東方人狼行軍   作:BATTU

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23話

椛 宅

 

 

「宴会ですか・・・たぶん無理ですね」

 

「・・・」

 

「どうしてだ?別に妖怪や妖精だって構わず参加してるんだから問題ないぜ」

 

 

本題である宴会の誘いを話した小夜たち

椛から返ってきたのは参加出来ないという答えだ

 

 

「私たち白狼天狗はこの妖怪の山を長である天魔様の命で守る立場にあります。しかも、私は隊を率いる隊長も務めています、仕事を放置する訳にはいきません」

 

「なるほど、そっちの問題かぁ。兄ちゃん、こればかりはしょうがないと思うぜ」

 

「・・・」

 

「ごめんね小夜。その変わりでは無いけどいつでも遊びに来て構わないから」

 

「・・・」コクッ

 

 

特に何も言わずに頷くだけの小夜

彼自身はただ知り合いに参加しないか誘いに来ただけである為、無理をしてまで来てもらいたいとは考えてはいない

 

 

「さて、兄ちゃんの知り合いはこれで全部回ったけどこれからどうすんだ?」

 

「・・・しばらくしたら香霖堂に言って霖之助に宴会とお前の事を話す」

 

「うグッ、もう諦めてるぜ」

 

「何があったかはあえて聞かないでおきます。あっ!そうだ。小夜、貴方に渡す物がありました」

 

 

そう言って居間を後にする椛

2人は首を傾げながらなんだろうかと考えた

 

しばらくしてから両手で何かを抱えながら入って来た椛、その両手には服らしき物と剣と盾がある

 

 

「これは哨戒白狼天狗が山を警備する時に使う男性用の衣服と道具です。大きくなったらあげる約束でしたからね」

 

「良かったじゃん兄ちゃん。戦う時に使える道具が手に入って」

 

「・・・」チャキ

 

 

服と道具を受け取り、鞘に納められた剣を引き抜く

剣と言っても両刃ではなく片刃のためどちらかといえば日本の侍が使ったと言われる斬るのに特化した接近武装の刀という表現が近いだろう。しかし、資料で見た事ある実物は刀身が細く長いがこれは妖怪はともかく人間が振るうには少し大きすぎる

 

今の小夜には銃はあっても、撃ち出すための弾丸が無いため拳だけの戦いになるかもと思っていたがこれらの武装があれば戦いでの手段が増やせるだろう

 

 

「なぁ、兄ちゃん。せっかくだしその服来てみたらどうだ?きっと似やってるぜ?」

 

「そうですね。せっかくですし着てみたらどうですか?1人では無理なら私が手伝いますよ」

 

「・・・頼む」チャキ

 

 

武器を納めて魔理沙の提案に乗る小夜

とりあえず、せっかく貰った物だ。着方が分からずにずっとしまったままというのはくれた相手に悪い

 

 

「此処では狭いので隣の部屋で着替えましょう。魔理沙さんはこちらで待っていただけないでしょうか」

 

「おう。楽しみにしてるぜ」

 

「・・・逃げるな」

 

「だ、だから逃げないってば」

 

 

とりあえずもう一度魔理沙に釘を刺して置いて隣の部屋に移る椛と小夜

オーバーコートを脱ぎ、椛の指示と手助けを借りて白狼天狗の衣服を着始める

 

 

「しかし、子供の頃から見違えるくらい立派になりましたね。背も私を追い越してしまいましたし、言われた通り大きめに作ったかいはあったみたいですね」

 

「・・・たまたまだ」

 

「たまたまでこれだけぴったりの大きさで頼んだなら貴方の幼い頃の勘は鋭いものだったでしょうね」

 

「・・・」

 

 

また元の姿に戻れるという確証はなかった。あの頃は体が幼くなった事に疑問をいくつも抱いてはいた

しかし、歳を重ねるにつれ身長も徐々に伸びていき肉体の鍛錬を重ねなんとかかつての姿に戻れる様になった。少しでも生活を変えていたら今の姿とは少しだけでも変化があったかもしれない

 

 

「さぁ、あとはこれを頭に被せて・・・はい、出来ました」

 

 

最後に山伏風の帽子を被り着替えを終えた

 

 

「・・・ありがとう。着方は覚えた」

 

「この程度でお礼はいりません。早速、魔理沙さんに見せに行きましょう」

 

「・・・」コクッ

 

 

着替えを終えて隣の部屋で待つ魔理沙に早速お披露目となった

魔理沙は唖然としながらもよく似合っていると言われた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オマケ

 

 

山での用事も済ませ下山していった小夜と魔理沙

 

 

「・・・ふぅ、最初はびっくりしましたがあそこまで立派になっていたとは思いませんでした。義姉として嬉しい限りです」

 

 

2人を見送り、住まいに戻って任務に戻る準備をする椛

その時にふと目をやると床に見覚えのある服が置かれていた

 

 

「あっ・・・小夜、服を忘れて行ってしまった。仕方ありません、後で持って行ってあげましょう・・・・・・チラッ」

 

 

準備を終え、後で持っていこうと決めた時にまたオーバーコートに視線を向ける椛

 

 

「・・・・・・・・少しだけ、大丈夫ですよね」

 

 

オーバーコートの上着を拾い、それを服の上から羽織り腕を通してみる

身長の高い小夜が着てぴったりな程の大きい服は、当然椛が着てもぶかぶかで腕も袖から出てこれずプラプラと袖が揺れる

 

 

「本当に大きいですねこの服。それに少しだけ重い、よく小夜は着れますね・・・・・・」スッ

 

 

腕を上げ、服の腕を通す部分を自身の鼻の近くまで持っていき彼女はゆっくりと匂いを嗅ぎ始める

 

 

「すッー・・・小夜の匂い、雄の、匂い・・・ふぁ///・・・「あややや、大変な目にあいましたよ。椛います、か・・・・」ふぁ?///」

 

「・・・」

 

「・・・」

 

 

パシャ!

 

 

「( ゚д゚)アヤッ!手が勝手に!!」

 

 

ザンッ!!

 

 

「・・・え?(汗)」

 

 

後を振り向くと剣が壁に突き刺さっており、髪が二、三本切れて床に落ちた

 

 

「みましたね?文先輩」

 

「ご、ごめんなさい!勝手に入ったのも悪かったし、衝動的に写真も撮りましたけど!す、すぐ消すから」

 

「見敵必殺、見敵必殺、見敵必殺」

 

「そんな物騒な言葉をどこで覚えたんですか貴女は?!」

 

「クリーク!クリーク!クリーク!」

 

「あややや!椛がおかしくなってしまいました!こ、こうなったら三十六計「逃がしません!」あやーーー!!!」

 

 

 

 




烏は犠牲になったのだ

さて、回収したカメラの現像に取り掛k、うわ、ちょ!なにをするだァー!

・・・(血が滲んで続きは読めない)

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