鈴「なんで私なのよ!」
剣「誰もお前や言うてへんやん。」
鈴「むぐぅ……」
「それでは!!一夏くんのクラス代表就任と!」
「剣くんの副会長就任を祝って!」
『かんぱーーーーい!!!』
クラス代表決定戦が終わった次の日、セシリーはちゃんと皆に謝った。んでワンサマと俺に『しょ、しょうがないですからわたくしが一夏さんに教えて差し上げますわ。…剣さんももちろん、ご一緒に。』とか言うてきた。…そういやなんで俺『剣さん』なんて呼ばれてるんやろ…まあえっか。
「ほーーい!たこ焼きやけたでーー!!おばちゃん持ってってー!まだまだ若いし行けるやろー?」
「あいよ、任せとき!…ほんまうまいな剣ちゃん。口も料理も。」
「どっちもほんまもんやで!ささ、ほら。おばちゃん達の分もあるから!」
「ありがとーな剣ちゃん。…そろそろパーティー行ってきたら?」
「…せやな。お言葉に甘えるわ。じゃーな、お姉さん。」
「もー、うまいこと言っちゃって!ほら!持ってき!!」
食堂のおばちゃんが…なんやこれ…柿ピーとか…おっさんちゃうねんぞ…まあくれたから貰っとこか。
「おっすーワンサマ。はいこれ柿ピー。」
「お、サンキュー、…ってか剣スゲエな。食堂のおばちゃん達と…」
「うん、仲良なったで。もう『いつもの』とか言ってもメニュー出てくるレベルで。」
寮に入った日から使ってるしな。
「マジかよ…あ、そうだ。剣は何作ってきたんだ?」
「俺?…チーズケーキやけど…」
「えっ!?時守くんケーキ作れるの!?」
「ちょーだーい!」
「チーズケーキー」
え、なんやこの反応…まさか…まさかな…
「ちょいワンサマ、…お前、これパーティーやんな?」
「ああ。」
「一品作ってきて持ち込みするんちゃうん?」
「…俺もそう思っていちごのタルト作ってきたんだけどさ…」
…あれ?
「…女子作ってないとか?」
「さ、さぁ…?」
…あれぇ?
「ちらりと見てみたり…」
「え、いやぁ…一品とか作ってないっていうか…」
「作っとけやリコピン。女子力皆無か。」
「し、失礼な!!私だって女子力ぐらいあるわよ!アンタがおかしいのよアンタが!!」
なんやねん。何もおかしないやろ。
「?何が?」
「休日は家でケーキ作ったり!お肌や髪の手入れは女子と同じぐらいしっかりしてたり!!バレンタインのチョコは誰よりも美味しかったり!!全部よ、全部!!」
「?肌とか髪の手入れぐらいするよな?ワンサマ。」
「あぁ、普通はするな。」
やんなぁ?
「もうやだ…私がおかしいの?」
「じゃ、リコピンとりあえず楽しめ、な?」
「にしても今日は派手に沈んだな。」
「やめてくれよ……」
今日のISの飛行操縦で、ワンサマは見事に犬神家してくれた。
「剣のアレはセーフなのか?」
「アウトかセーフかで言ったら……あれはエラーやな。」
俺も同じく犬神家しかけた…ところをランペイジテールで地面ぶっ叩いて体勢を強引に戻したった。
「…はぁ、…クラス代表かぁ…」
「そんな気負うことでもないやろ。」
あ、チョコ柿ピーあるやん…もーらい。
「はいはーい!新聞部でーす!」
「嘘こけや!家新聞取ってへんわ!料金なら払わへんぞ!」
「え!?ちょ、違う違う。IS学園の新聞部よ。私は二年の黛薫子、よろしくね。副部長やってるの。はいこれ名刺。」
あ、学園の新聞部か…集金か思たわ。…ってかなんで一学生が名刺なんか持ってんの?
「ではではー、まずは織斑くん!クラス代表になった感想を、どうぞ!」
「えーと…「とりあえずブリュンヒルデ目指すらしいっすわ。」…っちょ!剣!?」
「おー!こりゃ捏造しなくていいね!」
やっぱこういうタイプか!
「じゃあ次は…時守くん!好きな女性のタイプは!?」
おい待てコラ、おかしいやろ!俺だけ!!…皆俺の方見んなや!
「…一緒にいたいと思う人…っすね。」
「んー、曖昧だねぇ…じゃ、これからの目標は?」
「なんか知らんうちに国連に所属してたらしいんで国連代表なってモンドグロッソ出ます。」
「お!いいねぇ!頂き!」
こんなんでええんかな?
「織斑くんは?」
「えっと…今度の対抗戦で…頑張ります。」
「あ、そこは『相手を完膚無きまでに叩きのめして俺が優勝する!』って書いといてください。」
「おっけー、ありがとね、時守くん、織斑くん。」
おーい、どないしたー?ワンサマ。そんな地べたに這いつくばって。
「あ、そういやあの子供…無事保護してもろたんかな?」
◇
時は少しだけ遡る。
「ふぅ、ようやく着いたわ。…あ、これお金です。お釣り?要らないです。ここまで運転してくださったんですから!」
ようやく!ようやく一夏に会える!!
「いざ行かん!IS学園!たーのもーー!!」
「どこよここ。」
見事に迷った。…衝撃砲で邪魔な建物吹き飛ばしてやろうかしら。
「迷子の迷子の凰鈴音、総合事務受付はー、どこですか。…ちょっと無茶だったわね。」
むぅ…どこにあるのよ。あー、さっきのタクシーの運転手さん…知らないわよねぇ…。あーあ!誰か道案内してくれる優しい子、居ないかなー。
「SHR…いや、数学の時間にちっふー先生座るから…その時にブーブークッションを…」
あ、居た。よし。
「ねー、そこのアンタ。道教えてくれない?総合事務受付ってとこまでなんだけど。」
「…いや、ケツに吹き矢ってのもありか?」
…聞こえなかったのかしら…
「ね、聞いてる?」
「授業中ずっと変顔しといたろかな…」
…
「聞いてんの!?」
「うわっ!?なんやお前!びっくりするわー。」
え!?お、男!?あ、ああ…コイツが…
「あ、あんたが時守剣ね?」
「?せやけど…あー、俺も遂にモテ期来てもたか。うわー、辛い。」
「違うわよ!」
「いや知らん奴に俺のモテ期について違うとか言われてもなぁ…」
「ま、まあとりあえず…総合事務受付ってどこ?」
「…えっと…中等部?」
「違うわよ!!普通の!IS学園のよ!」
「……いやちょっとそれは無茶あるわ。」
「…何がよ。」
「身長。…まあでもそんぐらいの方が可愛げはあるけどな。」
「…そ、そう?」
「おう。…まあ中学生やったらそれぐらいやろ。」
さっきから中学生中学生って…!
「私は高校生よ!!」
「…マジみたいやな。えっと、総合事務受付やったっけ?…あ、そこ通るわ。一緒に来るか?」
「え、ほんと?ラッキー、ありがとね。」
ふふん、普段の行いが良いからね!
「ここや。」
「あ、ほんとに着いた。」
「おいそれどういう意味や。」
「いや…アンタの性格からしてまともに連れて行かないかと…」
「失礼な奴やな。…水風船喰らわしてからしばきまわすぞ。」
「なんでそんなもん持ってんのよ!それに嫌よ!…ま、いいわ。ありがと。」
「ふふっ、礼には及ばんよ。」
「あははっ、アンタって面白いわね。」
「お前に言われたないわ。」
むっ!
「どういう意味よ!」
「そのまんまの意味や。…お前からは…俺と同じ匂いがする…」
えっ!?
「アンタシャンプー何使ってるの?」
「いち〇」
同士よ!
「いい匂いよね!い〇髪!!」
「当たり前やろ。ふわぁ…ってくるあれな。」
「そうそう!…アンタとは仲良くやれそうね!あたしは凰鈴音!よろしくね。」
「お、じゃあ…俺は時守剣。剣ちゃんでも剣でも気軽によろしく。」
「じゃあ…剣、よろしく。」
「よろしく、鈴。」
…なんかコンビとか組めそう?
アカン!眠い!でもとりあえず鈴ちゃん出せた!
こっからペース速めるで!