総武高校3年になった鶴見留美は一色いろはの妹、ほのかと同級生で
受験に向けて新たなスタートを切っていた。新学期が始まり最初の
授業で留美は驚きを隠せなかった。あの八幡が総武高に新任の教師として
赴任して来たからだ。「留美と八幡」の続編になります。
今回の依頼はあの人からだ!
穏やかな小春日和になった高校3年の新学期初日を向かえ、
いよいよ私達も受験や人生の岐路を迎える事になった。
クラス替えがあったが今回もほのかこと、一色ほのかと一緒の
クラスになりお互いに喜こびあった。
ほのかとは一年の時から奉仕部の付き合いで告白事件後、ギクシャクとしたが
今では何でも言い合える掛け替えの無い存在になっていた。
始業式を終え教室に戻り新学期最初の授業が始まる。
新しい教科書のインクの匂いがま新しさを感じさせ意欲を
起こさせる、まずは国語の授業からだ。
ガラガラと扉が開きその人は静かに教室に入って来た。
「起立~」
「礼~」
「着席」
「・・・・八幡?」
「え~~っ!八幡なの?」
「うっさいぞ、留美。」
「鶴見さん知ってる先生なの?」
「あっ、いや、ね。」
隣の席の蔵元美代子からきかれたけど、笑って誤魔化しちゃった。
「今日から現国と古文の担当になった比企谷だ、よろしく。
まずは出席からとるぞ、赤木~。」」はい。」
「・・・・・。」
・・・・・・・
「なによ!聞いてないし。黙ってるし、他の先輩も教えてくれないし・・・」
頭にくるよ、全然聞いてないし騙まし討ちもいいとこだよ!ほんとに!
「いや、悪い別に隠すつもりはなかったがいいかなと。」
「ほのかもビックリしてたし脅かさないでよ!」
「はいはい、今回登場の仕方は八幡的にポイント高いぞ。カッコよかったろ?」
「バッカみたい・・。」
「うわ~久しぶりに聞くと凹むぞそれ、止めてくれ。」
「せんせ~、びっくりしましたよ。」
手をヒラヒラさせてほのかが挨拶する。
「おう、ほのかっちも元気してたか俺も会いたかったぜ。」
「せんせったら、相変わらず口が
上手いんだから。勘違いしちゃいますよぉ~?」
「何?ほのかっち、どしたの?いらはす2なの?
何時からそんなにあざとくなったの?」
「だってぇ~、せんせカッコいいし
ほのかの事を助けてくれたんですもの。」
「あのね、一色さん…俺何もしてないからね。
それから留美や由比ヶ浜や雪ノ下の方が色々
してるから。」
「もち、分かってま~す。だけど、せんせが
いなきゃ私はダメでしたよぉ。」
「だから、せんせは私の大事な人なの。」
「お前、キャラが違くね?何があったの?」
「酷~い!変わったと言うか、お姉ちゃんみたく
なりたいと思ったからかな?」
「姉ちゃんとはまた違うあざとさが…」
「どうでもいいけど、姉ちゃんのまるパクりは
あざといから止めてね、お願いだから。」
「え~気持ちを切り換えて自分を出すように
なってから少し楽になったのにぃ〜。」
「なら、まっいいか。」
「だから、せ~んせ、責任とって面倒みて
下さいね!」
「頼むから、ほのかっち…昔の可愛い元の
ほのかっちに戻って!八幡泣いちゃうよ!
あと、その言い回しとても危険だから。
他で言っちゃあダメだぞ!」
「ほのか、私の八幡取ったらダメだぞ〜!
あげないからね!」
「え~留美のケチ、いいんだもん。せんせと仲良くなるんだから。」
怖い、最近のほのかが怖いよ!まさに「いろはす2」だよ!
ほのかもあれから凄く明るくなってコロコロと笑うようになってた。
「おう、安心しろ俺も多少は修行を積んだ身だこれ以上黒歴史を
残さないよう心得ているから心配するな。」
「はぁ~意味わかんない。八幡大丈夫?」
「えっ、あの鶴見さん少し性格キツくなってない?」
「就職準備とか試験で忙しいからと連絡くれないし学校来るのも
教えなかったから、知らない!」
こっちも遠慮してしたんだけど頭にくるよ!ホント、後で
八幡に奢らせよっと。
「あの鶴見さん?まだ怒ってらっしゃる?」
少しビビリながら八幡が聞く
「帰り奢ってよね、八幡!ほのかと二人分!」
「あっ、あ~はいはい。」
うわ、面倒臭そう~
「はいは、一回ね。せんせ~」
ほのかも言う~。
奉仕部の部室に笑いに包まれ楽しくしてる所に
部室のドアがガラガラと開いた。
「平塚センセ~ノック~。」
「いや~悪い~、楽しそうに笑い声がするから、ついな。」
「天照大神じゃないから、どうしたんです?」
「いや、なんて言うか・・ほら、なんだ、その・・・だから・・・」
「相変わらず面倒くさい人ですね、先生は?で何です?」
「だ~か~ら、比企谷・・・分かるだろ・・・それ位・・なっ!」
「はっきり言って全く分かりませんよ、平塚先生。」
「比企谷・・先生・・?相変わらず鈍いな・・」
「あ~静先生、何か良い事でもあったんですか?」
八幡も人が悪いんだから、静先生が言いたくて仕方ない顔してるの
分かるでしょ?分かりすぎるから。
「あ~私も実は、この度、めでたく・・・・か、彼氏が出来てな、
それでな、彼氏とけ、けっ、いや・・結婚する事になってな、
仕事を少なくしてな・・・んんっ、とっ・・・火事?家事も
覚えないとな、いけないし。あっ、えっと・・・彼に?美味しい料理をだ、
食べさせないといけないから。彼がまだ若いから私に赤ちゃんが出来るまでは
仕事頑張るって言ってるんだけど・・・・。」
「・・・・何だって?えっ?」「「・・・・・・・・・」」
「まさか・・奇跡だ・・・奇跡が起きた!」
「もふぅ!・・・いや・・・平塚・・・先生。おめでとうございます。」
「あら、そんなぁ~まあ私も~まだまだ若いし彼氏も赤ちゃんが
欲しいって言ってるから頑張らないといけないし。」
「何を頑張るんですか?」
「あら~~比企谷先生ったら、分かるでしょ?バンバン!」
静先生、パニクリ過ぎ、って言うか浮かれすぎで足が浮いちゃってるよ!
「コホっ、コホっ!兎に角だ、まあね今回は奉仕部へ私からの
依頼、お願いを聞いてもらいたい。」
「静先生からの依頼ですね。分かりました協力しますね先生!」
「鶴見~頼りにしてるよ。」
「で、平塚先生?彼氏とは何処で知り合ったんですか?
俺も雪ノ下とかにも知らせてないんじゃないですか。」
いや、八幡それ地雷だよ。踏んじゃったよ・・帰れなくなるよ、多分・・・
知らないからね。
「いや~、知りたい?知りたいの?しょ~がないな~?
聞きたい?聞きたいの?じゃ~教えちゃおかな?」
はっきり言ってメチャクチャ話したいのがみえみえなんだけどね。
付き合ってあげなきゃあ~収まりつかないみたい。
「先生の恋バナ参考にさせて下さいよ~ねっ、八幡?」
「留美・・・俺に振るなよ俺に。」
「比企谷せんせ~が聞きたいって、静せんせい。」
ほのかは悪魔だ・・八幡とあたしは悪魔を作り出しちゃったのかも?
「一色もそう思うか!じゃ~仕方ない!長くなるが
聞いてくれ!」
・・・・・・・・
それからは約2時間程、静先生ののろけ話を散々聞きゲッソリとして
解散となったのだ。お陰で八幡の奢りもお預けをくらい次の日に
ご馳走になる事にした。
結局、静先生の依頼は聞いてないから、また持ち越しだよ。
先生、よかったね。
つい、ルミルミが可愛くてまた書いてしまいました。
八幡との仲はどうなるんでしょうね?