Fate/無明長夜【日本の英霊限定・オリジナル聖杯戦争】   作:世木維生

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「……ぬ……しかし……一体全体如何なる事にござろうか? キャスター、確かに貴殿が天文博士(てんもんはかせ)に相違ないと、そう申すのでござるな?」

「ええ。私は貴方の向かいに居を構えていた翁で間違いはありませんよ。しかし、備前守(びぜんのかみ)。貴方は何とも不格好──いえ、失礼……ええ、そうですね──備前守。貴方は何とも実に独創的で非常に特徴的な(なり)召喚(よば)れたものですね」

 天文博士とは、天文道を司る陰陽寮の要職の一つ。キャスターが生前に任命されていた役職に他ならない。対して備前守とは、要約すれば備前という国の朝廷公認支配責任者を示す役職であり、こちらはアサシンが酒呑童子討伐を行った際に任命されていた役職だった。

「不、不恰好だ、と今、申したでござるか……?

 ──ぐぬぬ……な、納得いかぬでござる。どう考えても、納得いかぬでござる……! 何故に拙者よりも倍に近い齢を数えるはずの翁が、拙者を差し置いて、こうも若く美形化されて召喚(よば)れているにござるか──!」

「やれやれ……それが聖杯戦争のシステムでしょう? 備前守、貴方もご存知のはず──サーヴァントとして召喚される英霊は、生前の最も力を持った状態で再現されるものですよ」

「──いやいや! いやいやいやいや! ならばこそ天文博士よ! 老成円熟、陰陽師として齢を重ねるごとに完成された域へ到達していった貴殿は、より老年の姿であるべきであろう!? 貴殿は老いて衰えるどころか、陰陽道をより極めていった卓越者。拙者としては体力的な部分を考慮したとして、最大限譲歩したとて、せめて壮年辺りの状態で召喚されのが妥当であるべきだと思うにござるよ!?」

「──そこはまあ、その召喚される時代や地域、人々のイメージ、マスターによりけりと様々な外的要因も大きく影響を与え得る要素となるようですから、一概にそうとも断言できるものではないのでしょう──」

「──ズ、ズッコイ! そんなのアリでござるか!?」

 涙目で訴えるアサシンに、キャスターは呆れの色を浮かべる。

「はぁ……相も変わらず実に騒がしいお人ですね、貴方は。これだけ見事な(はな)を肴に呑もうと言うのですから、もう少しだけでも静かに趣に酔い痴れたいとは思わないのですか? 折角の再会を祝して、当代の良い酒をわざわざ天后に用意させたのですよ?」

「これは苦情を訴えたくもなるでござろう!? 貴殿が拙者の立場ならどうでござろうか!? 少しは相手の立場や心境を考えるでござるよ!」

「……全く。いい加減になさい。以前から毎夜毎夜、特に(つな)金時(きんとき)ら、貴方直属の者が其方(そちら)の屋敷に訪ね来て、その騒音に今宵こそは(しゅ)をけしかけてやろうかと常々考えていましたが、本当に……」

「──な、なんとー!? 貴殿、今、何と申した!? (しゅ)と申したか!? 呪でござると!? 件の(かわず)のように我らを呪うつもりにござったか!? 余りに物騒過ぎでござろう!? だったら先に、もう少し静かに~、なんて言伝(ことづて)を使いの者にでも、それこそ式神(しき)にでも託せばよかろう!? 何も言ってこなかったでござるよね!? なのに、いきなり呪殺でござるか!?」

 

 長徳元年。西暦で表記するところの995年。

 時の帝であった一条天皇は、都を荒らしていた鬼たちの王・酒呑童子征伐の勅令を源頼光に下す。

 この時、酒呑童子の住処を判明させるために帝が最も信頼する陰陽師を呼び、占術を行わせたのであるが、この陰陽師こそが老年の域にあった安倍晴明に他ならないのだった。

 また先のキャスターの発言にあった綱というのは、渡辺(わたなべ の )(つな)という源頼光に仕えた優れた四人の家臣──頼光四天王の一人のことである。

 渡辺綱は源氏の名刀“髭切(ひげきり)”を佩刀(はいとう)した武士で、同じく先のキャスターの発言にあった金時、つまりは坂田(さかた の )金時(きんとき)──幼名“金太郎”、或いは近世にあってはゴールデン──を抑え、頼光四天王の筆頭として挙げられる非常に優れた武人だった。

 この綱が頼光の使いで或る夜に戻橋を通りかかった際、美女に化けた酒呑童子の腹心・茨木童子(いばらきどうじ)と遭遇し、その片腕を髭切で斬り落とすという逸話が存在するのだが、この際にも彼ら頼光とその四天王は事後の対応について晴明に相談を持ちかける(くだり)が見受けられる。

 

 平安の一時代。京の都を闇からともに守護した者。

 魔術で護った者の筆頭がキャスター・安倍晴明であり、武力で護った者の筆頭が源頼光であった。

 そして、彼らは一条戻橋の辺りに“お向かいさん”同士として屋敷を構え、紛うことなく顔馴染みの関係であったのである。

 

 淡い紅の花の下で、会話の内容はどうであれ、二騎のサーヴァントが再会の杯を酌み交わす最中。しかし、そのマスター同士は無言を貫いていた。

 サーヴァント同士を中央に、二人は物理的にも最も離れた位置に座している。

 騒ぎに騒いだアサシンが自棄(やけ)にとばかりに酒を(あお)り、やり場のない憤りと不満、そして自身の不遇に対する諦めを溜息とともに吐き出したのは、この場で両陣営が出会って、どれほどの時間が経過してからだったろうか。

 

「……アサシン。もういいかしら? ずいぶんとなんだかワケのわからないコトをワメキ散らしてたから、アンタたちの会話の内容なんか漏れなく聞き流してやったけど……で、募る話は終わったのよね?」

 

 募る、積もるの誤用はさておき。

 その不意に訪れた沈黙を破ったのは、二つの陣営が遭遇して初めて口を開いたアサシンのマスター──中木洋子だった。

「──ぬ! 姫、これは失礼仕った!」

 そのコスプレ魔女が立ち上がりざまに発した言葉には、アサシンがぞっとするほどの静かな怒りが込められていたのである。

 軽視されることや無視されることを、この女性マスターは最も嫌い、激怒する。

 付き合いは短いとはいえ、それをアサシンは十二分に理解していた。ならば、そのサーヴァントは素直に、即座に謝意を全身をもって示す。勿論、主を(ないがし)ろにしてしまったという後悔──忠義心が大半である。しかし、同時に精神的に何かと面倒な事態が長々と尾を引くのは、心底、御免被りたいのだ。その挙句に、どんな無理難題を押し付けられることか。だから、それはそういう意識を体現化させた、実に有効な回避方法だったのである。

 

「……へぇ。サーヴァントにそこまで忠誠心を植え付けているなんて、君は中々に優れたマスターなのかな?」

 ばつの悪い沈黙を破ったのは、相対する陣営も同様の立場の者だった。今度はそんなアサシンの姿勢を目の当たりにしたキャスターのマスター──長浜将仁が声を発する。

 

 ────その関係は、真っ当なマスターとサーヴァントの間に築かれたものなのか?

 

 それはさておき、確かにアサシンとそのマスターの間には、揺ぎ無い主従関係が存在することを少年は確認したのである。

「……あら? ようやくしゃべったと思ったら……」

「君のサーヴァントのお陰で、話しかけるきっかけを逸していたから」

「ふうん……果たしてホントのトコ、どうかしらね?」

「……それで貴女が気を悪くした、僕に不信感を抱いた、そういうのなら謝るけど──」

「──ふん。図々しい。ずいぶんな減らず口ね。突然あったばかりの無愛想な根暗無口を信用できるとでも思ってるの? ──でも、まあ、少しだけアンタのことを見直したわ。二流、三流の魔術師でも、私の溢れんばかりのカリスマ性は理解できたのね。で、その理解力があるってんなら、話は早いわよね?」

 将仁もまた彼女の言うように、これまでずっと口を噤んでいた。

 だが、その少年の真意を洋子が理解することはない。否。そもそも彼女には、他者を理解しようなどという意思はない。

 そんなことはどうでもいい。どうでもいいことなのだ。

「──さあ、殺し合いを始めましょう? アンタは私を殺すために現れた魔術師なんでしょ? 返り討ちにしてあげるから、喜びなさい。私のアサシン(魔力)の前に無様にひれ伏すがいいわ──」

 セイノーンの王女は墓守との会話を思い出す。彼らはアノアデルを、人類を裏切り、魔族に尻尾を振った魔術師(てき)────。

 だからこそヨコリーナ姫は、明確な殺意をもってキャスターのマスターに宣戦布告する。

 

「……別に僕はそれでも構わないけど。いいの? こちらの話は聞かなくても?」

 

 そんな明らかな敵意を向けられた将仁は、しかし、顔色一つ変えずにおもむろに立ち上がるとズボンについた土をその手で掃い落とした。

 洋子に看過されることはないが、その無造作な動作に、しかし、攻撃の機会を与える余地はなかった。

 この魔術師自身にも、そして、その横に座している英霊たる青年魔術師にも一分の隙もない。

「……くだらない話なんでしょ、どうせ? そもそも、アンタみたいなクール系のいかにもな美形はぜんぜん信用できないし、信用したくないのよ」

「そう。残念だけど……でもまあ聞いてよ、きっと悪い話じゃないと思うから。中木洋子さん──」

「────! ……それ、私の身元は特定できてる、っていう脅しのつもりなのかしら?」

「……どうとでもとってよ。でも今夜、僕とキャスターは君たちと戦うためにこの場を設けた訳じゃないよ」

 変わらずにゆとりを持って語りかける将仁。そのサーヴァント、キャスターはちびりちびりと杯を傾け続けているだけだった。

「……ふうん。じゃあ、どういう意図があるっていうのよ?」

 彼女を攻勢に駆り立てなかったものは、正統派ヒロインがここでいきなり攻撃に転じることはできないだろうという意味の分からない判断基準だけである。ストーリー展開を考えるに、彼女(主役)は外伝モノのギャグ展開でもない限りは、そう動くべきなのである。

 それは義務的対応であったと言って過言ではない。

「……キャスターの旧知ということで、今、君たちが夜な夜な実行していることの手助けを申し出ようと思ってね」

「はん! 馬鹿にしてるわね。敵対するべきはずの相手が、メリットもなしに一方的に施しを与えるとでも? それで、それに私たちが何の警戒のなしに乗っかるとでも? うさんくさいのよ!」

 内心、今すぐにでもアサシンをけしかけたい欲求を抑え、洋子は応答する。

「鋭いところは嫌いじゃないよ。もちろんギブ・アンド・テイクな話だよ。僕たちにもメリットがある。そういう裏がないと、確かに君たちも信用できないよね? 単刀直入に言うとね、その見返りとして君たちは僕らの陽動役を担うことになるんだ。僕たちの用意した仕掛けを利用することで、君たちには短時間で一気に戦力増強できるというメリットが得られる。その間に僕たちは僕たちの計画(スケジュール)を実行に移せる──これは、そういう対等な取引だよ」

「──計画? ホントにアヤシイ言葉しかださないわね? アンタ──」

「……そう仰々しいものでもないんだけどね。ほんの会合に過ぎないよ。ある人物と接触したいだけなんだ。ただ、どうしても余計な邪魔者の登場は避けたくてね……確実に、その人物と二人きりの場を設けたいんだ」

「……会合、ねぇ……」

「──今回限り、たった一回だけの協力体制。どうかな? 見返りは決して少なくはないと保障するよ?」

 彼女本来の短気で短絡的な性格からすれば、そこまでの会話で交渉は決裂、戦闘へと突入しただろう。

 

「……ふん。いいわ。そこまでいうのなら、一応、詳しい内容を聞こうじゃないの」

 だが何故か洋子には、その自らを窮地へと追い込むであろう選択肢こそが、しかし、それによって駆けつけてくれるであろう墓守と再会──彼とのフラグ──であるような気がしたのだ。

 

 アサシンのマスターの対応が軟化したことを受け、将仁は柔和な微笑を浮かべる。

 キャスターは空いていたアサシンの杯に酒を注ぐと、再度座するように勧め、そして目を細めながら桜を仰ぎ見たのだった。

 

 

 

 

 ◇

 

「──ろみうす。まだ横にならないのですか?」

 明るみ始めた街を一望できる高層マンションの一室。

 窓際のテーブルに座しておきながら、全面ガラスの向こうの色付きはじめた美しい景色には一瞥もくれず、青年魔術師は意識を集中し、その手に置かれたカードをシャフルしていた。

 

 聖杯戦争のためだけに購入された夏川有数の物件。

 郊外に居城を構え、工房を築くなどと長期的なスパンで考慮すれば有用かも知れないが、この抗争とはオーウェン家にとっては次期当主と目される青年個人の道楽に過ぎないのだ。

 長く見積もっても数週──極々、短い期間だけの仮初の住まいなどと、そこそこのアパートメントのワンフロアを占有するだけで十分だと彼は判断したのである。

 

「──ろみうす?」

「ん? ああ、すまない、ライダー。どうしたんだい?」

「何をなさっていらっしゃるんですか?」

 絶世の美女に声をかけられた青年魔術師はカードを切るのを止めて顔を上げた。

「……満足に睡眠を取られていないのですから、疲労されているのでしょう? まだ横にならないのですか?」

「……ああ。そうだね……もう少しだけ。もう少しだけ起きているよ」

 心からの配慮を表情に浮かべた己がサーヴァントにマスターは笑顔で返す。

「……それで、何をしていらっしゃるんですか?」

 そのマスターからの返答に少しだけ呆れの色を見せた絶世の美女は、そのさまもこの上なく絵になっている。

 そんな彼女に問われたマスターは、しかし、彼女には既に意識はなく、その手を再び動かし始めていた。

 その整えられた指先が、テーブル上に山札から繰られたカードを規則的に配していく。

「──これはタロット占いっていってね。まあ、乱暴な言い方だけど、僕らの国の占術だとでも認識してくれていいよ。確かライダーの国では亀の甲羅を炙ったりだの、星を見たりするんだったね?」

「──タロットくらい存じています。ですが、占い、ですか──何を占うのですか? ろみうす」

 そう言われて興味深げに見守り始めた美女を前に、ロミウスは手際よくその設置を終える。

 象られたものは六芒星(ろくぼうせい)

「──これはダビデの星を模した配置方法(スプレッド)でね、ヘキサグラムって言うんだけど……直面している状況や問題に対する占いに向いてるとでも考えてくれたらいいかな? ポピュラーな割りに奥深い配置方法でね──まあ、そんな薀蓄はいいか──」

 

 彼らの一族が創り上げた魔術。その礼装に設置・使用された山札(タロット)は、使用後も魔術行使には不十分ながらも占いに使用する分には十分過ぎるだけの貯蔵魔力(残滓)を残していた。

 自身の魔力を長い歳月をかけて馴染ませ、貯蔵し、作成してきた自身専用の魔術道具(マジックアイテム)なのである。

 オーウェン家の人間は、だからこそ礼装に使用されたタロットカードを、最後は占いに使用し、その役目を終えさせるのだ。

 

「……運命の輪、皇帝」

 過去を示す札、“Ⅹ.運命の輪(ホイール・オブ・フォーチュン)”。転機の訪れ。

 現在を示す札、“Ⅳ.皇帝(エンペラー)”。同盟の締結。

 

 ────その的中率は極めて高い。

 

 それは自身の膨大な魔力を蓄えていた分、殊更に自身の事象を占うことにかけては、驚異的な的中精度を誇るのだ。

 オーウェン家に伝わる数多の過去の事例、自身の経験。その両面がその事実をロミウスにも教えていた。

 眼下に現れた結果もまた、それを明確にしている。

 

「──月」

 続けて表向きにされたのは未来を示す札、“ⅩⅧ.(ムーン)”。

 

「……隠れた敵の存在?」

 様々な意味合いを持つタロットカード──その大アルカナの教え示す意味を紐解くものは、占い師自身の直感である。

 ロミウスは即座に、そのカードをそう読み解いていた。その脳裏に浮かぶのは夏川の御三家の一角。参戦していて然るべきであるはずでありながら、以前沈黙を守る“テュムラスグリモワール”────。

 占い師の手は止まらない。

 

「──愚者」

 対応を教える札、数字無き札である“愚者(フール)”。

 

「自由にしろとでも……!?

 或いは────原点回帰とでも読むべきか……?」

 そう解釈したのは、数字を打たれる際は“0(ゼロ)”とされることが多いその札、故か────。

 

 ──そして、ロミウスはそこで唐突に占いを終えた。

「……ろみうす? まだ表を向けられていないカードがありますよ?」

 興味深く見守っていた分、その尻切れ蜻蛉な幕引きに彼女が強い疑問と不満を抱くのは当然である。

「……いいんだ、ライダー。ここから先は見るべきものじゃないから……」

「──どうしてでしょう?」

「……そうだね、恐らく次は塔──」

 やれやれ、と首を横に振った後、そう言って疑問を投げた己がサーヴァントの前で、ロミウスは次の札を表返す。

 

 “ⅩⅥ.(タワー)”。

 

 ────果たしてそこに在ったのは、確かにロミウスの宣言したものだった。

 

「まあ、聖杯戦争なんかに参戦しているんだ。災難が降りかからないはずもないからね。これは絶対的に妥当なものだろう」

 そこはこれからの環境を示すカードが配された場所だった。

 言葉通り。災難無き聖杯戦争など、在りようはずもない。

「そして、次は恋人」

 

 “Ⅵ.恋人(ラヴァーズ)”。

 

 続いても、言葉違わず。

 そこは彼の願望が配される場所なのだ。

 外れるはずもない。それが彼が夏川に存在する理由なのだから。

「……最後の一枚は?」

「……そこは絶対にめくりはしないよ、ライダー。そこにあるのは未来──」

 そこに眠るものは最終結果。

 定められた未来が記されているからこそ、これまで何度占いを行おうともロミウスは決してそこを明らかにすることはなかったのである。

「……絶対の確定した結果を直視して尚、その総てを寛容できるほど僕は達観できてはいないからね」

 そういって寂しげに青年は呟いた。

 

「……ろみうす。そこに未来が示されているというのならば、私はそこにあるものは“ⅩⅦ.星(希望)”、あるいは“Ⅶ.戦車(勝利)”かと思います──」

 マスターへ向け、輝くようにライダーが微笑むと、ロミウスもまた彼女に微笑み返した。

「──ああ、ライダー。僕もそうだと思うよ」

「──はい。間違いございません」

 

 

 陽はその姿を完全に見せ、既に空は青みを帯びていた。

 夏川は聖杯戦争開戦より三日目を迎える。

 

 

「……さて。いい加減、就寝するとしよう。すまないがしばらく頼むよ、ライダー」

「お任せください、ろみうす」

「昼には行動を開始するつもりだ。そのつもりで」

「かしこまりました」

 告げて席を立つと、ロミウスは大きく伸びをする。

 向かう先は当然のようにベットルーム。

 そうして彼は、ようやく数日振りの睡眠を貪ることにしたのだった。

 

 

 

 

 

 


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