やはり俺の社会人生活も間違っている。 作:若輩者のTakko
いろはをいろはらしく、八幡を八幡らしくしようとして考えると結構難しいんです。
ていうか、一色らしさとか八幡らしさ出てるかもわからなくなってきたよ…。
みなの中のイメージを壊してないことを祈りつつ…。
最新話導入!
いろは「今日は私が買ってきますよ、何がいいですか?」
フードコートのテーブルで座っていると一色が気を利かせてか、そう聞いてくる。
だがしかし裏がありそうだな…
まぁ注文するもの指定すれば変なものが来たりはしないだろう。
八幡「ホットドックがいいかな。」
そういうと「かしこまりです~★」と行ってしまった。
俺はというとただ待っているだけなのは申し訳ないので、飲み物を買うことにする。
俺は無論マックスコーヒーで、一色は…。午後の〇茶ミルクティーでいいか。
席に戻るとすでに一色は戻っていて「勝手にいなくならないで下さいよー」とぶつくさ言っている。
悪いな、と切り返してほらよと一色にペットボトルを渡す。
ところで一色さん。ほけーっとした顔で俺を見るのやめてくれませんかねー。
いろは「ありがとうございます…私午後ティ好きなんですよ。」
八幡「そうか、ならよかった。で、ホットドックどれ?」
テーブルを見ると5つくらい紙袋に包まれたものが置いてあってどれがホットドックかわからない。
いろは「…テヘッ★」
なんだそれ、可愛いな!…じゃねぇよ。
八幡「おい…」
なんでこうちょっとおバカちゃんなのかな?
いろは「まぁ開けて確認すればわかるじゃないですか!」
まぁそうなんだけどよ。こんな買ってどうすんの?ホットドック以外の4つ一色が食べるのん?
随分お腹減ってたんですね。
八幡「まぁそりゃそうなんだけどな。お前こんな食うの?」
いろは「いやー並んでたら結構おいしそうなのいっぱいあったん、とりあえず食べてみたいなーと。余ったら先輩に食べてもらいます。」
最初からそのつもりだったのね。まぁ貰う分には損をしてないからな。別にいい。
八幡「ちゃんと半分にしてくれるなら食べてやってもいいぞ~」
一色ははむはむとパンを口に運ぶ。
しばらくして、はいと渡されたパンは確かに半分だった。
間接とか…少し慣れたとはいえ、やっぱ恥ずかしいじゃないですか。だから手で半分にしてくれよ。って意味だったんだけど…。ダメでした★
八幡「さんきゅ…。」もぐもぐ。
自分の失態で「半分にしたら食う」という言質を取られた俺は仕方なしにパンを口に運ぶ。
おぉ。うまい。このチーズとピザソースとバジルのピザ風フランスパン。
一色はというと別のパンを口にしながらこれもおいしい!とか言っている。
暑さで最初は元気がなかった一色もウサギにエサをあげたあたりから気を持ち直したようで今は随分いい笑顔だ。
いろは「おいしいですか?」
八幡「そうだな、結構うまいな。」
いろは「これくらいなら私でも作れそうなんですけど。どうですか先輩?私が今度作ってきましょうか!」
おおう。女子の手作りというやつですか。胸躍る展開ですね~。
八幡「そうか、じゃぁ頼むよ」
特に断る理由がない俺は即答した。が、提案した本人は結構驚いていた。
いろは「先輩だから断るだろうと思ってました…」
八幡「まぁ可愛い後輩の手作りとなりゃ食べたいと思うのが男の性だろ」
いろは「どうしたんですか先輩!暑さでどうにかなっちゃたんですか!」
失礼な…。いたって普通だよ。最近その一色が好きになり始めてるのを自覚し始めたんだよ。まぁ恥ずかしいから言わないけど。
八幡「別に体調は悪かねぇよ。割と本心だ」
いろは「そ…そうですか…。じゃぁ…その、来週作ってきますね…?」
予想以上の上目使いと困ったような、あどけない表情が想像以上に可愛かったのは俺の心の中だけにしまっておくことにする。
***
飯を食べ終えた後は動物園もそこそこに別の場所へ移動する事にした。
というのも、動物園は午前午後含めた4時間でだいたい見終わってしまったし、なにより暑い。
近場に美術館もあったのでそっちに行くことになったのである。
いろは「先輩ってやっぱり知的な場所好きですよね。」
八幡「やっぱりってなんだよ。」
いろは「図書館とか、好きじゃないですか。」
確かに好きだけどなんで知ってるのかな?別にいいけど。
八幡「まぁ、静かなとこが好きなんだよ。」
いろは「まぁそうですよね。予想通りというか知ってたというか。」
八幡「知ってたってなんだよ、怖ぇよ」
いろは「だって先輩わかりやすいですし」
俺ってそんなにわかりやすいのかしら?
コミュニケーションこんなにとるの下手なのに‥‥。主に会社とか。
まぁわかる人にはわかるのかもしれない。
たとえばこの絵、有名なピカソが描いた絵だがとんでもない価値がついている。
俺には理解できないが見る人が見れば価値ある作品なんだろう。
まぁ実際のところは絵の転売勝負というのがあるらしいな。
1000万で購入して次のオークションで1200万で売る。そんなのをずっと続けて、
最終的に1億なんて高値がついて最後に売れなくなった人が負けみたいな。
要約すると最後から二番目買った人は勝ち組、最後に買った人は負け組。
どれだけ値段を釣り上げて売りさばけるかというものだ。
もちろん本当に絵に惚れこみ、ずっと家に飾ってる人もいるだろうが。
俺にはそんな感性がない。
そんな無駄知識を脳内で反芻していると一色との会話の途中だという事を思い出す。
八幡「分かる奴には分かるんだな。」
いろは「…わからないこともありますけどね。」
八幡「そりゃそうだろ、全部わかろうなんて傲慢だよ。」
いろは「まぁわからないことがあるから知りたいと思えるんですけどね!」
そうか。こいつはそう考えるのか。
俺はいつの日かすべてを知ろうとし不可能だと諦めて絶望した。
だがこいつは、「わからないこと」それが良いという。
コイツの前向きの姿勢を少しは見習おう。
八幡「お前のその前向きなとこ、素直にすごいと思うわ」
そういうと一色は「それが私の取り柄であり、魅力ですから!」と言った。
そのセリフはあざとさを感じない本物の一色いろはのような気がした。
最近台本形式から脱却しつつあるかなぁと思います。どうでしょう?
それにしても学校がだるい…