平塚先生の彼氏?結婚?に向けての相談事で今度、彼氏に
手料理をご馳走する約束をしているようで留美達はびっくり!
心配な料理を見て欲しいと頼まれ味見する事に、はたして?
「鶴見……これでいいのか?」
「はぁ〜まあ、いいんじゃないかと…。」
「そうかね!悪かったらハッキリと言ってくれよ、フフッ。」
うっ、てか言えない……あんな乙女チックに嬉しそうに楽しそうに
料理をしている静先生へ「こうじゃないでしょ!」とか「ダメだとか・・」
これ程先生の料理が凄いとは。
静先生の依頼は彼氏に近々手料理を振る舞う事になり彼氏も
楽しみにしている様で先生的には自信があるみたいなんだけど
皆んなの意見を聞いておきたいんだって。たけどね……
もはや、カレーの中にとんかつソースを1本丸ごと入れたりって、
隠し味にもならないよ、色がドス黒くなってるし。
味は、うわぁ~ソース煮込みになってる。
先生・・・ あと、得意料理がもやし炒めに焼肉のたれを
掛けるだけって男料理丸出しだし、いかにもだよ。
「まあ~何て言うか・・ねっ、八幡・・」
八幡の二の腕を突ついてうながしたよ、
こう言う時こそ、男の人の一言が欲しい
はずだから!
「俺に振るなよ留美。」
言い難そうに八幡が頭をガシガシかいてる。
ほのかは、もやし炒めを美味しそうにパクけついてるけど。
「留美これいけるよ!美味しいから。」
「だろ~!この料理は比企谷達が在校中花嫁コンテストを
した時、競合の雪ノ下達を抑えて優勝した時に編み出した
料理なんだ。」
それ、焼肉のタレの味だけだよね?
ほのか、料理上手なのに…ヨイショが上手すぎ!
「八幡・・そんな事やったの?」
「ああ、過去に一度だけな、審査委員であった俺の妹小町を圧力オーラで
ねじ伏せ強制的に優勝してしまった。あれから何年か経つが。」
「あの時は由比ヶ浜や雪ノ下も参加して皆んなが何故か熱くなって
戦った・・平塚先生もウェディングドレス姿だけはグッと来るものがあったが。」
「苦節ん年でようやく・・・ん、んっ、比企谷~、あの時よりもより
洗練されていると思わないか?ウェ・・じやなくて私の料理は?」
いや~八幡無理やりの不気味な笑顔止めて!止めてよ!
「ははっ・・平塚先生は可愛いし何作っても美味しいから彼氏も
幸せですね・・・」
「だろ~~~!!いやいや、私はまだ可愛いかな?そうか、そうだよな?
いや~参ったな!」
「「「・・・・・・・・」」」
アラサーの壊れっぷりを見た気がした。
「でもぉ~静先生、お料理もう少し可愛いほうが良いんじゃないですか?」
「うん?鶴見何処かいけなかったか?頼む、教えてくれ!」
「いや、何て言うか静先生の料理はパワフルでいい感じ
なんだけど彩りというか可愛らしさが無いというか
何て言うか…ね、八幡?」
「だから、何で俺に振るのよ?」
だって困ったら八幡なんだから!
「ほのかが困った時もせ~んせが助けてくれたよ、
だから…せんせ、アドバイスお願い…」
「あ〜わかったよ、分かったから。ほのかっちの
お願いだから、せんせ聞いちゃう!」
なによ!ほのかのお願い聞いて私のお願いだと聞けないの!
思いっきり、背中を抓ってやった。バカ八!
「てぇ〜留美お前何を…うっ。」
「あの…鶴見さん?怒ってらっしゃるの?」
「知らない!」
「えっと、ひっ、平塚先生?」「ん?何だ比企谷先生?」
「料理は取り敢えずとして…」「取り敢えずって何だ?」
「いや、あのですね、料理が出来るのは分かりました。だけど、
お皿にドーンって山盛り一品とかじゃあ彼氏との食事の時に
ムードと言うか…その、あれ、あれですよ、ほら、雰囲気と言うか
可愛い彼女が彼氏の為に一生懸命作った可愛らしさが無いじゃないですか?」
「かっ、可愛いね!コホンっ!そうだな、一理あるな!いいアドバイスを
してくれたぞ流石!比企谷先生だ!」
「早速だが、自分なりに工夫をしてみる事にしよう〜ウフッ。」
ご機嫌な静先生はもやし炒めにラッキョやら梅干しをトッピングして
あーでもないとブツブツいいながら彩りを考えているが
梅干し=野菜炒め?、ラッキョはさっき作ったソース煮込みじゃない
カレーのトッピングとかって……だめだ、バラン出してる。
独身生活が長かったせいか、大雑把すぎて彼氏が引いちゃうんじゃないかな?
「どうしよう八幡?」
「どうって、これじゃあな…他に俺達でいい過ぎると角が立ちそう
だな。時間も押してる事だしもう一度料理イベントを平塚先生の
婚約も祝って開くか?」
「え〜面白そう!
「静せんせい〜ラッキョが可愛い〜」
「一色もそう思うだろ〜!」
ほのかはトッピングで積み上げられた山盛りのラッキョを
スプーンですくって美味しそうに食べた後、もう一つすくって
八幡の前に差し出して…
「せ〜んせ、美味しいですよ、ほのかが食べさせてあげましょうか。
あ〜ん、して?」
って!ダメに決まってるでしょ!もう!ほのか!
「バッカ、ほのかっち、照れるじゃない俺にお裾分けか?じゃあ〜……」
「バカ八〜!ほのかも!ダメだかんね!」
「ちょっと、留美の助さん?酷くないですか?雪ノ下
ですらバカ八は言わなかったぞ、また言ったら泣いちゃうから!」
「あう、八幡ごめんなさい…」
「ちぇ〜残念。ふふっ、食べよっと。」
ニコニコしながら美味しそうにラッキョをポリポリと
頬張りなから楽しんでるみたい。もぉ〜ほのかの奴憶えてなさいね!
「な〜んだ、モテモテだな?比企谷先生は。うん、人気があって
いいぞ!フフっ♪」
「あっ、いやね。一色は前大人し過ぎたけどこの頃は積極的に
なったというか元気に自分が出せるようになったというか、まっ、
良かったじゃないか。だけど、姉ちゃんみたくあざといのは
やめてね、お願いだから。」
「そうそう、前は人前で全然話せなかったくせに今じゃ八幡にも男子にも
平気で話できるし…男の子に結構モテてるのにスルーしてるしさ。
一年の時の浜田なんて、あれから何で振ったんだって後悔して凄く
悔しがってるんだからね。それにちょっと攻め過ぎ…八幡もデレデレでさ!」
ついつい口が尖っちゃうよ…あっ、いや嫉妬とかヤキモチじゃ
ないんだから!
「え〜?そうかな?でも、お姉ちゃんモテモテなのに彼氏作らないし
こういうのってやっぱ、ダメなのかな?何で作らないんだろう?」
「それはいい人がいないからじゃないの?」
「さあな。勘違いする奴いるから気を付けろよ、ほのかっち。」
「は~い、気を付けますね、せ~んせ。」
毛先をクルンと巻いた艶やかな黒髪のポニーテールを揺らしながら
小首を傾げウインクしてみせてる。
「あ~だから、あざといって!」
何か嫌な事を思い出した様に八幡がソワソワしてるけど…?
「留美、どうだろう今度の日曜にもう一度料理イベントを
開こうか?」
「そうね、いいかも。他の先輩達にも知らせて大勢で
お祝いした方が楽しいと思うけど、どう八幡?」
「そうだな、一色もどうだ?」
「は~い、賛成です!お姉ちゃんにも知らせますね!」
「げっ!姉ちゃん?いいかな・・・」
「え~何でですか?せんせ~お姉ちゃんも奉仕部ですよね?」
「お前の姉ちゃんは生徒会の会長さんで奉仕部には入り浸っていたがな。」
「え~お姉ちゃんも平塚せんせいの教え子でしょ?」
「ん~そうだよ、な、比企谷先生?」
「まぁ~そうでしたっけ?ははっ・・・」
何でそんなに一色先輩の事避けるのかな?
「平塚先生、お祝いを兼ねてイベントの件どうですか?」
「えっ、〜 でもいいのか?私の為に大袈裟な。」
「あくまで奉仕部に所縁のある有志しか呼びませんよ。」
「そ、そうか。じゃ〜しょうがないな?じゃ、宜しくな。」
「「「はい、よろこんで!」」」
ほのかっちの八幡攻撃に留美も
タジタジに…… 次回お祝い料理イベントでは、
また何やら波乱の展開がありそうですよ?