やはり俺の社会人生活も間違っている。 作:若輩者のTakko
ついにやってきました。会社より気が重い土曜日。
木曜日の時点で10時くらいに家行きますね~とかいう、
一色らしいメールが来ていたんだが、なにかが起きて行かなくて済むんじゃないかと返信はしていない。
もう当日なんだけどね…。
金困ってるわけじゃないし、体力的にも大丈夫なんだがメンタルがなぁ・・・
これが一色じゃなく戸塚とかだったら全然いいんだけどなぁ。
そういえば戸塚は今どうしてるんだろうかー。
最後にメールしたのは先々週か?
今度テニスしようね!なんて言われたから行くしかないでしょ!
今は7時。社畜な俺はいつの間にか朝が早くなってしまった。
仕方ない。一色にメールの返信でもするか…。
そう思い携帯を開くと一通のメール。
【急でごめんね。今日暇かな??テニスやらない?】
な…ななな!!戸塚からのメール!
【全然OK!!!!!いつでも出れるから時間教えてくれ!】
うおおおおおおおおおお!!!戸塚とテニスだー!!!
八幡「小町。俺今日外出するからもしかしたら帰り遅くなるわ!」
小町「あぁ一色さんとのデートだよね?遅くなるの…?お兄ちゃん」
やっべぇしまった。一色との約束を戸塚からのメールで度忘れしてた!
優先順序的には戸塚だが、先着という意味では一色だ…。どうしよ。
まぁドタキャンなんて日常茶飯事だし一色にはメールしときゃいいか。
小町には怒られるかなぁ…。怒られるよなぁ…。まぁ仕方なし。
そもそも俺は一色の件を受諾してないしな。いや…したか?まぁいい
戸塚に嫌われることのほうが俺にはつらい。
八幡「小町、俺は今日戸塚とテニスするんだ。」
小町「は?」
怖いんですけど…。
八幡「その…あれだ結構前に約束したんだよ。今度テニスしようって。それが今日になった」
小町「一色さんはどうするの?」(ギロリ)
八幡「ま…まぁそっちは今度埋め合わせする。二回でも三回でも」
小町はにらみながらもそのセリフを聞いて「その言葉忘れないでね。」
なんて言っている。
やっちゃった?これやっちゃたパターンのやつ?
そして小町は携帯を取り出し電話をする。
〈あーもしもし小町です!兄がお世話になっています。かくかくしかじかで~〉
〈家のごみいちゃんがほんとにすいません。えぇそうです三回でも四回でも付き合うと言ってました〉
〈はい。はい。本当にすいませんね!ではでは後ほど~〉
あ…あのこれはまずいんじゃないかなぁ…。
つーか俺4回とか言った記憶ないんだけど…。
小町「お兄ちゃん。一色さんは今日はいいそうだよ。埋め合わせするって言ったら引いてくれた」
八幡「…やっぱ一色と行くかな…」
小町「それでもいいけど。埋め合わせの日取りは今から一か月間土曜日って決めちゃったよ?」
八幡「まじかよ…」
ああああああ。ああああああああ。ああああああああ。
時すでに遅し。自分の失態で無駄な約束を増やしてしまった…。
仕方ない…。今日戸塚と遊びつくして4回分の精算をしよう…。
戸塚【じゃぁ今日の午後二時ころいつもの公園でいい?】
いつもの公園。高校を卒業して以来ちょくちょく行っている公園だ。
結構広い公園でバスケコートやサッカーグラウンド、野球グラウンドまである。
八幡【了解!今日は楽しもうな!】
戸塚【うん!じゃぁあとでね~!!】
ああ癒される。戸塚のメールから戸塚の笑顔まで想像できる。
午後までの時間が待ち遠しいなぁ。
一色【せんぱい最低ですね】
…。こりゃぁ…やっちまったなぁ。ちゃんとエスコートしないと恐ろしいことになりそうだ…
なんと返信したらいいか悩んでいると立て続けにメールが来た。
一色【せんぱい最低ですね】
二度来た!二度来たよ!これ大事なことだから二回言ったやつだ!
八幡「小町‥俺は死ぬかもしれない…」
小町「自業自得だよ!じゃぁ小町大志くんと遊んでくるから!」
八幡「おーいってら。」
大志とは川崎家の長男で高校の時すこし絡んだ仲だ。最初は大志に小町を渡すなんて考えられないことだったが、
楽しそうに大志のことを話す小町を見て諦めた。この際うまくやってほしいと思う。
午後までの時間どうしようか…。
一色【無視ですか?本当に怒ってるんですけど】
ひいぃぃ。一色さん怖い!怖い!まじで怖い!雪ノ下姉に似たようなものを感じる…。
八幡【その本当に悪かった。来週の土曜日なら絶対OKだから許してくれ】
一色【来週?来月中の全ての土曜日の間違えじゃないですか?】
八幡【あぁそうだった。だからマジごめん】
一色【まぁ戸塚さんと遊ぶんですもんね。なら仕方ないですね。それ以外だったらほんとどうしようかと】
どうするの?ねぇ!?本当に殺されてた可能性があるぞ!主に社会的に!
そうこうして比企谷は戸塚とのテニスを待ち焦がれる。