錆の希望的生存理論   作:時雨オオカミ

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相変わらず長いです。
カットしたいけど、できない。主に主人公のせいで会話がドンドン増えていくんですよ。


No.13『楽園』ー宿ー

 最初は微妙な空気になりかけたが、私がボケ倒したり暢気に周りの状況を話しかけているうちに日向クンも諦めてくれたようだ。

 

 呆れてみたり、驚いてみたり、警戒してみたり。本当、コロコロと表情の変わる人だと思う。言動もそうだが表情も正直過ぎて彼のいう事には一定の信用がおける。これから島で生活するにしても、彼は嘘なんか言わなそうだし、言ったとしてもすぐ見破れる自信がある。

 なにかがあっても彼だけは信用できる。そんな気がした。あとは、この気持ちが彼を見ての正直な気持ちであることを祈るばかりだ。変に先入観があるからそう思っているかもしれないし、長い付き合いになるなら確認ついでに仲良くなったっていいだろう。

 打算だらけの思惑だとしてもいい。いつか必ず後悔するとしてもいい。後悔なんて後からすればいい。今はただ楽しんでいたい。私だって、友達は欲しいと思うのだ。

 

「結構牧場は狭かったね」

「は? あれで狭いのか?」

「うん、こんな島にあるにしては小さい気がするよ。結局、牛しかいないし」

「ふーん、そういうもんか」

 

 日向クンの疑問も間違ってはいない。

 あの後、牧場を出てからも暫く柵に囲まれた草原はあったが、きっとアレは牧場ではないだろう。結局牧場の奥の方に足を踏み入れることはなかったし、みんなも奥にいくことを無意識に避けている節がある。いや奥に行くという行為を思い当たりもしない、と言ったほうがいいだろうか。

 なんにせよ、教室の扉を見たときに感じた 「行かなければならない」 義務感と似た現象だろう。ウサミ先生に言わせればそういう魔法がかかっているといったところだろうか。 「奥に行ってはいけない」 というルールが無意識下に溶け込み、島の探索を阻害しているように思う。

 

 だからあの牧場はそんなに広くないだろう。映画のセットよろしく奥に行けば壁にぶち当たるのではないだろうか。しかしそれを確かめることはしない。口に出すこともない。

だって、そんなことをしたら目をつけられてしまうじゃないか。私が覚えているかもしれないなんて疑われた日にはなにが起こるか分かったもんじゃない。

 

 

 安穏と過ごしていれば取り敢えず死ぬことはないのだから、この旅行は純粋に楽しみたい。

 

 

 さて、次の目的地にもうすぐ到着する。

 牧場を出てから丁度20分。

 

 自分の黒い腕時計を確認し、歩きながら白い表紙の手帳にメモを書いていく。

 砂浜から橋まで10分。橋から牧場まで10分。牧場からホテルまで20分。全て私の足で測った場合の時間なので、男子なら、或いは先程の終里さんならもっと短縮できるだろうけれど、時間配分の物差しくらいにはなるんじゃないかと思う。

 これに絵、或いは写真があればどこがどんな場所が把握するのも容易だ。どこかにいる小泉さんに写真をお願いするといいかもしれない。

 

「狛枝、なにやってるんだ?」

「ん? あぁ、砂浜から牧場までと、牧場からここまで来るのにかかった時間をメモしてるんだよ。修学旅行なんだし、みんなでどこかに集まるように言われたりするかもしれないからね。地図はあるけど時間は書いてなかったし、これがちょっとした物差しになったらいいなぁって」

 

 みんなが調査している場所を全部周るわけだし、私にできることはなにかをメモするぐらいなのだ。なんならメモ帳を使ってそれぞれにある物のリストを作ってもいいかもしれない。

 

「あぁ、なるほど。ってなに言ってんだよ! さっさと脱出手段を見つけて帰りたいってのに、そんなにのんびりしてる暇ないんじゃないか?」

「私ができる調査と言ったらメモしていくくらいしかないし、もしかしたらなにか役に立つかもしれないよ。やっておいて得はあっても損はないって。ま、ただ単にメモしておくのが習慣になってるだけってのもあるんだけどね」

 

 そこまで否定されると若干落ち込む。

 メモしたり、日記を書いたりするのは習慣になっているから今更止められないのだ。

 

「細かいことは後でも書けるだろ。ほら、入るぞ」

「そうだね」

 

 そこには大きなフェンスと門があった。

 隣から息を呑むような音がする。そこは、それくらい立派なホテルだった。

 

「こいつは、凄い立派なホテルだな」

 

 声を詰まらせながら感嘆したように日向クンがホテルの全容を見上げている。奥の大きな建物には「Hotel Mirai」と銘打たれ、その手前に25メートルプールのある中庭がある。

 大きなホテルの横には、小綺麗で整ったホテルとは違い、なにやら古めかしい木造の建物があるようだ。

 そして一番手前、即ち門からすぐの場所には浅い水上に建てられたコテージ群がある。全体的に茶色で纏められ、どことなくレトロなような、それでいて南国に相応しい様相をしたコテージの数を数えながらまたメモをする。

 

「〝 ホテル・ミライ 〟ね。日本語みたいだけれど、ここは日本国内なのかな? その割にはやけに南国チックだけど。沖縄にしては植物に見覚えのないものが多いし、普通に日本語から取った名称なのか悩むところだね。だけどまあ、人数分はちゃんとコテージがあるし、野宿の心配はなくなったんだしひとまず安心かな」

 

 寝袋生活は勘弁だからね。

 

「安心もなにもないだろ! この島で暮らさなきゃいけない理由も分からないのに。…… って言うか、なんで受け入れてんだよ! この島で暮らす気満々じゃないか!」

「ま、とりあえずここが拠点になるのは確かだろうから、その安全性を確かめる意味でも色々見て回ったほうがよさそうだよね。」

 

 会話のドッジボールになっている気がしないでもないが、まあいいだろう。

 

「それに、ここで暮らして仲良くするだけなら死ぬことなんてないだろうし……」

「……」

 

 暗く、小さな声で呟いた言葉は怪訝な表情で考え込んでいる彼には届かず、ひっそりと消えていった。

 

 

「コテージは男女別になってるみたいだね」

 

 入り口から見て左手に男子の、右手に女子のネームプレートが入ったコテージがあるようだ。

 

「って、あれ? 私のコテージがない?」

 

 そういえばそうだった。人数的にも女子が1人多くなってしまうからスペースがないのか。

 

「お前のコテージ、こっちみたいだぞ」

 

 日向クンが入り口からすぐ手前の左手側を指差しながらそう言っている。どうやら私のコテージは一つ分はみ出して男子側にあるようだ。

 このコテージの順番もメモしておこう。

 

 

 

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

 

 

「っと、ほら、プールサイドに人がいるよ。挨拶して来なよ」

「ってお前はどこ行くんだよ」

「あっちの女の子に少し頼むことがあるからちょっと行って来るよ」

 

 そう言ってプール越しに別行動。

 先ほど考えていた通り、小泉さんに各所の写真撮影をお願いしようと思ったのだ。そうして古びた館の前でなにやら調べている小泉さんに声をかける。

 

「〝 超高校級のマネージャー 〟弐大猫丸とは、ワシのことじゃあああああああ!!」

 

 プール越しに弐大クンの大声が聞こえる。小泉さんはそれにビクリと反応して、声をかける前に怪訝そうな顔で振り向いた。

 

「あ、アンタ…… えっと、凪ちゃんだっけ?」

「はろ、小泉さん。ちょっとお願いがあるんだけどいいかな?」

 

 大声を出す弐大クンを見て呆れた顔をしながら小泉さんが「お願い?」と復唱する。

 

「実はそれぞれの場所についてのメモをしてるんだけど、絵心はなくってさ。一人じゃ限界があるからそれぞれの場所の写真を撮ってもらえると助かるんだ。メモだけじゃどんなものがあったか分からないから……」

「ああ、それなら任せてよ! バッチリ写真撮っておくから」

「よろしくね。あ、あとあの人の自己紹介も聴いてあげてくれるかな?」

「あー、アイツって砂浜で蹲ってた人? 起きたんだ」

 

 情けないわねなんか言いながら二人でプールサイドまで近づいていく。その間にもあの古びた館はホテルの旧館であるらしいとか、赤やオレンジ色の可愛らしい花が咲いた花壇の写真を見せて貰ったりと和気藹々と話しつつ、大声で挨拶し続ける弐大と、それに合わせて応援部さながらに頑張っている日向クンに近づいていく。

 さすが男の子だからか、どちらも元気のいい大声だ。ビリビリと空気が振動していくぐらいの声に少し辟易としながら、小泉さんを連れて二人と合流する。

 

「そ、そんな連呼しなくても忘れないって!」

 

 バリトンボイスであそこまで大きな声を出されると、近くで和太鼓を叩いているような物凄い振動がお腹を叩くよね。

 あそこに日本一熱い男を投入したら背景に炎が見えそうなほど盛り上がりそうだけれど、それは想像だけに留めておく。

 

「ガッハッハッハ! 委細承知したぞぉ!!」

「や、日向クン盛り上がってるね。そこの弐大クンは〝 超高校級のマネージャー 〟って呼ばれてるんだって、凄いよね」

「超高校級のマネージャー? やる方じゃなくてマネージャーなのか? ただのマネージャーなのか?」

 

 暑苦しいと呟いた小泉さんの言葉は聴かなかったことにしていつものごとく解説を挟む。

 

「ただのではないね。彼は色んな学校を転々としながら、様々な運動部でマネージャーとして活躍してきたんだ。例えば、無名の不良高のラグビー部を全国大会で優勝させたり、廃部寸前だった野球部を救って、これまた全国大会優勝まで導いたりね。噂では、アメリカリーグで活躍中の日本人投手も彼にトレーニングを頼みに来るらしいとか?」

「ガーッハッハッハ!」

 

 流石弐大クン。照れ笑いも豪快だ。

 日向クンは複雑そうな顔でそれを見つめている。絶対この人自身が選手やればいいのにって思ってるよコレ。

 でも監督と同じで、ある程度そのスポーツができなくちゃ外国のマネージャーは務まらないから、きっと選手になっても凄いんじゃないかと思う。

 

「それに、女子に雑用を押し付けてマネージャーやらしているのは日本くらいだよ。マネージャーって言うのは雑用をする人じゃなくって、選手の体調管理とか選手が全力を出せるようにするのが仕事だからね」

 

 そう言ってから一歩下がる。

 弐大クンはどうやらもう一度砂浜に行くらしいのでそれを見送る。超高校級の体操選手である終里さんが気になるようだ。探しに行くらしい。

 

「さて、話は終わったよね? ほらほら、そこのアンタ。砂浜でぶっ倒れた人でしょ? 自己紹介まだだったんだから早く済ませちゃおうよ」

「あ、あぁ、そうだな」

 

 はきはきと喋る小泉さんに日向クンはたじたじだ。もしかして、日向クンって気の強い女の子に圧倒されちゃうような性分なのかな。先ほど弐大クンと話していたときとは違い、弱々しいそんな様子に小泉さんがムッとして捲し立てる。

 

「あのさぁ、男なんだからもっとしっかりしてよね。こういうときに女子を守るのが男子の役目でしょ? アンタが守られてどうすんのよ」

「う、そ、そうだな」

 

 チラとこちらを見る日向に頑張れという意味で手を振っておく。

 助けを求めるような目で見られても私はなにもできないよ。

 

「で、私の自己紹介でしょ? …… えーっと、私の名前は小泉真昼だよ。ま、これから色々よろしくね」

 

 自己紹介を手慣れたようにこなす彼女に目を白黒とさせながら日向クンの視線は胸元に。…… 胸元のカメラに向かっている。

 私のようにメモ帳を携帯していたら新聞部にも見えないこともないし、才能についての説明も一緒にしておく。

 

「小泉さんは〝 超高校級の写真家 〟って呼ばれる将来有望なカメラマンなんだよ。私は写真に詳しくないからあんまり分からないけど、色んな賞をたくさん受賞してる若手写真家なんだって。その中でも、特に人物写真が得意らしいね。さっきはそれぞれの場所の風景写真を撮って貰うようにお願いしたんだよ」

「どういうことだ?」

「私がメモを取ってるのは話したでしょ? 字だけじゃ分かりづらいし、私に絵心なんてないからね。小泉さんにそれぞれの場所の写真を撮って貰うようにお願いしたんだよ」

 

 もし私のメモが使われるとして、それを完成させるのに私だけで尽力したのと二人で完成させたのでは信憑性の違いが生まれる。

 特に超高校級の死神という不名誉なあだ名を知る人物にとって私は危険人物だ。そんな私が作成したリストなんて信憑性が薄い物。破り捨てられたっておかしくないし、一人で作ったんじゃ虚偽のリストだったとしても誰にも分からない。

 アリバイのない人がその日一日家にいたと証言しても証拠能力を持たないように、何かがあったとき私だけで作ったのでは証拠能力を持つことができない。

 どうせなら役に立つ物に仕上げたい。それが私の思いだ。この島には警戒心の強い人物も多くいるし、協力者がいればよっぽどのことがない限り否定されることもない。

 

 合理的な行動、合理的な言動。全て他人のためじゃない。私のための保身に成り得る行動ばかり。

 日向クンはどうして他人のためにこうして行動しているのかと疑問に思うだろうが、その実私は私が可愛いだけなのだ。自分が死なないためには人の役に立ち、利用価値があると思わせることが一番いい。こうした打算的な意図ばかりなのにある程度信用してくれている日向クンにちょっぴり罪悪感が募る。

 しかし私はこのやり方を変えることができない。自分のため以外に他人を思いやることなんてできない。言わないことがあるのに騙されたというのは、騙される方が悪いのだ。

他人が他人のために行動するとき、ソイツは自分のために行動しているのだ。

 

「で、そっちの自己紹介はまだ?」

 

 小泉さんの声で説明と一緒にトリップした思考が正常に戻る。靄のような黒い感情を奥に仕舞い込み、一時的に封印する。

 ちょっと考えると悪い風に考えてしまうあたり、私もかなりのネガティブだ。口に出して卑下はしないけれど、私も狛枝…… ということなのだろうか。

 

「俺は日向創だよ。えっと、こちらこそ、よろしくな」

「ふーん、日向くんね…… 残念だけど、もう私の中では 『頼りない日向くん』 でインプットされたから。これから取り返すの大変だよー。もっと男らしく頑張りなさいよねっ!」

 

 気の強い委員長タイプである彼女には、日向クンは情けない男に見えたらしい。

 

「ま、頑張れ」

「他人事すぎるだろ……」

 

 そしてホテルに入ろうとしたところで丁度入れ違いになるように誰かが出て来た。

 黒いスーツに低い身長。女子に黄色い声で称賛されそうなベビーフェイス。九頭龍クンだった。

 

「あ、おい!」

「んだ、テメーは。気安く話かけてんじゃねーぞ、ボケ。なんだ、そのツラぁ! 文句あんのかよ、テメー!」

 

 さっさと擦れ違おうとする九頭竜クンに日向クンが慌てて声をかけるが、いきなり彼は喧嘩腰で不機嫌そうに表情を歪めている。良い気分だったのが一瞬で霧散したようなその表情に慌てて私が仲裁に入った。

 

「お、落ち着いてよ、九頭龍クン。私たちは自己紹介に来ただけなんだからさ」

「あぁ? 自己紹介だ?」

 

 疑問気な表情。意外と彼も感情の起伏が分かりやすいな。いつも怒っているように見えるがあれはただ単に口が悪いだけだ。

 

「ほら、彼との自己紹介がまだだったでしょ?」

「フン、九頭龍冬彦だ。言っておくがテメーらと馴れ合う気はねぇからな」

 

 そう言ってイライラとしたようにその場で待ってくれている。

 日向クンは童顔のわりに態度が悪いとか思ってるな、これは。先に釘を刺しておかないと余計なことを言いそうだ。

 

「あのね、日向クン。九頭龍クンってね、あの九頭龍組の跡取りと目されている高校生なんだよ」

「えっ? 九頭龍組って、まさか!?」

 

 一般人でも知っているほど有名なグループだ。もう一つ、一般人にも有名なのと言ったら巨大な十神財閥だが、そこは後回しするとして。

 

「さすがに、名前くらいは聴いたことあるよね。構成員は軽く3万を超えるって言われてる国内最大の指定暴力団…… 九頭龍組だよ。つまり、彼は〝 超高校級の極道 〟なんだよ」

 

 極道相手にコンプレックスを指摘するのは自殺行為だ。だから私は小声であえて真正面を見つめながら親指と人差し指で銃を形作り、日向クンに忠告を送る。

 

「ちなみに、彼にとってアレはコンプレックスで禁句らしいから気を付けた方がいいよ。…… 指が何本あっても……」

 

 銃の形にした指で日向クンと私の頭同士を計り、身長の差の比喩を表しながら笑顔で「バーンッ」と言いながら日向クンの頭に突き合わせる。

 

「…… 命が幾つあっても足りないかもね?」

 

 目が合う。すぐさま逸らされる。

 

「…… 狛枝、きっとお前は俺の命の恩人だな」

 

 やっぱり思ってたんだ。そして言おうとしてたんだ。

 意外と日向クンも口が悪いというか、毒舌だよね。

 

「あははっ、感謝してくれてもいいんだよ?」

「…… やっぱりやめた」

「え、なんで!?」

「おい、コラ、終わったんならさっさとどっか行けや、ボケ」

 

 再び急かし始めた九頭龍クンに日向クンが簡単な自己紹介をして別れた。

 そして今度こそホテル内に入る。

 

 

 見たこともない観葉植物に古いゲーム機、くつろげる木のソファーに木のテーブル。受付には誰もおらず、カメラのモニターが静かに佇んでいるだけ。

 受付の前には辺古山さんが、ゲーム機の前には七海さんがいるようだ。七海さんは九頭龍クンが出て行ったことも、勿論私たちがホテル内に入ったことにも気が付いていない様子だ。

 少々古いが昔の大人気シューティングゲームが備え付けられているようで、それに夢中になって取り組んでいる。

 時折船を漕いでいるというのに、遠目で分かるほど高スコアを叩き出し続けているのは流石と言うべきか。

 

 周囲をゆっくり見渡して感嘆している様子の日向クンに笑いかけつつ感想を漏らす。

 

「うん、外観もそうだったけど、中も立派だよね。清潔感もあるし、ほら、上にレストランもあるみたいだよ」

「もし、これが普通の旅行だったら、俺もそんな風に笑顔になってたところだけどな…… て言うか、どうしてこのホテルには俺達以外に誰もいないんだ。」

「仕方ないよ。無人島だからね」

 

 まあ、その割には大衆向けのホテルがあったり、牧場があったり不思議だよね。

 これでトランプが広がってたり、グラスが出されてたり、調理室に温かい鍋なんかがあったらかの有名なメアリー・セレスト号みたいだと言えるんだけれども、現在進行形で自分たち新入生がいるからそういった寂びれた雰囲気はない。窓も大きいし、あるのはひたすら明るい解放感のみだ。

 

「あの、ちょっといいか?」

 

 早速日向クンも自己紹介に行っているし、まずはそれに従おう。

 

「何か用か?」

「いや、ちょっと自己紹介がしたいんだけど、いいかな?」

 

 日向クンは辺古山さんの鋭い刃物のような凛とした雰囲気にも物怖じせず、果敢に話に行っている。

 初対面だとその赤い目も相まってか怖がられてしまいそうな辺古山さんだけれど、誠実で優しい人だからすぐに打ち解けられるだろう。

 

「自己紹介か。分かった、構わないぞ」

「俺は日向創って言うんだ。よろしく」

「私の名前は辺古山(ぺこやま)ペコという。こちらこそ、よろしく頼むぞ」

 

 本当、ギャップのある名前だと思う。日向クンも初めて聞いたからか目に見えて驚いているようだ。

 

「この凛々しい彼女にはね、〝 超高校級の剣道家 〟と呼ばれる才能があるんだよ。辺古山ペコさん。可愛らしい名前からは想像もできないけど、大人の男性でも殆ど敵う人がいないほどの剣道の達人らしいね」

 

 段位もなくって、大会とかにもあまり出ていないらしいが、実力は確かなはずだ。公式大会なんかには出ないけれど知られている。そんな知る人ぞ知る剣道家が彼女だ。それ故に剣道に精通した人物でも知っていたりいなかったり、まちまちだ。ネットの掲示板に載っていないのもそういう要因が色々と絡まってのことだろう。

 

「砂浜ぶりだね、辺古山さん」

「ああ」

 

 単純なやりとりが心地良い。辺古山さんの距離の取り方はなんだか安心できていいよね。

 

「それにしても、なかなかいいところだよね、このホテル。人数分のコテージもあるみたいだし、修学旅行みたいでわくわくするよね!あ、修学旅行か」

「ふむ、あのウサギの言う通りになるとしたら、確かに私たちは同じ島で共同生活を行うことになるのだろうな」

 

 彼女の目線は日向クンに向けられている。てっきり私に向かって話していると思っていたのか、それに気づいた日向クンは間の抜けたような声を漏らしながらも返事をした。

 

「え? あぁ、うん、そうみたいだな」

「男女が共に暮らす為には互いの理解が必要不可欠だ。断じて良からぬ気を起こさぬようにな。私も、仲間を斬り捨てるような真似はしたくない」

 

 わざと竹刀袋に手をかけ、顔を険しくする辺古山さんに日向クンは慌てて手を左右に振りながら後ろに一歩下がった。完全に斬り捨てられると思っている顔だ。おっかなビックリ竹刀袋を見つめながら制止を意味するポーズで固まっている。

 

「き、斬り捨てるって、背中のそれは竹刀だよな?」

「ゆえに斬り捨てるのは不可能だが、打ち所が悪ければ無事では済まぬ。いや、打ち所が良ければ…… かな」

 

 私も頭かち割るのだったらできるよ。ま、冗談だけど。冗談にならない冗談だけど。

 

「まあ、日向クンなら大丈夫そうだよね。草食系、とは違うけど、臆病だから手を出す度胸なんて持ち合わせてないと思うよ?」

「そうか、なら安心できるな」

「おい、どういう意味だ!」

 

 訳知り顔で頷く辺古山さんにうんうんと頷いていると、不満顔の日向クンから文句が飛ぶ。

 笑顔でもう一度深く頷き、頭の上にぴょこんと手を当てウサギ耳を表す。

 

「そのまんまだけど? ね、ウサミ先生よりウサギっぽいんじゃない?」

 

 当然、奪われたメモ張で頭をはたかれた。

 

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

 

「ほら、日向クン。彼女との自己紹介もまだだったでしょ?」

「あ、あぁそうだな」

 

 平たいメモ帳だったからそんなに痛くはなかったが、精神的にはかなりキた。しかも電子生徒手帳から妙な快音が響いたので希望のカケラ二つ目ゲットである。解せぬ。

 

「あ、ちょっといいかな? 自己紹介させて欲しいんだけど」

「……」

 

 やはり七海さんはレトロゲームに夢中のようだ。本人は少々眠そうにしているのに手は淀みなく動いているのが凄い。待っていてもいいんだけれど、それだと日が暮れちゃいそうだからここは気づいてもらわないとね。

 

「おーい、七海さーん?」

 

 わざとらしく口元に手を当て、メガホンのようにして大きな声を出す。

 その声で視線をチラとだけ動かした彼女は私がいることに気が付いてくれたらしい。よかった。あの弐大クンの声でも起きなかった子だから気づかれないかと思ってたよ。

 

「あっ、ごめんね…… ちょっとゲームに夢中になってた…… かもしれない」

「待っててもずっと夢中になってそうだからね…… 途中でごめんね七海さん」

「ううん、大丈夫…… だと思う」

 

 ちょっとばかり不安を煽る語尾だ。さては七海さん、無意識のSっ子だな!?

 私がふざけて変なポーズをしている間に七海さんがゲーム機を見つめ、手を動かしたままに自己紹介を始める。

 

「えーっと、自己紹介だよね?うん、分かった…… 七海千秋です。〝 超高校級のゲーマー 〟でーす。趣味はゲームです。オールジャンルでイケまーす。…… よろしくお願いしまーす」

 

 と、七海さんは私のときと全く同じ自己紹介をしたのだ。

 もしかしたら自己紹介のときはこの文句を言おうと決めているのかもしれない。

 

「俺は日向創だ。よろしくな」

「……………… うん、よろしくね」

「なんか会話のテンポが悪いな」

 

 彼女の返事は酷くゆっくりとしている。それもひとえに手を動かし、ゲームをしながら話しているからである。

 しかし、ゲームをしながら見向きもせず淡々と喋る。ミスの一つもしていないのだから大した並列思考力である。それに比べれば多少反応が遅れるくらい些末なことだ。

 彼女、ウミガメのスープとかもゲームだしできないかな? 勘のいい彼女と遊べれば楽しそうだ。

 

「ゲームをやりながらだし、ちゃんと返事できるだけでも凄いと思うんだけど」

「て言うよりね………… 私って自分の中で喋ることをまとめてからでないと、ちゃんと喋れない性分なんだよね。頭の中でテキストが固まってからでないと、上手く話せないっていうか…… 特に初対面の人が相手だとそうなんだ。ま、慣れてくればもう少し早くなると思うけど」

 

 人見知りだったりすると初対面の人とは上手く喋れないし、そんな感じなんだろう。どんな会話をすれば楽しいか、どんなものが嫌いなのか、それが分からないとなかなか話題も決めづらいしね。

 

「ふぁ~あ、眠くなっちゃった」

 

 おっと、七海さんから鼻提灯とよだれが。そのままゲーム機の前で寝てしまいそうだったので一応、別れ際にティッシュを渡しておいた。使ってくれるといいのだが。いや、使う前に寝てしまうかもしれない。ま、いっか。

 

 

 二階に上がってすぐに見えたのはかなり広々とした空間に立ち並ぶテーブル群と、開放的な大きな窓だ。

 私の貧弱な語彙力ではどうしようもないが、海の家の雰囲気をそのままより高級に、豪華にしたような。超高級ホテルの様相をそのまま南国チックにしたような…… そんな雰囲気の場所だった。

 

「ここは、ホテルのレストランか」

 

 階段に上がってすぐに日向クンが言う。

 

「下にもそういう看板があったから間違いなさそうだね。いや、それにしても宴会でもできそうな広さだね。いいよね、こういう雰囲気。南国らしく解放感もあるし」

「解放感? 島に閉じ込められてるのにか?」

 

 クローズドサークルであることは変わらないけれど、こうも規模が大きいとそういう実感もあんまりないな。やっぱり太陽が見えて、安全が保障されてるからだろうか。

 

「でも建物の中にずっと軟禁されるよりはマシじゃないかな? 太陽が見えるのと見えないのとじゃ随分気持ち的にも違うよね」

「お前は暢気すぎるんだよ……」

 

 真剣に悩んでいる日向クンには悪いが、私はそんなに構えていてもどうにもならないと思っている。安全が保障されているうちに遊び倒しておかないと後悔するかもね。

 アリがキリギリスを羨ましがったみたいに、キリギリスがアリみたいにしていればと後悔したように、隣の芝は青いし、未来は常に暗中模索だ。今現在を気楽に過ごせれば一番いいのではないだろうか。

 これはあくまで私の考えでしかないから、押し付けるつもりは毛頭ないんだけどね。

 

「ま、いいや。先に皆との自己紹介を終わらせないとね。ほら、あそこに話をしてる二人がいるよ」

 

 そう言って指さした先から聞こえて来た言葉は、なかなか際どい言葉だった。

 

「そうなんです…… 毒で腫れて大変なのですよ。だから、お口で毒を吸い出してくれるとですね」

 

 凄い顔だ。コック帽とエプロンに似た制服を着た、小太りの男の子が金髪の美女相手になにやら鼻血でも垂らしそうな卑猥な顔で話しかけている。

 

「はぁ、毒…… ですか?」

 

 その会話にちょっと顔を曇らせた日向クンだったが、自己紹介に慣れてきたのか進んで話しかけに行ったので、私も便乗して二人に話しかける。

 

「な、なぁ、ちょっといいか?」

「こんにちは。ほら、二人ともこの人との自己紹介はしてないでしょ?」

 

 横から入ったためか男の子の方から 「うおっと、ジャマが入ったか」 という小声が聞こえたがスルー。

 

「どうも、こんにちは」

「こ、こんにちは。日向創です。よろしく。」

「やぁ、君はニューフェイスくんだね? ぼくの名前は花村(はなむら)輝々(てるてる)だよ。巷では〝 超高校級の料理人 〟なんて呼ばれてるけど、〝 超高校級のシェフ 〟と呼んで貰えるかな? その方がほら、アーバンな香りがするでしょ? ンフフ、よろしくねー」

 

 女の子が丁寧に挨拶をし、それに続いて、日向クン。そして花村クンが挨拶をする。

 アーバン。都会的な。分からなくて調べた昔が懐かしいね。

 

 彼、花村輝々の髪は癖っ毛のあるロカビリー風のリーゼントで、横方向に流すようにきっちりと揃えられている。頭には小さくちょこんとコック帽子が乗っている。

 料理人として髪を隠していないのはいかがなものかと多少思うところがあるが、超高校級と名の付く彼のことなのだから料理に髪の毛が混入することは億が一にもありえないことだろう。

 服装は赤色のコックタイを締めた料理人の服に、円の中に大きく「ヒ」の文字が入った赤いギャルソンエプロン。エプロンの端には彼が超一流の料理人である証の三ツ星バッジがついている。

 男子にしては高いテノール声が特徴的だ。

 

「あ、そういえば自己紹介がまだでしたね? 遅れてしまってすみません! わたくしは、ソニア・ネヴァーマインドと申します。〝 ノヴォセリック王国 〟というヨーロッパの小国から留学生としてやってきました。色々とご迷惑をおかけすると思いますが、今後ともよろしくお願い致します」

 

 今度は花村クンの正面にいた女の子が挨拶を返してくる。

 彼女は女子なら誰もが羨む陶器のような真っ白な肌をして、宝石のような、空か海の色をぎゅっと閉じ込めたような青い瞳。照明の下でなくとも光って見えそうな見事な金髪に黒い高級そうなリボン。制服のスカートも短すぎず、長すぎず丁度良い長さでいて気品すら感じる皺一つない服装……

 

「こ、こちらこそ、よろしくお願いします」

 

 日向クンが思わず畏まってしまうのも頷ける、金髪美少女だった。

 

「目を奪われちゃったかな? それも無理ないかもしれないね。ソニアさんは〝 超高校級の王女 〟と呼ばれる、本物の王女様だからね」

 

 本来ならば同じクラスってだけでも名誉だ。

 花村クンからの視線は華麗にスルーして日向クンの方へ逃げつつ彼女の話を訊く。ナチュラルに近くても彼女に見惚れている今の日向クンは邪険にしないだろう。

 あ、できればもう少し右に来て欲しいんだよね。そうすれば日向クンを盾に私は花村クンから見えなくなるからさ。身長? 日向クンの方が9㎝も大きいんだから大丈夫だよ。

 

「あの、不謹慎かもしれないですけど、実はわたくしは少々嬉しいのです」

「え? 嬉しいって、なにが?」

 

 今は日向クンの自己紹介タイムだから私が余計な口を挟むわけにもいかない。でもだからと言って花村クンからのセクハラ紛いな話題を楽しむのもちょっと嫌だ。猥談は男子は男子、女子は女子で嗜むのが一番だからね。

 

「わたくしは、自分の国では同年代で対等の友人なんて、一人もおりませんでしたから…… だから、こういう風にみなさんで集まって、何かをするということがとても新鮮で…… 褒めて遣わします」

「褒めて遣わし? あ、ありがとう」

 

 外国から来てこれだけ喋れるのも凄いけど、少し日本語に怪しいところがあるよね。この年で30ヶ国以上の言語が操れるというのも凄いが、それを考えるとやっぱり日本語って覚えるのに難易度が高いのかな。

 

「ちょいちょい、お三方さん。さっそくボクは仲間はずれコースかな?」

「いや、そういう訳じゃないけど」

 

 嫌な予感がするんだよね。前世の記憶的意味でも第六感的な意味でも。花村クンの話はあんまり訊いちゃいけない感じがする。精神的に大ダメージを受けそうだ。

 …… 猥談さえなければ喜んでお話しするんだけどねー。

 

「うーんと、そうだね、レストランを調べるなんて花村クンらしいよね。やっぱり超高校級のシェフとして気になったのかな?」

「ンフフ、気にならないと言ったら、ウソになるよね。そして、ぼくはウソつきになりたくないんだよ。だから正直に言っちゃうとね…… うん、なかなかに気に入ってるよね。ぼくのホームである港区のアーバンなムードもいいけどこういう田舎っぽい雰囲気も素敵だよね。ンフフフフフ!」

 

 鼻に抜けるような笑い方だけれどちっとも嫌味がない。でもどこか胡散臭い。うん、これが花村クンか。

 

「なぁ、花村ってさ……」

「洗練されてるって? まいったなー! やっぱりわかっちゃうかー!」

「いや、そうじゃなくって、全然不安そうじゃないよな?」

 

 トリップしかけた花村クンの言動を日向クンが引き留める。その表情はやはり曇ったままで、心中の不安を如実に表している。皆と話していても、なんだかんだで彼の不安は燻ぶったまま解消されてはいないのだ。

 だけれど、そんな日向クンにフフンと得意げに近づいた花村クンは爽やかな笑顔で言う。

 

「不安って? 何を不安になる必要があるの? むしろ嬉しいくらいなのにさ」

「嬉しいって、どうしてだよ」

 

 不貞腐れたような顔をする日向クンに、顔をグググイッと近づけた花村クンが真面目な顔をしたかと思うと、次の瞬間にはだらしなく表情を崩していた。

 

「真面目な話をするとね…… ぼくは意外に辺古山さんあたりのガードが薄いと睨んでいるんだよね。君はどう思う?」

「…… は?」

 

 ほわい?

 思考停止。それが今まさに日向クンに起きている現象だった。

 

「恐らく黒いティーバックだよ。その点についてはどう思う? さあ、膝を突き合わせて話し合おうじゃないか。さぁさぁさぁさぁさぁ!」

 

 私は遠い目をして外を眺める。あー、空が青い。空が青いというくらい自然にエロネタを混ぜて来るのは彼の通常運転かな?

 そして、呆れたような目をしてから日向クンが実に賢明な判断をした。

 

「いや、遠慮しておく」

 

 しかし構わず花村クンは続ける

 

「それ以外では、またもや意外に思われるかもしれないけど、案外そこのソニアさんもチョロイ気がしてるんだよね」

 

 いやいやいや、本人を目の前に何を言い出すんだこいつは。

 

「ほら、王女ってのは非常識って相場が決まってるでしょ?」

 

 そこは純真無垢って言ってあげなよ。それか天真爛漫。もしくは天衣無縫。

 

「たとえば、下半身が毒で腫れて大変だから、口で吸いだしてくれとお願いしてみたり」

 

 おまわりさんこいつです。

 

「…… あの、なんのお話ですか?」

「いやぁ、その話は後ほどじっくりと!」

「…… もし見かけたら全力で止めようね」

 

 日向クンもうんうん頷いている。良かった。日向クンはそっち側じゃなくて。

 女子が二人もいる場所でそういう話をするのは称賛に値するほど勇敢なことだけれど、それは蛮勇と言うのだよ花村クン。

 

「でもここだけの話。そこにいる狛枝さんはちょーっと手ごわそうだよね。小手先だけじゃ攻略はできなさそうだよ。でも彼女、意外にオレンジのハイレグ……」

「そこまでだよ!」

 

 なんでこいつ私の下着まで言い当てられるんだよ! しかも好きな色まで! 誰得だよ!

 スカートだから、鉄パイプ常備のためのホルダーを上の方に付けないといけないんだよ。ちゃんとメリットがあるから……って、なにを動揺してるんだ。

 まったく、頬が熱い。これじゃあ本当のことだってバレバレじゃないか! 落ち着け―私。落ち着け―。

 

 でも、一発くらい平手打ちしてもいいよね? いや、だめだ。花村クンのことだ。それすらもネタにしてなんか言ってきそうだ。例えば、平手打ちで左頬を叩くのは求婚の意味だとか。

 日本と大分常識の違いがあるソニアさんがいるとなんだか冗談にならなくなりそうだ。

 

「とにかく、そんな妄想を色々と繰り広げていると、この島の暮らしが楽しみで仕方ないんだよね。料理も恋も情熱が一番大事だからねー。ンフフフフ!」

 

 でも料理の腕は確かなんだよね。

 楽しみなのがちょっと悔しく感じるのは乙女心故にか。

 ああもう、この修学旅行に来てからは振り回され過ぎて私が私じゃないみたいだ。なんで、なんでこんなに振り回されてるのに嫌じゃないんだろう。昔の学友とでさえこんなに早く会話が弾むようにならなかったのに。

 慣れている、のか?なにに?分からない。

 

言いようのない不思議な心地を感じながら、私は日向クンと共にその場を後にした。

 

 

 

 




・マネージャー
 独自解釈というか、そういうものだったと記憶しております。マネージャーを侮辱しているわけではないのです。

・下着
 パンツハンター日向クンにパンツを渡す日は来るのか!?
正直友好の証にパンツ渡すってどういう心境で、どういう状況なんだろう。どうやって渡しているんだろう。疑問は尽きない。
 そして早くも希望のカケラ二つ目です。自己紹介で一つなら一緒に歩き回って、一杯会話してるのにもう一つゲットできない道理なんてありませんよね。

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