あ、あぁ〜…そう言うことですか…」
「まあぶっちゃけ俺も自衛ぐらいできるようになってきたと思うねんけどな。」
「…まあ比較対象がおかしいのよね。初めてISを動かしてそのコーチが織斑先生って。どう?剣くん。勝ててる?」
首をこてん、と傾げて聞いてくる楯無。
お前…さぁ…勝てると思ってんの?
「無理や無理。人外にどうやって勝てって言うねん。」
「じ、人外…」
「まあそれでも私との模擬戦は結構粘るようにはなってきたよね。」
「そりゃあ…な、ちっふー先生と比べたら悪いけど…その、…殺される気がせぇへんから。」
「「…織斑先生やりすぎ…」」
今死んでへんだけましや。一回ちっふー先生in打鉄(魔改造)とやったけどマジでビビった。開始早々剣を投げてくるわグングニル投げても掴むわ…、目ぇ逝ったんかと思ったわ。
「まあ多分やけど強くなってるからええし。実感ないけど。」
「ほとんど私と織斑先生だしね…そろそろ他の子達ともやってみる?」
「おう。…あ、ちょうど今日第3アリーナ使えるしシャルやろや。」
「うん、いいよ。」
「じゃ、早速行くか。んじゃな、楯無。また後で来るわ。」
「あんっ、せっかく来たんだから愛の告白でもしてくれるのかと思ったのに。」
こいつ…。なんでこうもコロコロ変わんねん…。
「してほしいんやったらマジでするぞ?」
「んー、ならもうちょっとロマンチックにお願いしたいわね。」
「へいへい、分かりましたよ。じゃ、マジで行くわ。」
時間も無いしな。
生徒会室のドアが開く―おっと…
「ちゃんとここに戻ってくるからな、待っとけよ?」
こうでも言わな楯無帰るし、何かと寂しがり屋やしな。
「ん?おぉ!剣!生徒会室に居たのか!!」
出たらワンサマとモッピーがいた。校内デートか何かか?
「おう、一応副会長やしな。シャルに生徒会メンバー紹介しててん。」
「う、うん。そうだよ。」
「そう言えば剣は副会長だったな。…一夏、お前覚えていたか?」
「…悪い。すっかり忘れてた。」
おっし、うまいこと合わせてくれたか。…ってかお前ら酷いな。
「じゃ、じゃあ早くアリーナ行こうぜ。なあ、剣…」
「おう。師匠達からの許しも出たしな、そろそろお前らとも模擬戦できるわ。」
「よし!じゃあ俺と―」
「でも今日は悪いけどシャルが先客や。」
しょーみワンサマとはもうちょい後でやりたい。えっと…あの…アレや、朽木白哉じゃなくて…零落白夜?やったっけ?あんなんチート過ぎるし、何よりお互いもっと強くなってからやりたい。男同士な。
「あー、じゃあしょうがないか。…ん?」
「ん?なんやえらい騒がしいな。どないしたんや。」
アリーナに近づくに連れて、廊下に居る女子生徒が騒いでるのが目立ってきた。
「何かあったのかな?こっちで様子を見ていく?」
シャルが観客席へのゲートを指差す。俺とワンサマ、モッピーと続いて駆け足で観客席へと向かう。
「誰かが模擬戦をしてるみたいだけど…それにしては様子が――」
ドゴオォンッ!!
「「!?」」
「あんのクソが…!」
◇
ドガアアァァンッ!
シュヴァルツェア・レーゲンを纏うラウラに、爆発が自らをも巻き込んでしまうほどの距離で、ミサイルを撃ち込んだセシリアとその傍にいた鈴は、地面へと叩きつけられる。
「無茶するわね、アンタ…」
「苦情は後で受け付けますわ。これで確実にダメージが…」
セシリアのセリフはそこで止まり…2人に絶望が訪れる―
「終わりか?ならば私の番だ。」
言うと同時にラウラは瞬時加速で地上に急接近、鈴を蹴飛ばし、セシリアに近距離からの砲撃を浴びせる。
さらにそれで終わることはなく、ワイヤーブレードが飛ばされた2人の身体を捉え、ラウラの元へとたぐり寄せられ、ただただ一方的な暴虐が始まる。
「きゃあああっ!」
「ああああっ!!」
腕、身体、脚、そして顔と…ラウラは殴り続ける。―そして―
「……っふ。」
ラウラの無表情が周囲に愉悦を感じさせた瞬間、観客席の1人の男の『何か』のゲージが振り切り、もう1人の男に久方ぶりの『怒り』を感じさせた。
◇
「一夏。」
「っ!?応!うおおお!」
自分でも驚く程の冷たい声が出た。
一夏は『白式』を展開すると同時に『雪片弐型』を構築し、『零落白夜』を発動、アリーナの観客席を守っているシールドをぶった切った。
キレた時というのは、恐ろしい程に頭が回転する。
――『零落白夜』はアリーナのシールドをも破壊する。
――今あの銀髪はセシリアと鈴に何をした。
――観客席には何人居るか。
――俺が今何をすべきか。
――銀髪は敵か味方か。
――セシリアと鈴は無事か。
――もし敵なら応援を呼ぶべきか。
――シャルはどうするか。
――俺になんとかできる相手か。
順番はバラバラだが、一瞬で大量の考えが浮かぶ。
ふと、横に目をやると一夏がアリーナへと飛び出していた、が、ラウラの右手により動きを止められていた。
――銀髪は…敵。
そう思った瞬間、俺の身体は観客席を飛び出し―
「やはり敵ではないな。この私とシュヴァルツェア・レーゲンの前では貴様も有象無象の一つでしか――」
銀髪の操るISを殴り飛ばしていた。
「っぐ!!き、貴様ぁ!!」
吹っ飛ばされた銀髪―否、ラウラが俺に向かって吠えとる。
「負け犬程良く吠える…ってか。お似合いやのぉ、今のお前には。」
「私を愚弄するつもりか!!」
「事実を述べてるだけや。…一夏、シャル。2人を連れてけ。銀レウスぐらい一人で狩れるわ。」
多分、自然に口が動き…相手を煽っているんやろな。でもよ、許せへんわ。
「ふんっ!ISを動かしてたった数ヶ月の人間、それも男に誇り高きドイツ軍人である私が負けるだと?」
「ははっ、ドイツ軍人ってド素人のパンチモロ喰らうんかい。爆笑もんやな。」
「…今のを自分の実力だと勘違いしているのか?貴様は。」
「今のをまぐれや思とるんですかぁ?お前はぁ。」
「…殺す!」
「沸点低すぎワロター。」
俺のその一言にラウラが瞬時加速で一気に接近してくる。
バチッ!
ラウラのプラズマ手刀と俺のラグナロクモードのオールラウンドがぶつかり、ラウラの加速が止まる。…が…
「あ?」
見えない力に俺の動きも止まる。…一夏を止めてた奴か。
ここでセシリアがシャルに、鈴が一夏によって助けられたのがハイパーセンサーで確認できた。
「ふっ、死ねぇ!」
「…まあええわい。」
ドゴンッ!
何かを殴打した音が響く。その音の発生源は俺ではない。
「くっ…ちょこまかと鬱陶しい武装め…」
「これでもまだまぐれや言うんか?おい。」
ランペイジテールにより吹き飛ばされたラウラである。
ラウラは敵意を完全に俺に向け、姿勢を低くする。恐らく瞬時加速か何かするんやろ。
対する俺はオールラウンドをグングニルモードに変化させ、相手の突撃の迎撃の準備をする。
「行くぞ!」
「来いやこの雑魚がァ!!」
ラウラが飛び出すその瞬間、1つの影がラウラを止めた。
ガギンッ!
金属同士が激しくぶつかり、音が響き、ラウラはその影に加速を中断させられる。
「…やれやれ…これだからガキの相手は疲れるんだ。」
「…織斑先生…」
影の正体は普段のスーツ姿でIS用近接ブレードを持った織斑先生やった。こういうとこを見ると改めて俺のコーチの凄さを知る。
「模擬戦をやるのは大いに結構。だがな、アリーナのバリアーまで破壊する事態になられては教師として黙認しかねる。この戦いの決着は学年別トーナメントでつけてもらうぞ?」
「教官がそう仰るなら。」
ラウラは織斑先生の言うことに素直に頷き、ISの装備状態を解除する。…教官?
「時守、織斑、デュノア、お前達もそれでいいな?」
「…うっす。」
「あ、ああ…」
あーあ、やらかしたな。一夏。
「教師には『はい』と答えろ。馬鹿者」
「は、はい!」
「僕もそれで構いません。」
全員が返事をし終えたところで、織斑先生はアリーナ内にいるすべての生徒に向けて言った。
「ではこれより学年別トーナメントまでの間、私闘の一切を禁止する。解散!!」
織斑先生の一喝で一旦、この戦いは幕を閉じた。
脳内で戦闘シーンがアニメみたいになってんのを文にするってものすごく難しい。つ原作、状態です。
あと『金獅子』の第二形態のワンオフの名前決まりました。
…決闘者が騒ぎそうな名前になってしまった。