biohazard 惨劇の街の脱出   作:如月ユウ

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27話

トンネルから光がみえた。

どうやらラクーンシティから脱出できたようだ。

 

「朝になってたんだ…」

 

朝日の光が修司達を照らす。

 

「これで終わったんだな。」

 

トンネルを抜けてしばらくすると上空からヘリが近づいてくる。

 

「ヘリが近づいてくるわよ。」

 

「どうするレオン?」

 

「列車を停めておこう。もしかしたら救援かもしれない。」

 

列車を停めるとヘリは列車の近くに降下する。

ヘリから一人の男性が出てくる。

その男性は

 

「ジル、ボブ、シュウ!無事だったのか!」

 

「バリー!」

 

ジルの同僚であり二人の親友

バリー・バートンであった。

三人はバリーに近づく

 

「どうしてラクーンシティに来たの?」

 

「ジルが心配だったからな。お前なら生きていると信じてた。」

 

「言ってくれるじゃない。」

 

ジルはバリーの肩をたたく。

 

「ボブ」

 

「バリー」

 

二人は抱きついた。

 

「生きていたか。」

 

「当たり前だ。俺は簡単には死なない。骨は折れているがな。」

 

「大丈夫なのか。」

 

「これくらい屁じゃない。」

 

「そうか。」

 

「バリー」

 

「シュウ…」

 

ロバートと同じように抱きついた。

 

「よかった…生きてて。」

 

「バリーが選んでくれた銃のおかげで生きてこられた。」

 

「もし死んだらお前の両親になんて言えばいいのか。」

 

「大丈夫だってこうして生きてるんだから。」

 

「そうだな。」

 

三人は笑う。

バリーはレオン達を見る。

 

「こいつらは?」

 

「紹介するわ。彼は昨日から着任した新米警官のレオンよ。」

 

「レオンだ。よろしく。」

 

「着任当日に大変だったな。」

 

「そうだな。たった一日で失業者だしな。」

 

レオンとバリーは握手する。

 

「お嬢さんの名前は?」

 

「シェリー…」

 

「シェリーか。いい名前だ。あの街で頑張って生きたな。偉いぞ。」

 

「ううん、みんなが私を守ってくれたの。」

 

「そうか。」

 

シェリーの頭を撫でた。

 

「ねぇ兄さんを知らない?」

 

「君は?」

 

「クレア・レッドフィールド。兄のクリスを探しているの。」

 

「クリスなら俺達と一緒だ。今はヨーロッパにいる。」

 

「本当!?」

 

「あぁ」

 

「なら私を兄さんのとこへ連れてって!」

 

「しかし…」

 

「連れてっ行ったら?」

 

ジルは助け船をだす。

 

「もし断ったら彼女一人でクリスのとこへ行くわよ?

なら一緒に連れて行けば彼女を監視できるわ。」

 

「そうだな…わかった乗れ。」

 

「ありがとう。」

 

バリーはジルの考えに賛同しクレアをヘリに乗せる。

 

「他、一緒に行く人は?」

 

ジルはクレアを除き、残りの人達に聞く。

 

「いや、俺は行かない。」

 

レオンは行かないようだ。

 

「悪いが俺も行かない。骨が折れているしな。それにあの街で起きたことをもう一度体験するのはこりごりだ。」

 

ロバートも行かないらしい。

クレアはシェリーに聞く。

 

「シェリーは私と一緒に行く?」

 

「ううん、行かない。」

 

シェリーは首をふる。

もし行っても足手まといだと思ったのだろう。

 

「修司、あとは貴方だけよ。」

 

「俺は…」

 

どちらかと別れなければならない。

 

クレア達と一緒にアンブレラ崩壊しに行くか

 

このままここへ残り保護してもらうか

 

修司の決めた選択は

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺もここに残ります。」

 

修司はヘリに乗らず保護してもらうことにした。

もうラクーンシティで起きたあの出来事を体験したくない。

 

「そう、わかったわ。」

 

ジルは何も言わずヘリに乗る。

シェリーはクレアのところへ行く。

 

「クレアまた会える?」

 

「えぇもちろん。みんなの言うことをよく聞くのよ。」

 

「うん…」

 

「それとねシェリー…お母さんのことなんだけど…」

 

クレアはシェリーにアネットの想いを話した。

シェリーは泣きだす。

 

「うそ…だって…ママはいつも…研究のことで…」

 

「シェリーのワクチンはお母さんがつくったのよ。」

 

「うそ…そんなの…うそよ…」

 

シェリーが泣き止むまでクレアは抱き締める。

他の人達はただ見守るしか出来なかった。

シェリーは泣き疲れて修司におんぶされる。

ジルとクレアを乗せたバリーのヘリは上空へ上がりヨーロッパへ向かった。

残った修司達は列車に乗り

シェリーを寝かせる。

 

「修司、あとは俺達に任せて休んでろ。」

 

「だけど」

 

「もうあの街から脱出したんだ大丈夫だ。」

 

「ならボブ休んでよ。骨折れてるし」

 

「軽く動くぐらいなら大丈夫だ。

それに何も出来なかったんだからこれぐらい仕事をさせてくれ。」

 

「わかった…少し休むよ。」

 

修司は運転席から離れると列車は動きだす。

修司は列車の揺れを感じたまま外を見つめる。

何もなかった日常がたった一日で街がゾンビの巣になってしまった。

ラクーンシティというアンブレラの巣窟

 

惨劇の街を脱出した

 

「これからどうすればいいんだろう…」

 

何もなければこのまま日本に帰って高校生活に戻る。

そして両親は二度海外に出してくれないだろう。

思考がどんどん鈍くなる。

 

「もう疲れた…」

 

ラクーンシティから脱出して安心すると急に疲れが出て来た

肉体的にも精神的にも限界を超えている

この日ほど疲れることはおそらくないだろう。

 

「休もう…」

 

ラクーンシティの出来事を記録したビテオカメラの電源を切り

眠りに着いた。




次回最終回

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