IS 西の男性操縦者   作:チャリ丸

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怒れる獅子

 

 

 

 

 

 

「…で、できた…!…私の…専用機!」

 

 

本日は日曜日。クラス対抗戦まで後数時間、と言ったところで、整備室に簪の声が響いた。その場にいた、全ての人が歓声を上げた。ま、もちろん俺もやけど。

 

 

「おぉ〜!かんちゃん、おめでと〜!」

「おめでとうございます、妹様。」

「おめでとう、簪ちゃん。」

「おめ簪。略しておめかん。」

「…ふふっ、何それ。」

 

 

しかし妹様て、虚さん。もうちょいなんかなかったん?ほら、簪様とか。…あれ?様付けること前提?

 

 

「…これで、クラス対抗戦も……大丈夫…かな?」

「大丈夫やろ。打鉄弐式を一番分かってるのはお前や。…それに、簪は簪やろ?お前のやれることをやればええねん。」

「…う、うん…」

 

 

すっごい今更やけどなんで俺1組やのに簪を応援してるんやろ?…ワンサマとか鈴とかあれからどないなってんや?後でモッピーとセシリーとリコピンに聞いとくか。

 

 

「ま、頑張れや。応援してるわ。」

「…うん、ありがとう。」

 

 

…とっととアリーナ行くか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「むぅ〜。」

「あ、あはは…」

「…おいリコピン。セシリーは一体どないしたんや?」

「あんたが構ってあげないからでしょ…!」

「ちょ、ちょっと理子さん!?」

 

 

ん?なんや、構って欲しかったんか。そういや最近簪の方に付きっきりやったしな…よし、簪の専用機も一段落着いたとこやし。

 

 

「んなら次の週末にでも買いもん行くか?」

「…は?」

「え?そ、それって…!?デ、デート…」

「んー、まあせやな。そうなるか。…あー、でも楯無との模擬戦もあるし…」

「えっ!?ちょ、時守!アンタ今なんて!?」

 

 

あん?どないしたんやリコピン。そんな大声出して。

 

 

「なんて?て…楯無っていうやつと模擬戦すんねんけど…お前楯無のこと知ってんの?」

「知ってるも何も学園最強でロシア代表よ!?知らないわけないじゃん!…そもそもなんで模擬戦することになったのよ。」

「そ、そうですわ!わたくしともまだほとんど模擬戦をしておりませんのに!」

「いやなんかノリと流れで…あ、そういや簪とも約束してたな。」

 

 

…あれ?なんでこんな多忙なんやろ。

 

 

「か、簪さんとも!?(デート的な意味で)」

「どういう事ですの剣さん!!わたくしの次に簪さんもとは!!(デート的な意味で)」

「?簪とは楯無の後にやる予定やけど?(模擬戦的な意味で)」

「ヤ、ヤる!?(〇〇〇的な意味で)」

「…な、け、剣…さん?いつの間にそんな関係に!?…というより2人!?(〇〇〇的な意味で)」

「やから楯無とやった後に簪とや言うてるやん。(模擬戦的な意味で)」

 

 

?なんでこの2人はこんなうるさいんや?うるさいのなんかツッコミの時だけでええのに。

 

 

「模擬戦やるだけでなんでそんなうるさなんねん。」

「…あ、あぁ〜…模擬戦…ね。」

「そ、そうでしたの…」

「…お前ら…何を勘違いしてたんや?」

 

 

割とマジで真剣に。…あ。

 

 

「お、もうちょいでワンサマと鈴の試合始まるやん。はよ座ろや。」

「…そうね。」

「…そうですわね。」

 

 

テンション下がりすぎやろお前ら!!

 

 

「…あ、剣。」

「ん?簪?…なんでここにいるん?ピット行かんでええん?」

「…うん、私の試合、この次だから。…ギリギリまで観客席で試合見ようかな?って……。…一緒に…いい?」

「おぉ、ええよ。ほな行こか。」

「お、お待ちください剣さん!!」

「…はっ!?あの時守に美人が2人も!?」

 

 

失礼すぎるやろリコピン、後でタオル喰らわすぞ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…い、痛い…」

「お前があんなこと言うからや。」

 

リコピンにタオル喰らわせました。あー、スッキリ。しかも2発な。ははっ、観客席にめっちゃ座りにくそうや。爆笑。

 

「…あ、あの〜、剣さんと理子さんって…どういう関係ですの?」

「…わ、私も…気に…なる。」

「ん?ただおんなじ中学や言うだけやで。リコピンわざわざ東京からこっち来てんやんな?」

「うん。一応有名私立だったし、IS学園にも行きやすかったから。」

「まあアホやったけどな。…おかげで俺がどんだけ必死に教えたったか…」

「…というと?」

 

 

…イギリス出身のセシリーに言って分かんのかな?これ。

 

 

「リコピン内申やばくてな、テストで稼がなあかんから俺が教えたってん。」

「これでも一応3年間主席だもんね、あんた。…はぁ、全く…なんであんな化物揃いの学校でそんなことできんのよ。」

「頑張ったからや。ええ点取れるだけの勉強したからな。」

「…素直にすごいと思うわ。あんたのそういうとこ。」

「そうですわね、すごいですわ、剣さん。」

「…うん、すごい。」

 

 

こ、こんだけ褒められたら照れるわ。…あんま褒められた事とか無いしな。中学とか男友達とふざけてしかなかったし。

 

 

 

「まあやからISでも同じぐらい頑張るつもりやで。」

「そうですか…あ、鈴さんと一夏さんが出てきましたわよ。」

「な、なんか凰さんのIS…トゲトゲしいね…」

「…あれで刺せばいいのに…」

 

 

リコピン 簪 俺 セシリー

と並んでる観客席からアリーナを見るともう直ぐ試合が始まる、ってとこや。

 

 

「…な、何言い合いしてるの?あの2人。」

「理子さんは知りませんでしたわね。…あ、でも言っていいのか…」

「まあ誤魔化して言おや。…まあとりあえずワンサマが鈴を怒らせただけや。」

「……刺されないかな…」

 

 

んな雑談をしてると試合が始まった。…って…

 

 

「ワンサマ余裕こきすぎやろ…」

「ま、まぁ織斑先生がお姉さんだし…才能とか?あるんじゃない?」

「そう言えば…放課後織斑先生と何かの特訓をしていましたわ。」

「………………」

 

 

な、なんかさっきから簪から殺気が…お!さっきから殺気が…や、やばい…笑えるわ…

 

 

「…あんたまた自分で考えたネタで笑ってんの?ちゃんと試合見ときなさいよ?」

「う、うっさいわリコピン…あー、おもろ。」

「…試合が動きそうですわ。」

「…うん、どっちかが仕掛ける…」

 

 

代表候補生2人の言葉に俺とリコピンの気が引き締まる。…よく見させて貰おか、ワンサマ。男の意地――

 

 

 

 

 

 

 

ドオォォォォォォォンッ!!

 

 

 

 

 

 

を。と思ったら黒いのを見させてもらいました。…何あれ。ワンサマの意地って実体化すんの?怖っ!?

 

 

「と、時守!やばいよ!?」

「何がや?」

「と、扉が全部閉じられてる!!」

「…なんやと?」

 

 

ほんまや。扉が全部ロック掛かってる。…しかも遮断シールドも実体シールドが降りてる。…

 

 

「…敵か。」

「みたいですわね。」

「…うん。」

「う、うわぁ…もしかして私かなりすごい所に居る?専用機持ち3人候補生2人って…」

「セシリア、パニクってる奴らを先導してくれ。簪もや。扉開かへんかったらぶち抜いても構わんやろ。」

 

 

非常事態や。…あだ名なんかで呼んで気を抜かすなんてことしてられるかい。

 

 

「分かりましたわ。ブルー・ティアーズ!!」

「…同じく。…来て…打鉄弐式!」

 

 

そう言って2人はISを展開し、セシリアは観客席の離れた扉へと向かった。…あれ?

 

 

どした簪。急に打鉄弐式を解除して。

 

 

「…どないした?簪。」

「…ギリギリまで調整してたから…エネルギーが…」

「…足りへんのか。」

「…うん、…こんなんじゃ…候補生失格…」

「な訳ないやろ。このクラス対抗戦に間に合わせただけで凄すぎるわ。ほら、理子も簪も落ち着い――」

 

 

 

 

ドオォォォォォォォンッ!!!

 

 

「なっ!?」

「…嘘…!」

「やばっ!!」

 

 

 

2人を落ち着かせてパニクってる奴らを先導しようとした時、俺の直ぐそばに何かが落ちてきた。

 

 

否、何か。ではない。

 

 

 

「マジか……理子!簪!俺の後ろに!」

 

 

敵である。深い灰色の…手がやたら長いIS。

すぐ様『金獅子』を展開し、2人を隠して『オールラウンド』を展開する。

 

…って意味ないやんけ!観客席やしまだ皆閉じ込められたまま…簪は専用機で戦えへんし…先生も近くに居らん。…ってことは…

 

 

 

 

 

「…俺がやらなあかん…か。」

「…だ、大丈夫なの?時守…」

「……剣…?」

 

 

 

 

ふと後ろを振り返ると俺の背中に居る2人が震えてた。

…そりゃそうか、いきなり意味分からん奴が襲ってきてんもんな。ビビって当然や。俺もなんでこんなに冷静なんか分からんし。

 

 

 

「…あぁ、大丈夫や…とは言えへんな。まともな戦闘訓練はまだ全然足りてへん…」

 

 

 

けど、と言いかけた所で『プライベート・チャネル』が飛んできた。

 

『時守!!観客席に行った敵はどうなっている!!』

「織斑先生っすか…今俺の目の前に居ますよ。」

『…任せられるか?こちらから増援ができんのだ…』

「…やったりますよ。…これでも俺、怒ってるんすから。」

 

 

 

プライベート・チャネルをぶちぎる。…何に対して怒ってるかやと?んなもん決まってるわ。

 

 

 

 

 

「…皆をこんな目に…こんな怖い思いさせて…ただで帰れる思うなやカスが。簪、理子。できるだけ離れるよう皆に言っといてくれ。…もちろんお前らも離れとけや?」

「…あ、あんたもしかして…」

「…た、戦うつもりなの…?」

 

 

 

当たり前やろ。

 

 

 

 

 

「あぁ。…お前らをそんなに怖がらせた奴にな、ちょっとお仕置きしてくるわ。」

 

 

 

 

 

そして俺は『ラグナロク』を発動させ、敵に突っ込んだ。




さて戦闘描写!…難しいおo(`ω´)o

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