東方人狼行軍   作:BATTU

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ほら、主役だぞー気張れ

「つったって視点だけだろが」


58話

博麗神社

 

 

「・・・駄目よ。絶対に許さないわ」

 

「どうしても聞いてはくれないのですか?悪い話ではないと思いますが」

 

 

ここ、博麗神社にて赤い脇巫女と青い脇巫女が一触即発状態で対峙しているw

 

どうしてこうなったかは数分前に遡るよ

 

 

 

 

 

 

 

 

数分前

 

「ふぁ〜、眠いな〜」

 

 

少し、暇つぶしに博麗神社の周りをぶらぶらと散歩していた僕は歩き疲れの眠さから神社に戻って来た

途中で野良妖怪に2回くらい殺されたけど問題なく帰ってこれたよ

 

 

「ただいま〜」

 

「あら、こんにちは」

 

「・・・おたく誰?」

 

 

なんか縁側で霊夢さんに膝枕してる見知らぬ女性がいたから声掛けてみた

 

 

「私はレティ・ホワイトロック。雪女って言えば分かるかしら?」

 

「・・・あぁ、思い出した。冬の異変で大尉が知り合った妖怪だっけ。僕はシュレディンガー、博麗神社に居候してる外から来た大尉の部下でーす」

 

「大尉って・・・小夜くんの事?変わった渾名ね」

 

「渾名って言うか・・・階級名って言ったって分からんか」

 

 

とりあえず、眠いけど部屋に行くのもめんどいから縁側で寝ようと

 

 

「もしかして寝ちゃうの?」

 

「ちょっとその辺出歩いて疲れたからね〜」

 

 

と、言いながらさっさと寝ようとするけど

 

 

「おーい!オオカミ兄ちゃーん!今日も来たよー!!」

 

「・・・タイミング悪〜」

 

 

大尉の下で鍛錬してるあのうるさい氷精が来やがった

こりゃ、寝れる気がしないよ

 

 

「あ!レティ!!」

 

「久しぶりチルノちゃん。大ちゃんも」

 

「はい、レティさんもお元気そうでなによりです」

 

「ふふ、ありがとう。でも、霊夢ちゃんが寝てるから静かにね」

 

 

人差し指を立てて、口元まで持っていきシーっと静かにするよう促すレティだが

 

 

「今、目が覚めたわ」

 

「あら、起こしちゃった?」

 

 

膝枕をされながら呟く、霊夢さん

目が覚めたと言っているが未だにレティの膝から頭をどかそうとはしない

 

 

「もう、せっかく兄さんの膝枕堪能してたのに。まぁ、レティのも悪くはなかったけど」

 

「ふふ、ごめんなさい。それにしても霊夢は変わらずお兄ちゃんっ子ね」

 

「・・・悪かったわね」

 

 

ムスッとした顔でレティの膝から離れる霊夢さん

自覚はしてるけど他人に言われるのは嫌いなタイプだな

 

 

「で、兄さんはどうしたの?」

 

「そう言えばおおかみ兄ちゃん居ないね」

 

「小夜くんは私の頼みで妖怪の山に行ってもらったの。ちょっと様子を見て来て貰うだけだからそんな掛からないと思うけど」

 

「妖怪の山?何があったのよ?」

 

 

その霊夢さんの問にレティさんは大尉にも話した出来事を全て話した

 

まぁ、簡潔にまとめると寝床が山の近く、それなりにお気に入りの場所

でも山の鴉どもの鳴き声で落ち着かないし眠れない

神社に避難、交流がある大尉に山を見てきて欲しい

 

という訳だ

 

 

「ふーん、まぁ夏の頃にも萃香が地上に現れて山が騒がしかったって文から聞いたけど、それ以降はほとんど静かだったのにまた騒がしいなんて妙ね」

 

「お兄さん、大丈夫でしょうか・・・」

 

「大丈夫だよ大ちゃん!おおかみ兄ちゃんは強いからすぐ帰ってくるよ!」

 

「・・・うん、そうだね」

 

「まぁ、遅かったら僕が見に行きますよ。僕なら“どこへでも”行けますから」

 

「・・・」

 

 

おぉ〜霊夢さん、怪しんでる怪しんでる

含みのある言葉で言うと大抵はあんな感じで不機嫌な表情で見てくるからね

 

やっぱりからかうと面白いね頭のいい人間って

 

 

「おぉ!さすがおおかみ兄ちゃんとあたいの部下!やるなー!」

 

「おいチビ、誰がお前の部下だって?」

 

「なんだとう!!お前だってチビだろうが!」

 

「うるさい!もう背のびねぇーんだよこっちは!!」

 

「こっちだって好きでチビじゃないよ!それにまだあたいと大ちゃんはせいちょーきってやつなんだよ!慧音先生が言ってたもん!」

 

「誤魔化しの言葉ってくらいきづけ馬鹿」

 

「だーれが⑨だー!」

 

 

んな事いってねー

 

あー、これだから嫌いだ!

頭の悪い自己中心的な馬鹿は!

 

 

「喧嘩は良いけどよそでやりなさい」

 

「よーし!こうなったらおおかみ兄ちゃんとの特訓のせいかを見せてやる!」

 

「ざっけんな!こっちは弾幕使えねぇんだよ!」

 

「もんどうむようー!」

 

「ぎゃあああ!!」

 

 

あぁー、今日は厄日だ、くそ

 

 

「あ、あわわ」

 

「ふふ、楽しそうね」

 

「楽しくやってそうな感じではないけどね・・・ん?」

 

 

僕の心配をすることも無く霊夢さんは鳥居の方を見る

そこには白と青を基本とした巫女服を身にまとい、周りを見渡すかの様にキョロキョロと視線を動かす緑髪の女がいた

 

本当にここにはあの霖之助以外には女しかこないよ

 

 

「初めて見るわね。博麗神社にどういった御用かしら?」

 

「・・・なるほど、妖怪の集まる神社という話は嘘ではない様ですね」

 

「・・・嫌みなら聞き慣れてるけどそれを言うためだけに来たなら帰ってくれない」

 

「いえ、別に嫌みを言いに来た訳ではありません。噂を確かめに来たのとここの巫女に話があって来ました・・・貴女がこの博麗神社の巫女、博麗霊夢さんでいいんですよね?」

 

「そうよ。それで私に話って?」

 

「その前に自己紹介します。私はつい最近、この幻想郷にやって来ました東風谷早苗と申します。それで話というのはこの博麗神社を私たち、守矢神社に譲ってほしいのです」

 

「・・・は?」

 

(なんだこの女、いきなり人の家をよこせっていってきたぞ)

 

 

この幻想郷での大まかな事は聞いている

 

幻想郷を外の世界、いわゆる僕や大尉がいた現実世界から切り離している結界を生み出し、維持し続けているのは博麗の巫女だ

 

もし、結界が失われたら幻想郷は消滅するらしい

 

そしてこの博麗神社自体がその結界を生み出している拠点の一つ、その拠点をよこせってことは幻想郷を滅ぼすってことでもあるんだけどね

 

 

「この神社を譲ってほしい理由は一つ、この博麗神社の信仰を貰うためです」

 

「信仰?・・・つまり、あんたはうちの参拝客を奪おうって訳?」

 

「砕けた言い方ですがそうだと言っても過言ではありません。ただ勘違いして欲しくないのは霊夢さん、あなたの住処を失わせようとしてる訳ではありません。ただ、この博麗神社を私たちが信仰する神の分社にしたいのです」

 

「・・・なるほど、言いたい事は分かったわ。あんたに何があったかは知らないけど、この幻想郷に来てまで信仰を得ないといけない余程の理由があるみたいね」

 

「では「だけど」ッ・・・」

 

「アンタに渡すつもりは無いわ。確かにここには祀る神さまは居ない、さっき言ったみたいに妖怪神社とか言われたりする・・・でも、そんな博麗神社にも参拝しに来てくれる人たちは沢山いるの。それは母さんがいるこそもあるけど、博麗の巫女を受け継いだからには母さんが築きあげた今の博麗神社を、みすみす来たばかりのあんたにくれてやるわけには行かないのよ」スッ!

 

 

霊夢さんはお祓い棒の先を東風谷早苗に向けて言い放った

 

その目は嘘偽りが無いことが僕でもハッキリわかる

 

 

「そうですか。でもこちらも諦めはしません・・・1度妖怪の山に見に来てください。最後の答えはそれからでも遅くはないかと」

 

「・・・いいわよ。変えるつもりはないけど見せて貰おうじゃない、妖怪の山にあんたがそこまで強く入られる理由を」

 

「はい。では、先に行っています」

 

 

早苗はそれだけを言い残して博麗神社を後にした

霊夢さんは見送った後にふぅー、と息を吐く

 

 

「さて、兄さんはいないけどお昼にしましょう。それから見に行ってみようじゃない。母さんには置き手紙書いとこ」

 

「ねー霊夢ちゃん」

 

「何よレティ?」

 

 

中に上がり、食事の用意をする霊夢さん

そんな霊夢の隣に並ぶ様にレティさんが会話に加わる

 

 

「私も一緒に行ってもいい?」

 

「別に来なくてもいいわよ。あの早苗って奴の強気でいる理由が知りたいだけだし」

 

「ほら、お兄ちゃんを妖怪の山に行かせちゃって膝枕邪魔しちゃったし、それに私も博麗神社が変わっちゃうのは嫌、今の方が楽しいもの♪」

 

「・・・好きにすれば。それと出来たら手伝って、レティたちの分も作ってあげるから」

 

「うん♪任せて」

 

 

そんな感じで昼飯を作ってる2人をほっといて僕は今度こそ昼寝を・・・

 

 

「おいシュレディンガー!アタイが弾幕おしえてやるからおきろ!お前をきたえてやる!!」

 

「シュレディンガ〜、暇なら手伝いなさいよ」

 

「・・・ハァ〜」

 

 

猫は自由気ままなのに、全然自由になれないよここは

 

そんな感じで氷漬けが嫌だから霊夢さんの手伝いをするんでした

 

ちゃんちゃん




「あれ、なんか僕、蚊帳の外じゃない?」

そんなもんだろお前は

「(^ω^#)」

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