――『ヤマト』――
時空管理局側からはクロノ・ハラオウン、フェイト・
地球防衛軍からは嶋津 冴子、古代 進、真田 志郎、森 雪と桐生 美影が出席。
更にリアルタイム中継で、管理局のリンディとレティ、地球防衛軍の藤堂と土方がモニターに顔を見せていた。
まずそれぞれの世界の概要の資料が開示され、共に改めて衝撃を与えた。
地球側は、管理局がいうところの次元世界の存在と魔法が科学として成立しているという事実に。
管理局側は、惑星を滅ぼす星間戦争が起きている事と、超光速空間跳躍航法が広く実用化されている事に、だ。
故に、図らずも互いの交流は慎重に行わなければならないと考える。
地球防衛軍の上には地球連邦政府があるし、管理局の後ろには数多の管理世界政府があるから、すぐにどうのこうのという事はないのだが。
――管理局本局――
クロノ達と地球防衛軍側の話をモニターで見聞きしながら、リンディは一時跳ね上がった心拍数を戻すのに苦労していた。
リンディ自身は至って健康だが、レティからの呼び出しからこのかた、驚愕・驚嘆の連続だったからだ。
一番の驚愕事は、死んだと思っていた夫クライドが、あの時とほぼ同じ顔、同じ声で画面の向こうにいた事。
それは大いに喜ばしい事で、地球防衛軍もクライドの身柄を返してくれるという事も嬉しい事だが、リンディはそのまま21も歳を重ねたのに、クライドは25歳のままだという事実だけは納得できなかった。
“帰ってきたらとっちめてやる。子供みたいに泣きじゃくって困らせてやるんだから!”
――リンディはそういう乙女チックな妄想すら抱いていた。
リンディとレティがもう一つ驚いたのが、フェイトらを助けたという地球防衛軍の女性指揮官。
「‥‥よく似てるわね」
「髪や瞳の色はプレシアとそっくりだわ。
‥‥フェイトの、歳の離れた姉といっても通じそうね」
嶋津冴子という日本人女性士官だが、風貌は日本人離れしており、顔立ちは若き日のプレシア・テスタロッサとよく似ていた。
プレシアの妹、あるいはフェイトの姉といっても何ら不思議ではない。
戦闘でついたのか、鼻梁から右頬に走る裂傷痕が実に残念なのだが。
――と、そこに、地球防衛艦隊司令長官の土方という壮年の提督が発言した。
『偶然とはいえ、我々は魔法というものの存在を知るに至りました。
そちらの過去の対処を確認した限り、個人ならば身柄拘束または現地協力者として管理下に置いているようですが、では、我々地球連邦及び地球防衛軍への対処方針を伺いたい』