やはり俺の社会人生活も間違っている。 作:若輩者のTakko
帰り道遭遇したのは、あざとい選手権一位(俺調べ)の一色いろはだった。
こいつと出会うたび、こき使われて挙句の果てに振られる未来が見えるので、関わらない選択肢を選ぶ。
八幡「いや、人違いです。では」
いろは「ふふふ~私の目に間違えはありません。比企谷先輩ですよね~?その腐った目を見ればわかります!」
八幡「人を目だけで判断できるとかすげぇな。眼科の医者になることをお勧めする。じゃ」
いろは「なんでそんなに帰ろうとするんですか~!久しぶりの再会なんですし少しくらいお話ししましょうよ~!」
八幡「俺は飲み会に誘われて今帰るところなんだ。疲れているからまた今度な。じゃ」
いろは「今度とか言いながら死ぬまで先延ばしにするつもりですよね?っていうか先輩飲み会なんて行くキャラでしたっけ?」
八幡「ほっとけ、ただ飯食えるから行っただけだ。二次会はお断りしたしな」
いろは「変わらないですね先輩は。そういえば結局就職したんですね!どこですか?」
八幡「〇〇会社だよ。つーかほんと疲れてるから帰っていい?」
いろは「え~!?〇〇会社ですか?すごいです!尊敬します!ところで年収どれくらいですか?」
八幡「人の話を聞けよ…つーかお前も相変わらずだな、いきなり金の話とか」
いろは「そうですか~?私はよく変わったねとか言われますけど。(先輩が生徒会に推してくれてから・・・)」
八幡「まぁ外見とか変わったかもな。背とか縮んだ?」
いろは「失礼な先輩ですね…先輩が伸びたんじゃないですか?」
八幡「そうか?。んで俺はいつ帰れるの?」
いろは「先輩飲みに行きましょう。先輩のおごりで!」
八幡「なんでだよ…さっき飲み会の帰りだって言ったろ。俺は帰る」
いろは「先輩に拒否権はありません。小町ちゃんが許可してくれたので。
ちなみに小町ちゃんから伝言です。11時まで鍵はあきません。だそうです。」
八幡「俺自身の行動が小町に管理されているだと…」
おかしいな。帰るという選択肢を5~6回選択したのに行くことになってるんだけど・・・
なに?この人生ゲームのバグなのん?
帰る場所がなくなった俺は半強制的に一色と飲みに行く羽目になってしまった。
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八幡「さっき散々食べてきたから腹減ってないんだけど」
いろは「わたしはお腹すいてますよ」
八幡「はぁ…」
いろは「なんですかこんな可愛い後輩と飲みに行けるっていうのになんですかその反応…」
そんなことを言いながら口に空気をため込んでむぅっと膨れている。
八幡「はいはい、あざといあざとい。」
いろは「先輩そんなんだからモテないんですよ。もう少し乙女心を察してください!」
八幡「普通の人間でさえ何考えてるのか分からないのに乙女心なんてわかるわけないだろ」
いろは「むぅ。あっ、ラーメン食べに行きません?ていうか行きましょう!」
ラーメンか…まぁもう断る権利なさそうだしいいけどね。
八幡「まぁいいけど俺はラーメン頼まないよ。腹一杯だし」
いろは「それでもいいですよ~話し相手が欲しいだけです!あとラーメンとか一人で食べるのは勇気いりますし」
八幡「は?ラーメンて一人で食べるもんじゃないの?」
ソースは俺と平塚先生。だめだ全然証明できそうにない。
いろは「先輩だけじゃないですかね…この辺でおいしいラーメン屋さんどこですか?」
八幡「まぁナリタケかな。こっから5分くらいだし」
いろは「じゃぁ行きましょう。場所わからないので先導お願いしますね!」
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ガラガラ
店員「ハイ、ラッセー」
時間帯的に空いていて席はいくつかあいている。
一色がテーブル席に座ったのでその正面に座る
八幡「そこにあるメニューを店員に言えば注文来るから」
いろは「は~い」
いまさらながら注文せずに居座るというのはどうなんだろう。なんか申し訳ない気分になりそうだ。
かと言ってラーメン一杯はさすがにきついしな・・・。
そんなことを思いながらメニューを眺めているとチャーハン半人前という素晴らしい文字が目に映った。
これだ!
八幡「決まったか?」
いろは「私コレがいいです」
八幡「味はあっさりでいいな?」
いろは「はい」
八幡「すいません。あっさりネギ塩ラーメンと半ちゃーはんお願いします」
店員「あいよー」
5分ほど待つとラーメンとチャーハンは来た。
いろは「久しぶりですラーメン食べるの。先輩はチャーハンなんですね」
八幡「ラーメン一杯はさすがに重いからな」
そういいながらチャーハンを口に運ぶ。
うまいな…ラーメン屋のチャーハン。
チャーハン屋と言われても納得するレベルでおいしい
けれどここはラーメン屋やっぱりラーメンが一番うまいのだろう。
いろは「ラーメン少し食べますか?すっごい見てますけど」
しまった。ラーメンがうまそうなあまり随分見ていたようだ。
ただしもらうという選択肢はない
その、あれだ、恥ずかしいし。
八幡「いや、いらん。はよ食わないと麺伸びるぞ」
一色は熱いんですよ~とか言いながらふうふうと麺を冷ましている。
その姿を見て小町の小さかった頃を思い出して少し微笑ましくなった。
いろは「なんですかその笑顔気持ち悪いです」
顔に出ていたみたいで酷いことを言われたが自業自得だから仕方ない。
ただ言われたままも癪なので少し言い返してやることにした。
八幡「いや、なんか小動物みたいでかわいいなと思ってな」
やっべー小町連想してたらかわいいとか口走ってしまった。
くそ恥ずかしいんだけど。つーかこれあのパターンじゃね?
いろは「え…///はっ!今の雰囲気でそういうこと言って私を口説こうとか考えましたか?少しびっくりして頭真っ白になりましたが冷静になると無理ですごめんなさい」
やっぱりか・・・
八幡「俺はお前に何度振られればいいんだよまぁもういいけどさ」
いろは「これからも何回かあるかもですね」
八幡「いや、ないな。なぜならもう出会うことがない」
いろは「そうですか?先輩知ってました?私の家先輩の家から3分で着く場所にあるんですよ」
八幡「は?え?俺引っ越しするわ」
いろは「実家暮らしやめると大変ですよー洗濯とか」
八幡「やっぱ引っ越しやめるわ…」
社会人として働きながら家事とかやってられない…。
いろは「先輩のチャーハン少しください。パクッ」
八幡「ねぇそれ聞いた意味ないよね。回答する前に口の中入ってたもんね。」
あぶないあぶないこいつのあざとさに慣れていたつもりだったが不意にああいうことされると、
ほんとにうっかり惚れそうになる。
だがそうじゃない。こいつは俺以外にもこういうことをやってそうだ。
そう考えて自分の勘違いを正す。
八幡「てかお前そういうの、いろんな人にやってたらいつか刺されるぞ」
いろは「いろんなひとにやるわけないじゃないですか。先輩だからですよ。」
八幡「はいはい。ラーメン食い終わったなら帰るぞ」
いろは「そうですねーそろそろいい時間ですしもう帰りますか」
代金を支払い帰ろうとする。
いろは「先輩いくらでした?」
八幡「あー覚えてねぇ500円くらい?まぁ財布しまっちまったしまた出すのだるいからいいよ」
いろは「さすが大企業のお財布は違いますね。じゃぁ今回はごちそうさまです」
八幡「じゃあ 俺こっちだから」
いろは「私もそっちです」
八幡「あ、そ。ほんとに引越ししたのか」
いろは「嘘ついてどうするんですか…外結構暗いですね」
八幡「まぁこの辺街灯すくないしな」
いろは「…」
八幡「家近いなら送るが」
早く解放されたいがこんな時間に女性一人で帰宅というのも危ない
何かあったら後味が悪しとおもい口にする
いろは「いいんですか?」
八幡「まぁこの時間に女性一人は危ないし3分くらいなら大して変わらないしな」
いろは「じゃぁお言葉に甘えます」
こうして俺の帰宅時間は予定よりかなり遅い11時半ほどになってしまった。
区切りのルールとかわからなくて次の話の切り方が雑だと自覚しています。
そのうち定型的に締めの文を打てるように頑張ります。