Fate/無明長夜【日本の英霊限定・オリジナル聖杯戦争】   作:世木維生

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 ライダーの生んだ巨大な光球は疾走する。

 いつもの夜であれば、静かな、呼吸をする音でさえも響きそうな林の闇に轟き渡るのは、臨界間際のジェットエンジンの甲高い断末魔の悲鳴のような駆動音。

 セイバーを十分に丸呑みできるほどの大きさを持った騒音の源は、瞬間的に、その英霊の眼前へと迫っていた。

 だが、剣士のサーヴァントは怯みはしない。

 人間には反応すらも許さないであろう超スピードでの突撃を、しかし、セイバーは迎撃すべく的確に動く。

「──笑止。如何にもな雑兵思考だな」

 呟いた言葉通り、それは彼に予測されていたこと。

 目を見開き、それを確かに捕捉しながらセイバーは嘲笑する。

 刀身約80センチメートルの宝剣。その刃先は菖蒲の葉のような形状をしていた。

 英霊の手に在る、その白銀の太刀は担い手の想いに応える。

 その両刃の古代剣は不意に揺らぐように見え、うっすらと輝きを放つ。

 それはその神剣の素材であるヒヒイロカネの持つ特性だった。

 

 ヒヒイロカネ。神代に失われた幻の金属。

 その極希少金属は金剛石よりも硬く、純粋なエネルギーのみならず意志の力・魔力でさえも伝導させる能力を有する。

 

 セイバーの宝具は担い手の込めた意志の力や魔力を、全く減殺(げんさい)させることなく刀身へと伝え、純粋な破壊の力へと変換させていた。

 

『叩き斬る!』

 

 剣の英霊は、その意思のままに体を動かす。

 天叢雲剣は、その意思を受け攻撃能力を更に特化させる。

 

 嘲け、セイバーは神剣を閃かせた。

 

 

 ────光が、射す

 

 

 衝撃音さえも掻き消す様に、光は辺り一面に膨張し、拡散していた。

 それはライダーの駆る科学の結晶たる駿馬が、魔術と融合し、その驚異的な加速をもって発したものか────。

 或いはセイバーの宝具が、ターボシャフトエンジン搭載バイクのカウルを斬り裂いた刹那、一際と輝きを放ったためか────。

 

 それとも────。

 

 

 元が生身の人間に捕捉しようもない高次元での戦闘は、状況の把握であれど容易に行えさせはしない。

 唯、明確なことは、光弾がセイバーの身を過ぎ去ったと思われたのと同時に、ランサーのすぐ横にそれは着弾・激突し、小規模ながらに爆発を起こしたということだけだった。

 濛々と上がる黒煙。

 だが、その火元を窺う者はセイバーのマスター一人だけだった。

 そこには朽ちた車体が転がるだけである。

 

「──厄介な敵のようですね……御二方とも」

 宝槍の石突きを地面に突き立てて立ち上がると、ランサーは食傷気味に零した。

 その身体にダメージ自体は存在していない。

 近接戦闘でのセイバーの猛攻を前に、無傷でいられたということが彼の実力を物語っていた。

 だが、戦力を比較するに、現状が実に不利であることをランサーは冷静に判断している。

 少なくともこの二騎のサーヴァントは、力押しで正面から挑むのだとすれば、自身には勝てる見込みが希薄であると理解していた。

 実際に切り結んだセイバーは、純粋にそれと解る。

 技量的には互角であっても、その攻撃一つ一つで力負けする以上、押し込まれることは避けられない事態なのだ。

 そして。先のセイバーとの攻防に於いて、ライダーもまた、彼女特有の能力的な意味でそうであると、ランサーは静かに悟っていた。

 今のランサーの視界にはセイバーの背中がある。

 後姿を見せる最優とされる剣士のサーヴァントは、その抗いようのない能力を持った騎兵のサーヴァントを前に、果たしてどの様な表情(かお)をしているのか?

 自身が存在していた時代の(みかど)を手玉にしたその天女は、現代(いま)に在っても同じ現人神(あらひとがみ)二人を、軽くあしらう力を確かに有していたのだ。

 その絶望を思わせるに近い能力を前に、絶対的な英雄は何を想う──。 

 

 母親が我が子に、枕元で言い聞かせる童話。

 その物語の結末同様の現象が起ったのだという事実を突きつけられて────。

 

「──ライダー。お前が彼の名高い竹取翁(たけとりのおきな)の娘だと言うのか?」

 そう口を開いたセイバーは、しかし、さも愉快そうに嗤っていた。

 その視線は彼女のマスターであるロミウス──その横。突如とそこに転移したように控えていたライダーに向けられている。

 いつの間にか十二単(じゅうにひとえ)を纏い、殿方に連れ添うあどけないその姫君には英霊などという、勇ましい印象を抱かせる気配はまるでない。

「……だとしたら何だというのでしょうか?」

 ライダーの肯定を聞くや、セイバーは天を仰いで笑った。

 そんなセイバーを睨みつけるライダーの眼には、明らかな怒りが灯る。

 それは明らかなる侮辱の込められた笑声だったのだ。

「──実に滑稽だな。六人もの男を袖にした絶世の美女というのが、このような童女(わらわめ)とはな」

「セイバー、貴方は!」

「売女。貴様の時代の男どもとは、さぞ絶望的な女日照りにあったのであろうな」

「撤回しなさい!」

 星夜に木霊した嘲笑。

 そして、一頻り笑った後のセイバーの暴言に、ライダーは声を荒げる。

 その言葉は彼女のみならず、彼女のためにその財を、その地位を、その生命すらを投げ打った彼らに対する冒涜。

 怒声と言わず、金切り声とは言わず、駄々声に近い音質。だが、その声に込められた殺気を、セイバーは嗤い受け流す。

 対象に届かぬ少女の怒り。

 だが、上げられた声と共に彼女の足元から次々と伸びた竹が、その殺意を代弁していた。

 複数の鋭利な穂先が、それぞれにセイバーを襲う。

 しかし、セイバーはそれを稚攻だとばかりに鼻で笑い、退かずに自らの身を襲い来る魔術槍へとさらけ出した。

 そして、その手の宝剣を一閃させる。だが、それだけでライダーの全ての攻撃は無力化されてしまっていた。

「手緩いぞ、売女!」

 吼えるセイバー。

 

「──っ!? これ!?」

「──何?」

 

 古の英雄が挑発を叫んだ、直後。

 彼女のマスターとライダーが異口ながらに感知した異変を呟く。だが、その二人の少女が発した声とは、決してセイバーの言動に因るものではない。

 

 魔術の感知感覚の鋭敏な者たち。

 この戦場(ばしょ)では二人の乙女だけが、その禍々しい魔力の潮流を捉えたのだ。

 それは街の中央部付近から感じられた、吸命の呪術のおぞましい感覚だったのである。

 

 その刹那にロミウスがライダーを抱えて飛んだのは、セイバーが迫る動作を見せたからでも、ライダーが一瞬、気を削がれ隙を見せたからでもない。

 端から彼女が多少なりと『その能力』を使用した時点で、どう行動するのかを、前もって決定していたからに過ぎなかったのである。

 しかし、それは結果として現状において最善の策と言えた。

「──ろみうす」

 青年の胸でライダーは冷静さを取り戻すと同時に、祥雲に乗った荘厳絢爛な牛車を現界させる。

 

 それは月へと帰る彼女のために、月帝が地上に遣わせたもの。

 それこそが彼女をライダーというクラスに割り振らせた”象徴”に他ならない。

 

 召還された唐庇車(からひさしのくるま)の内部にライダーとロミウスの姿はあった。

「何をするべきか理解してるな? ライダー」

 自らを抱き寄せたマスターを見上げ、こくりと小さく少女は頷くと、自らの意思だけで操ることのできる牛車へと命令を下す。

 ライダーの命に、(くびき)に繋がれ宝具として牛車本体と一体化している霊牛は猛る。

 その唐庇車を牽く雄牛は、通常のものよりも優に2倍近い巨体を誇っていた。

 それは牛というよりも象のような巨体を(いき)り立たせ、鼻息を荒く吐き出す。

 ライダーの意思を紛れもなく体現しているかのように、低く唸る。

「……家畜の分際で──」

 自らの前に立ち塞がったモノを睨みつけながら、瞋恚(しんい)に燃え、セイバーは神剣を強く握り締めた。

 菖蒲葉が殺気に明らかに揺らめく。

 日本に於ける闘牛とは神事。

 神に奉納する儀式として行われていた牛同士の相撲である。

 その荒ぶる牛の相手を崇められる対象たる英霊自らがさせられるという事態とは、即ち、セイバーをその家畜と同格とみなした行為とも受け取れた。

 否。少なくとも、その剣士の英霊はそのように受け止めていたのである。

「──戯れるな!」

 セイバーが怒気を吐いたのを合図としたかのように、雄牛は前足を蹴り出す。

 大地を(えぐ)り、大気を激震させ、巨体が突進する。 

 黒い巨躯が眼前の英霊に猛進し、正に交差しようとした直前。

 セイバーが神剣の真名までを解放し、全力を持って対象を完膚なきまでに消し去ろうとした矢先。

「また逢えるときを楽しみにしてるよ、セイバーの淑女(マスター)

「────え?」

 牛車の物見からロミウスは里子へと声をかける。

 そして、対峙する者を意に介すことなく、ライダーとそのマスターを乗せた牛車はそれ以上の交戦を避け、中空へと駆け上がっていた。

 

 

 

 

 

 ◇

 

 ────数分前。

 少年の視界は突如、赤く染まった。

 それが自分の身に降りかかった第三者の手による何らかの異常によるものだと、何故か少年は直感的に理解できていた。

 

 儚く脆く壊れゆく世界。

 崩れていくのは純粋な『物質的世界』なのではなく、少年自身の『認識している精神的世界』。

 

 地震などではなく空間そのものが歪んだような、水平平行上下左右とあらゆる位置感覚が狂うような、そんな違和感が少年を襲い続ける。

 そして、直後に吐き気を伴った猛烈な虚脱感を少年はその身に覚えた。

 抗う術もなく、ただ意味も理由も解らぬままに、その何かに命が奪われようとしてることを少年は本能で悟る。

 一秒、二秒、三秒。

 そんな僅かな時間の経過の後に、直立するための力を両脚は酷くあっさりと放棄させられ、少年は為す術なく糸の切れた人形のように床に崩れる。

 倒れ様に散らかした自身の運び込んだ荷物に囲まれ、少年は、どうにか天井を仰いだ。

 

 ──だが、諦めはしなかった。

 

 無様にも、とにかく手を伸ばし、何かに捕まって立ち上がろうとした。

 

 その手に触れたものは、薄汚れた白球。

 偶然にも握られた、日々、彼が想いを込めてきたその小さなボールが少年の命を繋ぐ。

 

 その身体に感じられたのは解放ではなく、抵抗。

 命を奪おうとする何かから、自身を護ろうとする何か。 

「────ぐっぅ!」

 奥歯を強く噛み締めて、少年は抗う。

「──こ、これ……上の方から、だっての──か!?」

 そして、その異常の源を上階から感じると、少年は負荷に逆らいながら壁伝いに立ち上がる。

「……くそっ、俺が、止めないと!」

 歪む力に屈しないまでの抵抗力をどうにか得られた少年は、覚束ない足取りながらも部屋を飛び出していた。

 

 

 

 

 

 ◇

 

「──将仁。魔術師が一人、ここに来ますよ」

「──うん。何となく解っていた」

「……何となく、ですか……」

 少年の見上げていた夜空に一つ、星が流れた。

「──うん。何となくだけど確信していたよ、キャスター」

 長浜将仁と契約をしたその魔術師の英霊が扱う魔術体系では、天体の動きこそが地上の命運を教える(しるべ)だと考える。

 その魔術──陰陽道を修学したわけではない将仁には、それの暗喩する事象を理解できたわけではない。

 

 しかし、それが夭逝(ようせい)を報せる兆しであろうことを、その魔術師は判断していた。

 

 この屋上に至るための唯一の入り口。非常扉が重い音を響かせて、勢い良く開かれる。 

 将仁は、そこに現れる魔術師が誰であるかを予測できていた。

 そして、そこにはキャスターのマスターが予想した通りの見知った顔が在る。

「……遅かったね、祐樹」

「……将仁。本当に、お前なのか?」

 

 彼こそが将仁が破壊すべき象徴────。

 伊達(だて)祐樹(ゆうき)。彼の親友に他ならなかった。

 

 鉄扉と入れ替わるように体を動かし、祐樹は屋上へと足を踏み入れた。

「君が僕を見間違えるはずがないよね?」

 キャスターのサーヴァントを中央に、確かに二人は互いを認める。

「ホテルの、中……みんな、倒れていたぞ?」

 何があってそうなったのかを、祐樹は知り得ない。

 だが、それが親友の行ったことだと、何故だか感覚的に理解できていた。

「うん。そうだろうね。僕がそうするように仕向けたから──」

 そして、希望していた否定ではなく、予想通りの肯定が彼の口からはもたらされる。

「冗談、だろ?」

「祐樹。君は僕が冗談を言ってるように見える?」

 分厚い扉に体を預けながら、祐樹は将仁を見た。

「……将仁。お前、本当に将仁なのか? お前が本当に、あんなコトをしたってのか!?」

 誰よりも優しい少年。

 それが祐樹の知る長浜将仁という少年だったはずだ。

 だから、解らない。

 

 ────目の当たりにしてきた惨劇を仕組んだのが、彼だと解り、それを疑う心もなく、そう受け止めている自身のことが。

 

 問われた少年は、ゆっくりと頷き微笑んだ。

 その笑顔は、紛れもなく祐樹の親友のものだった。

 

「始まってしまったんだよ。ごめんね、祐樹────」

 

 少年の詫びた言葉を命令としたかのように、キャスターはその手から二枚の人の形をした紙片を宙に放った。

 紙片を投じた青年の所作と同じく、その人形(ひとかた)は優雅にビル風に舞う。

 しかし、それらはコンクリートの床に落ちることなく、気が付けば人間の姿をしたモノへと姿を変えていた。

 1つは黒髪の妙齢の美女。

 1つは切れ長の鋭い目つきをした、長身細身の男。

 

「……始まった? 何だよ、それ? 解らないよ、将仁」

「──変革の刻だよ、祐樹。解っているよね? 君の”本質”は──」

 

 ────嫌に月が大きいと祐樹は感じていた。

 

「……本質?」

「そう。思い出してごらんよ、祐樹」

 

 一見して、看破することのできない仮初の命を持った2つの存在。

 烏帽子(えぼし)を被った束帯姿の優男が目を瞑り無言で彼らに頷いて見せると、それらは祐樹の方へと振り向いた。

 

「……思い、出す?」

 

 ────地表から聞こえた喧騒は、遠い。

 

「……そう。そうでないと────」

 

 二つの人の姿をした人ならざるモノの殺気が刺さり、祐樹の身体を壊すことはなくも、その心を破砕していく。

 

「────祐樹。君は本当に、ここで死んでしまうよ?」

 

 ────練習用のウインドブレーカーを叩く風は、肌を露出した部分で冷たいものだと知った。

 

 

 対峙すべきモノから逃れ、どうでもいい事を知ろうとした自分。

 向き合うべき現実を、無視しようとした心。

 恐怖に震えた身体。

 

 ────あらゆる現実からの逃避。

 

 

 これから自分の命を奪わんとする、男女の殺気めいた視線を。それを命じた大元であろうはずの、いつもと変わらない親友の笑みを。

 しかし、それらをその身で受け止めながら祐樹は囁いた。

 

「──逃げるな」

 

 右手に握られたままの白球に力を込める。

 その動作にキャスターは僅か、反応した。

 

「────るんだ」

 

 ぽつりと祐樹がそう零した時。

 美女の周囲には鋭い氷の矢が。

 男の周囲には拳大の火球が。

 何も無かったはずの空間に、それぞれ複数、生まれていた。

 

「────やめるんだ! 将仁!」

 

 死という恐怖を前にしても、なお。

 その少年が決して折れることなく、自らを貫くであろうことを名前を呼ばれた少年が一番に理解していた。

 特に己自身が絡んだことだというのならば、彼は無二の友人として絶対に引くことはないはずだ。

 

 ────それはむしろ、彼の親友であるという将仁の誇りでもあった。

 

 伊達祐樹という少年と、共に笑い、共に喜び、共に励ましあって過ごしてきた日々の意味。

 その心こそが将仁が祐樹に惹かれた何よりの理由なのだから。

 

 だが、それは今をもって破壊される。

 次の瞬間。

 中世の魔術師の英霊とも同格であろうほど強力な、その十二の使い魔。

 天后(てんこう)騰蛇(とうだ)

 その内の二つの手に掛かって。

 

 

「────俺が! お前を止める!」

 

 

 ────月がそこに下りたような、強くも柔らかな夜闇を照らす美しい光。

 

 少年の心の叫びと共に。

 突如と発された閃光の中から響いたのは、耳を擘くような激しい刃音────。

 

 祐樹を射抜き、祐樹を炎上させる。

 その二つの凶事が、まさに少年に訪れようとした矢先────その結末に代わって、穏やかな声が少年の耳には届いていた。

 

 

「────どうやら私を貴方が呼び出したのは必然だったようですね、マスター」

 

 

 流れ星に暗示された死すべき者が祐樹と、そして、自分────日常に生きた過去の二人であったと、これから互いに殺し合うであろう魔術師としての運命を、将仁は今こそ受け入れていた。

 

 氷の矢を打ち落とし、火球を裂き消した、大小の対となった宝刀。

 夜を踊る、その飛剣が二つ。

 白く細い彼女の両手へと、それぞれ舞い戻っていた。

 

 光源だった場所。

 そこに居たのは淡い紫の狩衣(かりぎぬ)を纏い、立烏帽子(たてえぼし)を被った少女。

 彼女は祐樹がこれまで見たことのあるどんな女性よりも美しく、温かな安らぎを感じさせていた。

 豊満な肢体から香る微かな芳香が、しかし、少年を自然と心の奥底から落ち着かせる。

 艶やかに。その細くくびれた腰へと大小の刀を戻すと、そこにはもう一刀────合わせて三振りの刀があった。

 

 ────女神。天女。

 

 陳腐で愚直な表現でしかないが、しかし、彼女がそういう存在であると祐樹は判断していた。

 それ以外の言葉を彼女には用意できず、少年の知っているあらゆる美しさを示す言葉の総てが、彼女の前では無意味な記号でしかなく、だからこそ、そういう存在でしかないと少年には思えたから。

 

 彼女の長い黒髪が風に靡くと、その表面を月影がなぞる。光芒が生まれては散る。

 

 自らを真っ直ぐに見詰め、何もかもを忘却したように呆然とする少年に、彼女は柔らかく微笑んだ。

 

「────問いましょう。貴方が私のマスターですか?」

 

 そして、確かに。

 彼女は祐樹にそう語りかけた。

 

 

 

 

 


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