・・・なに?
「テンプレにも程があるじゃないかな?」
うん、投稿してからそう思った
「読者に飽きられても知らないよ?じゃあ、呼ばれてるから行ってきまーす」
異変から3日後
「春ですよー」
冥界での異変が解決され、幻想郷の冬が終わり遂に春がやって来た
そんな幻想郷の空を飛び、博麗神社へと真っ先に飛んでいく1人の女性の姿があった
「すいませーん!清くて正しい文々。新聞記者射命丸文です。今回の異変について是非取材を!・・・・あや?」
博麗神社に辿りつき取材を願い出るが誰も反応しない事に不思議そうな表情をする文
神社の外には誰も居らず、中にも誰も居なかった
「あややや?おかしいですね、この時間帯なら小夜君が外で鍛錬してるか、縁側で霊夢さんがお茶でも飲んでるはずなんですけどね?」
「霊夢たちなら今いないぞ文」
「おや、ルーミアさんにちびルミちゃんもお久しぶりです」
「久しぶりなのかー」
文に続いて現れたのは宵闇の妖怪親子だ
「霊夢と霊香は永遠亭の方だ」
「あの竹林の奥にある永遠亭ですか?分かりました!では早速!」
「取材目的だったら行かない方がいいぞ」
「あや?何故ですか?」
ルーミアは少し沈黙してから溜息を吐いて答えた
「小夜が今回の異変で意識不明の重傷を負ったそうだ。今も永遠亭に入院しているらしいが未だに目を覚ましてないそうだ」
「意識不明って、あ、あの小夜君がですか!?今回の異変ってそんなにやばかったんですか?!」
「今回の異変の詳細は私に聞くな。知りたいなら紫か式の藍にでも聞けよ・・・さて、迷惑天狗に忠告はしたし行くとするか」
「お兄ちゃんのお見舞いにいくのかー」
文を1人残し永遠亭へと博麗神社をあとにした親子、文は少し考え事をしたあと、妖怪の山へと1度帰っていった
3日前
博麗神社の一室、小夜の部屋にて巨大な魔法陣の真ん中に瀕死状態の小夜をパチュリー、アリス、美鈴が回復させていた
辺りには真っ赤な血がちりばめられ、赤く染まっている
魔法陣には回復促進の力が込められておりパチュリーとアリスは魔法陣に魔力を流し続け、美鈴が気を小夜に流し込み生命力を高めようと試みているが状況は未だに良くはならない
「アリス、魔力の残量は?」
「まだ大丈夫。だけど何かが拒むように治癒の魔力に抵抗してる」
「原因を追求している暇はないわ、今は続けて。美鈴、そっちはどう?」
「おかしいですよ!小夜さんの元々の生命力は高い筈なのにまるで奪われる様に徐々に生命力が低下してるんです!」
「・・・今はやるしかない。なんとしても一命を取り留めるのよ」
「・・・ごぽっ!」
「ま、また血が!!」
吐血し、小夜の周りに新しい血の絨毯が広がる
西行妖の攻撃には幽々子の能力である死を操る程度の能力が込められてあったらしく、完全に操る事は出来なかったが死にやすい状態になっており生命力の低下、治癒魔法の抵抗等は全て能力による影響によるものだ
吐血だけでなく体中の傷も開き始める。魔法陣によって傷の開きを防いでいるが少しでも魔力が緩めば体中の傷が開き始めるのだ
「薬の追加をお願い!傷が開き始めたわ!」
「はいはい!薬の追加だよ、傷は僕が塗るから君たちは続けて!」
奥から調合し終えた塗り薬を持って入ってきた霖之助は開き始めた傷口に薬を塗り込む
「薬草はまだあるの?」
「そろそろ予備もなくなりそうだ。尽きる前に何とかなる事を願うしかない」
(お願いです小夜さん!お嬢様たちの為にも戻って来てください!!)
(まだ上海のお礼だってしてないのよ。死なせるわけにはいかないわ)
冥界で西行妖の封印を施した後、紫のスキマによって博麗神社に戻り霊香と霊夢で血止めの作業を行い、その間に咲夜が紅魔館に戻りレミリアに全てを話しパチュリーと美鈴を寄越した
アリスはパチュリーからもう一人魔法使いが欲しいと言われ、魔理沙が急いで連れて来たのだ
その頃、小夜の部屋から離れた居間には多くの者たちが集まっていた
八雲紫と式の藍と橙を始め、霊香、魔理沙、ルーミア、レミリア、咲夜、慧音、シュレディンガー等、この場に居ない霊夢を抜いてほとんど小夜と交流のある者達ばかりだ
ちなみにフランやリリーホワイトはレティとチルノたちと共に紅魔館に待たせている
「さて、紫。此処に来させた理由はわかっているな?」
「えぇ・・・分かっているつもりよ、彼の事でしょ?」
「死んでも博麗の巫女を守れというふざけた約束をさせたらしいじゃないスキマ妖怪?」
「・・・そうよ、私が彼に幻想郷に居られる為の条件として約束させたのよ」
「幻想郷に居られる為だと?小夜君が一体何をしたと言うんだ賢者殿!」
慧音が問いだし、紫が溜息を吐きながら答えた
「まずは彼が何者か、から話すべきね」
「何者も何も、兄ちゃんは外来妖怪なんだろ?こうりんの話じゃあ幼少の頃に博麗神社に現れたって」
「違うわ。彼は今くらいの状態で元の世界から“死んで”幻想入りを果たしたのよ」
「今くらいの状態って・・・まさか身長的意味で言ってるのか?」
「何なら僕が話てあげようか?僕が1番よく知ってるし」
「・・・そうね。同じミレニアムだった貴方なら分かりやすかもしれないわね」
自ら名乗り出たシュレディンガーは八雲紫の変わりに元の世界での小夜が大尉だった頃の話をする
ミレニアムという組織の詳細や所属していた事、目的など事細かく。全てだ
「・・・なるほど、紫にとってはそのミレニアムの指揮官とやらの側近に居たからこそアイツを警戒していたというわけだ」
「た、確かに正気の沙汰じゃない。人工的に作り出された吸血鬼の軍隊なんて・・・」
「そうね。吸血鬼としては許せないわね」
シュレディンガーの話にそれぞれ思うことを口にする
「これで分かったでしょう?そんな者達の下に居た彼をこの幻想郷に置いておくのは危険なのよ、でも彼は霊香の子として生き現博麗の巫女にである霊夢も彼を慕っているから下手に排除出来なかったのよ」
「は、排除って・・・そこまでやらなくたっていいんじゃ」
「だからこそ、条件を出したのよ。まぁ、もし何か起こしたとしてもすぐに排除できるよう監視はしていたけどね」
紫の言葉に皆が黙り込む、シュレディンガーは話終えて疲れたからと横になって寝始めた
戦友である大尉が危険な状態であってもお気楽な性格は変わらない
「それで、お前はこれからアイツとどう接していくんだ?」
「どういう事、霊香?」
「事情はともかくとして、アイツはお前の約束に従い霊夢を自分の命を掛けて守って見せた。完全に信用しろとは言わないが認めてやってもいいんじゃないか?」
「・・・」
「紫様、私からもお願いできないでしょうか」
「藍、貴女まで」
「私は紫様の命に背き、1度博麗小夜の真意を確かめるべくお預かりしていた羅針盤を利用して彼と戦いました・・・まだ完全に真意を知った訳ではありませんが小夜の幻想郷を守りたいという気持ちは確かでした。お願いです、命に背いた罰はいくらでも受けます」
かつて昔にも何度か命令を背く事はあったが今では紫の命令に忠実に従う優秀な式だ。そんな藍からも小夜を認めて欲しいと願われ、内心戸惑う紫
「緊迫している所悪いけどいいかしら?」
「パチェ!小夜はどうなの!?」
パチュリーたちが今に入って来てレミリアが即座にパチュリーにどうなったかを聞く
「とりあえず一命はとりとめたわ。でも、彼がいつ目覚めるかどうかは分からないし、この先は医者にでも診てもらうしかないわ」
「そうかー、アリスとこうりんもありがとな」
「礼はいらないわ。彼には上海の事もあるもの」
「僕も出来れば彼を失ってほしくはないからね。どこの誰かと違ってつけにせず、ちゃんとお代を払ってくれる良識的なお客さんだからね」
「うぐっ・・・と、とりあえず霊夢に伝えておくぜ」
「あぁ、もう霊夢さんは小夜さんのお部屋に行きましたよ」
「そう・・・じゃあ、邪魔は出来ないわね。咲夜、帰ってフランに報告しに行きましょ」
「はい、お嬢様」
先に紅魔館に戻るため博麗神社を後にしたレミリアたち
「では、私達もそろそろ戻るとしよう」
「霖之助って言ったかしら?途中まで送ってあげましょうか?服に付いた血の臭いに妖怪たちが寄ってくるかもしれないわ」
「そうかい?じゃあ、お言葉に甘えさせて」
「あー!待った待った!こうりんは私が送るんだぜ!」
「いいのかい魔理沙、霊夢の事も気になるんじゃないか?」
「いや、今の霊夢に私じゃあなんにもしてやらない。そっとしてやるしか出来ないんだぜ・・・ほ、ほら!帰るんだったら早く帰るんだぜ!日が暮れちまう」
「分かった分かった。じゃあ霊香くん、また何か必要になったら来てくれ。微力ながら力になろう」
「あぁ。今日は皆、済まなかった」
魔理沙、アリス、慧音、霖之助らも帰り、ルーミアもちびルミの迎えに帰っていった
「・・・藍、貴女は橙と共に私の代わりに小夜とシュレディンガーの監視を任せるわ」
「はい。紫様は?」
「私はしばらく休むわ。妖力の回復と幽々子の元にも行かなきゃだから・・・・霊香」
「なんだ?」
「・・・・もし彼が目覚めたなら言っておいて。博麗の巫女の守護者としては認めるって」
「それぐらい自分で言え、お前が事の発端なんだからな」
「・・・」
スキマの中へと入り姿を消す紫
「ではしばらくの間、お世話になります」
「お、お世話になります」
「そうかしこまるな。自分の家だと思ってゆっくりしていけ」
「ズー・・・ズー・・・むにゃむにゃ」
「コイツほどとは言わないがな」
その頃
小夜の部屋
「・・・」
未だに目を覚まさない小夜の横に座りながら見つめる霊夢
彼女の心の中には後悔で一杯だった
もし、あの時油断せずにいれば
もし、来る前に自分たちで何とかしていれば
もし・・・もっと早く異変に気付き解決していれば、こんなことにはならなかったとずっと考えていた
だが、そんな事を考えていてももう遅い。起きてしまった事はもうどうにもならないと理解しているつもりではいた
だが、母と共に血止めの時に手にこびり付いた血を洗い流せても、血の臭いは今も強く残っており少しでもその血生臭い匂いが鼻に入るとあの時の光景を思い出し、後悔が蘇ってくる
「結局・・・私は兄さんが居ないと何も出来ない。強くなんかなかった・・・うっ」
小夜の手を握り、涙目になりながらも霊夢は目覚める事を祈りながら誓った
「すぐじゃなくても、いい・・・絶対に、強くなって・・兄さんを、皆を守れる巫女になる、ひぐっ・・・母さんに並べるようにづよぐなる・・・だがら、がえってぎて・・・・うぅぅ」
声を上げずに布団に顔を埋めながら泣く霊夢
その誓いの言葉が眠っている小夜に届く事を信じて
??
「・・・」
どこかも分からない場所に彼は居た
何をするでも無く、ただただそこに突っ立っていた
目の前には大きく広がる川が流れており、周りは特に変わった物もない殺風景な場所
いや、その何も無さが逆に変わった所と言えるのかもしれない
「おやおや、このような場所に迷子ですか?」
「・・・」
突然声を掛けられ振り向くとそこには1人の若い青年が立っていた
金髪に紫のグラデーションがかかった短髪に服装は寺の住職の様な姿だった
「感想を見てちょくちょく思うけどヤンデレ好きな読者様が多いのかな」
さぁ、私には分かりません。ちなみに私は苦手です
ツンデ霊夢とかデレデ霊夢は好きだけどヤンデ霊夢とかは怖くて見れないマジで
ヒィー(((゚Д゚)))ガタガタ
「まぁ、ただでさえ駄文な小説だからヤンデレ要素は求められないかもなので一応伝えておきますねー」