このページの後書きに書く予定
妖怪の山 麓近く
「やっと着いたわね、あまりここには来ないけど 」
片手に持つお祓い棒を肩に添える様に置き、妖怪の山を見上げる霊夢
その後には霊夢について行くと言ったレティにチルノ、大妖精、シュレディンガーも同行している
「散歩中に何度か見たことはあるけど間近で見るとやっぱでかいね〜」
「レティはともかくあんた達まで付いてこなくても良かったのよ?」
「大丈夫大丈夫!最強のあたいがいるんだからなんの問題もなし!!」
「それにレティさんが困っている原因も気になりますし、お兄さんの事も大丈夫だとは思いますけど・・・やはり心配です」
「ふふ、ありがとうチルノちゃん、大ちゃん」
「・・・まぁ、いいけど足でまといにはならないでね。助けてあげれるかは分からないんだから」
ふぅ、とため息をしながら早速妖怪の山の中へと足を踏み入れる霊夢
シュレディンガーたちも霊夢に続く
「そう言えば、飛んで行かないの?その方が楽じゃない?」
「妖怪の山での規則みたいなものよ。ただでさえ縄張り意識が強い鴉天狗たちの支配下の山で飛んでたら縄張り内に入った侵入者として見なされて襲いかかってくるのよ問答無用でね。だから用がある人はこうやって山道を歩かないと駄目なの」
「うわぁ〜、めんどくさ」
「まぁ、母さんの話では昔よりは大分丸くはなったって言ってたわね。昔がどれだけ酷かったか私には分からないけど、たぶんどんな理由があるにしても入って来た者は容赦無く襲ってたのかもしれないわね」
(まぁ、大方霊香さんかあのスキマ女にやられて大人しくならざるおえなかったんじゃないかな〜)
そんな雑談をしながら山道を歩く霊夢たち
「ついに来ましたね霊夢さん」
「・・・えぇ、来てやったわよ」
しばらくして霊夢たちの前に現れたのは東風谷早苗
表情を変えることなく対峙し睨み合う2人に最初に口を開いたのは早苗だった
「先ほどの話、考え直しては貰えたでしょうか?」
「考え直したならこんな態度で此処にくると思う?」
「・・・そうですか。では見せましょう」
ザッ!!
「!!」
早苗はお祓い棒を持つ手を掲げる様に上げた瞬間、彼女の背後から複数の妖怪たちが現れた
この妖怪の山を支配する鴉天狗
その配下である白狼天狗や河童たち
更にその中に妖怪とは違う神性の気を放つ2人の少女の姿もあった
「これが私たちの信仰の証であり、力です」
「妖怪の山を支配する鴉天狗に幻想郷の秋を司る神まで味方にしたとでもいうの・・・」
「どうですか霊夢さん、これで少しは考えを改めて貰えたでしょうか?」
「・・・確かに妖怪や別の神様まであんたが信仰する神の下についてるってのは驚いたわ。それだけあんたが堂々としてられる理由がよく分かったわ」
「では「でもね」ッ・・・」
「なんども言うけど博麗神社はこの幻想郷には無くてはならないものなのよ。例え参拝客が居なくても、信仰する神を祀ってなくとも簡単にくれてやる訳にはいかないのよ」
鋭い視線を早苗へと向ける霊夢
その目からは一切譲るつもりはないという意志が早苗に伝わり苦い表情を見せる
「では、すぐにでもこの山から出ていってもらえますか博麗の巫女」
「え?」
「?、あんたは・・・」
そんな硬直状態の中で口を開く1人の白狼天狗
その見た目はあまりに酷く、手や腕だけでなく顔にまで巻かれた包帯にそれに滲みついた血の赤が痛々しく見えた
「今や、この妖怪の山では人間はもちろん他所の妖怪も近づかせぬようにと我らの主である天魔様の命がある。それは博麗の巫女とて例外では無い」
「どうしてあんたがそんな姿かはさておき、従ってるだけのあんたに言われる筋合いは無いわ椛」
「早々に立ち去るなら我らは何もしない、警告し去るように促せとの命だ」
「嫌だと言ったら?」
「・・・」スッ、ブンッ!
懐から何かを手に持ちそれを霊夢たちの前に投げ落とす
「・・・ッ!!」
地面に落ちたそれを見た瞬間、霊夢の表情は凍りついた
後で見ていたレティたちも近づいて落ちた物を見た
それは深い緑色の布の上にベッタリと赤い液体がついた帽子
霊夢たちはその帽子に見覚えがあった
「こ、これって、お、お兄さんの・・・ッ!」
「おおかみ兄ちゃんの帽子?」
「・・・」
「・・・間違い無いね。大尉のだ」
シュレディンガーがその帽子を手に持ち、答える
これが自分の上司で会った大尉、博麗小夜が使っていた帽子であると
「その被り物をしていた妖怪の男は我らの忠告を無視した。故に“排除”した」
「ど、どういう事ですかこれは!?」
「どう?先ほど話した通りです守矢の巫女」
「そんな事を聞いているんじゃないです!何故“殺す”必要があるんですか?!」
「元よりこの妖怪の山は古くから部外者を寄せ付けぬようにと決まりがある、前までは先代の博麗の巫女の介入があり無闇に部外者を排除しないようにしてきましたがあなた方、外から来た者たちによって状況が変わったのです」
「では、こうなったのは私たちの性と?!」
「全てとは言いませんが・・・無関係では無いかと」
べキッ!
そんなやり取りの中、不穏な音と共に皆がその音のした方向を向く
そこには溢れる程に満ちた霊気と、黒い殺気を纏う霊夢の姿
左手には落ちた帽子を掴み、右手に持っていたお祓い棒は折れておりその手からは血がたれ落ちる
「・・・よく分かった。あんたたちからの宣戦布告、確かに受け取ったわ」
ゆっくりと立ち上がり、下ろしていた顔をゆっくりと上げて瞑った目を開き口を開く
“覚悟は出来てるかしら?”
「「「「「ッ!!」」」」」
その言葉と共に霊気と殺気は更に高まり、1歩前に足を運ぶ
その1歩1歩足を踏み入れる事に鴉天狗たちは恐れ、1歩ずつ退いていく。椛1人を除いて
「霊夢ちゃん、駄目」
そんな霊夢の前に立ち、彼女の両肩を掴み止めに入ったのはレティだった
「どいてレティ・・・あいつら、殺せない」
「だめよ霊夢ちゃん、相手の口車に乗っちゃ駄目」
「どうして?兄さんを殺したあいつらをなんで生かす必要があるの?」
「・・・じゃあ、どうして霊夢ちゃんはお兄さんが殺されたと思うの?」
「ッ!これを見て、あいつが言った言葉が何よりの証拠じゃない!!」
「うん、そうね霊夢ちゃん。でも、私たちに見せたのは血のついたお兄さんの帽子よ?殺して見せしめに出すならこんなのより小夜くん遺体の方がもっと信用性があるじゃない?」
「何が言いたいのよ!?昔みたいに訳分からない回りくどい言い方しないでハッキリいいなさいよ!!」
「・・・」スッ
「ッ!・・・」
レティは霊夢を両腕で抱きしめ、そのまま小さな声で話す
『霊夢ちゃん、黙ってよく聞いて。小夜くんはまだ生きてるわ』
『ッ!』
『怒りに身を任せずに集中してみて、小夜くんの強い妖気はまだ山のどこかから感じるわ。何が狙いかは知らないけどあの椛ちゃんは嘘をついてまで1度あなたに退いて欲しいのよ』
『・・・でも』
『戦うにしても、お兄さんを助けるにしても今私たちだけじゃ駄目。私だって怒ってるわ、霊夢ちゃんをこんなに悲しませたあの妖怪たちを・・・でも、今は退いて相手が大人数ならこっちも助けてくれる人たちを集めましょ、お兄さんを助ける為にも』
「・・・グスッ」コクッ
小さく頷き、汚れた顔をゴシゴシと腕で拭き取り、山から背をむける霊夢
「・・・帰るわよ」
「うん。分かったわ」
「お、おう」
「は、はい」
「はーい」
その言葉に皆が頷き、山から離れていく霊夢たち
しかし、霊夢は背をむけたまま視線のみを早苗たちに向けて言った
「次来た時は・・・本当に覚悟しときなさい」
それだけを言い残して霊夢たちは山から去っていった
早苗や妖怪たちはなにも言えず、その姿をただ見送るしか出来なかった
「闇落ちかと思えばあの雪女が止めたよ」
レティさんは柔い性格なお姉さんキャラ
でも、やる時はメチャすごい方なイメージ
「で、大切な話って?」
前に君がバラそうとしたこの作品にくる新しい幻想入り人物の企画を止める
「はぁ!?」
でも、幻想入りさせようとしたそのキャラとある東方キャラと一緒に別作品として書こうと思う。この『人狼行軍』と繋がってるっていう感じで
「ワケガワカラナイヨ」
まぁ、その東方キャラも誰なのかも踏まえて楽しみにしてください